全国模試の中では駿台東大模試がダントツで難易度が高い。
その「駿台 第2回(11月)東大入試実戦模試」の生徒個票を見て驚いた。
数学の大問6題中、大問4の「場合の数によって定まる数列」で、その静高生徒の偏差値が115と出ている。
この大問4の全国平均点は、配点20点に対して1.6点(1コンマ6)点だ。16点ではない。
これは東大理系を受験予定の7326名のほぼ全員が、ゼロ点に近いことを意味する。
偏差値115を取った生徒は大問4の配点20点の内、満点の20点なのでこの高い偏差値になっている。
まず考えられるのが、模試問題としての妥当性だ。
東大受験生のほぼ全員がゼロ点の問題は、明らかに模試問題にはふさわしくない。
だが、本番の東大数学入試問題の中にも、このような極端な難問が頻繁に登場する。
大学入試問題全般の適性を審査する公的機関が無いために、東大の暴走を許しているのだ。
特に数学は高校数学の枠を完全に超えた「大学でしか学ばない数学」からも、しばしば出題されるので、東大生協書店に自由に出入りできる近場の進学校は圧倒的に有利だ。
次に考えられるのが、この難問に正解した特異な受験生は合格できるのかという疑問だ。
彼だけを抜き出して合格にするような配慮は、東大は絶対にしない。
あくまで、全科目の総合点で機械的に合格者を決める。
突出した能力を持つ生徒は「推薦入試」へ応募することになっている。
しかし「推薦入試」の応募者は通常授業の枠を超えた学問的な課外活動で、顕著な業績を挙げた者だけだ。
平凡な高校生活を送る圧倒的な数の高校生には、ハードルが高い。
機会均等の見地からすれば、全員が受ける一般入試の中からでも、突出した逸材を選択して合格させる別枠があってもいいのではないだろうか。