電解質の学習で、そもそも食塩という安定した結晶が、いとも簡単に水に溶けてイオンになる理由を、教科書では説明していない。
イオン結合は、静電気の力で結びついた強力な結合だ。
そのおかげで食塩の塊である岩塩は、何万年という年月を変質ぜずに地中で眠り続ける。
それが水に入れるとあっという間に、溶けて分解してしまう。
それは昨日説明したように、水の分子はもともと微小な電気を持ち、4分子や3分子が1セットになって、ナトリウムイオンと塩化物イオンの静電気によるイオン結合を、引きはがしにかかるからだ。
こうした水分子に取り囲まれた状態のイオンを「水和イオン」と呼ぶ。
そのために食塩の結晶になるためには、周りを取り囲む水の分子が蒸発することが、条件となる。
だが、話がややこしくなるのは、ナトリウムイオンと塩化物イオンは自分を取り囲む水分子の拘束を振りほどいて、「水和イオン状態」から離脱し、再度結合してしまうことがある。
このために、食塩は水温をどんどん上げても、解ける質量が変化しない。
食塩だけが、溶解度曲線で水平状態になるのは、このせいだ。
食塩はイオンになったり、また食塩にもどったりという現象を示す。
これも教科書では説明されていない。