化学が理科入試の最重要科目である理由と、地理が社会科入試の最重要科目である理由には共通点がある。
化学は物理と生物と重複する分野が多い。
気体と熱化学は物理そのものだし、天然高分子は生物由来の有機物だ。
地理では、世界史の現代史は全て地理の対象であり、政治経済の政治4章以降の内容と経済全章も地理の出題範囲だ。
入試科目としての地理は、高校で学ぶ社会科を包括する科目ゆえに、高校社会のチャンピオンと言える。
さらに、最近台頭してきた「地経学」と呼ばれる分野とも類似点が多い。
地政学は良く知られた言葉、学問分野だが、地経学はまだよく知られていない。
地政学は「軍事、防衛上の地理学」で国家の安全保障を政治と軍事の両面から考察する。
地経学は「経済も含めた地政学」と言える学問で、経済分野での安全保障を目指している。
今年の共通テスト地理に出題された「中国の一帯一路政策」は、まさに中国の地経学上の戦略である。
米中の軍事政治上での対立が深まるにつれて、近年、アメリカ市場での中国製品締め出しの機運が高まってきた。
反目しあったオバマ政権とトランプ政権も、対中国では「中国敵視」という点で、見事に共通してる。
そこで中国はアメリカ市場に代わって「ユーラシア大陸全体」を中国の市場とすべく、陸路と海路の両面から拠点都市を展開していった。
アメリカと中国という2大超大国の間に挟まれた日本は、地政学のみならず地経学上の綱渡りを迫られている。
入試科目の地理は生物と同様に、流行や時流の話題に敏感な科目だ。
メデイアの話題にも注意を払って受験勉強を進めよう。
トランプ大統領は地理の入試問題にも影響を与える迷惑なヤツだ。
貿易収支と資本収支の統計にはよく目を通しておこう。