ノーマルビュー

早稲田大学に「ソニーグループ寄附講座 クリエイティブエンタテイメント学」を設置

著者: dev
2025年8月21日 15:00

ソニーグループ寄附講座 クリエイティブエンタテイメント学を設置
開講記念シンポジウムを9月2日に開催

ソニーグループ株式会社と早稲田大学は、エンタテインメント産業の中核を担い、けん引する人材の育成、および表現工学に関する新たな学問領域の創生を目的とする「ソニーグループ寄附講座 クリエイティブエンタテインメント学」を早稲田大学 基幹理工学部 表現工学科内に設置します。2025年10月の講座開講に先立ち、「表現工学とエンタテインメントの未来」と題した記念シンポジウムを9月2日に開催します。

講座には、ソニーグループから、多様な技術領域で高度な専門性と技術的見識を有し、グループ内の技術戦略策定や人材育成を行う「Corporate Distinguished Engineer」をはじめとする、第一線で活躍する社員が講師として参画します。授業では、映像やオーディオ、コンテンツ制作を中心に、新たなテクノロジーがどのように世の中に展開されたかを、メディア論などの関連研究やソニーグループの事例を通じて解説します。また、今後コンテンツ制作において必要な知識となるAIや倫理、インクルージョンなどの講義も行います。受講生は、授業で学んだ知識を踏まえ、未来のコンテンツの姿やあり方を論理的に提案し、プロトタイピングを通じてそのアイデアのさらなる具体化に取り組みます。

国内エンタテインメント産業は近年、市場規模が拡大傾向にあります。海外でも中長期的な成長が見込まれ、日本の基幹産業としてさらなる発展が期待されています。こうした成長を支えるには、進化するテクノロジーや社会の変化をより深く捉え、クリエイターのアイデアを形にして新たなエンタテインメントを持続的に生み出せる、高度な専門性を備えた人材が不可欠です。

本講座では、科学技術と芸術表現の融合に関する体系的なアプローチを特色とする早稲田大学 基幹理工学部 表現工学科が有する、映像・音響・AI・認知科学などの多様な研究領域の知見を、クリエイティブエンタテインメントカンパニーであるソニーグループの事業の最前線の取り組みと融合させることで、エンタテインメント産業に求められる人材の育成を図ります。受講生は、トップ人材との協創を通じ、理論と実践を往還しながら、未来のエンタテインメントを構想し実現するための専門性を養います。

両者は、このほかにもエンタテインメント産業の更なる発展につながる新たな学問領域の創成を目指し、さまざまな取り組みを展開していく予定です。

講座概要

講座開設機関 早稲田大学 基幹理工学部 表現工学科
講座名称 (和)ソニーグループ寄付講座 クリエイティブエンタテインメント学Ⅰ ―概念化―
(英)Endowed Lecture by Sony Group, Study of Sciences and Technologies for Creative Entertainment I -Conceptualization
今年度開設期間 2025年10月~2025年11月 (※ 2028年まで開講予定)
ソニーグループ講師 芦ヶ原 隆之(コンピュータビジョン全般)、小俣 貴宣(認知科学、人間中心設計)、山本 一幸(インタラクション技術)、南野 活樹(音声処理、言語処理、AI 技術)、佐藤 真(プラットフォームシステム)ほか

 

開講記念シンポジウム「表現工学とエンタテイメントの未来」

日時 2025年9月2日(火) 14時00分~17時30分
場所 早稲田大学 国際会議場 井深大記念ホール
主なプログラム ・基調講演(ソニーグループ株式会社 執行役員コーポレートエグゼクティブ 松本義典 他)

・パネルディスカッション「テクノロジーと表現の融合による感動体験」

詳細 https://www.ces.ias.sci.waseda.ac.jp/

ZEB関連技術実証棟「SUSTIE」が世界最大規模の環境建築技術賞においてアジア地域優秀賞を受賞

著者: contributor
2025年8月18日 16:34

ZEB関連技術実証棟「SUSTIE」が世界最大規模の環境建築技術賞においてアジア地域優秀賞を受賞

三菱電機ZEB関連技術実証棟「SUSTIE」

三菱電機株式会社(東京都千代⽥区、執行役社⻑:漆間 啓)と株式会社三菱地所設計(東京都千代⽥区、代表取締役社⻑:谷澤 淳一)と学校法人早稲田大学(東京都新宿区、理事長:田中 愛治)は、「三菱電機ZEB関連技術実証棟『SUSTIE(サスティエ)』」(神奈川県鎌倉市/以下「SUSTIE」)が、米国暖房冷凍空調学会(ASHRAE)※0が主催する世界最大規模の環境建築の技術賞「ASHRAE Technology Awards Program」の新築オフィス部門(Commercial Buildings(new))において、アジア地域優秀賞「Regional Winner」(2025-2026 ASHRAE Regional Technology Award Regional Winner)を受賞したことをお知らせします。
※ 早稲田大学は理工学術院の田辺 新一 (たなべ しんいち)教授がコンセプト立案協力・検証・評価を担当しました。

世界最大規模の環境建築技術賞「ASHRAE Technology Awards」

「ASHRAE Technology Awards」(1999年より毎年開催)は、などの観点と運用データに基づく評価で革新的な環境建築を表彰する、世界最大規模の権威ある技術賞です。「SUSTIE」は、このたびASHRAEの地域別カンファレンス(ASHRAE Region XIII Chapters Regional Conference)において、新築オフィス部門におけるアジア地域の「Regional Winner」を獲得しました。これにより、日本を含むアジア地域の代表プロジェクトとして、2026年に開催予定世界最優秀選考へ進むことが決定しました。引き続き、「世界一の環境建築」を目指してまいります。

「環境配慮」「快適・健康」の3認証を全て最高ランクで取得した日本初の中規模オフィスビル

徹底した省エネルギー化およびカーボンニュートラル化に取り組んだ「SUSTIE」は、BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)の最高評価『ZEB』※1に加え、快適で健康性の高い空間の創出によりCASBEE-スマートウェルネスオフィス※2の最高評価「Sランク」とWELL認証※3の最高評価「プラチナ」を取得した、日本初の建築物です。竣工後の実運用においても、AIやIoT、シミュレーション技術などを用いて、より高効率なエネルギー運用を目指して継続的な改善に取り組んでいます。

これからの社会が求める《プロトタイプ建築》を提示する「SUSTIE」の4つのポイント

カーボンニュートラル社会の実現を目指す上で、ZEBの普及はとなっています。同時に、労働⼈⼝の減少を⾒据え、オフィスワーカーの健康増進や⽣産性の向上を実現する快適な執務空間の創出は、これからのオフィス設計の重要なテーマです。「SUSTIE」はこれら社会課題の同時解決を目指し、省エネ性と健康・快適性を最⾼水準で両⽴した建築です。

ポイント(1):都市部での『ZEB』普及を見据えた設計アプローチで『ZEB』を実現

「SUSTIE」では、まず、①開口や庇などを用いた《建築的な工夫》(パッシブデザイン)、②《高効率設備機器の導入》(アクティブデザイン)を重ね合わせる段階的な設計により徹底的な省エネ化を実現。その上で、③《オンサイトにおける創エネの最大化》に向け、太陽光パネル(約360kW)の全てを建物上に設置し、敷地制約の高い都市部での中規模ビル『ZEB』実現性を示しました。

パッシブデザインとアクティブデザインを組み合わせた設計

ポイント(2):《建築的な工夫》自然エネルギーの積極的な利用でエネルギー消費量を削減

また、吹抜上部の熱だまりを利用した重力換気や自然換気窓の活用などにより、建物全体で空調負荷の削減を図っています。

「SUSTIE」の特長である大吹抜空間。北面の大開口にLow-e複層ガラスを採用し、明るさを確保しつつ冷暖房負荷を低減。

ポイント(3):《高効率設備機器の導入》ZEBとウェルネスを両立する設備設計

一部の執務室では、パッケージエアコンで天井内を冷却・加熱し、アルミ製天井パネルの放射効果を用いて気流感のない仕組みで室内を調温する「天井チャンバー型空気式放射空調システム」を導入。徹底した省エネとオフィスワーカーの快適性の向上を両立する設備計画を、建物内の随所で展開しています。

ポイント(4):《運用における取り組み》AIで省エネと快適性を両立する、独創的な「ZEB運用」

設計時のBIMデータをもとに構築したデジタルツイン環境で、各設備の動作や温湿度・照度などを事前にシミュレーションし、エネルギー収⽀や快適性への影響などを予測しています。さらに、AIを活用した多目的最適化技術を組み合わせて、最適な運用計画を立案・実行することで、実運用で得たデータを次の検討に活かす「日々進化する建築」を実現しています。また、三菱電機と三菱地所設計が共同実証中の「人位置情報検知サービス※4」の導入により、オフィスワーカーのABW(Activity-Based Working)を支援し、省エネ・快適性の両立に貢献しています。
こうした取り組みににより、年間エネルギー消費量(実績値)でもZEB』を達成しています。また、ビルに関わるCO2排出量全体の削減を目標として、運用時のZEB』だけではなく、機器容量の縮減、冷媒量の低減、機器更新の容易化等、エンボディドカーボン※5削減にも取り組んでいます。

1・2年目の一次エネルギー消費量[MJ/㎡・年]

設計値でのZEB』取得に加え、運用1・2年目の実績値(a, b)でも、年間の創エネルギー量が消費エネルギー量を上回りZEB』を達成。

2025年8月16日にSuwon Convention Centerで開催された表彰式

建築概要

建物名称 三菱電機株式会社ZEB関連技術実証棟「SUSTIE」
所在地 神奈川県鎌倉市⼤船五丁⽬1番1号
用途 事務所
構造形式 S造
階数 地上4階、最高高さ:19.77m
建築面積 1.954.52㎡
延床面積 6,456.32㎡
取得認証 BELS:ファイブスター(5つ星)、設計一次エネルギー消費量106%削減、『ZEB』
WELL認証:プラチナランク、CASBEE スマートウェルネスオフィス:Sランク
建築主 三菱電機株式会社
設計監理 株式会社三菱地所設計
施工 株式会社竹中工務店(建築工事)、株式会社弘電社(電気設備工事)、三菱電機システムサービス株式会社(太陽光発電設備工事)、三菱電機冷熱プラント株式会社(空調衛生設備工事)
コンセプト立案
協力・検証・評価
 田辺 新一(早稲田大学理工学術院教授)

 

日本国内における「SUSTIE」の評価

「SUSTIE」はこれまでに下記の賞を受賞しています(2025年7月現在、主要賞のみ)。

2021年8月 日経ニューオフィス賞 ニューオフィス推進賞 (主催:一般社団法人ニューオフィス推進協会)
2021年12月 JIA優秀建築選2021 100選 (主催:公益社団法人 日本建築家協会)
2023年5月 第49回 東京建築賞 奨励賞 (主催:一般社団法人東京都建築士事務所協会)
2023年12月 2023年度 省エネ大賞 省エネ事例部門 省エネルギーセンター会長賞 (主催:一般財団法人省エネルギーセンター)
2024年5月 第12 回 カーボンニュートラル賞 関東支部賞 (主催:一般社団法人建築設備技術者協会)
2024年5月 第62回 空気調和・衛生工学会賞 技術賞 (主催:公益社団法人空気調和・衛生工学会)

 

商標・特許関連

SUSTIE:三菱電機株式会社の登録商標です。

注釈

※0 米国暖房冷凍空調学会(ASHRAE/American Society of Heating, Refrigerating and Air-Conditioning Engineers、本部:米国・アトランタ)は、1894年に設立された、132カ国以上にわたり、5万人を超える会員を擁する、空気調和に関する世界最大の国際的学会です。
※1 評価対象設備のエネルギー消費量の削減率が、基準ビルに対して100%以上となるビル。
※2 一般財団法人建築環境・省エネルギー機構による、建物利用者の快適・健康の維持増進を支援する建物の仕様・性能・取り組みへの評価。
※3 米国Delos社の開発した建築物の環境性能を評価する国際認証。人間工学的側面(生産性向上等)の評価に加え、利用者のウェルネス(快適・健康)を重視する点が特徴。国際的な指標として認められている。
※4 空調機が屋内在室者の持つ端末と通信することで位置情報を取得し、屋内マップ上に在室者の位置と室内の温熱環境情報などを一覧で表示するシステム。
※5 建築の資材調達~建設~運用~解体に至るライフサイクル全体で排出されるCO2のうち、運用時のエネルギー消費と水消費を除くその他全ての活動で排出されるCO2。

破壊的イノベーションにつながるシーズの創出を目指す「創発的研究支援事業」に理工学術院市川准教授が採択

著者: contributor
2025年8月18日 16:33

2024年度の創発的研究支援事業の採択

国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が募集した2024年度の創発的研究支援事業に、理工学術院の市川幸平准教授の研究課題が採択されました。今回、応募総数2,262件に対し、246件が採択されており、採択率は約11%という結果となりました。

2024年度 採択者

  • 市川 幸平(理工学術院 准教授)
    【研究課題名】多波長観測と月の掩蔽観測で暴く超巨大ブラックホールの起源

 

JST創発的研究支援事業とは

2020年度に設立され、特定の課題や短期目標を設定せず、多様性と融合によって破壊的イノベーションにつながるシーズの創出を目指す「創発的研究」を推進するため、既存の枠組みにとらわれない自由で挑戦的・融合的な研究を、研究者がその研究に専念できる環境を確保することを含め、原則7年間(途中ステージゲート審査を挟む、最大10年間)にわたり長期的に支援する事業です。また、創発を促進するため、支援期間中は異分野を含む多様な研究者同士が相互に触発し、切磋琢磨する「創発の場」を設けることで、破壊的イノベーションにつながるシーズの創出を目指します。

 

細胞システムにおける代謝の位置づけについて(2025/9/4)

著者: staff
2025年8月6日 15:35

演題:細胞システムにおける代謝の位置づけについて

日時:2025年9月4日(木) 10:40-12:20

会場:早稲田大学 西早稲田キャンパス54号館 202教室

講師:田中 寛 (東京科学大学総合研究院 教授)

対象:学部生、大学院生、教職員、一般

参加方法:入場無料 直接会場へお越しください

主催:先進理工学部 応用化学科

問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課

TEL:03-5286-3000

AI・量子共通基盤の研究開発を開始

著者: contributor
2025年8月5日 12:17

AI・量子共通基盤の研究開発を開始
~国内10機関が連携し、量子コンピューターの利用促進へ~

学校法人早稲田大学(所在地:東京都新宿区、理事長:田中愛治)は、2025年7月31日にNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)に採択された「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業(g5-3)量子コンピューターの産業化のためのミドルウェア開発」(注1)の取り組みにおいて、KDDI株式会社、株式会社KDDI総合研究所、株式会社セック、株式会社Jij、株式会社QunaSys、国立研究開発法人産業技術総合研究所、学校法人慶應義塾、国立大学法人大阪大学、学校法人芝浦工業大学とともに、AI・量子共通基盤の研究開発を実施します。
量子技術を巡る国際競争が激しさを増すなか、内閣府が掲げる「量子未来社会ビジョン」(注2)においても、量子技術の社会実装や産業化の強化が重要方針として示されています。本研究開発を通じて2027年度末までに、量子コンピューター利用の敷居を下げ、さまざまな産業分野で量子技術を手軽に活用できる技術を確立します。これにより、AIと量子コンピューターの計算資源を融合し、量子技術に関する専門的な知識がなくても利用できる「AI・量子共通基盤」の構築を目指します。
なお、早稲田大学の代表研究者は、理工学術院の戸川望(とがわ のぞむ)教授です。

<背景と課題>

・2019年のGoogleによる量子超越の発表以降(注3)、世界的に量子コンピューターの技術が進化し、主要IT企業が実機配備やクラウドサービスの提供を始めるなど量子コンピューターの産業化が加速しています。

・日本においても内閣府が「2030年までに量子技術の利用者を1,000万人、国内生産額を50兆円にする」を目標に掲げており、エネルギーや製造・物流、材料開発などの分野でのユースケース開拓に向けた取り組みが進められています。

・その中でも特に、量子コンピューターの利用者には高度な専門性が必要であることや、プロバイダーが量子コンピューターを安定的に運用する技術が未成熟であることなど、量子コンピューター市場の活性化に向けては多くの障壁があります。

■利用者が抱える課題

・現状、量子コンピューターの利用者は、量子情報や量子力学のような高度で専門的な量子技術の知識が必要です。量子コンピューター市場の活性化に向けて利用者を拡大するためには、専門的な知識を持たなくても直感的に利用できるプラットフォームが不可欠です。

・量子コンピューターには超伝導方式・中性原子方式・光方式など多様な方式が存在します。さまざまなクラウドサービスの中から、ユースケースに応じて適切な計算資源を選択することができる仕組みが必要です。

■プロバイダーが抱える課題

・量子ビットの状態が非常に不安定で、量子コンピューターを長時間にわたって安定稼働させることが困難であるため、安定的に運用する技術を成熟させる必要があります。

<本研究開発について>

■概要

量子コンピューターの産業利用加速に向け国内10機関で以下の2つの共同研究テーマに取り組みます。共同研究では、産業技術総合研究所の量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センター(注4)に設置された量子・古典ハイブリッドコンピューティングのテストベッド(以下 ABCI-Q)を活用し、研究開発を推進していきます。

図1 本研究開発の概要図

(1)計算資源を最適に割り当てるミドルウエア技術の開発

量子コンピューターの機能が抽象化されたAPIや、量子技術の知識を学習した生成AIを導入した統合開発環境(以下 IDE)を構築し、利用者が専門的な知識を持たなくても利用できるプラットフォームを開発します。また、AI・量子共通基盤の利用者がアプリケーションを実行する際に最適な計算資源を自動的に割り当てるロードバランシング技術(注5)の開発にも取り組みます。

さらに、プラットフォーム上で開発したアプリケーションを多数の利用者へ提供するためのアプリケーションサービスプロバイダー(以下 ASP)を開発し、量子コンピューターの利用者拡大を促進させます。

(2)量子コンピューターの運用技術の開発

各量子コンピューターの運用に必要となるテレメトリデータの抽出と蓄積方法を開発し、量子コンピューターの運用技術を確立します。また、極低温冷凍機や制御装置といった周辺機器のテレメトリデータを基に障害検知・管理技術を確立します。

<本研究開発の推進体制について>

本研究開発は、KDDI株式会社と株式会社KDDI総合研究所がプロジェクト全体のマネジメント及び技術要件定義の統括を行い、産学官による研究チームで推進します。

この中で、早稲田大学は、研究開発テーマ「計算資源を最適に割り当てるミドルウエア技術の開発」のうちIDEプロトタイプのAPI開発を担当します。特に、最適化アプリケーションの高性能化に関するAPIの研究開発を行います。本研究開発を通して、通信分野をはじめ、量子コンピューターのユースケースの探索や創出に貢献します。

表1 参画する研究機関と役割

参画機関 役割
KDDI株式会社 ・プロジェクト全体の統括、および事業開発
・ASPの開発
株式会社KDDI総合研究所 ・プロジェクト全体の技術要件定義
・AI・量子資源を最適に割り当てる技術の実装
・量子プログラムを生成するAIモデルの開発
株式会社セック ・量子システムの障害検知技術および運用システムの開発
株式会社Jij ・最適化計算の精度推定技術等の開発
・IDEプロトタイプの開発
・最適化パッケージの実装
株式会社QunaSys ・化学計算の精度推定技術等の開発
・消費資源推定技術の開発
・化学計算パッケージ開発
国立研究開発法人産業技術総合研究所 ・ABCI-Q環境の提供、および環境に関する情報提供
・ジョブスケジューラの開発
学校法人早稲田大学 ・IDEプロトタイプのAPI開発
学校法人慶應義塾 ・IDEプロトタイプのAPI開発
国立大学法人大阪大学 ・量子システムの障害検知技術の開発
学校法人芝浦工業大学 ・量子プログラムを生成するAIモデルの開発

<研究者のコメント>

早稲田大学は、これまでもKDDI株式会社とKDDI総合研究所等と共同して、通信分野をはじめ、量子コンピューターのユースケースの探索や創出に取り組んできました。さらに具体的なユースケースのもと、最適化アプリケーションの高性能化に関して多くの要素技術を創出してきました。本研究開発では、これまでの研究開発成果を高度化するとともに、これらの成果を統合開発環境に組み込み、量子コンピューターのユースケース探索や拡大を通して、量子未来社会ビジョンの実現に貢献したいと思います。

<用語解説>

(注1)2025年3月26日「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」に係る公募について
(注2)出典:2022年4月22日「量子未来社会ビジョン ~量子技術により目指すべき未来社会ビジョンとその実現に向けた戦略~」(内閣府 統合イノベーション戦略推進会議)
(注3)2019年のGoogleによる量子超越の発表
Quantum supremacy using a programmable superconducting processor | Nature
(注4)産総研:量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センター
(注5)ここでのロードバランシングとは、多くのリクエストを複数の計算機に均等に分散させるだけではなく、利用者の要件や計算機の状態を加味し、アプリケーションの実行に最も適した計算機を選択する技術のこと。

<参考>

量子コンピューターに関する過去の報道発表
2025年2月27日ニュースリリース KDDI、KDDI総合研究所、Jij、QunaSys、早稲田大学、AI・量子共通基盤の構築に向けパートナーシップ締結

Simple-Looking but Non-Obvious Transformations(2025/9/23)

著者: staff
2025年7月28日 10:30

演題:Simple-Looking but Non-Obvious Transformations

日時:2025年9月23日(火) 16:20-18:00

会場:早稲田大学 西早稲田キャンパス63号館 201教室

講師:Guangbin Dong (Weldon G. Brown Professor, University of Chicago)

対象:学部生、大学院生、教職員、学外者、一般

参加方法:入場無料、直接会場へお越しください。

主催:先進理工学部 応用化学科

問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課

TEL:03-5286-3000

Exploring the Combination of Electrochemistry, Fluorination and Hypervalent Iodine for the Development of Novel Organic Methodology(2025/8/18)

著者: staff
2025年7月28日 10:20

演題:Exploring the Combination of Electrochemistry, Fluorination and Hypervalent Iodine for the Development of Novel Organic Methodology

日時:2025年8月18日(月) 16:20-18:00

会場:早稲田大学 121号館 コマツ100周年記念ホール

講師:Alastair Lennox (Associate Professor, University of Bristol)

対象:学部生、大学院生、教職員、学外者、一般

参加方法:入場無料、直接会場へお越しください。

主催:先進理工学部 応用化学科

問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課

TEL:03-5286-3000

発酵ガスから化学原料へ

著者: contributor
2025年7月21日 16:51

発酵ガスから化学原料へ
~ほしいときにほしいだけ低温で~

ポイント

  • 食品廃棄物等の資源を発酵して得られる発酵ガス(バイオガス)はメタンと二酸化炭素の混合ガスであり、温暖化を引き起こす二大要因のガスである。
  • この2つから化学原料を作るうえで、従来の方法では炭素析出※1が多く、実用化が困難であったが、今回、世界で初めてメタンと二酸化炭素から化学原料(合成ガス)をほしいときにほしいだけ低温で産み出すことに成功した。
  • 従来の方法では、800℃程度の熱が必要だったが、今回開発した技術により、200℃以下で同等の性能を炭素析出なく得ることができた。

概要

 食品廃棄物やバイオマス系の資源を発酵して得られる発酵ガス(バイオガス)は、メタンと二酸化炭素が半分ずつ含まれています。メタンと二酸化炭素は、温暖化を引き起こす二大要因のガスでもあり、この2つから化学原料を作る方法は従来から知られていましたが、非常に高温を必要とし、かつ炭素の析出が多く、実用化が困難な方法でした。
早稲田大学理工学術院関根 泰(せきね やすし)教授とクラサスケミカル株式会社の研究グループは、世界で初めてメタンと二酸化炭素から化学原料(合成ガスと呼ばれ、大規模かつ工業的に製造・使用されており、燃料や化学品の源となる)を、ほしいときにほしいだけ低温で産み出すことに成功しました。従来の方法だと800℃程度の熱が必要でしたが、今回開発された技術だと200℃以下で同等の性能を得ることに成功しました。低温プロセスは加温の時間が短縮でき、かつ使用エネルギーも大幅に節約することができます。これまで課題であった炭素析出もほとんど起こらず、安定にエネルギー効率よく発酵ガス(バイオガス)から化学原料をオンデマンドで作ることのできる技術を誕生させることができました。
本研究成果は、2025年7月18日(金)に『ACS Catalysis』のオンライン版で公開されました。

図 左が今回発見したスムーズに進む方法、右が炭素(coke)で汚れやすい従来の方法

これまでの研究で分かっていたこと

 これまでメタンと二酸化炭素の反応(ドライリフォーミング)は800℃で進むことは知られていましたが、工業的要請によって反応器※2を小さくするために高圧にすると炭素が大量に発生してしまい、反応が継続できなくなります。二大温暖化ガスであるメタンと二酸化炭素を直接反応させて化学原料とすることは、夢の技術でしたが実用化は困難だと思われていました。

今回の研究で新たに実現しようとしたこと、明らかになったこと

 今回、独自に開発した触媒(1wt%Ru/La2Ce2O7担持触媒)を用いて、表面イオニクス※3(プロトンホッピング※4)を活かした高圧でのドライリフォーミングを検討しました。その結果、熱による触媒反応の平衡転化率の限界を大きく超え、非常に低い温度(従来は800℃、今回は200℃)において、高いCH4/CO2転化率※5、優れたH2/CO比※6、低い炭素析出と高い安定性を同時に実現することができました。この際に、表面イオニクスを介した低温での表面反応性種の被覆率の増加により、効果的かつ相乗的に性能を向上することが各種分光技術や計算化学などによって証明されました。

研究の波及効果や社会的影響

 バイオマス系や食品系の廃棄物の嫌気発酵(メタン発酵)によって得られるバイオガスは、これからのカーボンニュートラル時代に地産地消で得ることができる貴重な資源です。バイオガスを化学原料へほしいときにほしいだけ低温かつ安定的に転換できる技術は、今後、多様な用途、複数の地域での活用が期待できます。

課題、今後の展望

 今後も協働パートナーであるクラサスケミカル株式会社と、さらなる大型化・効率向上に向けて研究を重ね、実用化に向けて活動してまいります。

研究者からのコメント

 加圧で低温の環境において、炭素を作ることなく安定に発酵ガス(バイオガス)から化学原料(合成ガス)を産み出すことは、これまで絶対に不可能だと思われていましたが、それを覆すことができたのは大きな喜びです。これを活かして新たな化学反応の体系を協働先とともに築いていきたいと思います。

用語解説

※1 炭素析出
固体の触媒材料の上に「すす」のような炭素が積もってしまうこと。これが起こると、汚れとして触媒を劣化させ、反応を継続できなくなる。

※2 反応器
中に固体の触媒材料を詰め、ガスを流して反応させるための管。今回の場合、その触媒の周囲に電極が接触して電位をかけている。

※3 表面イオニクス
固体触媒の表面でイオンが動くこと。

※4 プロトンホッピング
水素イオン(プロトン:H+)が固体触媒表面で動くこと。

※5 CH4/CO2転化率
メタンならびに二酸化炭素がどれくらい反応したかを示す割合。

※6 H2/CO比
生成してくる合成ガス(水素と一酸化炭素の混合ガス)の中の水素と一酸化炭素の比率。この値は、次に合成ガスを用いる上で適度な値が望まれる。

論文情報

(7)論文情報

雑誌名:ACS Catalysis
論文名:Electrically assisted low-temperature dry reforming of methane suppressing carbon deposition under high-pressure conditions
執筆者名:Clarence Sampson1 Takumi Masuda1, Taisuke Horiguchi1, Saori Ichiguchi1, Hiroshi Sampei1, Hitoshi Matsubara2, Shintaro Itagaki2, Gen Inoue2, Yasushi Sekine1* *責任著者

1 Department of Applied Chemistry, Waseda University, 3-4-1, Okubo, Shinjuku,Tokyo 169-8555, Japan
2 Technology Development Department, Oita Complex, Crasus Chemical Inc., 2, Nakanosu, Oita-city 870-0189 Japan

掲載日時:2025年7月18日(金)
DOI: 10.1021/acscatal.5c03126
掲載URL:https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acscatal.5c03126

研究助成

この研究の一部は文部科学省科研費(24KJ2090ならびに23K20034)ならびに環境省のプロジェクトの支援によって行われました。

Long-Range Memory in Stochastic Equations (2025/9/2)

著者: staff
2025年7月17日 14:44

演題:Long-Range Memory in Stochastic Equations

日時:2025年9月2日(火) 13:30-14:30

会場:早稲田大学 西早稲田キャンパス 63号館 2 階会議室3-5

講師:Xue Mei Li (EPFL教授およびImperial College London教授)

対象:大学院生、教職員、学外者

参加方法:入場無料、直接会場へお越しください。

主催:基幹理工学部 数学応用数理専攻

問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課

TEL:03-5286-3000

リンク先URL: https://www.math.sci.waseda.ac.jp/math/activities/

 

Top Lyapunov exponent for advection-diffusion(2025/9/2)

著者: staff
2025年7月17日 14:32

演題:Top Lyapunov exponent for advection-diffusion

日時:2025年9月2日(火) 16:30-17:30

会場:早稲田大学 西早稲田キャンパス 63号館 2 階会議室3-5

講師:Martin Hairer (EPFL教授およびImperial College London教授)

対象:大学院生、教職員、学外者

参加方法:入場無料、直接会場へお越しください。

主催:基幹理工学部 数学応用数理専攻

問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課

TEL:03-5286-3000

リンク先URL: https://www.math.sci.waseda.ac.jp/math/activities/

 

My name is Bond, positron Bond. (2025/8/5)

著者: staff
2025年7月17日 12:58

演題:My name is Bond, positron Bond.

日時:2025年8月5日(火) 16:00-17:40

会場:早稲田大学 西早稲田キャンパス55号館 S棟 9F 904号室

講師:Andres Reyes Velasco (National University of Colombia教授)

対象:学部生、大学院生、教職員、一般

参加方法:入場無料、直接会場へお越しください。

主催:先進理工学部 化学・生命化学専攻

問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課

TEL:03-5286-3000

Composite Figures(2025/7/23)

著者: staff
2025年7月11日 15:46

演題:Composite Figures

日時:2025年7月23日(水) 18:00-20:00

会場:早稲田大学 西早稲田キャンパス55号館イノベーションラボ

講師:Oliver Lütjens (建築家/チューリッヒ工科大学客員講師)

対象:学部生、大学院生、教職員、一般

参加方法:入場無料、直接会場へお越しください。

主催:創造理工学部 建築学科

問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課

TEL:03-5286-3000

なぜmicroCHIPでmicroRNAを検出するとValiosoなのか?(2025/7/16)

著者: staff
2025年7月10日 11:36

演題:なぜmicroCHIPでmicroRNAを検出するとValiosoなのか?

日時:2025年7月16日(水) 13:10-14:50

会場:早稲田大学 西早稲田キャンパス53号館201室

講師:石原 量 (順天堂大学医学部 准教授)

対象:学部生、大学院生、教職員、一般

主催:先進理工学部 応用化学科

問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課

TEL:03-5286-3000

❌