地理学習者が統計資料を見て疑問に思う事は、ベネズエラは石油の埋蔵量が世界1位でサウジアラビアよりも多いのに、産出量が圧倒的に少なく世界18位にとどまっている事だ。
これが「地理学は地政学に影響される」例の典型だ。
ベネズエラはアメリカの敵国で、現在アメリカが直接に戦闘している唯一の国だ。
特にトランプ政権はべネズエラからの「麻薬や覚せい剤の輸送船」をピンポイントでミサイル攻撃している。
当然、アメリカの友好国には「ベネズエラから石油は買うな!!」と圧力を掛けているので、買うのは中国とロシアだけだ。
トランプ大統領は膨大な石油利権を手に入れるために、本気でベネズエラ侵攻を画策している。
軍事力には圧倒的な差があるため、米軍に3日で制圧されるとされている。
おまけにベネズエラは酷いハイパ-インフレで、国民の多くが国外に脱出している。
トランプがその気になれば、一気に占領国家に出来る状態だ。
地下資源をめぐってもう一つの注目点はレアメタルをめぐる米中の争いだ。
レアメタル資源は中国がほぼ独占状態にあるので、アメリカとの関税交渉でカードに使っている。
共通テストに出た問題では、ロシアの小麦生産量と輸出量の急拡大だ。
2021年にロシアは小麦の輸出量世界1位に躍り出た。
生産量も2022年には10年前から倍増させている。
これぞ地政学のなせる結果だ。
プ-チン大統領は天然ガスと小麦をEUに大量に供給して、エネルギ-と食料の両面でEUを影響下に置こうと考えたのだ。
ロシアの小麦輸出量はウクライナ侵攻後の2022年には1位から5位に後退している。
ちなみに入試問題には、中国の統計資料はほぼ出題されない。
中国国家統計局が発表する数字は嘘だらけであることは常識だからだ。
何しろ経済統計の集大成であるGDP=国内総生産の成長率がマイナスなのに、堂々と+5%程度と発表している。
その元となる全ての統計数字をごまかさないと、整合性が取れない。
注意したいのは、数字を使わない入試問題には中国問題は出る。
「一帯一路」はしっかりと最近出題された。
これぞ地政学テーマの典型例だ。
中国の「一帯一路」戦略の一路とは海上ル-トのことで、貿易航路とその拠点を占有する意図がある。
さらに海底ケ-ブルルートも中国が独占しようとたくらんでいる。
現在の国際通信は人工衛星よりも海底ケーブルが主体になっている。
遥かに大容量で通信状態も安定しているからだ。
アジア全域とヨ―ロッパ&アフリカを繋ぐ「物流と情報通信の流れを独占」しようとする中国の野望を見落としてはならない。