受験英語を教える立場として、細かく集める情報の1つは出題元の原典つまり、新聞、雑誌、書籍である。
最高レベルの新聞、雑誌の出題元はほぼ決まっているが、書籍は多様で追跡しずらい。
今回の夏季講習で使った中では、浜医の17番問題の原典にはびっくりした。
何とMIT Press マサチュ―セッツ工科大学出版会だ。
世界最高峰の理系大学の出版部が発行したもので、専門の研究者向け書籍だ。
日本では東大出版会が有名で、一般向け書籍も多いためベストセラ-もいくつかある。
ベストセラ―になるだけあって内容は、難しくはなく読みやすい。
だが、MIT出版のこの本は一般向けではない。
出てくる単語はかなり専門的で、原則として、語注はめったに着けない浜医医学科英語問題でも、これだけはかなりの数の語注が着けられている。
その中で新星生が知っている単語は、seizure発作だけだろう。
単語も高度だが、内容も抽象性が高い。
「意識とは何ぞや」というテーマで、医学界でも、生物学界でも、哲学や文学の世界でも議論続出の永遠の課題だ。
勿論、その定義など定まっていない。
一般読者向けの書籍としては、かの養老先生が触れているものがある。
その中で「直感として、生命の持つ意識は細胞レベルに起源があるのではないかと考えている。」と述べている。
直感的に「細胞の構造と機能」に謎を解く鍵がある、と言っているのだ。
だが、本人は「もう自分は年だから、その解明は後進にゆだねる。」らしい。
英文を完全に和訳できたとしても、日本文の内容を理解するのはかなり困難だ。
このハイレベルの英文を、記述問題として出題する可能性があるのは、京都大学くらいだ。
問は「..............の部分は何を言っているのか日本語で説明せよ。」の連続だろう。
浜医の出題者は、志が高いというか、無茶ぶりがはなはだしいと言うか、東京や関西の超進学校の受験生を意志していると言うか、静岡県の公立高校生の英語読解力を全く考慮していないと言うか、...............
浜医の医学生には、世界を意識した高い野心をもってほしい、というメッセ-ジと理解している。