高校入試の社会科公民問題 公表された解答が根本的に間違っていて解説に苦労する問題
2025年1月18日 22:36
公立高校の入試問題は原則的にどの都道府県も模範解答を公表する。
数学などは、模範解答の数値に間違いがあることは、ゼロではないが、ほとんどない。
ところが社会科の問題、特に公民の問題は公表された解答が根本的に間違っている場合がかなりある。
これは出題者自身がその本質を理解していないために起こる能力不足が原因だ。
その典型例が「所得税の税率を、所得ランク別に示しておいて」
「所得税の累進課税制度が公平であると言えるのはなぜか述べよ。」という問題だ。
最近、FO県とIW県で出題されている。
模範解答は「所得税は所得が多くなるほど高い税率が適応される点で公平である。」とされているが、これは累進課税の仕組みについて説明しているだけであって「累進性」がなぜ公平な税の仕組みなのか、全く説明していない。
考えられる解答は
①高所得者の税率を極端に高くすることによって、可処分所得=使う事の出来る金額を出来るだけ低く抑え、低所得者との間に消費生活において格差が生じないように配慮している。
②高所得者になるほど、所得の多くを使いきらないので、現金として手元に残す額が多くなる。
その現金を、金融商品や不動産などで運用して不労所得が増えていく。
すると益々、低所得者との経済格差がひろまり不公平になるから,それを事前に防ぐよう配慮している。
この2つは、理屈としては正しいが、明らかに国民の財産権の侵害にあたるので憲法違反だ。
つまり累進課税制度を「税負担の公平性」という点から論ずるのが間違いなのである。
累進課税は、税負担の公平性を目的として導入されたものではない。
そもそも累進課税制度は
「所得や資産が多い人間は社会的に大きな力を持つので、政府や権力者にとって都合の悪い存在となる。権力者や支配層の存在を脅かす存在となるので、出来るだけその芽を早いうちに摘み取っておこうという、きわめて政治的な目的から導入された。」という歴足的な経緯がある。
それを知らずにノーテンキな出題をされので、大いに迷惑する。