「いくつかの楽しい分子との出会い」(2023/1/27)
演題:いくつかの楽しい分子との出会い
日時:2023年1月27日(金)16:30-18:00
会場:西早稲田キャンパス 52号館 2階 202教室
講師:友岡 克彦(九州大学先導物質化学研究所・教授)
対象:学部生・大学院生、教職員、学外者、一般の方
参加方法:入場無料、直接会場へお越しください。
主催:先進理工学研究科 化学・生命化学専攻
問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課
TEL:03-5286-3000
演題:いくつかの楽しい分子との出会い
日時:2023年1月27日(金)16:30-18:00
会場:西早稲田キャンパス 52号館 2階 202教室
講師:友岡 克彦(九州大学先導物質化学研究所・教授)
対象:学部生・大学院生、教職員、学外者、一般の方
参加方法:入場無料、直接会場へお越しください。
主催:先進理工学研究科 化学・生命化学専攻
問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課
TEL:03-5286-3000
社会文化領域コース進入説明会(総合機械工学科向け)を、2023年1月12日 (木) にオンラインで開催します。
関心のある学生は、以下のポスターおよび社会文化領域のホームページ上の情報をよく確認し、必要な手続きをとってください。
演題:鋳造技術研究会講演「鋳物・ダイカストの冷却時に発生する残留応力や変形の予測と実験的検証
〜冷却中の回復(なまり)挙動をどう考慮するか
日時:2022年12月21日(水)13:40-16:40(※ご登壇予定時間:14:20~15:00)
会場:早稲田大学 西早稲田キャンパス 62W号館1階 大会議室A
講師:本山 雄一(国立研究開発法人産業技術総合研究所 主任研究員)
対象:学部生・大学院生、教職員、学外者、一般の方
参加方法:入場無料、直接会場へ
主催:創造理工学研究科 総合機械工学専攻
問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課
TEL:03-5286-3000
早稲田大学理工学術院の関根 泰(せきね やすし)教授らの研究グループは、従来700度以上が必要だった二酸化炭素から一酸化炭素※1への化学的転換を100度台という低温で実現可能にする新しい材料とプロセスを明らかにしました。
2050年カーボンニュートラル実現に向けて、化石資源利用の削減と二酸化炭素排出抑制が強く期待されています。このような中で、回収した二酸化炭素を原料として再生可能エネルギー由来の水素を利用して化学品などを作り出すことができれば、二酸化炭素を循環利用することになり、化石資源消費を減らすことができます。本技術により、熱のロスを大幅に抑制しながら、再生可能エネルギーが余っているときに必要に応じて二酸化炭素を再資源化するプロセスが実現できます。
本研究成果は、2022年11月29日(現地時間)にイギリス王立化学会の『EES Catalysis』のオンライン版で公開されました。
論文名:Non-conventional low-temperature reverse water–gas shift reaction over highly dispersed Ru catalysts in an electric field
DOI:10.1039/D2EY00004K
回収した二酸化炭素を原料として、再生可能エネルギー由来の水素を反応させて化学品の原料である一酸化炭素を作る反応は、以下の式で表され、逆水性ガスシフト反応※2と呼ばれるよく知られた反応です。
CO2+H2→CO+H2O
一見簡単そうに見えるこの反応ですが、吸熱反応であるため高い温度を必要とし、従来は700度以上の温度域で触媒反応により実施されてきました。この際の高い温度がネックとなり、オンデマンドで再生可能エネルギーを利用しての駆動は難しいものでした。
このような中、研究グループはこの逆水性ガスシフトを150度程度(=423 K程度)の低温で高い反応率・高い選択性ですすめる新しい技術を検討してきました。外部電場を印加した触媒反応がこの目的を実現しうることを見出し、低温でより高い性能を発現しうる触媒ならびにプロセスを探索してきた結果、ルテニウム金属微粒子をチタン酸ジルコニウムという安定な酸化物に担持した固体触媒が、本プロセスに非常に有効なことを見出しました。
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外部から直流電場を印加し、酸化物表面イオニクスを誘起することによって、低温でも反応が能動的に進行することを見出しました。その際の触媒の状態を、各種オペランド分光※3分析等によって明らかにすることができました。この結果、下の図に示すような新しい反応メカニズムで本反応が進行していることを見出すことができました。
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従来700度以上が必要だった二酸化炭素から一酸化炭素への化学的転換を100度台で実現可能にした本技術は、その後に続く一酸化炭素を用いた各種有機合成反応の温度と温度域が近いため、総合的な熱のロスを大幅に抑えることが可能になり、またオンデマンドで駆動することが期待できます。これにより、再生可能エネルギーが余っているときに必要に応じて二酸化炭素を再資源化するプロセスが実現できます。
大学でのラボ試験による結果を基に、より大型のプロセスへとスケールを上げていくことが期待されます。
逆水性ガスシフトは、化学式が簡単に見える反応であり、かつ化学原料の基軸をなす一酸化炭素を作る重要な反応でありながら、高い温度を必要とする難しい反応と言われてきました。本技術によって、100度台で容易に本反応を進めることができるようになったことで、回収二酸化炭素を利用したオンデマンド化学品合成の可能性が拓かれたと思います。本技術を民間企業などとの協力によって素晴らしいものに仕上げていきたいと思っております。
※1 一酸化炭素
COと書くことができる分子。あらゆる化学品合成の原料となりうる非常に重要な分子である。一酸化炭素を原料として、各種燃料や化学品を作り出すことができる。
※2 逆水性ガスシフト
二酸化炭素と水素を反応させて一酸化炭素を作る反応。42 kJ/mol程度の吸熱反応であるため、平衡の制約から高温を必要とする。
※3 オペランド分光
固体触媒などの作動している環境で、その表面などを生け捕りにして観察すること。作動状態の触媒上で何が起こっているかを見ることができる手法である。
雑誌名:EES Catalysis (EES=Energy Environmental Science)
論文名:Non-conventional low-temperature reverse water–gas shift reaction over highly dispersed Ru catalysts in an electric field
執筆者名(所属機関名):Ryota Yamano(早稲田大学), Shuhei Ogo(高知大学), Naoya Nakano(早稲田大学), Takuma Higo(早稲田大学), Yasushi Sekine*(早稲田大学)
掲載日(現地時間):2022年11月29日
掲載URL:https://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2023/ey/d2ey00004k
DOI:10.1039/D2EY00004K
早稲田大学理工学術院の梅津 信二郎(うめず しんじろう)教授、シンガポール南洋理工大学の佐藤 裕崇(さとう ひろたか)教授らの研究グループは、光造形3Dプリンタとめっきを組み合わせ、複雑な形状の金属・樹脂の精密3次元構造体を作製することに成功いたしました。新たに開発した、複数の樹脂を使用することが可能な光造形3Dプリンタ装置を用いて、標準樹脂と金属イオン含有樹脂(以下、活性前駆体)を組み合わせた立体構造物を作製いたしました。金属イオン含有樹脂に、選択的な無電解めっきを適用することによって、プラスチック上に綺麗な金属めっきを設けることができます。
本研究は、光造形3Dプリンタとめっき技術を利用するものであり、解像度40μmで、複雑形状で、様々な金属・プラスチック複合材料部品、電子回路などを作製できます。
本研究成果は、アメリカ化学会が発行する「ACS Applied Materials & Interfaces」に、2022年10月6日(木)にオンラインで掲載されました。
光造形型3Dプリンタを利用して、曲面上に高精度なプラスチック造形物を作製することは可能であったが、立体の表面だけでなく、内部表面にも金属を配置した金属・プラスチック複合材料部品や電子回路の作製はこれまでできてこなかった。3Dプリンタで造形したプラスチック造形物の表面全てにめっきを施すことは可能であったが、任意の箇所に金属を設ける技術ではなかった。
今回、使用する樹脂に合わせて露光時間などを調整可能で、複数の樹脂を使用する光造形3Dプリンタ装置を開発し、標準樹脂と金属イオン含有樹脂(以下、活性前駆体)を組み合わせた立体構造物を作製した。金属イオン含有樹脂に、選択的な無電解めっきを適用できるため、プラスチック上に綺麗な金属めっきを設けることが可能となった。本アプローチには、①特定の金属パターンを有する複雑な金属・プラスチック 3D 部品を製造することができる、②高集積でカスタマイズ可能な 3 次元マイクロエレクトロニクスの造形が可能であるといったメリットがある。めっき可能な樹脂と通常樹脂から構成される立体を光造形3Dプリンタで造形し、その上で、めっきを施すことによって、めっき可能な樹脂の部分が金属となる。このプロセスは、単純な原理のため、複雑なエレクトロニクスの製造が可能ですが、「高価な製造装置」「複雑なプロセス」が不要である。
本研究により、めっきを援用することで、3Dプリンタにより、金属とプラスチックから構成される立体造形物を複雑に造形可能なことを実証したことは大きな成果である。3Dプリンタは自由な造形が可能だと認識されているが、金属造形物の作製とプラスチック造形物の作製で使用される3Dプリンタは、異なるものである。様々なエレクトロニクスを自作できることを実証したため、次世代エレクトロニクスの製造が求められているロボット・IoTデバイスの開発に大きな効果を発揮すると考えられる。
実用的なヘルスケアIoTデバイスの作製、小型の自律ロボットの開発を共同研究者と共に進めている。応用先を変更することによって、求められる機能や問題が変わるが、共同研究者とのディスカッションを行うことで、対応する。また、さらなるスペック向上に向けて、3Dプリンタの改良を行っている。
本研究は、アディティブマニュファクチャリング技術の発展にとって大きな意義がある。金属材料と機能性樹脂材料を組み合わせることで、単一材料では実現できない機能部品を製造することができ、3Dプリント技術の実用化・産業化を大きく促進できる。
雑誌名:ACS Applied Materials & Interfaces
論文名:New Metal–Plastic Hybrid Additive Manufacturing for Precise Fabrication of Arbitrary Metal Patterns on External and Even Internal Surfaces of 3D Plastic Structures
執筆者名(所属機関名):Kewei Song※1、Yue Cui※1、Tiannan Tao※1、Xiangyi Meng※1、曽根 倫成※2、吉野 正洋※2、梅津 信二郎※3、*、佐藤 裕崇※4、*
※1 早稲田大学大学院創造理工学研究科
※2 吉野電化工業株式会社
※3 早稲田大学理工学術院
※4 南洋理工大学
*責任著者
掲載日時:2022年10月6日(木)
掲載URL:https://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/acsami.2c10617
DOI:10.1021/acsami.2c10617
補助金名:文部科学省「スーパーグローバル大学創成支援事業」
補助事業名:Waseda Ocean 構想(モデル拠点名:ICT・ロボット工学拠点)
拠点リーダー名(所属機関名):尾形 哲也(早稲田大学)
補助金名:Singapore Ministry of Education [RG140/20]
研究課題名:Insect-Inspired Robot Developed Using Insect–Computer Hybrid Robot
研究代表者名: Hirotaka Sato
研究費名:JST未来社会創造事業 JPMJMI21I1
研究課題名:災害時にアクセスが困難な場所における生存者発見のための超環境適応ミニロボティクスシステム
主たる研究者名:梅津 信二郎、佐藤 裕崇
研究費名:早稲田オープン・イノベーション・エコシステム挑戦的研究プログラム「JST SPRING Grant Number JPMJSP2128」
研究課題名:Research on Next Generation Robotics and IoT devices using Ultra-Precision 3D Metal/Plastic Printing Technology
研究代表者名(所属機関名):SONG, Kewei(早稲田大学)
早稲田大学大学院先進理工学研究科 生命医科学専攻の博士課程3年 村瀬 裕一(むらせ ゆういち)および佐藤 政充(さとう まさみつ)教授、東京大学大学院総合文化研究科の矢島 潤一郎(やじま じゅんいちろう)准教授、岡山理科大学生命科学部の濱田 隆宏 (はまだ たかひろ)准教授らの共同研究グループは、微小管結合タンパク質の1つであるDis1タンパク質が、微小管の短縮の引き金を引くことで染色体を運搬する仕組みを明らかにしました。
本研究成果は、Nature Portfolio journals発行の『Communications Biology』(論文名:Fission yeast Dis1 is an unconventional TOG/XMAP215 that induces microtubule catastrophe to drive chromosome pulling)にて、2022年11月26日(土)にオンラインで掲載されました。
私たちの体では、2種類の細胞分裂がおこなわれています。私たちの誕生のルーツである1つの受精卵が体細胞分裂(※1)を繰り返すことによって約30兆個まで増殖し、生き物の形がつくられます。また、精子と卵子を生み出す際には、体細胞分裂とは異なる減数分裂(※2)が行われます。体細胞分裂において染色体の分配異常が起きると細胞死やがん化の原因となると考えられており、また減数分裂における染色体分配の異常は、不妊やダウン症などの先天性染色体異常の原因となります。したがって、染色体を正確に分配するメカニズムを明らかにすることは、これらの疾患や症状を治療したり予防したりする医学的観点からも重要な課題です。
体細胞分裂・減数分裂いずれの細胞分裂においても、染色体を新しい細胞(娘細胞)へと分配する際には、微小管(※3)と動原体(※4)の存在が必要不可欠です。まず、2つの極から伸長した微小管は、染色体の動原体を両側から捉えて結合します(図1の左)。その後、微小管が染色体を引っ張り、2個の娘細胞に運ぶことで染色体分配が完了します。ここで、動原体に結合した部分で微小管が短縮することによって染色体を運ぶ動力が生まれます。微小管は「チューブリン」というタンパク質が直線状に連結してできた管状の構造物で、末端のチューブリンが解離し続けることで、その長さが短くなります(図1の右)。
ここで重要になるのは、いったい「誰が」微小管を短縮させるのかという問題です。一般的には、微小管の短縮をおこなうのは特定のモータータンパク質(※5)である「キネシン-13」だと言われています。
しかし、この定説に従わない生物がいます。たとえば分裂酵母(※6)は、その「キネシン-13」を持っていません。そのかわりの役割を担うと言われている別のモータータンパク質を細胞から除去(ノックアウト)してもなお、微小管は短縮して染色体の運搬をおこなうことができます。このことは、分裂酵母ではモータータンパク質以外のタンパク質が微小管の短縮を引き起こすことを意味します。しかしながら、その因子は見つかっておらず、「誰が分裂酵母の微小管を短縮させるのか」つまり「誰が染色体を運搬する原動力を作り出しているのか」はこれまでまったくの謎に包まれていました(図1の右)。
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本研究グループは、微小管結合タンパク質の1つであるDis1タンパク質が、微小管の短縮の引き金を引くことで染色体を運搬する仕組みを明らかにしました(図1の右)。
Dis1タンパク質は、酵母からヒトまですべての真核生物で保存されているTOGファミリー(※7)に属するタンパク質です。私たちの研究室では過去の実験結果から、TOGファミリーに属するDis1タンパク質が微小管を短縮させる候補因子として見いだしていました。Dis1を人為的に欠失させた変異細胞では、減数分裂において微小管の短縮がほとんど起きなくなっていたからです。
しかしながら、私たちのDis1が微小管を短縮するという説は、逆風の中にありました。まず、Dis1のようなモータータンパク質ではない因子が微小管を短縮するという前例はありません。さらに風向きが悪いことに、多くの生物種において、TOGファミリーに属するタンパク質(つまり他生物におけるDis1の類似因子)は、短縮どころかまったく逆の機能を担うことが多くの研究者によって実証されていたからです。
つまり、Dis1は他のTOGファミリーの因子と同様に、微小管の末端にチューブリンを付加することで微小管の伸長を促進する因子だと考えられていました。私たちの過去の研究で得られたデータはこの定説と合致しません。そこで本研究では、試験管内での再構築実験(※8)と生細胞観察を用いて、Dis1タンパク質の生化学的な性質を調べることで、Dis1が微小管を短縮するという私たちの仮説の立証に取り組みました。
細胞から精製したチューブリンタンパク質を用いて試験管内で微小管を形成させて、そこに同じく精製したDis1タンパク質を添加した際に起きる微小管の長さの変化を顕微鏡下で観察しました(図2)。すると、Dis1の存在下では微小管のダイナミクスが激しくなること、特に微小管の短縮を促進する効果が見られました。この試験管内での検証実験により、私たちの仮説が正しいことが示されました。
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他方で、この検証結果は新たな疑問も生み出しました。もし仮に、Dis1が常に微小管を短縮させる機能を発揮すると仮定すると、微小管は伸長しづらくなり、そもそも染色体を結合することさえ不可能になるはずです。ということは、Dis1は機能を発揮するときと、しないときがあるのでしょうか?
そこで次に生細胞観察をおこないました。その結果、微小管が染色体の動原体を結合できたときのみ、Dis1が安定的に微小管に存在できることが分かりました。動原体を結合する前の微小管では、Dis1の局在が微小管の末端から消失しやすく、結果として微小管が伸長しやすいといえます(図3の左)。これに対して、動原体を結合した後の微小管末端においては、Dis1の局在が長い時間維持されていました(図3の右)。すなわち、微小管が動原体を結合した後のみ、Dis1がそこで微小管を短縮化できることを意味しています。このように、微小管が動原体を結合する前はDis1の機能はオフであり、結合後にオンになるといえます。
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だからこそ、最初は微小管がじゅうぶん伸長でき、動原体を結合した後は一転してDis1が微小管を短縮することで染色体を運搬できるといえます。
これらの実験結果から、Dis1は微小管を短縮化することで染色体を運搬することが見えてきました。では、細胞内に多種多様な因子がある中でも、Dis1さえあればじゅうぶんに染色体を運搬できるのでしょうか。私たちはこれを検証するために、細胞内に人工的な「バーチャル動原体」を作製して実験しました。この「バーチャル動原体」は、本来の動原体とは異なる場所(染色体腕部のクロマチン領域)に、Dis1タンパク質だけを人工的に集積させて作りあげたものです(図4)。染色体の1カ所にDis1を集積させただけの集合体であり、Dis1以外の動原体の因子は「バーチャル動原体」には存在しません。
減数分裂をおこなう分裂酵母細胞内にこれを導入したところ、微小管は、Dis1集合体である「バーチャル動原体」を結合したまま短縮を開始して、見事に染色体を運搬することができました。これらの検証結果から、微小管が染色体を運搬するためにはDis1さえあれば目的を達成できることが実証されました。いわば、「人工的な染色体分配システム」の基盤ができあがったと捉えており、今後さらなる応用を視野に入れています。
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従来は、Dis1をはじめとするすべてのTOGファミリーのタンパク質は微小管を伸長する因子であると考えられてきましたが、今回の私たちの研究結果は、Dis1が微小管を短縮化する意外な事実を示しています。本研究によって、これまでモータータンパク質だけが染色体を運ぶ原動力だと思われてきた常識が覆り、Dis1という非モータータンパク質による新しいメカニズムが発見できました。この発見は生物学的に細胞分裂研究の新しい1ページとなることでしょう。本研究内で開発したDis1によるバーチャル動原体の考え方をさらに応用すれば、人工的な染色体分配システムの作製が可能になり、合成生物学的な、あるいは医学的な応用ができるかもしれません。さらに、TOGファミリーがヒトでも酵母と同じように減数分裂においてこの機能を発揮しているとすれば、その異常が、ヒトの不妊やダウン症などの先天性染色体異常の原因となる可能性が高いため、生殖補助医療への応用が期待されます。
TOGファミリータンパク質は微小管を伸長する因子として知られてきました。分裂酵母には今回のDis1の他にもう一つ別のTOGタンパク質であるAlp14が存在しますが、Alp14は微小管を伸長する因子です。つまり、同一生物種のなかに2つのTOGタンパク質があって、それらの機能は互いに正反対だと言えます。ではなぜDis1は、Alp14や他生物のTOGタンパク質とは真逆の「微小管を短縮化する」機能を発揮できるのでしょうか。今後はDis1と、Alp14や他のTOGタンパク質との配列や構造の違いに着目することで、なぜDis1が他と異なるTOGタンパク質として「進化した」のかを調べていくことが第一だと考えています。
Dis1が微小管の短縮に関わるという私たちの過去の観察結果は、この分野の定説に反することでした。しかし自分たちのデータを信じて、自分たちの仮説を検証しようと考え、試験管内における再構築実験と生細胞の観察を遂行しました。その結果、「未知なる染色体運搬因子の発見」と「常識やぶりといえるDis1の微小管の短縮化機能の実証」をともに達成できたと考えています。
※1 体細胞分裂
通常の細胞が増殖するためにおこなう細胞分裂の様式。体細胞分裂では、複製されて数が2倍になった染色体を2つの娘細胞へと均等に分配する。結果として、元々の細胞と同じ染色体を同じ数だけ持つクローン細胞が生み出されることとなる。体細胞分裂において染色体分配に異常が起きると、細胞死や、がん化の原因となるといわれる。
※2 減数分裂
通常の細胞が増殖するためにおこなう細胞分裂の様式。体細胞分裂では、複製されて数が2倍になった染色体を2つの娘細胞へと均等に分配する。結果として、元々の細胞と同じ染色体を同じ数だけ持つクローン細胞が生み出されることとなる。体細胞分裂において染色体分配に異常が起きると、細胞死や、がん化の原因となるといわれる。
※3 微小管
細胞骨格といわれる繊維状の細胞内構造体のひとつで、チューブリンと呼ばれるタンパク質が直線状に連結して作られた重合体。チューブリンが末端に付加されることで微小管は伸長し、染色体を捕まえることができる。逆に、チューブリンが末端から解離することで微小管は短縮し、既に捕まえた染色体を引っ張り、分配することができる。
※4 動原体
1本の染色体あたり1カ所、セントロメアと呼ばれるDNA配列の部分に約100種類程度のタンパク質が順次結合するかたちで形成される、巨大なタンパク質複合体。動原体の主たる役割は、分裂期に紡錘体の微小管が結合する場所としての働きであり、正しい染色体分配に不可欠なものである。微小管は動原体を結合したまま、チューブリンを解離して短縮することができる。
※5 モータータンパク質
キネシンなどのエネルギーを用いて運動するタンパク質の総称。そのなかでは、細胞骨格をレールとしてその上を「歩行運動」することで、物質輸送における乗り物として働くものが多い。本文にて述べたキネシン-13タンパク質はそれらとは異なり、微小管の末端に結合したままエネルギーを消費することで、チューブリンを微小管末端から解離する(微小管を短縮化する)働きを持つことが知られる。
※6 分裂酵母
単細胞の真核生物。染色体分配における基本原理などはヒトなどの高等生物と共通したシステムを持つとされ、古くから細胞現象を研究するためのモデル生物として用いられてきた。1回の細胞分裂が3時間と短いことから、体細胞分裂の研究に優れている。また、細胞の生育環境を変えることで容易に減数分裂の開始を誘導できることから、減数分裂の研究でもひろく用いられている。
※7 TOGファミリー
酵母からヒトまですべての生物で保存され、微小管末端へチューブリンを連結させる働きを共通して持つとされてきたタンパク質。こうした定説と異なり、分裂酵母のDis1が微小管を短縮させる因子であることを実証するためには、生化学的な性質の解明が必要であった。
※8 試験管内の再構築実験
細胞内のある分子メカニズムについて、関与が考えられている分子をそれぞれ精製し、細胞外の環境においてモデルを再現する実験のこと。試験管内という、細胞内の複雑な相互作用を排除した環境を用意し、分子の生化学的な性質を解明できる。
雑誌名:Communications Biology
論文名:Fission yeast Dis1 is an unconventional TOG/XMAP215 that induces microtubule catastrophe to drive chromosome pulling
執筆者名(所属機関名):村瀬裕一1, 山岸雅彦2, 岡田直幸1,3, 戸谷美夏1,4,5, 矢島潤一郎2,6,7, 濱田隆宏8、佐藤政充1,5,9
1: 早稲田大学・大学院先進理工学研究科(生命医科学専攻)、
2: 東京大学・大学院総合文化研究科(生命環境科学系)、
3: ポルト大学(ポルトガル)、4: 早稲田大学・国際理工学センター、
5: 早稲田大学・先進生命動態研究所、6: 東京大学・先進科学研究機構、
7: 東京大学・複雑系生命システム研究センター、
8: 岡山理科大学・生命科学部・生物科学科、
9: 早稲田大学・構造生物・創薬研究所
掲載日:2022年11月26日(土)
掲載URL:https://www.nature.com/articles/s42003-022-04271-2
DOI:https://doi.org/10.1038/s42003-022-04271-2
研究費名:科研費 基盤研究(B)
研究課題名:微小管の形成メカニズムと細胞内新機能の発見
研究代表者名(所属機関名):佐藤 政充(早稲田大学)
演題:進化分子工学 ~進化によるものづくり・いきものづくり~
日時:2022年12月21日(水)16:30-18:00
会場:西早稲田キャンパス 56号館 102室
講師:宮崎 健太郎(大阪大学 生物工学国際交流センター 特任教授)
対象:学部生・大学院生、教職員、学外者、一般の方
参加方法:入場無料、直接会場へお越しください。
主催:先進理工学部 応用化学科
問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課
TEL:03-5286-3000
演題:環境中での外来遺伝子の取り込みによる細菌の機能進化
日時:2022年12月9日(金) 16:30 – 18:00
会場:早稲田大学120-5号館 121会議室
※ハイブリットで開催いたします。遠隔参加希望の場合は以下参照
講師:野尻 英昭(東京大学アグロバイオテクノロジー研究センター 環境保全工学研究室 教授)
対象:学部生・大学院生、教職員、学外者、一般の方
事前申込先:[email protected]
「お名前」「所属」「メールアドレス」「講演会参加の目的」を明記下さい。
早稲田大学の学生の場合は、学籍番号もご記入ください。
申し込みいただいた方に、zoomアドレスをお送りします。
主催:早稲田大学 先進理工学部 生命医科学科
問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課
演題:建築と絵画 ――― 芸術は越境する
日時:2022年12月14日(水) 13時00分~18時00分
13時00分~18時00分の間の180分程度
※途中に15分休憩を2回挟みます。
会場:西早稲田キャンパス 56号館104室
講師:山本 浩二(画家 神戸女学院非常勤講師)
対象:学部生・大学院生、教職員、学外者、一般の方
参加方法:入場無料、直接会場へお越しください。
※13:00開始に遅れないようご参加ください。途中入室はご遠慮ください。
主催:創造理工学部 建築学科
問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課
TEL:03-5286-3000
演題:「編む建築」〜地域社会を支える建築
日時:2022年12月6日(火)16:30-18:00
会場:西早稲田キャンパス 57号館202室
講師:仲 俊治(仲建築設計スタジオ 代表)
対象:学部生・大学院生、教職員、学外者、一般の方
参加方法:入場無料、直接会場へお越しください。
主催:創造理工学部 建築学科
問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課
TEL:03-5286-3000
早稲田大学理工学術院の関根 泰(せきね やすし)教授らの研究グループは、構造を制御した固体酸化物材料に外部から電位を与えることで、二酸化炭素をスイッチひとつで選択的に吸着することや脱離させることができることを理論的に明らかにしました。
2050年カーボンニュートラル実現に向けて、温暖化ガス排出抑制が喫緊の課題として取り上げられています。その中で最も量の多い二酸化炭素は、選択的回収技術において多大なエネルギー消費が課題となっていました。
本研究成果はこれまでの液体を用いた二酸化炭素回収とは異なる、乾式・小型でオンデマンド駆動が可能な二酸化炭素回収・濃縮プロセスを実現できる可能性を示しています。高効率で必要なときに必要なだけ二酸化炭素を回収・濃縮することができればカーボンニュートラルに資する新たな技術となりえます。
本研究成果は、2022年10月26日(現地時間)にイギリス王立化学会の『Physical Chemistry Chemical Physics』のオンライン版で公開されました。
論文名:Theoretical investigation of selective CO2 capture and desorption controlled by the electric field
DOI:10.1039/D2CP04108A
二酸化炭素回収においては、物理的あるいは化学的な吸収の手法が長らく提案されてきました。これは回収能力を有する液体に二酸化炭素を吹き込んで吸収させるものです。吸収は比較的容易に行えるものの、放出の際は外部から加熱する必要があり、発電所排ガスの二酸化炭素回収の場合では、生み出した電力の1割以上のエネルギーを消費してしまうという欠点がありました。
このような中、必要なときに必要なだけ固体材料に二酸化炭素を吸着させ、濃縮したものを外部制御で脱離・放出させられれば、画期的なものとなります。このようなコンセプトのもと、早稲田大学と韓国のHanyang大学が連携した国際共同研究によって、構造を制御した固体酸化物材料に外部から電位を与えることで二酸化炭素を選択的に吸着することや脱離させることができることを理論的に明らかにしました。
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今回、希土類の酸化物に異種の元素をドープ※1した材料を用いて、外部から直流の電位をプラスとマイナスのそれぞれで与えた場合の、二酸化炭素の吸着と脱離を詳細に解析しました。その結果、図に示すようにセリウム酸化物という材料に異種の金属を導入した材料を用いて、プラスの強い電位(電流は流さない)を与えた場合に二酸化炭素が選択的に吸着し、マイナスの電位に切り替えると二酸化炭素が脱離することを理論的に明らかにしました。
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この発見は、これまでの液体を用いた二酸化炭素回収とは異なる、乾式・小型でオンデマンド駆動が可能な二酸化炭素回収・濃縮プロセスを実現できる可能性を示しています。このようにして得た二酸化炭素を再生可能エネルギーなどと組み合わせて再利用あるいは固定化すれば、化石資源消費を削減した社会の実現に一歩近づくことができます。
本研究はコロナ禍の中での国際共同研究のため、理論化学での検討によりこのような現象が起こりうることを明らかにできましたが、今後は実際にこの材料を用いた二酸化炭素のオンデマンド回収装置を稼働させて、従来に比して低いエネルギーで回収・濃縮が可能なことを実証していきたいと考えています。
二酸化炭素の回収に要するコストは、1トン当たり排気ガスからだと2000-5000円程度、大気からだと20000円程度以上かかると言われています。かつ装置が液体を用いた回収と加熱による再生からなり、大型で小回りがきかないものでした。本発見をベースに小型のオンデマンド駆動可能な乾式の二酸化炭素回収装置を実現させ、高効率で必要なときに必要なだけ二酸化炭素を回収・濃縮することができればカーボンニュートラルに資する新たな技術となります。
※1 元素のドープ
酸化物の構造をつくる元素に対して、違う元素を微量置き換えて入れることにより、酸化物の構造を歪ませたり性能を向上させることができる手法のこと。
雑誌名:Physical Chemistry Chemical Physics
論文名:Theoretical investigation of selective CO2 capture and desorption controlled by the electric field
執筆者名(所属機関名):Koki Saegusa*1, Kenshin Chishima*1, Hiroshi Sampei*1, Kazuharu Ito*1, Kota Murakami*1, Jeong Gil Seo*2 and Yasushi Sekine*1
*1 早稲田大学
*2 韓国Hanyang大学
掲載日(現地時間):2022年10月26日
掲載URL:https://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2022/CP/D2CP04108A
DOI:10.1039/D2CP04108A
研究費名:JSPS二国間共同研究
研究課題名:電場アシスト二酸化炭素捕捉メカニズムの研究
研究代表者名(所属機関名):Prof. Jeong Gil Seo(韓国Hanyang大学)
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発表のポイント
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2022年10月26日、学校法人早稲田大学(東京都新宿区、理事長:田中愛治)理工学術院の中垣隆雄(なかがきたかお)教授をPM(プロジェクトマネージャー)とし、同大理工学術院の秋山充良(あきやまみつよし)教授らの研究グループ(以下、本研究グループとする)と、株式会社ササクラ(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:笹倉敏彦)の島田統行(しまだのりゆき)らによる提案が、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDOとする)による「カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/CO2有効利用拠点における技術開発/研究拠点におけるCO2有効利用技術開発・実証事業」(実証研究エリア)において、プロジェクト「海水を用いた有価物併産カーボンリサイクル技術実証と応用製品の研究開発」(以下、本プロジェクトとする)として採択されました。
本プロジェクトでは、広島県・大崎上島の実証研究エリアにおいて供給される石炭ガス化複合発電由来のCO2と、20トン/日の海水を用いてカーボンリサイクル技術のパイロットスケールの試験を実施します。あわせて、CO2を炭酸マグネシウムとして固定化し、コンクリート用の人工細骨材や壁面材として利用するための製造法も同時に開発します。
CO2 を分離回収し資源として有効活用するカーボンリサイクル技術は、日本政府によって2021年6月に策定された「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」*1において、カーボンニュートラル社会を実現するためのキーテクノロジーとして位置付けられています。2021 年7 月にはカーボンリサイクル技術ロードマップ*2も改訂されています。
カーボンリサイクル技術の2030 年の実用化に向けて、当該技術の開発を効率的に進めることを目指し、石炭ガス化複合発電の燃焼前分離としてCO2が回収されている大崎クールジェン(広島県・大崎上島)に付設された研究拠点において、CO2 有効利用に係る要素技術開発および実証試験を行い、経済性やCO2 削減効果などの評価がなされています。
本研究グループと株式会社ササクラは、日揮グローバル株式会社とともに、NEDOの2020年度公募プロジェクト「カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/CO2排出削減・有効利用実用化技術開発/炭酸塩、コンクリート製品・コンクリート構造物へのCO2利用技術開発」(以下、前プロジェクトとする)に採択され、2020~2021年度にかけて実施して参りました。
※参考:研究開発テーマ「海水および廃かん水を用いた有価物併産CO2固定化技術の研究開発」
(2020年7月15日プレスリリース、https://www.waseda.jp/top/news/69663)
前プロジェクトでは、海水を用いて軟水・高純度石膏・芒硝・食塩・カリウム肥料などの有価物を併産しつつ、塩化マグネシウムの水和物を経由して酸化マグネシウムを得て、CO2を含むガスとの気固接触によって炭酸マグネシウムとして固定化するまでの工程をベンチスケールの試験設備で成功させました。
今回のプロジェクトでは前プロジェクトによる成果を基に、大崎クールジェンの実証研究エリアにおいてパイロットスケールに拡大し、以下の項目に取り組みます。
本プロジェクトでは、炭酸マグネシウムとして半永久的にCO2を固定化できるカーボンリサイクルの実現に大きな一歩となります。また、フィージビリティスタディを通して、構築するプロセスに関するCAPEX および OPEXなどの経済性評価、併産品およびカーボンリサイクル製品の市場性の評価、これらの市場性も考慮したCO2削減効果など具体的に検討します。また、経済性・市場性評価やCO2削減効果の結果を示すことで、カーボンリサイクル技術の収益化による早期社会実装につながることが期待されます。さらに、気候変動によって増加が見込まれる海外の淡水需要にも対応するとともに、現地のカーボンニュートラル化にも貢献します。
プロセス運転条件のファインチューニングを担当。特に最終製品に必要な炭酸マグネシウムの結晶構造を得るために、塩化マグネシウム水和物の熱分解と気固接触による炭酸塩化のプロセスを改良。得られた高純度石膏、炭酸マグネシウムは吉野石膏(株)にて試作品製造および品質評価を実施。
炭酸マグネシウムを高い割合で含むコンクリート開発を担当。特に炭酸マグネシウムなどを用いた人工細骨材を開発し、従来のコンクリート製品と同等以上の強度発現の配合条件を探求。
広島県大崎上島の研究拠点において、海水20トン/日のプラントのEPC(エンジニアリング、調達、および建設設置)および連続運転を担当。また、塩酸発生抑制や炭酸カルシウム併産などオプショナルなプロセスも同時に開発・実証することで、技術ラインナップを強化。燃焼後のCO2分離回収付き国内火力発電への適用を想定したフルスケールプラントのフィージビリティスタディも実施。
CCUS*3は、カーボンニュートラルの実現において、当面依存せざるを得ない化石燃料由来のCO2に対して有力な解決策です。カーボンリサイクルはその中核技術であり、グリーン成長戦略の14テーマの一つとしても位置づけられています。一方、CO2フリー水素の利用を前提としたカーボンリサイクル製品は、コストや追加的なエネルギー消費などの観点で旧来の同等製品を代替するには時間がかかるとされ、間近に控えた2030年には先導的な役割として、水素を用いない炭酸塩などのカーボンリサイクル製品開発が期待されています。
海水淡水化プラントの廃かん水を用い、塩化マグネシウム/酸化マグネシウムを経由して炭酸マグネシウムへCO2を固定化する技術は2015年に中垣研究室が原案を開発しています。その後、早稲田大学西早稲田キャンパス(東京都新宿区)でのベンチスケール試験を経て、パイロットスケールレベルの実証試験着手に今回ようやく到達しました。高品質な有価物の併産と主力である炭酸マグネシウム派生製品の実用化を通して、カーボンリサイクル技術の早期社会実装を目指すとともに、海外の水資源の確保が困難な地域に対して、水供給とCO2固定化の一石二鳥で貢献していきたいと考えています。
※IEA(国際エネルギー機関)が主催するGHGT-14(2018年10月メルボルンにて開催)にて初めて発表、Proceedingsは2019年4月公開。「Feasibility Study of Net CO2 Sequestration Using Seawater Desalination Brine with Profitable Polyproduction of Commodities」https://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=3365716##(特願2019-080243「二酸化炭素の固定化方法」特許出願済み。)
事業名称:NEDO カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/CO2有効利用拠点における技術開発 /研究拠点におけるCO2有効利用技術開発・実証事業(実証研究エリア)
テーマ:「海水を用いた有価物併産カーボンリサイクル技術実証と応用製品の研究開発」
実施期間:2022年度から2024年度までの3年間
(参考)カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/CO2有効利用拠点における技術開発/研究拠点におけるCO2有効利用技術開発・実証事業」(実証研究エリア)に係る実施体制の決定について https://www.nedo.go.jp/koubo/EV3_100252.html
学校法人早稲田大学
理工学術院創造理工学部総合機械工学科 中垣隆雄 教授
理工学術院創造理工学部社会環境工学科 秋山充良 教授
株式会社ササクラ
研究開発部研究開発室 室長 島田統行
日本政府によって2020年10月に、2050年カーボンニュートラルを目指すことが宣言されています。そこで、2050年カーボンニュートラルの達成のために、2021年6月に経済産業省を中心とした関連省庁が一体となって、経済と環境の好循環を作っていく産業政策=グリーン成長戦略が策定されました。「イノベーション」を実現し、革新的技術を「社会実装」することを目指し、成長が期待される14の重点分野を選定。それぞれに高い目標を設定し、日本の新たな成長戦略として捉えられています。
※参考)経済産業省 https://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/global_warming/ggs/index.html
2019年6月に経済産業省が中心となって策定した、カーボンリサイクル技術に関する目標、技術課題、タイムフレームを設定し、その拡大・普及の道筋を示しイノベーションの加速化を目的としたもの。2021年6月に「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」が策定されたことの基づき、2021年7月に一部改訂されています。改訂においては、①進展のあった新たな技術分野(DAC、合成燃料)を追記、②カーボンリサイクル製品(汎用品)の普及開始時期を2040年頃に前倒しし、③国際連携の取り組みが追記されています。
※参考)経済産業省 https://www.meti.go.jp/press/2021/07/20210726007/20210726007.html
「Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage」の略で、発電所や工場などから排出されたCO2を分離回収し、そのCO2を地下貯留あるいは炭素を含む製品に利用しようという取り組みです。国内では、北海道苫小牧市において30万トンのCO2が地下に圧入されています。また、CO2を原料として,例えば航空機用の合成燃料(Sustainable Aviation Fuel、SAF)などに利用するプロジェクトなどが進んでいます。
※参考)資源エネルギー庁 https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/ccus.html
演題:”Octahedral molybdenum cluster complexes for photodynamic applications”
日時:2022年12月7日(水)14:30-16:00
会場:西早稲田キャンパス 63号館2階 03会議室
講師:Kaplan Kirakci(Institute of Inorganic Chemistry, The Czech Academy of Sciences Researcher)
対象:学部生・大学院生、教職員、学外者、一般の方
参加方法:入場無料、直接会場へお越しください。
主催:Major in Chemistry
問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課
TEL:03-5286-3000
演題:変わりゆくアジア食とアジア人の腸内細菌叢
日時:2022年12月7日(水)16:30-18:00
会場:西早稲田キャンパス 55N号館 1階 第2会議室
講師:中山 二郎(九州大学大学院農学研究院 教授)
対象:学部生・大学院生、教職員、学外者、一般の方
参加方法:入場無料、直接会場へお越しください。
主催:先進理工学研究科 化学・生命化学専攻
問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課
TEL:03-5286-3000
演題:「分離技術開発のための粉体シミュレーションの基礎とその適用事例」
日時: 2022年12月5日(月) 10:40-12:10
会場:Zoomによるオンライン講演会(後日URLをお送りいたします)
講師:綱澤 有輝(博士(工学)産業技術総合研究所地質調査総合センター 研究員)
対象:学部・大学院生・教職員・一般の方
参加方法:参加無料、事前申込制
事前申込先:https://forms.gle/ZqpwEPzBFT6FYrU16
上記URL入力フォームにて、「メールアドレス」「氏名」「所属」「参加目的」「学籍番号(早稲田大学学生のみ)」を入力してお申し込み下さい。
申込締切:2022年11月30日(水)15:00
主催:創造理工学部 環境資源工学科
演題:科学技術と共に実現するインクルーシブな未来社会に向けて
日時:2022年11月28日(月)16:15-18:15
会場:早稲田大学 121号館 地下コマツホール
講師:浅川 智恵子(日本科学未来館館長、IBMフェロー、カーネギーメロン大学教授)
対象:学部生・大学院生、教職員、学外者、一般の方
参加方法:入場無料、直接会場へお越しください。
主催:先進理工学研究科 応用物理学専攻
問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課
TEL:03-5286-3000