外国の医学部に留学することへのメリットデメリットについて、質問があったので私見ながら解答します。
メリット
①海外大学の医学科に入学することは比較的簡単で、正規の手続きさえとれば、ほとんど入学が可能だ。
ただし、授業は全て英語で行なわれるため英語力のチェックが行われ、英語力が不十分と見なされると医学科入学の予備段階として予備課程へ編入される事になる。
②費用は思ったよりもかなり安くすみ、留学する国にもよるが、ハンガリ-の複数の国立大では授業料も含めて年間300万円前後のため、日本国内の私大医学科よりもかなり費用が抑えられる。
③その国の医師国家試験に受かれば、EU加盟国の利点として、EU内では医師として勤務できる。
デメリット
①最大のデメリットは日本で勤務する場合は日本の「医師国家試験」に合格しなければならない事だ。
日本国内の国公立大学医学科および私立大学医学科の「医師国家試験」の合格率は極めて高く、大部分は90%以上で、ごく一部の私大医学部でも80%以上は確保している。
それに対して医学部留学が一番多いハンガリ―の複数の国立大医学科では、日本人留学生が日本の医師国家試験に合格する率は50%である。
日本国内の医学科生よりも大幅に低い合格率だ。
これは日本の国公立医学科、私大医学科が公私に渡り手厚い国家試験対策を講じているおかげである。
在籍者の国家試験合格は医学科にとっては「最重要事項」であるため、各種の講座や特別授業を実施することに加えて、先輩やOBによる支援も活発である。
さらに重要なのは同期生の間の連帯感が強く、受験対策の自発的勉強会や情報交換会も日常的に行われている。
おまけに国家試験に受からなくとも、既卒者として受験する場合でも面倒を見てもらえる。
②海外医学科留学は、はっきり言ってしまうといわゆる「裏ル-ト」である。
日本国内では学力的に医学科合格がとうてい不可能な生徒が利用するやり方だ。
その事実は日本の医学科に入学した医学生には周知のことであり、国内で勤務する上で周囲の医師からはそれなりの対応がなされるのは避けられない。
③医学生の就活は圧倒的に学生有利ではあるが、それでも人気の高い就職先は限定されていて、インタ-ン活動等で示した能力や意欲がものを言う。
相手先の医師との人間関係も重要で「気に入られる」事も大事だ。
その点で「就職したい病院」に接触する頻度は圧倒的に国内医学生のほうが高い。
いまから裏ル-トの利用をあれこれ考えるよりも、まずは高校内での成績を確保してから「指定校推薦」を獲得して「共通テスト高得点」によって一発現役合格するのが結局は確率が最も高い。