ノーマルビュー

糖尿病網膜症 無線測定システム開発へ

著者: contributor
2023年4月10日 16:54

コンタクトレンズにも搭載可能な感度2000倍に改善できる新しい原理の無線回路計測に成功

糖尿病網膜症や敗血症を無線で測るシステム開発へ

発表のポイント

  • スマートコンタクトレンズ等にも搭載可能な、新しい原理の回線回路(パリティ時間(PT)対称性共振結合回路(並列接続))を実現した。
  • 涙中糖度(0.1-0.6 mM)を無線で計測することに成功し、皮膚を介して血中乳酸を(0.0–4.0 mM)無線で計測することに成功した。
  • 本成果は、糖尿病網膜症や敗血症を無線で測るシステムの開発につながると期待される。
概要

早稲田大学大学院情報生産システム研究科の高松 泰輝(たかまつ たいき)助手、三宅 丈雄(みやけ たけお)教授の研究グループは、新しい原理の無線回路(パリティ時間(PT)対称性共振結合回路(並列接続))を開発し、センサ感度が2000倍に改善することを確かめました。本システムは、検出器側に負性抵抗を搭載することで効果を得るため、従来型センサ回路をそのまま利用できる特徴を有しています。本技術によって、これまで計測が困難であった涙中糖度(0.1 – 0.6 mM)の無線計測を実現しました。すなわち、健常者(平均値0.16±0.03 mM, 0.1-0.3 mM)と糖尿病患者((平均値0.35±0.04 mM, 0.15-0.6 mM)を数値で評価することが可能であり、世界で失明原因第1位の糖尿病網膜症の治療効果や予防に貢献し得るものとして期待されます。さらに、皮膚を介した血中乳酸の計測も本計測システムで実現したため、2.0mM以上で致死率が増加する敗血症のモニタリングへの応用も期待されます。

本研究成果は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)、研究成果展開事業大学発新産業創出プログラム(START)大学・エコシステム推進型大学推進型、東電記念財団、カシオ科学振興財団、キヤノン財団の助成によって実施されたものであり、「Advanced Materials Technologies」に4月8日(土)にオンライン版で公開されました。

微弱な生体信号を無線で測る新しい原理の共振結合回路システム

(1)これまでの研究で分かっていたこと

コンタクトレンズは、屈折異常を矯正して視力を補強するウェアラブルな高度医療機器としての利用が一般的でしたが、近年、これらレンズと電子デバイスを組み合わせた「スマートコンタクトレンズ」の開発が盛んです。その使途用途は、主に①視覚拡張機器、②生体情報計測機器、③疾病治療機器に大別され、これら新市場に向けた材料・デバイス・システム開発が進んでいます(図1)。これまでに、米国やスイス等の新興企業から幾つかのプロトタイプ(スマートコンタクトレンズ)が開発されてきました。しかし実用化が進まない主な要因は、無線システムの設計にあり、この仕様をどうするかによって性能(センサ機能、検出方式および消費電力)と価格(センサレンズ、無線計測器、レンズ素材)が大きく異なるためです。

図1:スマートコンタクトレンズにおける新産業創出

このような背景の中、三宅研究グループは、量子効果を取り入れたパリティ・時間(PT)対称性共振結合回路(Gain-Loss結合回路、並列接続)を新たに開発することで共振結合系の高Q値化※1を実現し、共振回路型バイオセンサ(化学抵抗器:数百 Ω)における微弱な抵抗変化(数Ω,これまでは計測が困難な信号)を増幅しながら測る無線計測システムを開発しました。例えば、涙に含まれる糖度(グルコース)を計測する場合、計測対象は微弱な信号変化(0.1~0.6 mM)となるため、既存技術(Loss-Loss 結合回路)における読み取りでは、グルコース濃度に伴う共振特性の変化率(感度)を読み取ることが極めて難しいものでした。一方、Gain-Loss 結合回路を用いた場合、結合系のQ値を理想的に高くすることができるため、高感度な無線計測が実現可能です。しかしながら、既存技術の回路系(直接接続)では、センサ側に溶液抵抗を含む高抵抗な糖度センサ(化学抵抗器(R1):数百 Ω)を直接組み込むことはできず、よって微弱な抵抗変化(r:数Ω)を共振回路特性に反映することは困難でした。

(2)今回の研究で新たに実現しようとしたこと、明らかになったこと

今回、三宅研究グループでは、Gain-Loss結合のセンサ側に2極式バイオセンサ(化学抵抗器)を並列に接続することで、共振回路の振幅変調(AM)を成し遂げました。また、並列接続共振回路におけるパリティ・時間(PT)対称性について理論的な成立を証明し、実験的に結合系Q値の増加(高感度化)、および、微弱な生体信号を無線で計測するに成功しました(図2)。

図2:従来回路および新回路による計測システ

涙に含まれる生化学成分は、夾雑物を多く含むため、一般的に、反応選択性を有する酵素電極が用いられます。しかし、涙中糖度は、濃度が極端に低いため(0~0.5 mM)、得られる信号が微弱です(抵抗値変化が小さい)。既存技術(古典的なLoss-Loss共振結合回路)では、これを無線で測ることは非常に困難であるため、センサの特性を示すのみに留まり、無線で測るまでには至っていないのが現状でした(図2左図:従来法)。そこで、三宅研究グループで開発した繊維型酵素センサを新回路に組み込むことで、無線で高感度に計測することに成功しました(感度:2000 Ω/ 0.1mM、図2右図、図3:提案手法)。その結果、0.05 mM単位の糖度を見分けることが可能となるため(健常者の糖度: 0.05-0.2 mM、糖尿病患者の糖度: 0.15-0.5 mM)、糖尿病患者(現在までに1000万人以上いる)の健康管理に利用できることに加え、国内では失明原因第2位、グローバルでは失明原因第1位の糖尿病網膜症の無線計測が実現できることを実証しました。本システムは、センサ側の抵抗値(R1)と極性の異なる負性抵抗(-R2、ただし|R1 |=|R2 |)を検出器に設置するのみで良いため、既存のセンサをそのまま利用できことが特徴です。また、センサ側に電源を設置することが不要となるため、使い捨てレンズなどの消耗品センサの単価を抑えることが可能となります。なお、本無線計測システムは、ヒトのみを対象とするものでなく、犬などのペット産業にも応用することができます。

図3:従来法と新手法による糖度の無線計測

さらに、本無線計測の仕組みは、上述した体表計測に加え、体内への応用にも技術的優位性を示します(図4)。一般的に、体内埋め込みデバイスへの無線給電および無線計測を実現する際、皮膚において交流電場のエネルギー吸収が生じるため(誘電損失)、給電効率および計測感度が著しく低下します。実際に、市販のヒト皮膚を用いてエネルギー損失を確認したところ、皮膚によって計測インピーダンスが1/4低下し、さらに、無線計測(血中乳酸濃度)の感度が低下することを確認しました。

図4:皮膚を介した無線計測への応用

一方、PT対称性の仕組みを利用すると、皮膚抵抗を加味した負性抵抗を調整(チューニング)できるため、高いセンサ感度を維持させたまま無線計測が可能となります。

(3)研究の波及効果や社会的影響

今回の研究により、高感度で高利得な無線センサおよび計測システムを構築することに成功しました。ここでは、敗血症(乳酸アシドーシス)のバイオマーカーで知られる血中乳酸を測定対象とし、敗血症が疑われる患者の乳酸濃度(0-4.0 mM)を無線で測れることを確かめました。従って、本技術は、従来技術と比較して高感度・高利得などの技術的優位性を持ち、かつ、体表および体内埋め込みなど目的とする無線計測システム(センサ・リーダ・システム)として、幅広く利用することができます。

(4)今後の課題・研究者からのコメント

今後はこの研究成果の事業化に向け、本計測レンズを用いて医学部眼科の先生と共同で臨床試験に取り組んでいきます。また、本プロジェクトにご興味のある企業からのお問い合わせをお待ちしています。

(5)用語解説

※1 共振結合系の高Q値化
共振回路における共振のピークの鋭さを表す値「Q」(Quality factor)が大きいほど、共振回路の損失が少ない回路を実現できたと言えます。

(6)論文情報

雑誌名:Advanced Materials Technologies
論文名:Wearable, Implantable, Parity-Time Symmetric Bioresonators for Extremely Small Biological Signal Monitoring
執筆者名(所属機関名):Taiki Takamatsu, Y. Sijie, Takeo Miyake(Waseda University)
掲載日時:2023年4月8日(土)
掲載URL:https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/admt.202201704
DOI:10.1002/admt.202201704

(7)研究助成

日本医療研究開発機構 官民による若手研究者発掘支援事業(Grant Number JP20he0422009j0001)、研究成果展開事業大学発新産業創出プログラム(START)大学・エコシステム推進型大学推進型、東電記念財団、カシオ科学振興財団、キヤノン財団

令和5年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 5名の教員が受賞

著者: contributor
2023年4月7日 17:42

このたび、早稲田大学の研究者5名が、科学技術分野で顕著な功績があったとして、「令和5年度科学技術分野の文部科学大臣表彰」を受賞しました。
科学技術分野の文部科学大臣表彰は、科学技術に携わる者の意欲向上を図り、日本の科学技術水準の向上に寄与することを目的としており、科学技術に関する研究開発、理解増進等において顕著な成果を収めた者に対し授与されています。

今後も本学では、中長期計画「Waseda Vision150」における研究ビジョンである「世界の平和と人類の幸福に貢献する研究」の実現に向け、未来をイノベートする独創的研究の促進を図ってまいります。

科学技術賞(研究部門)

氏名 所属・役職 業績名
尾形 哲也 理工学術院・教授  深層予測学習によるロボットのマルチタスク学習に関する研究
柴田 重信 理工学術院・名誉教授  時間栄養と時間運動の確立と健康科学への応用研究
竹山 春子 理工学術院・教授  シングルセル技術による環境有用微生物の深層解析研究
GUEST Martin Andrew 理工学術院・教授  tt*方程式および量子コホモロジーに関する一連の研究

若手科学者賞

氏名 所属・役職 業績名
水内 良 理工学術院・専任講師  自己複製分子システムを用いた原始生命進化に関する研究

 

「エピゲノムを利用したHIV複製機構の理解」(2023/5/11)

著者: staff
2023年4月5日 15:05

演題:エピゲノムを利用したHIV複製機構の理解

 

日時:2023年5月11日(木)13:10-14:50

 

会場:西早稲田キャンパス 54号館 204教室(予定)

 

講師:町田 晋一(国立国際医療研究センター テニュアトラック部長)

 

対象:学部生・大学院生、教職員、学外者、一般の方

 

参加方法:入場無料 直接会場へお越しください。

 

主催:先進理工学部 電気・情報生命工学科

 

問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課

 

TEL:03-5286-3000

最適な分子配置を正確かつ高速に予測

著者: contributor
2023年4月5日 14:56

世界初 次世代コンピューティングにより固体表面への分子吸着予測に成功

発表のポイント

  • 次世代コンピューティングの一つである量子インスパイアード技術※1「Fujitsu Quantum-inspired Computing Digital Annealer」※2(以下、「デジタルアニーラ」)を用いた、固体表面への分子吸着の予測に世界で初めて成功
  • 組合せ爆発を起こさずに分子の吸着配位を高速に探索する新手法を開発
  • 分子配置の組合せが多い複合材料などにおいて、正確かつ高速に最適な配置を予測することが可能に

早稲田大学大学院先進理工学研究科博士1年の三瓶 大志(さんぺい ひろし)氏・七種 紘規(さえぐさ こうき)氏ならびに同大理工学術院の関根 泰(せきね やすし)教授らの研究グループは、慶應義塾大学理工学部の田中 宗(たなか しゅう)准教授、ENEOS株式会社とともに、次世代コンピューティングの一つであるアニーリング方式に属する富士通株式会社の量子インスパイアード技術「デジタルアニーラ」を用いて、固体表面への分子吸着を予測することに成功しました。量子インスパイアード技術を固体表面への分子吸着予測に活用する取り組みは世界初となります。

今回、「デジタルアニーラ」を用いて、組合せ爆発を起こさずに吸着配位を高速に探索する新しい方法を開発しました。本手法では、特に多くの分子が吸着している領域において、従来法よりもはるかに高速に、安定な分子配置を発見できることがわかりました。一例として、従来は38601秒かかっていた16分子の吸着の予測を、準備時間(1回のみ必要)2154秒と、「デジタルアニーラ」による計算132秒だけで完了でき、圧倒的な高速性を示すことができました。

今回の研究の位置づけ

また、得られた結果を株式会社Preferred NetworksとENEOS株式会社が共同で設立した株式会社Preferred Computational Chemistryが提供する汎用原子レベルシミュレータMatlantisで解析した結果、本手法による予測が正しいことがわかりました。この手法により、特に分子配置の組合せが多い複合材料や大規模モデリングにおいて、正確かつ高速に最適な配置を予測することが可能になります。

本研究成果は、2023年3月27日(現地時間)にアメリカ化学会の『JACS Au』のオンライン版で公開されました。

論文名:Quantum Annealing Boosts Prediction of Multimolecular Adsorption on Solid Surfaces Avoiding Combinatorial Explosion
DOI:10.1021/jacsau.3c00018

(1)これまでの研究で分かっていたこと

分子の表面への吸着現象は、触媒反応など多様な分野において必ず発生する重要な過程です。これらは理論計算を行うことで、原子レベルで触媒反応や吸着を捉えることが可能でした。このような理論計算により分子や原子の吸着に注目して触媒性能を評価する研究はこれまでにも多く存在しています。しかしこれら理論計算は、少ない分子の計算による精密な計算が主であり、分子の数が増えると組合せ爆発が起こるため、膨大な時間がかかることが課題でした。

(2)今回の研究で新たに実現しようとしたこと、明らかになったこと

このように網羅的に高被覆率の吸着構造の探索を行うことは、正確な評価ができるが分子数に対して指数関数的な時間がかかります。一方、逐次探索による被覆率の影響評価は、少ないコストで済むが不正確なモデル構築で仮定して進めるため、正確性に欠けることが知られています。そこで研究グループは、富士通株式会社が有する組合せ最適化問題に特化したアニーリング方式に属する量子インスパイアード技術である「デジタルアニーラ」を活かして、表面化学分野における分子の吸着を予測することができないかと考え、取り組んできました。

(3)そのために新しく開発した手法

今回研究グループが開発した手法を図に示します。アニーリング方式では、最適化の対象となる式をQUBOと呼ばれる形式で記述する必要があります。そのためには固体表面への多分子の吸着という多値変数を、複数の2値変数で表現しなければなりません。このような中で、独自に吸着構造をQUBOと呼ばれる形式のモデルへと転換する手法を構築し、さらにそれを「デジタルアニーラ」によって解くことで、最適な構造を短い時間で計算して予測することが可能になりました。

本手法は、特に多くの分子が吸着している領域において、従来法よりもはるかに高速な探索と安定な分子配置を発見できることがわかりました。一例として、従来は38601秒かかっていた16分子の吸着の予測を、準備時間(1回のみ必要)2154秒と、「デジタルアニーラ」による計算132秒だけで完了でき、圧倒的な高速性を示すことができました。

また、得られた結果を株式会社Preferred NetworksとENEOS株式会社が共同で設立した株式会社Preferred Computational Chemistryが提供する汎用原子レベルシミュレータMatlantisで解析した結果、本手法による予測が正しいことがわかりました。これは、元の構造さえわかっていればモデルを組めるため、ニューラルネットワークポテンシャル※3による答え合わせが可能なことによります。この手法により、特に分子配置の組合せが多い複合材料や大規模モデリングにおいて、正確かつ高速に最適な配置を予測することが可能になります。

(4)研究の波及効果や社会的影響

今回の発見は、触媒反応や材料の合成などの多様な表面が関わる化学において、多くの分子の吸着を高速に正確に行うことができるという革新的な手法を作り上げ、次世代のコンピューティングを活かした化学の予測という新分野を開拓します。

(5)今後の課題

本研究は次世代コンピューティングの一つであるアニーリング方式を化学に用いた最初の報告です。今後、分子の傾きなどを組み入れて、多様な分子の吸着を予測できるように開発を続けていきたいと考えています。

(6)研究者のコメント

これまでの計算化学は正確ですが時間がかかることが課題でした。「デジタルアニーラ」は次世代コンピューティングの一つとして注目されており、組合せ最適化問題を解く手法として優れていることが知られ、物流分野などでは最近多く用いられてきています。これを化学における吸着に応用しようというのは初めての取り組みであり、困難を伴いましたが、多様なアイデアの組み合わせで実現することができました。今後のカーボンニュートラルに資する新たな化学反応の予測にこれらを応用していきたいと考えています。

(7)用語解説

※1 量子インスパイアード技術
量子現象に着想を得たコンピューティング技術で、現在の汎用コンピュータでは解くことが難しい「組合せ最適化問題」を高速で解く技術

※2 Fujitsu Quantum-inspired Computing Digital Annealer(デジタルアニーラ)
現在の汎用コンピュータでは解くことが困難な組合せ最適化問題を高速に解く富士通独自の量子インスパイアード技術。https://www.fujitsu.com/jp/digitalannealer/index.html

※3 ニューラルネットワークポテンシャル
従来からある原子シミュレータに対して、深層学習モデルを組み込むことで、原子スケールで分子や材料の挙動を再現して大規模な計算・予測・探索を行うことができること。

(8)論文情報

雑誌名:JACS Au
論文名:Quantum Annealing Boosts Prediction of Multimolecular Adsorption on Solid Surfaces Avoiding Combinatorial Explosion
執筆者名(所属機関名):Hiroshi Sampei#*1, Koki Saegusa#*1, Kenshin Chishima*1, Takuma Higo*1, Shu Tanaka*2, Yoshihiro Yayama*3, Makoto Nakamura*4, Koichi Kimura*4, and Yasushi Sekine*1
*1 早稲田大学
*2 慶應義塾大学
*3 ENEOS株式会社
*4 富士通株式会社
掲載日(現地時間):2023年3月27日
掲載URL:https://doi.org/10.1021/jacsau.3c00018
DOI:10.1021/jacsau.3c00018

(9)研究助成

研究費名:環境省
研究課題名:令和4年度地域資源循環を通じた脱炭素化に向けた革新的触媒技術の開発・実証事業
(革新的多元素ナノ合金触媒・反応場活用による省エネ地域資源循環を実現する技術開発)
研究代表者名(所属機関名):関根 泰 教授(早稲田大学理工学術院)

「Fascinated by hydrothermal reactions and soft chemistry(水熱反応とソフトケミストリーに魅せらせて)」(2023/4/28)

著者: staff
2023年4月5日 13:29

演題:Fascinated by hydrothermal reactions and soft chemistry

(水熱反応とソフトケミストリーに魅せらせて)

 

日時:2023年4月28日(金)16:00-17:40

 

会場:西早稲田キャンパス 55N号館 1階 第二会議室

 

講師:熊田 伸弘(山梨大学 教授)

 

対象:学部生・大学院生、教職員、学外者、一般の方

 

参加方法:入場無料、直接会場へお越しください。

 

主催:先進理工学研究科 応用化学専攻

 

問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課

 

TEL:03-5286-3000

世界初 共振で結晶の屈曲を大きく増幅

著者: contributor
2023年3月29日 17:31

結晶の共振固有振動による大きく高速な屈曲を世界で初めて発見

メカニカル結晶はアクチュエータやソフトロボットへ実用化する段階に到達

発表のポイント

光や熱などの外部刺激を動きに変換する「メカニカル結晶」の開発において、これまで光異性化・相転移・光熱効果などの現象が駆動源として用いられましたが、高速かつ大きな動きを創出することは難しく、課題でした。

本研究グループは、結晶に光を当てることで固有振動が起きて高速屈曲が生じ、この固有振動と同じ周波数の光を与えることによって生じる共振(共振固有振動)により、屈曲が大きく増幅することを世界で初めて発見しました。

共振固有振動を用いることであらゆる結晶を高速で大きく屈曲させることができるため、汎用性のある高速アクチュエーション機構として、ソフトロボットなどへの応用が期待されます。

早稲田大学(東京都新宿区、総長:田中愛治)ナノ・ライフ創新研究機構の小島秀子(こしまひでこ)招聘研究員と、同大理工学術院朝日透(あさひとおる)教授、同大学大学院先進理工学研究科4年(一貫制博士課程4年)・日本学術振興会特別研究員(DC1)の萩原佑紀(はぎわらゆうき)らの研究グループ(以下、本研究グループ)は、東京工業大学(東京都目黒区、学長:益一哉)物質理工学院の森川淳子(もりかわじゅんこ)教授らと、結晶に光を当てることで固有振動が起きて高速屈曲が生じることを発見しました。さらにこの固有振動と同じ周波数の光を与えることで、共振により屈曲が大きく増幅することを世界で初めて発見しました。今回の共振固有振動を用いることで、汎用性の高い高速結晶アクチュエータやソフトロボットの実現が期待されます。

本研究成果は、Springer Nature社発行による『Nature Communications』誌のオンライン版に2023年3月13日(月)(現地時間)に掲載されました。

論文名:Photothermally induced natural vibration for versatile and high-speed actuation of crystals

(1)これまでの研究で分かっていたこと(科学史的・歴史的な背景など)

光や熱などの外部刺激を動きに変換する「メカニカル結晶」は、軽くて柔らかいアクチュエータ※1やソフトロボット※2への応用が期待されています(参考文献1)。私たちは過去15年間、結晶を動かす原理として、光異性化※3(参考文献2)や相転移※4(参考文献3)に注目して、多数のメカニカル結晶を開発しました。しかし、光異性化や相転移する結晶は数が限られています。特に、光異性化については屈曲する動きが遅く(数秒)、厚い結晶は屈曲しないといった問題点がありました(参考文献4)

本研究グループは2020年、光熱効果※5によって厚い結晶が25 Hzの高速で屈曲することを発見しました(参考文献5)。その後、別の結晶を用いて、光熱効果による屈曲の機構をシミュレーションにより明らかにしました(参考文献6)。しかし、この光熱効果による屈曲は小さく(0.2–0.5度)、大きな動きを創出することが課題でした。

(2)今回の研究で新たに実現しようとしたこと、明らかになったこと

物体に外力を加えると、特有の周波数(固有振動数)で振動し続ける現象を固有振動といいます。この固有振動と同じ周波数の外力を加えると、共振と呼ばれる現象が発生して、振動が増幅されます。例えば、地震の際、建物の固有振動数と地震の周波数が一致すると共振して激しく揺れ、倒壊する恐れがあります。ギターやサックスなどの楽器は、弦やリードの動きで音(振動)を作り、箱や筒の中で共振させることで音を増幅しています。このように固有振動は私たちの日常に広く関わっていますが、動く材料を創るという観点では注目されていませんでした。

本研究の最初の目的は、熱膨張の大きい有機結晶に注目して、光熱効果による大きな屈曲を創出することでした。その研究中に、100ミリ秒で1.2度の光熱効果による大きな屈曲と同時に、390 Hzの高速で0.1度の微小な固有振動が起きていることを初めて発見しました(黒、図1a)。驚くことに、この固有振動と同じ390 Hzのパルス光を照射すると、共振により固有振動が3.4度に増幅されました(黒、図1b)。つまり、共振固有振動によって、結晶の高速で大きな屈曲が創出できることを世界で初めて発見しました。

この仕組みを解明するため、本研究グループは、光熱効果による熱が結晶内を伝導してできた温度勾配により結晶が変形し、同時に生じた熱応力※6が結晶の振動を起こすという機構を仮定し、結晶の屈曲をシミュレーションしました。その結果、共振を伴わない屈曲と共振により増幅された屈曲の両方を再現することができました(赤、図1a, b)。

さらに、結晶の形状を変えると200­–700 Hzの様々な共振固有振動が観察され、長く薄い結晶では「大きい屈曲」が、短く厚い結晶では「素早い屈曲」が創出できることがわかりました(図2a)。この共振固有振動について屈曲速度とエネルギー変換効率(光→屈曲運動)を、光異性化、光熱効果、非共振固有振動による屈曲と比較した結果、最も速い屈曲速度(0.2–0.7 m s-1)かつ最も高いエネルギー変換効率(~0.1 %)が得られることがわかりました(図2b)。

(3)そのために新しく開発した手法

正確な周波数のパルス光を照射するため、電子工作に広く用いられているArduino※7による制御システムを構築しました。光熱効果と固有振動の合わさった屈曲をシミュレーションするため、物体のあらゆる物理現象の計算に適している有限要素法※8を用いました。

(4)研究の波及効果や社会的影響

本研究において共振固有振動によって結晶を高速で大きく屈曲させられることを初めて発見し、シミュレーションによる再現にも成功しました。固有振動の共振に注目することで、あらゆる結晶を高速で大きく屈曲させることが可能です。また屈曲はシミュレーションできるため、結晶の種類やサイズ、光の照射条件などを変えれば望みの動きを設計することができます。

最終的にはこれまでの光異性化や相転移では難しかった、汎用性の高い高速結晶アクチュエータやソフトロボットの実現に期待が高まります。このような実用化へのアプローチにより、ヒトとロボットが融和して日常的に触れ合う、未来社会の創成に貢献できます。

(5)今後の課題

現状、固有振動で結晶が動く例はまだ本研究の1例のみなので、今後は別の結晶についても検討し共振固有振動の汎用性について実証する必要があります。さらに高速な固有振動を起こすことが出来れば、幅広い応用先の考案につながるため、高い固有振動数を持つヤング率※9の高い結晶に注目し検討する必要があると考えます。

(6)研究者のコメント

光で動く結晶はこの15年間で多数報告されてきました。今回、本研究グループの発見により、共振固有振動を用いてあらゆる結晶を高速で大きく動かせることがわかりました。本研究により、メカニカル結晶は実際にアクチュエータやソフトロボットへ実用化する段階に進んだと考えています。今後はアクチュエータやソフトロボットへの応用にも挑戦し、基礎研究から実用化まで、幅広く研究を展開したいと思います。

(7)用語解説

※1 アクチュエータ

光や電気といった入力信号を動きに変換する素子。

※2 ソフトロボット

金属など固い材料を用いず、柔らかい材料のみからなるロボット。

※3 光異性化

ある分子が光を吸収して別の分子に変化すること。

※4 相転移

光や熱などにより、材料がある状態から別の状態に変化すること。

※5 光熱効果

物質が光を吸収して熱を発生すること。

※6 熱応力

材料が熱的に膨張することで生じる力。

※7 Arduino

電気機器を制御するコンピュータの一種。

※8 有限要素法

物理現象を近似的に解くための数値解析手法。

※9 ヤング率

材料の変形しにくさを表す物性値。

参考文献】

  1. Koshima H. (ed) Mechanically Responsive Materials for Soft Robotics (2020). DOI: 10.1002/978352782220
  2. Koshima H. et al., Am. Chem. Soc., 2009. DOI: 10.1021/ja8098596
  3. Taniguchi T. et al., Commun., 2018. DOI: 10.1038/s41467-017-02549-2
  4. Koshima H. et al., J. Chem., 2021. DOI: 10.1002/ijch.202100093
  5. Hagiwara Y. et al., Mater. Chem. C., 2020. DOI: 10.1039/d0tc00007h
  6. Hasebe S. et al., Am. Chem. Soc., 2021. DOI: 10.1021/jacs.1c03588

(8)論文情報

雑誌名:Nature Communications
論文名:Photothermally induced natural vibration for versatile and high-speed actuation of crystals
執筆者名(所属機関名):Yuki Hagiwara*a, Shodai Hasebe*a, Hiroki Fujisawa*b, Junko Morikawa*b, Toru Asahi*a, Hideko Koshima*a   
*a: 早稲田大学、*b: 東京工業大学
掲載日(現地時間):2023年3月13日(月)
掲載日(日本時間):2023年3月13日(月)
掲載URL:https://www.nature.com/articles/s41467-023-37086-8
DOI10.1038/s41467-023-37086-8

(9)研究助成(外部資金による助成を受けた研究実施の場合)

研究費名:文部科学省 科研費 基盤研究(B)
研究課題名:熱と光で自在に動くロボット結晶の開発
研究代表者名(所属機関名):小島 秀子(早稲田大学)

研究費名:文部科学省 科研費 特別研究員奨励費
研究課題名:光熱効果によるメカニカル結晶材料の多様化と可能性の拡大
研究代表者名(所属機関名):萩原 佑紀(早稲田大学)

研究費名:早稲田大学 アーリーバードプログラム
研究課題名:光熱駆動高速結晶メカニカルリレーの開発
研究代表者名(所属機関名):萩原 佑紀(早稲田大学)

最新の注目研究者をピックアップ

著者: contributor
2023年3月29日 09:42

早稲田大学の最新の注目研究者をピックアップした動画:Research Recap at Waseda University 2023を公開しました。是非ご覧ください。

本動画に登場する研究者

0:04  所千晴教授 (理工学術院)

研究分野:Environmental materials and recycling technology
Recent research: A Novel, Single Electrical Pulse Method for the Recycling of Lithium-Ion Battery Cathodes 
Researcher details: https://w-rdb.waseda.jp/html/100000777_en.html
2021年度早稲田大学リサーチアワード(大型研究プロジェクト推進)受賞者

0:11  三宅丈雄教授  (理工学術院)

研究分野:Soft electronics and biomedical engineering
Recent research: Controlling Biological Cells Electrochemically with Bioiontronics
Researcher details: https://w-rdb.waseda.jp/html/100001422_en.html
2022年度早稲田大学PI飛躍プログラム支援対象者

0:22  コアド アレックス教授  (商学学術院)

研究分野:Business Economics and Entrepreneurship
Recent research: Growth Patterns and Exit Routes of Firms in Japan
Researcher details: https://w-rdb.waseda.jp/html/100002156_en.html
2021年度早稲田大学リサーチアワード(国際研究発信力)受賞者

0:28 大久保將史教授  (理工学術院)

研究分野:Batteries for a carbon neutral society
Recent research: Novel Materials and Optimal Electrochemical Conditions for Enhancing Ecofriendly Aqueous Batteries
Researcher details: https://w-rdb.waseda.jp/html/100002881_en.html
2021年度早稲田大学リサーチアワード(国際研究発信力)受賞者

0:36 有村俊秀教授  (政治経済学術院)

研究分野:Carbon Pricing: Emissions Trading and Carbon Tax
Recent research: Impact of Regional Emission Trading Systems on a Firm’s Overall Carbon Footprint
Researcher details: https://w-rdb.waseda.jp/html/100000111_en.html
次代の中学研究者2021

0:46 原太一教授  (人間科学学術院)

研究分野:Autophagy and food sciences
Recent research: Dietary Regulation of Autophagy for a Long and Healthy Life
Researcher details: https://w-rdb.waseda.jp/html/100001493_en.html

0:53 渡邊克巳教授 (理工学術院)

研究分野:Cognitive science and Experimental psychology
Recent research: How do our own voices affect our emotional states?
Researcher details: https://w-rdb.waseda.jp/html/100001331_en.html
次代の中学研究者2021

1:04 青木隆朗教授 (理工学術院)

研究分野:Quantum optics
Recent research: Towards Distributed Quantum Computing with Photon-based Coupling between Distant Atoms
Researcher details: https://w-rdb.waseda.jp/html/100001117_en.html
次代の中学研究者2021

1:13 田中雅史講師 (文学学術院)

研究分野:Neuroscience
Recent research: Dopamine Drives Cultural Transmission of Song Learning in Zebra Finches 
Researcher details: https://w-rdb.waseda.jp/html/100001998_en.html
2022年度早稲田大学PI飛躍プログラム支援対象者

ご卒業・修了おめでとうございます。2022年度学位授与式が行われました。

著者: staff
2023年3月27日 16:09

3月26日(日)、西早稲田キャンパスにおいて学科・専攻ごとの学位授与式が行われました。ご卒業・修了を迎えられた皆さん、おめでとうございます。今後のご活躍をお祈りしています!

 

 

 

 

 

〔お知らせ〕実験装置リモート化プロモーションビデオの公開について

著者: contributor
2023年3月27日 09:59

材研の提案する実験装置のリモート化

 

早稲田大学各務記念材料技術研究所(以下、材研)は文部科学省より共同利用・共同研究拠点の認定を受け、「環境整合材料基盤技術共同研究拠点」の名のもと、多様な研究を展開しています。

共同利用・共同研究により、日本各地の多くの研究者が材研を利用していますが、新型コロナウイルス感染症の拡大により移動が制限され、研究の遂行が困難になった時期がありました。このことを受け、材研では各種実験装置のリモート化、すなわち電子顕微鏡など分析装置の観察像を遠隔地からリアルタイムで共有できる仕組みの構築に着手しました。

現在では社会全体がポストコロナの流れになり、コロナ前のような移動も可能になりつつありますが、「リモートで対応できることは今後もリモートで」という新しい考え方・行動様式により、材研が提案する実験装置のリモート化は引き続き重要なコンセプトであると考えています。

しかし、実験装置のリモート化と言っても実際どのように利用するのか、なかなかイメージが難しいのではないでしょうか?そこで実験装置のリモート化について紹介するための動画を制作しました。この動画をご覧いただき、ぜひ材研の利用をご検討ください。

研究設備とその利用方法はこちらをご覧ください。

 

2023年3月
早稲田大学各務記念材料技術研究所

A Sowing, Pruning, and Harvesting Robot for Synecoculture Farming

著者: contributor
2023年3月22日 11:01

A Sowing, Pruning, and Harvesting Robot for SynecocultureTM Farming

Researchers develop a four-wheeled, two orthogonal axes mechanism robot to maintain plants grown under solar panels

Synecoculture, a new farming method, involves growing mixed plant species together in high density. However, it requires complex operation since varying species with different growing seasons and growing speeds are planted on the same land. To address this need, researchers have developed a robot that can sow, prune, and harvest plants in dense vegetation grown. Its small, flexible body will help large-scale Synecoculture. This is an important step towards achieving sustainable farming and carbon neutrality.

Researchers have developed a small and flexible agricultural robot for Synecoculture farming. It has a four-wheel mechanism, two axes stand, robotic arm, camera unit, maneuvering system, and farming tools.

Synecoculture is a new agricultural method advocated by Dr. Masatoshi Funabashi, senior researcher at Sony Computer Science Laboratories, Inc. (Sony CSL), in which various kinds of plants are mixed and grown in high density, establishing rich biodiversity while benefiting from the self-organizing ability of the ecosystem. However, such dense vegetation requires frequent upkeep—seeds need to be sown, weeds need to be pruned, and crops need to be harvested. Synecoculture thus requires a high level of ecological literacy and complex decision-making. And while the operational issues present with Synecoculture can be addressed by using an agricultural robot, most existing robots can only automate one of the above three tasks in a simple farmland environment, thus falling short of the literacy and decision-making skills required of them to perform Synecoculture. Moreover, the robots may make unnecessary contact with the plants and damage them, affecting their growth and the harvest.

With the rising awareness of environmental issues, such a gap between the performance of humans versus that of conventional robots has spurred innovation to improve the latter.

A group of researchers led by Takuya Otani, an Assistant Professor at Waseda University, in collaboration with Sustainergy Company and Sony CSL, have designed a new robot that can perform Synecoculture effectively. The robot is called SynRobo, with “syn” conveying the meaning of “together with” humans. It manages a variety of mixed plants grown in the shade of solar panels, an otherwise unutilized space. An article describing their research was published in Volume 13, Issue 1 of Agriculture, on 21 December 2022. This article has been co-authored by Professor Atsuo Takanishi, also from Waseda University, other researchers of Sony CSL, and students from Waseda University.

Otani briefly explains the novel robot’s design. “It has a four-wheel mechanism that enables movement on uneven land and a robotic arm that expands and contracts to help overcome obstacles. The robot can move on slopes and avoid small steps. The system also utilizes a 360o camera to recognize and maneuver its surroundings. In addition, it is loaded with various farming tools—anchors (for punching holes), pruning scissors, and harvesting setups. The robot adjusts its position using the robotic arm and an orthogonal axes table that can move horizontally.”  

Besides these inherent features, the researchers also invented techniques for efficient seeding. They coated seeds from different plants with soil to make equally-sized balls. These made their shape and size consistent, so that the robot could easily sow seeds from multiple plants. Furthermore, an easy-to-use, human-controlled maneuvering system was developed to facilitate the robot’s functionality. The system helps it operate tools, implement automatic sowing, and switch tasks.

The new robot could successfully sow, prune, and harvest in dense vegetation, making minimal contact with the environment during the tasks because of its small and flexible body. In addition, the new maneuvering system enabled the robot to avoid obstacles 50% better while reducing its operating time by 49%, compared to a simple controller.

“This research has developed an agricultural robot that works in environments where multiple species of plants grow in dense mixtures,” Otani tells us. “It can be widely used in general agriculture as well as Synecoculture—only the tools need to be changed when working with different plants. This robot will contribute to improving the yield per unit area and increase farming efficiency. Moreover, its agricultural operation data will help automate the maneuvering system. As a result, robots could assist agriculture in a plethora of environments. In fact, Sustainergy Company is currently preparing to commercialize this innovation in abandoned fields in Japan and desertified areas in Kenya, among other places.”

Such advancements will promote Synecoculture farming, with the combination of renewable energy, and help solve various pressing problems, including climate change and the energy crisis. The present research is a crucial step toward achieving sustainable agriculture and carbon neutrality. Here’s hoping for a smart and skillful robot that efficiently supports large-scale Synecoculture!

This robot successfully sows, prunes, and harvests complex vegetation grown in the shade of solar panels. Its maneuvering system reduces operation time by 49%.

Reference

Authors: Takuya Otani1, Akira Itoh2, Hideki Mizukami2, Masatsugu Murakami2, Shunya Yoshida2, Kota Terae2, Taiga Tanaka2, Koki Masaya2, Shuntaro Aotake2,3, Masatoshi Funabashi3, and Atsuo Takanishi2
Title of original paper: Agricultural Robot under Solar Panels for Sowing, Pruning, and Harvesting in a Synecoculture Environment
Journal: Agriculture
DOI: 10.3390/agriculture13010018
Affiliations: 1: Waseda Research Institute for Science and Engineering, Waseda University, 2: Faculty of Science and Engineering, Waseda University, 3: Sony Computer Science Laboratories, Inc., Tokyo

About Professor Takuya Otani from Waseda Research Institute for Science and Engineering

Takuya Otani is an Assistant Professor at the Faculty of Science and Engineering at Waseda Research Institute for Science and Engineering. He received his Ph.D. degree from Waseda University in 2016. He is a member of the Virtual Reality Society of Japan, Japanese Council of IFToMM, Japan Society of Mechanical Engineers, Robotics Society of Japan, and IEEE. He received the Waseda e-Teaching Good Practice Award in 2021. His research interests include robotics and intelligent system, intelligent robotics, haptics, humanoid robotics, and mechanics and mechatronics. His recent work involves developing efficient robots for Synecoculture agriculture.

About Waseda University

Located in the heart of Tokyo, Waseda University is a leading private research university that has long been dedicated to academic excellence, innovative research, and civic engagement at both the local and global levels since 1882. The University has produced many changemakers in its history, including nine prime ministers and many leaders in business, science and technology, literature, sports, and film. Waseda has strong collaborations with overseas research institutions and is committed to advancing cutting-edge research and developing leaders who can contribute to the resolution of complex, global social issues. The University has set a target of achieving a zero-carbon campus by 2032, in line with the Sustainable Development Goals (SDGs) adopted by the United Nations in 2015.

To learn more about Waseda University, visit https://www.waseda.jp/top/en

About Synecoculture

Synecoculture is a method of farming that produces useful plants while making multifaceted use of the self-organizing ability of the earth’s ecosystem. Advocated by Dr. Masatoshi Funabashi of Sony Computer Science Laboratories, Inc., it is characterized by a comprehensive ecosystem utilization method that considers not only food production but also the impacts on the environment and health.

*”Synecoculture” is a registered trademark or a trademark of Sony Group Corporation.

About Sustainergy Company

Sustainergy Company, a Tokyo-based renewable-energy startup, its management philosophy is “making the world sustainable through energy”, has been developing and operating solar power generation projects in Japan, including large-scale farm-based solar power generation (Agrivoltaics). The company noticed that the space under the solar panels of many solar power plants is underutilized and thought that if Sony CSL’s Synecoculture farming method could be applied to the semi-shaded area under the solar panels, the degraded soil could be restored, and the land could be turned into greenery and farmland, thereby enabling both food production and renewable energy production on the same land. Sustainergy Company is preparing to commercialize this project in abandoned farmlands in Japan, desertified areas in Kenya, and other countries. To learn more about Sustainergy Company, visit https://sustainergy.co.jp/.

「可能性は自分でつくれ」(2023/4/19)

著者: staff
2023年3月16日 12:18

演題:可能性は自分でつくれ

 

日時:2023年4月19日(水) 14時30分~16時00分

 

会場:大隈記念講堂

 

講師:安藤 忠雄(建築家・安藤忠雄建築研究所)

 

対象:学部生・大学院生、教職員、学外者、一般の方

 

参加方法:事前に下記よりチケットをご申請ください。

安藤忠雄特別講演会《可能性は自分でつくれ》 in 大隈記念講堂 | Peatix

 

主催:創造理工学部 建築学科

 

問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課

 

TEL:03-5286-3000

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