医学科入試がしんどいのは、数値面で私大医学科の倍率が数十倍であったり、国公立大医学科のセンタ-入試や共通テストの総得点ボーダ―ラインが9割前後と驚異的に高いことであったりするためだが、そんなことは周知の事実で、だれでも知っている。
本当のしんどさは、受験生個々の心の内面に根ざす問題にあり、本人はそれを自覚しつつも、何とかごまかして滑り込んでやろうと目論んでいるが、そうはさせてくれないところにある。
その根本問題とは、医学科入試では「不得意科目を得意科目にしない限り、何年浪人しても受からない」という現実だ。
受験生ならだれでも、不得意科目が必ずある。
現役で医学科に合格する生徒は、高校3年間のどこかで不得意科目を大逆転して、得意科目にしている。
新星では中学高校の6年間を指導しているので、早い生徒では中学時代にこの大逆転を達成している。
高1から入塾してくる生徒でも高2までには、見事にひっくり返している。
女子の場合は数学物理が苦手で、最初のうちは全く他の生徒に追いつかないので、べそをかきながら数学問題と格闘している生徒もいる。
それが、次第に頭角を現し、静高学年で数学は2番という成績を取るようにまでなる。
男子では英語や国語が苦手な生徒が多い。
何度もブログに書いているが、英語は理系入試全体でも最大の得点源なので、これが苦手ではまず医学科合格は無理だ。
国語も配点が200点と高いために、昔から「センタ―入試の国語が最後の鬼門」と言われてきた。
国語は入試科目全体のカギを握る科目である。
まず英文読解は「単語の意味や構文分析」が出来ても、肝心の意味を日本語で正確に理解出来ないと、マーク式選択問題で正しい選択肢を選べない。
数学では「共通テスト問題」の問題文がやたらと長いので、問題の趣旨を正しくつかめない。
共通テスト数学問題には、「日本文の選択肢」が含まれるので、問題文の意味が解らなければお手上げだ。
化学や物理でも、長い問題文に情報が隠されていて「問題文からヒントを掘り起こす」作業が必須となる。
この「問題文の掘り起こし」が出来ないと、落とし穴=出題者のワナにはまりやすい。
数学も国語も苦手を得意に変えるためには「学習履歴をさかのぼって、一からやり直さないと埒が明かない。」
数学は小学校低学年の加減乗除計算と、中学1年2年の文字式の計算に不得意の原因があることが多い。
そこまでさかのぼって、自分で特訓するしかない。
国語はかなり厄介だ。
読解力のあるなしは、文章を書かせると一発で判る。
論理的な思考は、論理的な文を組み立てることで成立するが、論理的な文を書けないので、自分も論理的な思考が出来ない上に、他人が書いた文章も論理的に把握できない。
つまり脳内に論理的思考の回路が設定されていない。
論理的な思考と言っても単純な因果関係や、起承転結だが、それさえも組み立てられないのだ。
学習障害の多くは、この脳内回路の欠如によると見ている。
論理思考の訓練として、文章を書いて添削してもらうのが効果的だ。
もっと簡単な方法として、自分の意見を即興で言わせるのも、優れた訓練法だ。
もうお気付きだと思うが、この訓練法は「小学校の日常授業」のなかで頻繁に繰り返される。
この「言葉=文字」で瞬時に意味の繋がる、筋の通った内容を話したり書いたりする訓練を、十代前半に繰り返すことが論理的思考の基盤となっている。