ロミオとジュリエット 英語字幕に驚く
2023年1月4日 20:42
女優のオリビア.ハッセ―が映画「ロミオとジュリエット」の撮影で、当時の監督から児童虐待を受けたとして映画会社を訴えた。
損害賠償額として、ロミオ役だった俳優と共同で、500億円以上を請求している。
アメリカの裁判は、普通にこれくらいは請求する。
数あるロミジュリ映画の中でも、2人とも原作の年齢に近い10代半ばだったので、世界中の若者に受け入れられてヒットした。
成功の要因の1つは、間違いなくジュリエット役のオリビア.ハッセ―の美しさだった。
当時15歳だった彼女はその美貌だけが取り柄のように思われたが、今見てもその演技は一流で、原作のヒロインの一途な恋心を上手く表現している。
特に有名なバルコニ―のシーンはロミジュリ映画の中でも群を抜いて素晴らしい。
この映画を英語の字幕で見ると、驚くことがある。
字幕英語のセリフに、シェイクスピア時代の古語英語がかなり多く含まれている。
シェイククスピアの作品は、ほとんど現代英語で書き換えられていて、現代人が読めない古語英語のままでは、出版はされていない。
あるとしてもそれは研究者用で、一般読者用ではない。
にもかかわらず字幕は、とことどころ読みとれない英語古語で書かれている。
特に人称代名詞が古語なので読み取りにくく、聞き取りはいっそう難しい。
初めて観た人がセリフの英語が聞き取れない部分があるのは当然だ。
1968年の公開当時は気が付きもしなかった。
脇の役者の演技も一流だ。ロミオの友人で、ジュリエットのいとこに殺されるマキュ―シオのセリフには、シェイクスピア自身の心情が大きく反映されている。
マキュ-シオの死に際のセリフA plague o' both houses.「キャピュレット家(ジュリエット側)もモンタギュ-家(ロミオ側)も、どちらもくたばってしまえ!」は、自分とは無関係な両家の争いに巻き込まれて死んでいく皮肉を呪っている言葉だ。
このセリフは原作では3回繰り返されていて、このばかげた家族間の争いの無意味さを強調している。
ジュリエットの乳母のセリフにもシェイクピアのユーモアがたっぷりと込められている。
英語字幕にはこのような「掘り出し物」が含まれることがあるので、英語字幕読みは止められない。
ところで、有名な「バルコニ―のシーン」にはよく見ると、ジュリエットの隠された策謀が読み取れる。
ロミオは、見事にジュリエットの策謀にはまっている。
原作では13歳のジュリエットは実は、単なる大貴族の純真無垢なお嬢様ではなかったことがわかる。
シュエクスピア恐るべし!!
これは「ベニスの商人」でも登場する女性たちのしたたかさにも、よく現れている。
この件はまた次の機会に。