農業も漁業も後継者不足に悩む産業形態だ。
特に農業は営農家つまりお百姓さんが急速に減少している。
これは「親元就農者」と呼ばれる「実家の農業を継ぐ人」が激減しているためだ。
2023年では43000人で、前年より約2割近く減少している。
実家の親の実体を知っているからこそ、継ぎたくないと思うのである。
彼らの営農形態の内で多くを占めるのが「米づくり農家」である。
年収は100万円台で、米づくりだけでは赤字のためサラリ-マン農家、兼業農家がほとんどだ。
サラリ-マンをするなら大都会の方が給与がはるかによいので、地元を捨てて出ていく。
その結果が離農と耕作放棄地の拡大だ。
これは新規就農者に「親元就農者」を含める政府の政策が根本的に間違っているためで、非農家家庭からの就農を全面的に促進しなければ改善しない。
農家は儲からないというのは誤解で、サラリ-マンよりも高収入の農家は多い。
その典型が近郊農家で、野菜や花き中心の農家だ。
野菜や花きは短期で収穫できるので日銭稼ぎが出来ることのメリットが大きい。
米づくりは年に1回しか収入が得られないのとは大違いである。
漁業でも同じ構造である。
育てる漁業である養殖業は、稚魚から育てて出荷するまでに数か月かかる。
米と同じく日銭稼ぎが出来ない。
漁業者にとっても鮮魚市場にとってもメリットがあるのは定置網漁である。
定置網漁業では、数日間隔で水揚げがあり、鮮魚を市場に素早く供給して即時現金化できる。
途中の流通ルートを省いて、スーパ-や「鮮魚がウリの居酒屋チェ-ン」と契約を結んでいる定置網もある。
多くの漁港では定置網は企業化されていて漁業者はサラリ-マンとして月給をもらっている。
漁業権がない個人が漁業をやろうとしても、入り込めないが定置網の会社に就職すれば、すぐに海に出られる。
農業もずぶの素人が農家を始めるのは障壁が多いが、企業形態化した営農会社に就職すれば、すぐに農地に出て土に触れられる。
取るべき道は見えているので、あとは政府と自治体の支援策次第である。