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第14回 三菱マテリアル・早大理工学術院 産学連携セミナー 「環境調和的なサステナブル社会を目指した材料技術」11/19 オンライン開催

著者: contributor
2021年11月3日 14:48

主催:三菱マテリアル-早大理工学術院産学連携協議会、早稲田大学理工学術院
共催:早稲田大学各務記念材料技術研究所

テーマ 「環境調和的なサステナブル社会を目指した材料技術」

2008年に三菱マテリアル株式会社と産学連携に係る包括協定を締結して以来、その活動の一環として、毎年ホットなテーマで連携セミナーを開催して参りました。14年目を迎えた本年度は、「環境調和的なサステナブル社会を目指した材料技術」をテーマとして以下の通り開催いたします。

1.日時

2021年11月19日 (金)  14:00~16:10

2.会場

オンライン開催(Zoomウェビナー)

3.プログラム

時間 講座題目等 講師等(敬称略)
14:00-14:05 開会挨拶 早稲田大学 理工学術院
連携協議会 早稲田側メンバー
教授 山﨑 淳司
14:05-14:45 「グリーンイノベーションとサステイナブル社会を実現しうる触媒材料と反応の現状と今後」 早稲田大学 理工学術院
先進理工学部 応用化学科
教授 関根 泰
14:45-15:25 「日本で実現されるカーボンニュートラル社会を推測する」 東京大学
名誉教授 安井 至
15:25-16:05 「微生物による貴金属回収・高機能化」 三菱マテリアル株式会社
中央研究所 鈴木 峻平
16:05-16:10 閉会挨拶 三菱マテリアル株式会社
中央研究所長 林部 豊

4.対象

本学学生・教職員、三菱マテリアル株式会社関係者、一般

5.定員

250名程度

6.参加費・申込手続き

参加費は無料です。
以下の申込みフォームよりお申込みください。

申込みフォーム

7.お問い合わせ

早稲田大学理工学術院 三菱マテリアル‐早大理工学術院産学連携協議会事務局
(材料技術研究所 担当: 三浦・榎本・菊池)

〒169-0051 東京都新宿区西早稲田2-8-26
TEL 03-3203-4782
E-mail: mmcjimu_at_list.waseda.jp  (※ _at_ は @ に置き換えてください。)

8.申込み締切

2021年11月19日(金)12:00

2021年度 材研オープンセミナー 「次世代スマートフォン向けの圧電材料および弾性波デバイスの進展」 12/8 オンライン開催

著者: contributor
2021年11月3日 13:57

2021年度 早稲田大学各務記念材料技術研究所 オープンセミナー

主催:早稲田大学 各務記念材料技術研究所
協賛学会:日本音響学会、日本材料学会、石油学会、日本分光学会、粉体粉末冶金協会、日本鋳造工学会、日本表面真空学会、腐食防食学会、日本鉄鋼協会、電気化学会、軽金属学会、日本セラミックス協会、表面技術協会、電力技術懇談会、早稲田電気工学会、早稲田物理会、早稲田材料工学会(順不同)

テーマ 「次世代スマートフォン向けの圧電材料および弾性波デバイスの進展」
近年、MEMS(微小電気機械システム)の中でも、超高周波域のRF-MEMSは、5Gスマートフォンに多数搭載されていることから、急速な市場拡大を見せています。RF-MEMSのほとんどは弾性波を用いた圧電材料により構成されており、新しい窒化物強誘電体材料や単結晶薄片化貼り付け技術、エピタキシャル薄膜など、最先端の材料技術が次々と事業化、スマートフォンに搭載されています。本セミナーでは、新進気鋭の若手研究者を中心にお招きし、次世代スマートフォン向けの圧電材料および弾性波デバイスについて、ご講演頂きます。

1.日時

2021年12月8日(水) 13:00~17:00

2.開催方法

オンライン開催(Zoom ウェビナー利用)

3.プログラム

※主催者側敬称略

時間 講座題目等 講師等
13:00-13:05 所長挨拶 勝藤 拓郎(早稲田大学理工学術院 教授・各務記念材料技術研究所 所長)
13:05-13:10 開会挨拶 柳谷 隆彦(早稲田大学理工学術院 准教授・オープンセミナー実行委員会 委員長)
13:10-13:50 「移動体通信を支えるSAWデバイスとその要素技術」 中川 亮 氏(村田製作所)
13:50-14:30 「バルク弾性波(BAW)フィルタ向けの窒化物圧電薄膜の開発」 高柳 真司 先生(同志社大学)
14:30-14:50 休憩
14:50-15:30 「次世代情報通信端末向け高周波数弾性表面波(SAW)フィルタの開発」 鈴木 雅視 先生(山梨大学)
15:30-16:10 「圧電MEMSのための高性能圧電薄膜の開発」 吉田 慎哉 先生(東北大学)
16:10-16:50 「マイクロデバイスとしての原子周波数標準
-光・圧電・集積回路-」
原 基揚 氏(情報通信研究機構)
16:50-17:00 閉会挨拶 川田 宏之(早稲田大学理工学術院 教授・オープンセミナー実行委員会 副委員長)

4.対象

本学学生、教職員、一般(学外の方のご参加も歓迎いたします。) / 参加費:無料

定員:250名(予定)

5.申込手続き

以下のフォームからお申込みください。申込期間は12月8日12:00までです。
(ただし、定員を超えた場合はその時点で受付終了とさせていただきます。)

お申し込みフォームはこちら

6.お問い合わせ

早稲田大学各務記念材料技術研究所 オープンセミナー係(担当: 後藤・菊池)

〒169-0051 東京都新宿区西早稲田2-8-26
TEL 03-3203-4782 FAX 03-5286-3771
E-mail: zaikenjimu_at_list.waseda.jp  (※ _at_ は @ に置き換えてください。)

「建築の詩的な叙事」(2021/12/16)

著者: staff
2021年10月28日 14:07

演題:建築の詩的な叙事

 

日時:2021年12月16日(木)16:30-18:00

 

会場:Zoomによるオンライン講演会

 

講師:王 欣 (中国美術学院 准教授、雑誌『烏有園』編集長)

 

対象:学部生・大学院生、教職員、学外者、一般の方

 

参加方法:参加ご希望の方は開催時刻になりましたら下記URLより入室して下さい。

https://zoom.us/j/98486838632?pwd=U0UybEsrWGFFWEptaDFOempDS09QUT09

 

主催:創造理工学部 建築学科

 

問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課

 

TEL:03-5286-3000

公開講演会「吸着技術の理解と応用」全3回(2021/11/15, 22, 29)

著者: staff
2021年10月21日 16:50

演題:吸着技術の理解と応用

 

日時:

第1回  2021年11月15日(月)10:40-12:10

第2回  2021年11月22日(月)10:40-12:10

第3回      2021年11月29日(月)10:40-12:10

 

会場:Zoomによるオンライン講演会(後日URLをお送りいたします)

 

講師:望月 和博

(工学博士 合同会社リトカ研究者工房 社長/代表社員)

 

対象:学部生、大学院生、教職員、一般の方

 

参加方法:参加無料、事前申込制

 

事前申込先:https://forms.gle/texMP7uxGLwLr7t69

上記URL入力フォームにて、「メールアドレス」「氏名」「所属」「講演会参加の目的」「参加回」「学籍番号(早稲田大学学生のみ)」を入力してお申し込み下さい。

 

申込締切:2021年11月10日(水)15:00

 

主催:創造理工学部 環境資源工学科

 

問合せ:[email protected]

 

「数学で知る健康と健康予報」(2021/10/28)

著者: staff
2021年10月6日 13:47

演題:数学で知る健康と健康予報

 

日時:2021年10月28日(木)16:30-18:00

 

会場:Zoomによるオンライン講演会

 

講師:中岡 慎治

(北海道大学先端生命科学研究院准教授)

 

対象:学部生、大学院生、教職員、学外者、一般の方

 

参加方法:参加無料、事前申込制

 

事前申込先:[email protected]

「お名前」「所属」「メールアドレス」「講演会参加の目的」を明記下さい。

早稲田大学の学生の場合は、学籍番号もご記入ください。

申し込みいただいた方に、zoomアドレスをお送りします。

 

主催:先進理工学部 生命医科学科

 

問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課

 

TEL:03-5286-3000

【訓練】緊急時の大学からの連絡方法の確認について/ 【Training】To reassure the contact method from the University

 大学から休講等の緊急連絡を行う場合は、「一斉メール」および「緊急用お知らせサイト」等で通知します。実際の緊急時には、一斉メール、緊急用お知らせサイトの内容は同一です。


現在、緊急通知訓練を行っています。

2021年10月6日(水) 12:30 ~ 10月13日(水) 12:30(予定)

(1)このブログをPCやスマートフォン等の「ブックマーク」へ登録してください。

(2)このブログの「2019/11/12記事:安否確認フォーム」から、「災害時安否確認フォーム」へアクセスし、安否確認情報の報告およびブックマークへの登録を行ってください。

■緊急時の通知方法 

緊急時に大学から通知する内容は、以下の方法で確認してください。

 1.緊急用お知らせサイト

 2.MyWaseda内のお知らせ

 3.Wasedaメール

緊急時は以下にも情報を配信します。

 4.早稲田大学公式Webサイト https://www.waseda.jp/

 5.早稲田大学公式Twitter https://twitter.com/waseda_univ

 6.早稲田大学公式Facebook  https://www.facebook.com/WasedaU

緊急用お知らせサイトや災害時安否確認フォームへは次の場所からもアクセスできます。

 ・MyWasedaログイン前 画面左下 https://my.waseda.jp/

 ・MyWasedaログイン後 左上サービスメニュー内(スマートフォン)

 ・MyWasedaログイン後 ホーム画面右(PC)


In the event of university-wide class cancellation/university closure, the University will notify students, faculty, and staff through a mass email as well as by posting information on the Emergency Bulletin Website (the content of an actual emergency notification email and bulletin will be identical).

We are currently conducting an emergency notification practice exercise.

 12:30 PM October 6 (Wed) - 12:30 PM October 13 (Wed), 2021 (tentative)

1) Bookmark this blog on your PC or Smartphone.

2) Following this, access the “Safety Report Form” from the link posted in the 11/12/2019 post entitled 「災害時安否報告フォームSafety Report Form」to report your safety status and bookmark the website.   

■Receiving university announcements in an emergency

 In the event of an emergency, Waseda will make emergency announcements through the following platforms:

  1) Emergency Bulletin Website

  2) “Announcements” on MyWaseda 

  3) Waseda email system

 The University will also post information to the following websites:

  4)  Waseda’s website: http://www.waseda.jp/

  5)  Waseda’s official Twitter: https://twitter.com/waseda_univ

  6)  Waseda’s official Facebook: https://www.facebook.com/WasedaU

You can also access the Emergency Bulletin Website and the Safety Report Form in the locations below:

 ・Before MyWaseda login screen (bottom left)   https://my.waseda.jp/

 ・After logging into MyWaseda (upper left) service menu (smartphone) 

 ・After logging into MyWaseda (right on home screen on PC)

ERATO採択 元素固有の色を可視化

著者: contributor
2021年10月5日 09:31

令和3年度 戦略的創造研究推進事業ERATOに採択

元素固有の色を可視化し、宇宙と医療をつなぐ新しい架け橋 「ラインX線ガンマ線イメージング」を提案

発表のポイント

  • 元素固有の色を可視化する革新手法「放射化イメージング法」を提案
  • 宇宙から人体まで、あらゆる物質の動態を同じ技術で可視化

(1) 宇宙観測では、小型衛星で未踏の先端科学を開拓
(2)医学では薬物動態を迅速に可視化する新しいツールを開拓

2021年10月1日、早稲田大学理工学術院の 片岡 淳(かたおかじゅん)教授を研究総括とし、大阪大学大学院医学系研究科の 加藤 弘樹(かとうひろき)准教授ならびに東京工業大学理学院の 谷津 陽一(やつよういち)准教授をグループリーダーとする提案が、科学技術振興機構(JST)による令和3年度戦略的創造研究推進事業 総括実施型研究(Exploratory Research for Advanced Technology、以下ERATO)(*1)研究領域「ラインX線ガンマ線イメージング」として採択されました。
研究総括は数キログラムから数トンクラスの様々な衛星開発に参加し、高エネルギー宇宙物理学を牽引してきました。人工衛星は重量、大きさ、電力が著しく制約された環境で、最高性能が求められます。同様に、医療では体に負担が少なく高精度な技術が求められ、両者の技術やアイデアを用いることで大きな相乗効果が期待されます。特に、がんの粒子線治療中に人体で起きる反応の多くは宇宙でも同様に起きており、基礎となる現象や物理にも多くの共通点があります。本提案では宇宙観測で培った高度な可視化技術を共通基盤とし、宇宙・医学・薬学分野への新たな展開を目指します。図1に研究領域の概観を示します。

図1: 本ERATOプロジェクトで進める研究の全体像

1.研究の背景

宇宙空間には、宇宙線とよばれる謎多き粒子が満ちています。特に、100MeV(メガ電子ボルト)以下の宇宙線は生命の源であるイオン分子の生成や加熱、星の進化に重要な鍵となると考えられますが、直接観測することができません。一方で、これら宇宙線が星間物質と起こす様々な反応により、元素特有のエネルギーをもつX線やガンマ線のスペクトル輝線(ラインX線ガンマ線 *2)が生じます。これらを可視化することで、宇宙における物質の分布や流れ、さらには星内部の元素合成や超新星爆発など、一見静かな宇宙の「激動の歴史」を探ることができます。しかしながら、とくにガンマ線は数MeVという高いエネルギーをもつため観測が難しく、1990年代に打ち上げられた米国のコンプトン宇宙ガンマ線衛星(CGRO衛星)を最後に、30年来にわたり観測が行われていません。
一方で、これらの宇宙で起きる反応を、身近な医療に応用することは可能です。たとえば宇宙線が星間物質と衝突するように、薬剤や被写体に陽子や中性子線をぶつけると薬剤特有のラインX線ガンマ線が生じます。これを用いて、体内の薬物動態や粒子線治療中に細胞周辺で起こる様々な反応を、同じように可視化できるはずです(図2)。つまり、宇宙で起きる反応と、医療の可視化に必要な反応は共通の物理に根ざしています。ここで鍵となるのが、ラインX線ガンマ線を用いた放射化イメージングですが、微量分析技術の前例はあるものの、直接的に「動態を見る」可視化技術は未だ確立されていませんでした。

図2: 宇宙における放射化(左)と放射化分析(右)

2.今回のプロジェクトで実現しようとすること

本領域では元素固有のラインX線ガンマ線を可視化する独自の技術 ― ハイブリッド・コンプトンカメラ(*3)―を用いて「放射化イメージング法」を確立し、それを共通基盤として宇宙分野、医学・薬学分野に展開します。具体的には「放射化」で元素固有のX線ガンマ線を誘発し、宇宙から人体まで、あらゆる物質(たとえば宇宙空間を漂う物質、人体の薬剤等)の動態を統一的にイメージングし、それを通して宇宙分野、医学・薬学分野に、共通な物理で新しい枠組みを構築します。宇宙分野では、数十kgの小型衛星を基盤としたボトムアップ戦略で未踏の先端科学、たとえば宇宙や大気中での元素の流れや元素合成といった、核ガンマ線宇宙物理学の開拓に挑みます。医学・薬学分野では、放射性特性を有さない通常の薬剤を投与前もしくは投与後にごく微量放射化し、その動態をX線ガンマ線で可視化できる革新手法を実証します。さらに、宇宙分野で培われた「光子計数イメージング法」を高速化し、X線やガンマ線の診断技術に応用し、薬剤ごとの同定が可能なスペクトラル多色CTによる超低被ばくX線動態イメージング技術を開拓します。

3.このプロジェクトで期待される波及効果

近年、世界各国では小型衛星の開発が活発に行われ、数十兆円レベルの巨大ビジネスへと発展しています。一方で、その限られた重量やサイズは科学観測には不向きとされ、多くは通信用途や工学的な技術実証のみに用いられています。しかしながら、小型衛星は安価で打ち上げ機会も多く、コストパフォーマンスが圧倒的に良いのも事実です。搭載センサーの性能を究極まで高めれば、一点突破型の優れた科学観測ができるはずです。実際、海外ではわずか10 kgの衛星が、X線による宇宙観測で素晴らしい成果を上げつつあります。本研究では大学主導で数十kgの小型衛星を実際に開発し、前人未踏のMeVガンマ線宇宙観測へ向けた突破口を拓きます。上記の通り、MeVガンマ線は宇宙における物質動態、爆発現象を探る最適な波長帯ツールです。本プロジェクトを通じて小型衛星の全く新しい利用法、つまり「一点突破型」先端宇宙科学観測を提案します。
最後に、本プロジェクトは準安定状態の元素が出す「色」情報を独自装置で可視化し、元素の全く新しい可能性を切り拓く新しい試みです。本年度の文部科学省・戦略目標「元素戦略を基軸とした未踏の多元素・複合・準安定物質探査空間の開拓」達成に大きく資するものと期待されます。さらに、放射化という新しい概念は上記の戦略目標ですら触れられておらず、この枠組みをも大きく凌駕し、元素戦略の新しい可能性を追求する革新的テーマとなっています。本プロジェクトの推進には、理学・工学・薬学・医学・情報全ての研究者が一堂に集い、統合的に研究を進めることが必須で、分野横断型の新しいフレームワークを構築するものです。本プロジェクトにより、新しい薬物動態可視化システムの構築、さらにはナノ粒子を用いた新しい粒子線治療の開拓など、既存の治療や診断を塗り替える新たな医療価値を見出します。さらに、画像診断システムについては、研究機関の他に材料・計測メーカーの協力を得て、材料やセンサーの開発、システム評価を産学連携で進め、国内産業の活性化に貢献していきます。

4.各機関の役割

(1)早稲田大学(Head Quarter)
本研究提案全体を推進。多色スペクトラルCTグループを統括

(2)大阪大学
放射化イメージングや核医学治療、多核種粒子線治療の提案と実証
核医学治療・粒子線治療グループを統括

(3)東京工業大学
科学観測を目的とした小型衛星開発を推進。宇宙・大気科学グループを統括

(4) 金沢大学
スペクトラル多色CTシステムの開発と実証

(5)帝京大学
機械学習を用いた医療画像の鮮鋭化

(6)岡山大学
核医学・粒子線治療用薬剤および多色CT造影剤の開発

(7)量研機構
重粒子線を基盤とした新規放射線治療の提案と評価、細胞実験

(8)理化学研究所
中性子イメージング、大気(雷)ガンマ線イメージングの推進

5.研究総括(代表者)のコメント

現代物理学の宿命は「高エネルギー・フロンティア」の開拓であり、実践的で患者さんと向き合う医療とは全く関係がない ― 実は、私自身も10年前までは同じ考えを持っていました。しかしながら、日本人の半数が一生のうちに罹患するといわれる、がんの高度な粒子線治療を行うには体内で起こる電離や核反応など、高度な物理の理解が必要です。逆に、医療に必要な装置を作るのには臨床現場のニーズを正しく理解することが必要で、理学や工学の研究者が想像だけで装置を作っても意味がありません。さらに、新しい治療や診断には新規薬剤の開発がつきもので、薬学や生物の専門知識も必要となります。多くの学問では、本来一つの目標に向かっているにもかかわらず分野間の風通しが悪く、学問の進展を遅らせてしまう場面が多々あると危惧しています。そのような中、本ERATOプロジェクトはラインX線ガンマ線イメージングをキーワードに、同じ目標に向かって理・工・医・薬をつなぐ「糊」の役割を果たすことが期待されます。そして、本ERATOプロジェクトの圧倒的な強みは、それぞれの分野で世界トップを走る若手研究者を一堂に集め、情報や技術をよどみなく共有できる点です。そして、実際に研究を進めるうえでは博士課程の学生に限らず、修士・学部の学生も積極的に採用し、フレッシュなアイデアとパワーで新しい学問を拓くことが狙いです。ある分野では「できない」ことが、他の分野では「当たり前にできる」経験は、研究者なら誰でも経験することです。登山に様々なルートがあるように、研究の道筋も一つではありません。本ERATOプロジェクトを契機に、日本の学問全体が活発化し、分野連携の架け橋になることを強く願っています。

6.用語解説

*1  戦略的創造研究推進事業 総括実施型研究(ERATO: Exploratory Research for Advanced Technology)
科学技術振興機構による公募プロジェクトの一つで、1981年に発足した創造科学技術推進事業を前身とするプログラムです。規模の大きな研究費をもとに既存の研究分野を超えた分野融合や新しいアプローチによって挑戦的な基礎研究を推進することで、今後の科学技術イノベーションの創出を先導する新しい科学技術の潮流の形成を促進し、戦略目標の達成に資することを目的としています。

*2  ラインX線ガンマ線
元素に固有なエネルギーをもち、鋭いピークを有するX線またはガンマ線の総称です。励起した原子から発生するラインX線は特性X線、原子核から生ずるガンマ線は核ガンマ線と呼ばれます。本領域では、この鋭いピークに着目したイメージング法を開発し、宇宙分野、医学・薬学分野に展開します。一例として、金属ナノ粒子である金(AuNP)を放射化し、そこで生ずるガンマ線(412keV)をイメージングした結果を示します。

図3: AuNP薬剤の放射化イメージングの例

*3  ハイブリッド・コンプトンカメラ
コンプトンカメラは、X線・ガンマ線が粒子として振舞う性質(コンプトン散乱)を利用し、その運動学を解くことで到来方向をイメージングする装置です。詳しくは応用物理学会誌「応用物理」2019年11月号 「ガンマ線イメージングがつなぐ医療と宇宙~超小型コンプトンカメラの挑戦~」(片岡 淳) をご覧ください。ハイブリッド・コンプトンカメラはこれを発展したもので、数十keV(キロ電子ボルト)から数MeVまでのX線、ガンマ線を一台のカメラで同時に可視化することが可能です。詳細は以下のリリースをご覧ください。

X線ガンマ線の同時可視化を可能に

7. 研究助成

研究費名:戦略的創造研究推進事業(ERATO: Exploratory Research for Advanced Technology)
研究課題名:「ラインX線ガンマ線イメージング」 (R3年度~R8年度)
研究総括名(所属機関名):片岡淳(早稲田大学 理工学術院 先進理工学研究科 教授)
機構報 第1526号:戦略的創造研究推進事業における令和3年度新規研究総括および研究領域の決定について (jst.go.jp)

8.参画メンバー

・早稲田大学理工学術院 先進理工学研究科
片岡 淳 教授

・大阪大学大学院医学系研究科
加藤 弘樹 准教授、西尾 禎治 教授

・大阪大学放射線科学基盤機構
豊嶋 厚史 特任教授

・東京工業大学 理学院
谷津 陽一 准教授

・東京工業大学 工学院
松永 三郎 教授

・金沢大学理工学域 数物科学類
有元 誠 助教

・金沢大学 医薬保健研究域 保健学系
川嶋 広貴 助教、小林 聡 教授

・岡山大学大学院 医歯薬学総合科研究科 薬学系
上田 真史 教授

・量研機構 量子生命・医学部門 量子医科学研究所 重粒子線治療研究部
平山 亮一 主任研究員

・量研機構 量子生命・医学部門 量子医科学研究所 物理工学部
稲庭 拓 グループリーダー

・帝京大学大学院 医療技術学研究科
古徳 純一 教授

・理化学研究所 開拓研究本部
榎戸 輝揚 白眉研究リーダー

・理化学研究所 光量子工学研究センター
小林 知洋 専任研究員

「Properties, application, and recycling methods of polymeric materials」(2021/10/14)

著者: staff
2021年9月27日 13:21

演題:Properties, application, and recycling methods of polymeric materials

 

日時:2021年10月14日(木)9:00-10:30

 

使用言語:英語による講演、質疑応答

 

会場:Zoomによるオンライン講演会(後日URLをお送りいたします)

 

講師:Oleszek Sylwia Izabela

(京都大学 大学院 工学研究科 都市環境工学専攻 博士研究員)

 

対象:学部生、大学院生、教職員、一般の方

 

参加方法:参加無料、事前申込制

 

事前申込先:https://forms.gle/gTY5UuUwph3Yq2Ya9

上記URL入力フォームにて、「メールアドレス」「氏名」「所属」「講演会参加の目的」

「学籍番号(早稲田大学学生のみ)」を入力してお申し込み下さい。

 

申込締切:2021年10月8日(金)15:00

 

主催:創造理工学部 環境資源工学科

 

問合せ:[email protected]

 

Unveiling Galaxies at Cosmic Dawn That Were Hiding Behind the Dust

著者: contributor
2021年9月24日 14:44

Unveiling Galaxies at Cosmic Dawn That Were Hiding Behind the Dust

Scientists serendipitously discover two heavily dust-enshrouded galaxies that formed when the Universe was only 5% of its present age

While investigating the data of young, distant galaxies observed with the Atacama Large Millimeter/submillimeter Array, Dr. Yoshinobu Fudamoto from Waseda University and the National Astronomical Observatory of Japan noticed unexpected emissions coming from seemingly empty regions in space that, a global research team confirmed, came actually from two hitherto undiscovered galaxies heavily obscured by cosmic dust. This discovery suggests that numerous such galaxies might still be hidden in the early Universe, many more than researchers were expecting.

A schematic of the results of this research. ALMA revealed a hitherto undiscovered galaxy as it is buried deep in dust (artist’s impression in upper right) in a region where the Hubble Space Telescope could not see anything (left). Researchers serendipitously discovered the new hidden galaxy while observing an already well-known typical young galaxy (artist’s impression in lower right)
Credit: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO), NASA/ESA Hubble Space Telescope

When astronomers peer deep into the night sky, they observe what the Universe looked like a long time ago. Because the speed of light is finite, studying the most distant observable galaxies allows us to glimpse billions of years into the past when the Universe was very young and galaxies had just started to form stars. Studying this “early Universe” is one of the last frontiers in astronomy and is essential for constructing accurate and consistent astrophysics models. A key goal of scientists is to identify all the galaxies in the first billion years of cosmic history and to measure the rate at which galaxies were growing by forming new stars.

Various efforts have been made over the past decades to observe distant galaxies, which are characterized by electromagnetic emissions that become strongly redshifted (shifted towards longer wavelengths) before reaching the Earth. So far, our knowledge of early galaxies has mostly relied on observations with the Hubble Space Telescope (HST) and large ground-based telescopes, which probe their ultra-violet (UV) emission. However, recently, astronomers have started to use the unique capability of the Atacama Large Millimeter/submillimeter Array (ALMA) telescope to study distant galaxies at submillimeter wavelengths. This could be particularly useful for studying dusty galaxies missed in the HST surveys due to the dust absorbing UV emission. Since ALMA observes in submillimeter wavelengths, it can detect these galaxies by observing the dust emissions instead.

In an ongoing large program called REBELS (Reionization-Era Bright Emission Line Survey), astronomers are using ALMA to observe the emissions of 40 target galaxies at cosmic dawn. Using this dataset, they have recently discovered that the regions around some of these galaxies contain more than meets the eye.

While analyzing the observed data for two REBELS galaxies, Dr. Yoshinobu Fudamoto of the Research Institute for Science and Engineering at Waseda University, Japan, and the National Astronomical Observatory of Japan (NAOJ), noticed strong emission by dust and singly ionized carbon in positions substantially offset from the initial targets. To his surprise, even highly sensitive equipment like the HST couldn’t detect any UV emission from these locations. To understand these mysterious signals, Fudamoto and his colleagues investigated matters further.

In their latest paper published in Nature, they presented a thorough analysis, revealing that these unexpected emissions came from two previously unknown galaxies located near the two original REBELS targets. These galaxies are not visible in the UV or visible wavelengths as they are almost completely obscured by cosmic dust.  One of them represents the most distant dust-obscured galaxy discovered so far.

Distant galaxies imaged with ALMA, the Hubble Space Telescope, and the European Southern Observatory’s VISTA telescope. Green and orange colors represent radiations from ionized carbon atoms and dust particles, respectively, observed with ALMA, and blue represents near-infrared radiation observed with VISTA and Hubble Space Telescopes.
REBELS-12 and REBELS-29 detected both near-infrared radiation and radiation from ionized carbon atoms and dust. On the other hand, REBELS-12-2 and REBELS-29-2 have not been detected in the near-infrared, which suggests that these galaxies are deeply buried in dust.
Credit: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO), NASA/ESA Hubble Space Telescope, ESO, Fudamoto et al.

What is most surprising about this serendipitous finding is that the newly discovered galaxies, which formed more than 13 billion years ago, are not strange at all when compared with typical galaxies at the same epoch. “These new galaxies were missed not because they are extremely rare, but only because they are completely dust-obscured,” explains Fudamoto. However, it is uncommon to find such “dusty” galaxies in the early period of the Universe (less than 1 billion years after the Big Bang), suggesting that the current census of early galaxy formation is most likely incomplete, and would call for deeper, blind surveys. “It is possible that we have been missing up to one out of every five galaxies in the early Universe so far,” Fudamoto adds.

The researchers expect that the unprecedented capability of the James Webb Space Telescope (JWST) and its strong synergy with ALMA would lead to significant advances in this field in the coming years. “Completing our census of early galaxies with the currently missing dust-obscured galaxies, like the ones we found this time, will be one of the main objectives of JWST and ALMA surveys in the near future,” states Pascal Oesch from University of Geneva.

Overall, this study constitutes an important step in uncovering when the very first galaxies started to form in the early Universe, which in turn shall help us understand where we are standing today.

Reference

Authors: Y. Fudamoto1,2,3, P. A. Oesch1,4, S. Schouws5, M. Stefanon5, R. Smit6, R. J. Bouwens5, R. A. A. Bowler7, R. Endsley8, V. Gonzalez9,10, H. Inami11, I. Labbe12, D. Stark8, M. Aravena13, L. Barrufet1, E. da Cunha14,15, P. Dayal16, A. Ferrara17, L. Graziani18,20, 27, J. Hodge5, A. Hutter16, Y. Li21,22, I. De Looze23,24, T. Nanayakkara12, A. Pallottini17, D. Riechers25, R. Schneider18,19,26,27, G. Ucci16, P. van der Werf5, C. White8
Title of original paper: Normal, Dust-Obscured Galaxies in the Epoch of Reionization
Journal: Nature
DOI: 10.1038/s41586-021-03846-z
Affiliations:
1Department of Astronomy, University of Geneva
2Research Institute for Science and Engineering, Waseda University; 3National Astronomical Observatory of Japan
4Cosmic Dawn Center (DAWN), Niels Bohr Institute, University of Copenhagen
5Leiden Observatory, Leiden University
6Astrophysics Research Institute, Liverpool John Moores University
7Sub-department of Astrophysics, The Denys Wilkinson Building, University of Oxford
8Steward Observatory, University of Arizona
9Departmento de Astronomia, Universidad de Chile
10Centro de Astrofisica y Tecnologias Afines (CATA)
11Hiroshima Astrophysical Science Center, Hiroshima University
12Centre for Astrophysics & Supercomputing, Swinburne University of Technology
13Nucleo de Astronomia, Facultad de Ingenieria y Ciencias, Universidad Diego Portales
14International Centre for Radio Astronomy Research, University of Western Australia
15ARC Centre of Excellence for All Sky Astrophysics in 3 Dimensions (ASTRO 3D)
16Kapteyn Astronomical Institute, University of Groningen
17Scuola Normale Superiore
18Dipartimento di Fisica, Sapienza, Universita di Roma
19INAF/Osservatorio Astronomico di Roma
20INAF/Osservatorio Astrofisico di Arcetri
21Department of Astronomy & Astrophysics, The Pennsylvania State University
22Institute for Gravitation and the Cosmos, The Pennsylvania State University
23Sterrenkundig Observatorium, Ghent University
24Dept. of Physics & Astronomy, University College London
25Cornell University
26Sapienza School for Advanced Studies
27INFN, Roma, Italy

観測史上最古の「隠れ銀河」を発見

著者: contributor
2021年9月24日 14:42

観測史上最古の「隠れ銀河」を131億年前の宇宙で発見

概要

札本 佳伸(ふだもと よしのぶ)国立天文台アルマプロジェクト特任研究員・早稲田大学理工学術院総合研究所次席研究員と稲見 華恵(いなみ はなえ)広島大学宇宙科学センター助教らの国際研究チームが、アルマ望遠鏡の大規模探査による観測データの中から、約130億年前の宇宙で塵に深く埋もれた銀河を複数発見しました。そのうちの一つは、塵に埋もれた銀河として見つかったものの中で最古の銀河です。今回発見されたような銀河は、すばる望遠鏡などを用いた観測で発見することは難しく、初期の宇宙にどれほど存在するのかこれまで全くわかっていませんでした。今回の発見は、宇宙の歴史の初期においても数多くの銀河が塵に深く隠され、いまだ発見されないままになっていることを示します。同時に、このような銀河は宇宙の初期における銀河の形成と進化をより統一的に理解する上で重要な発見です。

この観測成果は、Fudamoto et al. “Normal, Dust-Obscured Galaxies in the Epoch of Reionization”として、英国の科学誌「ネイチャー」オンライン先行公開版に2021年9月22日16:00(イギリス時間)に掲載され、9月23日に本誌に掲載されます。

上図:今回の観測結果の模式図。ハッブル宇宙望遠鏡による近赤外線の観測画像(左)では、中心やや下に銀河が見えています。これは右下の想像図のような、これまで存在がよく知られていた若い銀河です。一方今回のアルマ望遠鏡による観測では、ハッブル宇宙望遠鏡では何も見えていない領域に、塵に深く埋もれた銀河(右上の想像図)を新たに発見しました。
Credit: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO), NASA/ESA Hubble Space Telescope

(1)これまでの研究で分かっていたこと

過去20年以上にわたり、世界中の研究者がすばる望遠鏡やハッブル宇宙望遠鏡など用いて遠方銀河の探査を行ってきました。光が有限の速さでやってくることから、遠方銀河を探査することで初期の宇宙にあった銀河の姿を直接捉えられます。そして、それらの大規模な探査の結果、ビッグバンから10億年以内の宇宙の初期に存在した銀河が数多く発見され、それらの時代において銀河がどのように形成・進化してきたのかについての研究が大きく進んできました。

このような宇宙の初期にある銀河の大規模な探査では、銀河に含まれる、太陽の数十倍程度の質量をもった大型の星から放射される明るい紫外光が観測されてきました。宇宙の膨張によって遠方天体からやってくる光の波長が伸びるため(赤方偏移)宇宙の初期にある銀河から放たれた紫外光は、地球で観測する際には可視光や近赤外線となります。

しかしながら、この紫外光には銀河に含まれる塵(ちり)によって大きく吸収・散乱されるという性質があります。この塵は銀河内部で星が世代交代することによって作り出されるため、銀河で過去にどのような星形成活動があったのかによってその量が変わってきます。内部で放たれた紫外光のほとんどが大量の塵に吸収・散乱されてしまうような、塵に埋もれた銀河の場合は、可視光や近赤外線を用いた観測では見つけることができません。初期の宇宙でこれまでに見つかっている塵に埋もれた銀河は、天の川銀河の1000倍以上といった激しいペースで星形成を行っている極めて稀な銀河に限られていました。そのため、130億年ほど前の宇宙に存在する若くて星形成活動が比較的低調な銀河の大多数は塵にはあまり隠されておらず、感度の良い可視光や近赤外線の観測を行うことで検出が可能だと考えられてきました。

(2)今回の研究で明らかになったこと

国立天文台アルマプロジェクト特任研究員として早稲田大学で研究活動を行う札本佳伸氏は、アルマ望遠鏡による大規模探査プロジェクト「REBELS」で観測された銀河を研究するうちに、偶然このような塵に埋もれた銀河を初期の宇宙で発見しました。REBELSの本来の目的は、130億年程度前の宇宙に存在したと考えられる近赤外線で非常に明るい40個の銀河を観測し、塵からの放射と炭素イオンの輝線の探査を行うことでした。広島大学宇宙科学センター助教の稲見華恵氏は、REBELSプロジェクトの共同代表研究者として本プロジェクトに参加しています。

札本氏がREBELS-12とREBELS-29という二つの銀河の観測データを調べていたところ、それぞれ本来の観測対象としていた銀河に加えて、そこから少し離れた場所からも塵からの放射と炭素イオンの輝線が非常に強く放たれていることを発見しました。そして驚くべきことに、これらの偶然見つかった新たな放射源の場所には、感度の良いハッブル宇宙望遠鏡を用いても何も見えませんでした。つまり、これらの放射は、ハッブル宇宙望遠鏡などが観測することのできる紫外光をほとんど放っていない、塵に埋もれた銀河からやってきたものであることを示しています。そのうちの一つ、REBELS-12の近傍に見つかった銀河は、塵に埋もれていた銀河の中では観測史上最古となる131億年前のものになります(注)。さらに驚いたことに、今回見つかった銀河は、これまで塵に埋もれた銀河に見られたような爆発的な星形成は行っておらず、130億年程度前の宇宙でこれまで多数見つかっていた銀河と同程度の星形成活動しかありませんでした。つまり、今回見つかった銀河は、塵に埋もれているということ以外はこれまで知られている典型的な銀河と変わりありません。これは、典型的な星形成活動をおこなう「普通」の銀河であっても宇宙のこれほど初期において塵に埋もれて見えなくなってしまう、ということを示し、多数の銀河が塵に埋もれて未だ発見されていないのではないか、と言うことを示唆しています。

注:アルマ望遠鏡の観測によると、REBELS-12の近傍に見つかった銀河の赤方偏移は7.35でした。これをもとに宇宙論パラメータ(H0=67.3km/s/Mpc, Ωm=0.315, Λ=0.685: Planck 2013 Results)で光が飛んできた時間を計算すると、131億年となります。詳しくは「遠い天体の距離について」もご覧ください。

(3)今後の展開・影響

これまでの観測からは全く見つけられなかったような種類の銀河が宇宙の初期に存在した、という発見は、いままで考えられてきた宇宙の初期における銀河の形成の理論に大きな影響を及ぼす発見です。このような銀河がどの程度存在し、どのように銀河全体の進化と形成に影響してきたのかをより統一的に理解するにはさらなる観測を待たなければなりません。アルマ望遠鏡による探査や、2021年内に打ち上げ予定のジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡による大規模な銀河の探査と、それらによる銀河の形成に関する統一的な理解の進歩が待たれます。

上図:アルマ望遠鏡とハッブル宇宙望遠鏡、欧州南天天文台VISTA望遠鏡で撮影した遠方銀河。アルマ望遠鏡で観測した電離炭素原子からの放射を緑、塵からの放射をオレンジ、VISTA望遠鏡・ハッブル宇宙望遠鏡で観測した近赤外線を青で表現しています。REBELS-12、REBELS-29は近赤外線と電離炭素原子・塵からの放射がいずれも検出されていますが、REBELS-12-2とREBELS-29-2では近赤外線が検出されていません。これらは今回のアルマ望遠鏡による観測で初めて見つかった銀河で、塵に深く埋もれていると考えられます。
Credit: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO), NASA/ESA Hubble Space Telescope, ESO, Fudamoto et al.

研究者からのコメント

札本氏は「宇宙の初期において、塵に埋もれて発見されていないような隠れた普通の銀河が存在するという予想外の、そして偶然の発見に驚きました。今回見つかった銀河は、宇宙の非常に狭い領域から見つかったものであるため、氷山のほんの一角に過ぎないと考えています。このような隠れた銀河がどれだけ宇宙の初期に存在するのかの研究はこれからの大きな課題となるでしょう。」とコメントしています。

また、稲見氏は「今回の発見では、ひとつ謎を解決しようとしたところで新たな謎が見つかった、という研究の醍醐味を改めて感じました。塵を大量に生産するにはある程度歳をとった星が必要なのに、ビッグバン直後という宇宙の極初期で、何がきっかけでどのようにして短時間で塵が生み出されたのか、これから解き明かしていきます。私たちが知り得ていないことが、この広大な宇宙にはまだまだあることを教えてくれる成果です。」とコメントしています。

論文情報

雑誌名:Nature
論文名:Normal, Dust-Obscured Galaxies in the Epoch of Reionization
執筆者:Y. Fudamoto1,2,3, P. A. Oesch1,4, S. Schouws5, M. Stefanon5, R. Smit6, R. J. Bouwens5, R. A. A. Bowler7, R. Endsley8, V. Gonzalez9,10, H. Inami11, I. Labbe12, D. Stark8, M. Aravena13, L. Barrufet1, E. da Cunha14,15, P. Dayal16, A. Ferrara17, L. Graziani18,20, 27, J. Hodge5, A. Hutter16, Y. Li21,22, I. De Looze23,24, T. Nanayakkara12, A. Pallottini17, D. Riechers25, R. Schneider18,19,26,27, G. Ucci16, P. van der Werf5, C. White8
所属機関名:1Department of Astronomy, University of Geneva,2Research Institute for Science and Engineering, Waseda University, 3National Astronomical Observatory of Japan, 4Cosmic Dawn Center (DAWN), Niels Bohr Institute, University of Copenhagen, 5Leiden Observatory, Leiden University, 6Astrophysics Research Institute, Liverpool John Moores University, 7Sub-department of Astrophysics, The Denys Wilkinson Building, University of Oxford, 8Steward Observatory, University of Arizona, 9Departmento de Astronomia, Universidad de Chile, 10Centro de Astrofisica y Tecnologias Afines (CATA), 11Hiroshima Astrophysical Science Center, Hiroshima University , 12Centre for Astrophysics & Supercomputing, Swinburne University of Technology, 13Nucleo de Astronomia, Facultad de Ingenieria y Ciencias, Universidad Diego Portales, 14International Centre for Radio Astronomy Research, University of Western Australia, 15ARC Centre of Excellence for All Sky Astrophysics in 3 Dimensions (ASTRO 3D) , 16Kapteyn Astronomical Institute, University of Groningen, 17Scuola Normale Superiore, 18Dipartimento di Fisica, Sapienza, Universita di Roma, 19INAF/Osservatorio Astronomico di Roma, 20INAF/Osservatorio Astrofisico di Arcetri, 21Department of Astronomy & Astrophysics, The Pennsylvania State University, 22Institute for Gravitation and the Cosmos, The Pennsylvania State University, 23Sterrenkundig Observatorium, Ghent University, 24Dept. of Physics & Astronomy, University College London, 25Cornell University, 26Sapienza School for Advanced Studies, 27INFN, Roma, Italy
掲載日:オンライン先行版 2021年9月22日(水)16:00(イギリス時間)
本誌 2021年9月23日(木)(イギリス時間)
DOI:10.1038/s41586-021-03846-z

研究助成

国立天文台 ALMA Scientific Research Grant 2020-16B
日本学術振興会科学研究費補助金 ( JP19K23462 、 JP21H01129)
the Swiss National Science Foundation through the SNSF Professorship grant 190079
TOP grant TOP1.16.057
the Nederlandse Onderzoekschool voor Astronomie
STFC Ernest Rutherford Fellowship (ST/S004831/1 , ST/T003596/1)
European Research Council’s starting grant ERC StG-717001
the NWO’s VIDI grant 016.vidi.189.162
the European Commission’s and University of Groningen’s CO-FUND Rosalind Franklin program
the Amaldi Research Center funded by the MIUR program “Dipartimento di Eccellenza” CUP:B81I18001170001
the National Science Foundation MRI-1626251
FONDECYT grant 1211951
“CONICYT+PCI+INSTITUTO MAX PLANCK DE ASTRONOMIA MPG190030″
“CONICYT+PCI+REDES 190194” 、ARC Centre of Excellence for All Sky Astrophysics in 3 Dimensions (ASTRO 3D) CE170100013 (EdC); Australian Research Council Laureate Fellowship FL180100060
the ERC Advanced Grant INTERSTELLAR H2020/740120
the Carl Friedrich von Siemens-Forschungspreis der Alexander von Humboldt-Stiftung Research Award
the VIDI research program 639.042.611
JWST/NIRCam contract to the University of Arizona, NAS5-02015
ERC starting grant 851622
the National Science Foundation under grant numbers AST-1614213, AST-1910107
the Alexander von Humboldt Foundation through a Humboldt Research Fellowship for Experienced Researchers

2022年度4月入学 早稲田建築AO入試 第二次選考当日のJR山手線の計画運休について

著者: staff
2021年9月17日 09:51

早稲田建築AO入試第二次選考(筆記試験・面接試験)を実施する20211023日(土)は、山手線内回り池袋~渋谷~大崎間のすべての列車が運休となります。
当日の筆記試験は予定通り(10:00~)開始致しますので、当該区間を利用予定の第二次選考受験者は事前に迂回経路・所要時間を確認の上、お越しください。

 

<渋谷駅 山手線内回り線路切換工事(ホーム拡幅)に伴う列車の運休について>
※下記URL先よりJR東日本内のサイトとなります。
https://www.jreast.co.jp/press/2021/tokyo/20210719_to01.pdf

 

 

【最終講義】梅津光生名誉教授(10/2・大隈講堂およびZoom)

著者: staff
2021年9月9日 13:15

梅津光生名誉教授の最終講義を以下のとおり、開催します。

ご挨拶

2021年3月に退職し、半年後は、COVID-19も落ち着きを見せていることだろうと思い、最終講義のために10月2日(土曜日)、大隈講堂を予約しました。

しかし、先行きが見通せませんので、Zoomによる聴講で行う準備をしており、大学の方針に従い、280名は会場に来ていただくことを可能とするという運営体制で臨みます。

登録に関しては、別Googleフォームを用意いたしましたので、そちらをご覧ください。

開催日時

2021年10月2日(土)
第1部10:30~12:00 (9:30受付開始)
第2部14:00~16:00(13:30受付開始)

題目および対象

第1部「毎日を楽しく暮らすコツ:問題を見つけ解決することの楽しさ」

  • 講義内容紹介:
    私は幸いにも、今までのびのびと楽しく暮らしてまいりました。子供のころから、興味を持ったことに対して自由に接する環境を作ってもらい、私を子ども扱いせずに対等に話し合う訓練ができたことに対し、両親に感謝しています。講演では、趣味や海外生活の経験などから、日々楽しく暮らすコツについて紹介したいと思います。
  • 対象:
    梅津研及び土屋研卒業生とその家族が中心ですが、早大関係者、学会、同窓会関係、それらのご友人の方々も聴講歓迎

第2部「早稲田大学で達成できたことと、できなかったこと」

  • 講義内容紹介:
    「大学教員には免許がないので工夫がいる。」という恩師土屋喜一教授のアドバイスで、いろいろチャレンジしてきました。その中で、先端生命医科学センターTWInsの設立や、日本初の学際専攻(生命理工)と共同大学院(共同先端生命)をなぜ創設することができたのか。また、同様のスキームで早稲田の医療系を充実することができるのか。やり残したことが何かに関して、包括的にお話ししたいと思います。
  • 対象:
    早大教職員、早大卒業生が中心ですが、学会関係、同窓会、それらのご友人の方々も聴講歓迎

開催方法

対面での聴講は、各回280名を上限として受け付けます(ワクチン2回接種者を優先)。そのほか、Zoomによるオンライン聴講も可能です。

会場

講義会場:早稲田大学大隈講堂 大講堂
サテライト会場:早稲田大学大隈講堂 小講堂(オンライン中継)
リモート:ZOOM によるオンライン配信

聴講申込方法

対面・オンラインいずれも聴講希望の方は、申込フォームよりご登録ください。

ご登録いただいた方には、開催日が近づきましたら、オンライン講義への接続方法をご案内します。

問い合わせ先

事務局(岩﨑研究室 [email protected]

Nissan and Waseda University in Japan testing jointly developed recycling process for electrified vehicle motors

著者: contributor
2021年9月3日 16:47

Nissan and Waseda University in Japan testing jointly developed recycling process for electrified vehicle motors

New process efficiently recovers high-purity rare-earth compounds from motor magnets, practical application targeted for mid-2020s toward carbon neutral goal

YOKOHAMA, Japan – Nissan Motor Co., Ltd. and Waseda University today announced the start of testing in Japan of a jointly developed recycling process that efficiently recovers high-purity rare-earth compounds from electrified vehicle motor magnets. The testing is aimed at enabling practical application of the new process by the mid-2020s.

The automotive industry is promoting vehicle electrification to tackle climate change and to realize a carbon-neutral society. Most motors in electrified vehicles use neodymium magnets, which contain scarce rare-earth metals such as neodymium and dysprosium. Reducing the use of scarce rare earths is important not only because of the environmental impact of mining and refining, but also because the shifting balance of supply and demand leads to price fluctuations for both manufacturers and consumers.

=>Press Release

To use limited and valuable resources more effectively, since 2010 Nissan has been working from the design stage to reduce the amount1 of heavy rare-earth elements (REEs) in motor magnets. In addition, Nissan is recycling REEs by removing magnets from motors that do not meet production standards and returning them to suppliers. Currently, multiple steps are involved, including manual disassembly and removal. Therefore, developing a simpler and more economical process is important to achieve increased recycling in the future.

Since 2017, Nissan has been collaborating with Waseda University, which has a strong track record of researching non-ferrous metal recycling and smelting. In March 2020 the collaboration successfully developed a pyrometallurgy process that does not require motor disassembly.

Process overview:

provided by Nissan Motor Corporation

  1. A carburizing material and pig iron are added to the motor, which is then heated to at least 1,400 C and begins to melt.
  2. Iron oxide is added to oxidize the REEs in the molten mixture.
  3. A small amount of borate-based flux, which is capable of dissolving rare-earth oxides even at low temperatures and highly efficiently recovering REEs, is added to the molten mixture.
  4. The molten mixture separates into two liquid layers, with the molten oxide layer (slag) that contains the REEs floating to the top, and the higher density iron-carbon (Fe-C) alloy layer sinking to the bottom.
  5. The REEs are then recovered from the slag.

Testing has shown that this process can recover 98% of the motors’ REEs. This method also reduces the recovery process and work time by approximately 50% compared to the current method because there is no need to demagnetize the magnets, nor remove and disassemble them.

Going forward, Waseda and Nissan will continue their large-scale facility testing with the aim of developing practical application, and Nissan will collect motors from electrified vehicles that are being recycled and continue to develop its recycling system.

Nissan will continue to contribute to the building of a cleaner, safer and more inclusive society as part of its efforts to develop a sustainable society. Through its Nissan Green Program 2022, Nissan is addressing four priority issues: climate change, resource dependency, air quality and water scarcity. Nissan will continue to aim for carbon neutrality and zero new material resource use, and will simultaneously promote the use of electrified vehicles and the recycling and reduced use of REEs.

1 The Nissan Note e-POWER produced in FY2020 uses magnets with 85% fewer heavy REEs than the Nissan LEAF produced in FY2010.

レアアース リサイクル技術を共同開発

著者: contributor
2021年9月3日 16:41

日産と早稲田大学、電動車用のモーター磁石からレアアース化合物を高純度で効率良く回収するリサイクル技術を共同開発

カーボンニュートラル社会の実現に向けて2020年代中頃の実用化を目指した実証実験を開始

早稲田大学(所在:東京都新宿区、総長:田中愛治)と日産自動車株式会社(本社:神奈川県横浜市西区、社長:内田 誠)は、電動車用のモーター磁石からレアアース化合物を高純度で効率良く回収するリサイクル技術を共同開発し、2020年代中頃の実用化を目指した実証実験を開始したと発表しました。

⇒プレスリリース(日産自動車株式会社)

現在、自動車業界では、グローバルな気候変動に対応し、カーボンニュートラル社会を実現するため、車両の電動化が積極的に推進されています。これら電動車のモーターの多くに使用されるネオジム磁石には、ネオジム、ジスプロシウムなどのレアアースと呼ばれる希少元素が使用されています。 レアアースは資源の偏在や需給バランスによる価格変動が懸念される上、採掘・製錬時に生態系への負荷も伴うことから、その使用量削減が課題となっています。

日産は限りある貴重な資源を有効に使用するため、2010年以降、設計段階でモーター用磁石のヘビーレアアース(重希土類)の使用量削減に取り組んでいます。また、レアアースの再生利用にも取り組み、出荷基準を満たさず、クルマに搭載しなかったモーターから磁石を取り出して分解し、磁石サプライヤーに還元してきました。

しかし、現在、モーターの磁石からレアアースを取り出す工程では、手作業による磁石の分解、取り出しが必要であるため、今後さらなるリサイクルを推進するには、プロセスの簡便化とリサイクルコストの低減が課題となっていました。

そこで2017年より、日産は非鉄金属のリサイクルと製錬に関する研究で高い実績のある早稲田大学創造理工学部の山口勉功研究室*2と共同で、同校の大型炉設備*3を使用し、電動車用のモーターの磁石からレアアース化合物を回収する研究を開始しました。そして、2019年度には、高温で融体を取り扱う「乾式製錬法」により、モーターを解体することなく、高純度なレアアース化合物を効率よく回収する技術を確立しました。

両者が開発したリサイクル技術のプロセスは、以下の通りです。

作成:日産自動車株式会社

  1. 加熱溶融を促進する銑鉄(せんてつ)、鉄の融点を下げる加炭材を加え、1,400℃以上に加熱した炉でモーターを溶融
  2. 酸化鉄の添加により溶融液中のレアアースを酸化
  3. レアアース酸化物を溶かすため、ホウ酸塩系のフラックス*4を少量添加
  4. 「レアアースを含んだ酸化物層」と、より密度が大きい「レアアースを含まない鉄-炭素合金層」を分離
  5. 上層に分離された酸化物層から、レアアース化合物を回収

本リサイクル技術では、レアアース酸化物を少量、低温で溶融することができ、高い割合で回収できる安価なホウ酸塩系のフラックスを採用しています。実験では、この方法によりモーターに使用されたレアアースの98%を回収できることが確認されています。また、磁力を取り除く作業や、磁石を分解して取り出す作業が不要となるため、プロセスを簡略化することができ、従来の方法と比べ作業時間を約50%削減することができます。

今後は、実用化を目指した実験を続けると同時に、使用済み電動車に搭載されたモーターを回収し、リサイクルするスキームの構築を進めていきます。

日産は、ニッサン・グリーンプログラム2022において、「気候変動」「資源依存」「大気品質」「水資源」の4つの重点課題に取り組んでいます。今後もカーボンニュートラルや新規採掘資源依存ゼロを目指し、電動車両の普及と同時に、レアアースの使用量削減とリサイクルを推進していきます。そして、持続可能な社会の発展を目指す一員として、「よりクリーンな社会」、「より安全な社会」、「よりインクルーシブな社会」の実現を目指していきます。

*1 2020年度に生産されたノートは、2010年度生産されたリーフと比較して85%のヘビーレアアースの削減を実現。

*山口勉功教授 (やまぐちかつのり) (創造理工学部 環境資源工学科)は、高温プロセスを用いた新しい金属製錬、金属スクラップの精製、廃棄物処理など社会と産業に直結した研究を行っている。レアメタルとベースメタルがその対象となる。山口研究室では、今回の実証結果を踏まえ、今後は日産自動車と継続して連携・研究を行い、EVやHEVなどの電動車モーターからのレアアースをリサイクルするプロセスを広く普及できるよう研究・開発を進めていく予定。

*3 早稲田大学各務記念材料技術研究所:https://www.waseda.jp/fsci/zaiken/

*4 フラックス=融解温度を下げる働きをもつ物質。

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