附属中は伝統的に「高校受験の学力指導」はやらないという方針でやってきた。
そのかわり、受験校の選択は本人と家庭の意思を尊重してまかせるが、結果は自己責任とするのが鉄則であった。
なんら受験対策の授業をやらなくても、個々の生徒が勝手に勉強したので受験の実績は長年変わらず、静岡市で圧倒的なナンバ-ワンであった。
静高もそろそろこの方針に切り替えるのかと予想させる変化があった。
組織的な受験勉強体制から離脱して、校内学力テストの成績と受験校選択の紐づけを放棄したのだ。
各学年の最後にやる学力テストの個人デ-タと受験校とその合否結果を今年から一切公開しなくなった。
3年間の累積データとして解りづらい表にはしてあるが、これは全く役に立たない。
1年に4回行う学力も2回は夏休み明けと冬休み明けの確認テストで、宿題をやらせるための形式的なものだ。
この休み明けのテストは、高2高3からは軽く見られていて、課題指定のテキストもスル―されることが多かった。
そこで学力テストという名前を夏休み明けだけ付けていたが、冬休み明けも学力テストにしてしまった。
学年最後の学力テストが形骸化して、資料として提供する意味がなくなってしまっていた。
生徒達も河合塾や駿台の模試を個々人で選択して受けるのが普通になり、特に共通テスト対策模試がネットから自宅受験できるようになり、受験校選択の資料には全く不自由しなっている。
この辺が潮時と見て、受験体制から完全に手を引いてもよい時期だ。
だからと言って、大学受験の実績が落ちるかと言えば、むしろ向上する可能性すらある。
学力テストの期間は個々人の受験勉強をストップしなければならない。
年4回の学力テストが無くなれば、生徒も学校もそして塾も時間的な余裕が生まれる。
かつて東大合格者全国1位を誇った都立日比谷高校は、全ての校内テストが年に2回しかなかった。
あとは駿台予備校におまかせだったが、何の支障もなかった。
日比谷高校は教師も各自で好き勝手な授業をしていた。
今の公立高校は、指導要領や県庁の指示に縛られて窮屈だ。
ますます公立高校教師のなり手が無くなる。
それも考えて、生徒に完全なフリ―ハンドを与えたほうが良い。
折しも、今年から大学全入時代に入り、大学名にこだわらなければ、誰でもどこかの私立大学には入学できる。
今後、大学も大学入試も大きく変化する。
その変化の方向を見据えて体制を変革しないと、静高は「茹でガエルの悪夢」に陥る。