東大入試合格者数と高校入試の関係
2022年12月31日 22:35
ある年度、東大入試合格者の全国上位100位以内から、静岡県の高校が一斉に姿を消したことがあった。
2000年の入試で、静高、浜北、清水東がそろって東大合格者の100位以内から滑り落ちた。
このベスト3校が全て上位100位から脱落するのは、1949年に新制東京大学の入試が始まって以来、初めての事態であった。
私の頭の中には過去40年間の静岡県公立高校入試の数学問題が全て入っているが、2000年度の大学受験生が、高校入試を受けた時の入試問題には大きな特徴があった。
数学の問題が大幅に簡単になり、特に空間図形、2次関数、円の証明の3大重要単元が、極端にレベルが落ちた幼稚な問題になった。
この前後の3,4年間は特に低調な出題が続いた。
この結果、この数年間は数学が苦手な生徒が、静高、浜北、清水東に大量に入学した。
初めから数学が苦手な生徒が、高校3年間で数学を得意にするのは困難だ。
開成高や灘高でさえ高度な入試問題で選抜した地頭の良い生徒を、6年がかりで数学エリ-トに養成しているのだ。
さすがに静岡県教育委員会も慌てて、公立高校数学入試問題の出題方針を大転換して、一気に難易度をアップさせた。
そのかいあって、2年後の2002年には浜北が100位以内に復帰し、さらに4年後の2004年には、静高もやっと返り咲くこととなった。
だが、2007年には再び全滅の憂き目にあうこととなる。
1968年に東大合格者1位が、都立日比谷高校から私立灘高校に入れ替わってから、高校入試問題は中高一貫校で、高度な思考力や迅速な処理力を要求する問題を出題してきた。
中学1年生の選抜の段階で、静岡県とは雲泥の差がついている。
その間、都立高校や神奈川県公立高校では、学校群制度を撤廃して、高校別に入試問題を作成し、日比谷高校を筆頭に東大合格者を増やし続けている。
都立日比谷高校では、東大合格者がゼロ名にまで落ちてからの復活である。
今や日比谷高校の独自数学問題は、静岡県の中学生では、ほとんど正解を出せない。
静岡県も、一度は廃止した高校別の入試問題作成に復帰すべきである。
それをやらないと、静高も東大合格者ゼロの時代がやってくる。
東大ゼロの次は京大ゼロ、旧帝大ゼロ、国立医学科ゼロがあっという間に迫ってくる。
静岡県の人口が逓減しているのは、ここにいたら、わが子の大学進学は不安で仕方ないという保護者の恐怖感があることは確かだ。
たかが東大合格者と言っていられない問題である。