中2重要 鉄は国家なり 「もののけ姫」とたたら製鉄
2025年8月30日 13:30
昨日、ちょうどTVでアニメ「もののけ姫」を放送していた。
以前のブログ「鉄は国家なり」で酸化鉄の酸化還元で黒さび=磁鉄鉱について書いたときに、宮崎アニメで出てくると紹介したのはこのことである。
もののけ姫に登場する「たたら製鉄」こそ、日本古来の砂鉄=磁鉄鉱を使った製鉄法だ。
「エボシ御前」が率いる共同体が作るのは「玉はがね」と呼ばれる上質な鋼材で、日本刀の鍛造に不可欠な材料だ。
だが、彼女が製造してるのは射程距離が長い火縄銃で、時代的には室町時代も後半、安土桃山時代にかかっている。
高品質の玉はがねを使って、最先端の鉄砲を開発製造するという「ベンチャ-スピリット」に富んだ女性経営者だ。
江戸時代まで続いた「たたら製鉄」も明治維新とともに衰退した。
赤鉄鉱と石炭を使った近代的な溶鉱炉の導入で、粗鋼の大量生産時代に突入したためだ。
まさしく「鉄は国家なり」時代の幕開けだ。
八幡製鉄所で大量生産される粗鋼の主な使い道は、戦艦、大砲などの兵器である。
たたら製鉄も近代的製鉄業も、第一の目的は武器兵器の生産である。
製鉄業は戦後も日本の最重要産業であったが、中国の製鉄業の急成長で世界市場を近年奪われる状態が続いた。
日本以上に中国に圧倒されたのがアメリカで、かつては世界最大の製鉄会社だったUSスチ-ルも日本製鉄の子会社として買収された。
面白いことに日本製鉄がアメリカで生産するのは、中国の汎用的な粗鋼ではなく、ハイテク技術を駆使した高品質鋼だ。
使用目的は自動車の車体用と言われているが、当然、兵器産業の造船業や航空機、戦車、迫撃砲などにも使われるはずだ。
高品質の鋼鉄はいつの時代でも「富国強兵」の基盤となっている。