今年の中3生は、例年以上に社会科オンチが多いので、学調対策や入試対策に社会科の勉強が欠かせない。
歴史や地理に比べて公民が難しいのは、授業でも言ったように「大人の世界の話」であり中学生が全く未経験の「大人の社会の制度」の仕組みだからだ。
特に法律が絡むと、まず中学生には全くピンとこない。
さて学調対策資料読解論述問題では「戦後の政党は、分裂や統合を頻繁に繰り返しているが、これはなぜか述べよ」という問題で止まっている。
そもそも中学の公民教科書では「政党とは何か」を厳密に定義していない。
政党とは議院内閣制では「国政選挙で立候補者を擁立し、当選した国会議員が国会で多数議席を占め、政治権力を掌握することを目指す私的集団」のことだ。
大統領制の国もあるが、国会は必ずあるので当てはまる。
従って、選挙で当選する事と、政治権力を握ることが最大の目標となる。
特に個々の候補者、国会議員にとって自分が当選することが最優先事項となるので、当選するために文字通り「出来ることは何でもやる。」
そのため金で票を買う買収事件が頻繁に起こり、反社会的な組織、特に悪質な宗教団体にも支援を依頼する。
自分が選挙で当選するためにはどの政党に属するのが有利かを考えるので、次から次と政党を移っていく。
ただ渡り歩くだけではなく、自分で仲間を募って政党をつくる。
だから次から次と政党が出来る。
政治権力を握るためには、衆議院で過半数を占めればいいので、政党どうしが合流して新しい政党をつくる。
だが、政党内で派閥という集団が出来て、抗争を繰り返すと最後は、分裂してまた新しい政党をつくる。
「私的集団」であるために、自分達の思い込みや欲望や利益を最優先する。
自分達の「思い込みや欲望」を政治理念という言葉で飾って、公約として公表するが「公約を守る義務は一切ない」ので、民主党政権のように「掲げた公約の全てが一つも実行されなかった内閣」も出てくる。
政党政治の本当の怖さは「ただの私的集団に過ぎない政党が、国家という巨大組織を合法的に乗取ってしまうこと」だ。
私的集団の党首が首相となり、彼や彼女の主張を国家の目標と掲げて、推し進める。
国家という巨大組織は、必ず警察という合法的な暴力組織を持っているので、逆らえば「暴力的に排除される」
アドルフ.ヒトラ-は「社会主義と労働者の福祉」を掲げたナチス党という政党の党首から、国政選挙で第1党となり総統という独裁者に上り詰めた。
その道筋は、全て法律の正しい手続きに則り(のっとり)、国民の選挙によって選ばれた「権力の正当性」に裏付けられたものだったのだ。
ロシアのプーチン大統領も、選挙という同じ道筋をたどって独裁者になった。
だからこそ、選挙でどの政党を選ぶのかが大事だ。
下手をすると、自分で自分の命を落とす決定を下すことにもなる。
今、動員されてウクライナに殺されに行くロシア人は「自分が選んだ大統領」に殺されるのである。