ノーマルビュー
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理工学術院
- The Special Website for the Faculty of Science and Engineering 125th Anniversary has been launched
理工創設125周年記念事業 特設ウェブサイトを公開
2025年10月15日 15:49
ユーティリティデータを活用した業界横断のデータ連携に関する実証実験を開始
2025年10月15日 15:38
ユーティリティデータを活用した業界横断のデータ連携に関する実証実験を開始
~地域のリソース最適活用と脱炭素社会の実現を目指して~
学校法人早稲田大学スマート社会技術融合研究機構(以下:早稲田大学)、株式会社 REDER(以下:REDER)、株式会社ネクステムズ(以下:ネクステムズ)、株式会社 NTT データグループ(以下:NTT データグループ)、株式会社NTT データ(以下:NTT データ)は、地域全体で脱炭素化を推進することを目指し、地域の労働力やエネルギーなどのリソースの過不足をマッチングし、有効活用する実証実験を開始しました。地域全体での脱炭素化の実現には、単一事業者や単一業界での取り組みでは限界があり、業界横断でのデータ連携・活用と共通エコシステムの形成が不
可欠です。本実証では、まず電気・水道・ガスといったエネルギーリソースを対象とし、それらユーティリティ分野の事業者間で安全にデータを連携させる仕組みを地域密着型の先行モデルで検証します。将来的にはさまざまな地域への展開や、共通のデータ連携エコシステム注 1 の構築により、事業者の開発・運用コストを抑えつつ、地域全体の脱炭素化と持続可能な社会の実現を目指します。
※本事業の早稲田大学代表研究者は理工学術院の林泰弘教授です。
背景
近年、地域社会では人口減少や高齢化に伴い、労働力や資源の不足が大きな課題となっています。特に離島や中山間地域では、生活や産業を支える電気・水道・ガスといったエネルギーインフラサービスを安定的に維持するために、限られたリソースを効率的に活用する仕組みが必要です。
このような背景から、REDER、ネクステムズ、早稲田大学、NTTデータグループ、NTTデータは、各種リソース情報を管理する事業者間でのデータ連携・活用の仕組みが必要と考え、ユーティリティデータを軸とした業界横断のデータ連携に関する実証実験を開始しました。
従来は各事業者が個別にシステムを構築してきたため、開発・運用コストの負担が課題となっていました。本実証では、共通的なデータ連携エコシステムを形成することで、事業者間の協力を容易にし、これまで分断されていたリソースを地域全体で共有・活用できる仕組みの実現を目指します。これにより、各事業者の負担を抑えつつ、持続的に機能する新しい地域モデルの構築が可能になります。
実証実験の概要
実証期間:2025年度~2027年度
実証エリア:沖縄県波照間島
実証内容:
(1) 水道の揚水稼働やガスの利用状況など電力の需給バランスに影響を与えるさまざまな要素を対象にした、異なる事業者間のデータ連携を実現するプラットフォームの構築
- エネルギーリソースは複数の事業者によって分散管理されていますが、いずれも安定供給に対して相互に影響を及ぼす特性をもつため、協調的に活用することが不可欠です。そのため、これらを事業者間で調整・最適化する調停機能をプラットフォームに備えます。
- 異なるリソースの調停にあたっては、事業者間で機微な情報の共有が求められる場合がありますが、心理的な障壁から実行に踏み切れない事業者も少なくありません。こうした障壁を下げるため、データを秘匿化したまま扱える機能をプラットフォームに組み込み、安全かつ安心して連携できる環境を整えます。
(2) さまざまな事業者を実証フィールドに誘致し、構築したプラットフォームを用いた新規サービス・ビジネスに係る実証のコーディネート<h/5>
- 例えば、農機・建機のレンタルやMaaS注2などのサービスと連携しバッテリー(着脱式を含む)の稼働率を高める事例は、地域で発電した再エネ由来の余剰電力をバッテリーの充電向けに有効活用できる可能性を秘めています。しかし、事業者間での調停が必要で、これまで実サービス化が進まない状況にありました。こうした状況に対し、実データを使用できるフィールドと調停機能を備えたプラットフォームを提供し、新規サービス創出を加速させます。
ユースケース例:
① 水需要や発電量の予測などの情報を掛け合わせて、貯水・造水設備や蓄電池の稼働量を調停および最適化し、地域全体のコストを抑制。
② 各家庭や施設の太陽光発電・蓄電池の稼働情報などを統合し、発電と消費を調停およびバランスさせることで、地域全体のエネルギー利用効率を向上。
各社の役割
早稲田大学:需要予測の高度化および有識者などによる議論の場の提供
■収集される各種データを活用した需要予測の高度化手法の構築
■さまざまな分野の学識者、機構会員、企業有識者、学生などの参画・議論の場の提供
REDER:実証を行う事業者の誘致
■波照間島においてさまざまな事業者を募っての実証コーディネート
■オンサイトの各ユーティリティ計測をAPI連携する機能の構築
■ユーティリティ計測と連携し、社会マクロでのバッテリー(着脱式を含む)の稼働率最大化
ネクステムズ:実証のフィールドおよび分散型再エネ電源機器の提供
■自治体や住民との合意形成
■分散型再エネ電源機器注3(太陽光/蓄電池/EVなど)の需要側EMSの連携
NTTデータグループ/NTTデータ:ユーティリティ領域をはじめとする地域リソース情報連携基盤の提供
■安全かつ柔軟にデータを連携・活用できる企業間・組織間データ連携の総合サービス「X-CuriaTM(読み:クロスキュリア)」を基にした、地域リソース情報連携基盤の構築およびユーティリティ領域への適用
■上記により業界横断のデータ連携に必要な機能の抽出および改善の実施
今後について
2025年度後半からプラットフォームの検討・構築を実施し、2026年度中に他事業者を誘致しての実証を開始予定です。将来的には波照間島での実証結果を踏まえ、業界横断の安心安全なデータ連携の仕組みを他の地域に展開することを目指します。
(注1)「データ連携エコシステム」とは、事業者や組織同士が安全にデータを共有し合い、新しいサービスを生み出すための共通基盤や仕組みです。
(注2)「MaaS」とは、Mobility as a Serviceの略であり、地域住民や旅行者のトリップ単位での移動ニーズに応じて、複数の公共交通機関やそれ以外の移動サービスを最適に組み合わせて検索・予約・決済などを一括で行うサービスです。
(注3)「分散型再エネ電源」とは、家庭や事業所などが各地に分散して所有しているエネルギー源のことです(例:太陽光発電や蓄電池)。
*「X-Curia」は日本国内における株式会社NTTデータの商標です。
*その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。
「代数的ベクトル束についてのシジジー的アプローチ」2025/12/10
2025年10月14日 11:42
演題:「代数的ベクトル束についてのシジジー的アプローチ」
日時:2025年12月10日(水) 10:40-12:20
会場:早稲田大学 西早稲田キャンパス 51号館 18-08
講師: 宮﨑 誓 (熊本大学名誉教授)
対象:一般
参加方法:入場無料 直接会場へお越しください
主催:基幹理工学研究科 数学応用数理専攻
問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課
TEL:03-5286-3000
「射影曲線の超平面切断の一様性・Cayley-Bacharach性」2025/12/9
2025年10月14日 11:42
演題:「射影曲線の超平面切断の一様性・Cayley-Bacharach性」
日時:2025年12月9日(火) 15:05-16:45
会場:早稲田大学 西早稲田キャンパス 51号館 18-08
講師: 宮﨑 誓 (熊本大学名誉教授)
対象:一般
参加方法:入場無料 直接会場へお越しください
主催:基幹理工学研究科 数学応用数理専攻
問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課
TEL:03-5286-3000
ベンゼン環の一発変換で創薬加速
2025年10月13日 15:51
ベンゼン環の一発変換で創薬加速
~芳香族ケトンを一度で多様なヘテロ環に~
ポイント
- 医薬品開発で重要な「芳香族環のヘテロ芳香環への置換」を、ワンステップで可能にする新反応を開発しました。
- 古典的な反応を利用しつつ、従来の「進まない」という常識を覆し、多段階でしかできなかった変換を一度で実現しました。
- 医薬品や天然物由来の複雑な分子にも適用可能で、高収率かつ温和な条件で変換できます。
- 医薬分子の構造多様化や物性改善を加速し、新薬創出に貢献する基盤技術として期待されます。
概要
ベンゼン環(芳香環)をヘテロ芳香環に置き換える「ヘテロ芳香環スワッピング」は、医薬品の溶解性や安定性を高める有効な手法ですが、従来は複雑な多段階反応が必要で汎用性が低いという課題がありました。
早稲田大学の山口潤一郎(やまぐちじゅんいちろう)教授らの研究グループは、古典的なClaisen※4/逆Claisen反応※5を応用し、芳香族ケトン※1とヘテロ芳香族※2エステルを一度に反応させることで、ワンステップで多様なヘテロ芳香族ケトンを合成する新手法を開発しました。本反応は高効率で進行し、医薬品や天然物由来の複雑分子にも適用可能です。この成果は創薬研究や新材料開発に広く応用されることが期待されます。
本研究成果は、2025年10月9日 (木)に「Nature Communications」に掲載されました。
論文名:Heteroaromatic Swapping in Aromatic Ketones
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これまでの研究で分かっていたこと
製薬企業の創薬研究者は、薬の性能を向上させるために、生物活性をもつ化合物(シード化合物)を有機合成化学の手法で改変し、より高活性で代謝安定性の高い薬へと作り直してきました。その中でも、芳香環(ベンゼン環)を、窒素などを含む大きさの近いヘテロ芳香環に置き換えると、水溶性や代謝安定性が改善されることが知られています。実際に、抗てんかん薬ペランパネルは、シード化合物のベンゼン環をピリジン環に変えることで、生物活性が約3倍向上しました。
ヘテロ芳香環にはピリジン環以外にも多様な種類があるため、研究者はさまざまなヘテロ芳香環に変換して活性を確認したいと考えてきました。これが「ヘテロ芳香環スワッピング」※3と呼ばれる手法です。しかし、ヘテロ芳香環の導入は合成の初期段階に行われることもあり、例えば、ヘテロ芳香環の導入から5工程かけて化合物を合成した場合、10種類の化合物を作ろうとすると50回の反応を行う必要あります。もし最終段階で、ワンステップ(1工程)で置換できれば、同じ10種類でもわずか10回で済みます。そのため、効率的に「ヘテロ芳香環スワッピング」を実現する簡便な方法の開発が強く望まれていました。
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新たに実現しようとしたこと、明らかになったこと
今回、私たちの研究グループは、芳香族ケトンとヘテロ芳香族エステルを一度の反応で混ぜ合わせ、芳香族環を様々なヘテロ芳香環に置き換える新しい「ヘテロ芳香環スワッピング」を開発しました。この反応は、古典的なClaisen反応と逆Claisen反応を組み合わせたもので、容易に入手できる試薬と、温和な条件下で高効率に進行します。これにより、従来は多段階を必要とした変換を、ワンステップで実現することが可能になりました。さらに、この手法は官能基耐性※6が高く、医薬品や天然物など複雑な分子にも適用できることを実証しました。例えば、抗精神病薬である芳香族ケトン「ハロペリドール」の芳香環をワンステップで、ピリジン環をもつ新規類縁体へと変換可能です。ピリジン環のみならず25種類以上のヘテロ芳香環に変換できることもわかっています。
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研究の波及効果や社会的影響
今回開発した「ヘテロ芳香環スワッピング」は、薬の開発における大幅な効率化を可能にします。従来は複数の工程を必要としていた構造改変をワンステップで実現できるため、研究者は短期間で多くの候補化合物を合成できるようになり、新しい薬の探索や最適化が大きく加速すると期待されます。
さらに本成果は、古典的なClaisen反応では中間体が安定で、逆Claisen反応は進行しないと考えられていた通説を覆すものです。ケトンに電子的な差をもつ中間体であれば、逆Claisen反応が容易に進行することを明らかにし、教科書の記載に影響を与える学術的成果としても意義をもちます。
課題、今後の展望
今回開発した芳香族ケトンの「ヘテロ環スワッピング」は、幅広い分子に適用可能である一方で、すべての基質に対応できるわけではありません。特に電子的に豊富なヘテロ芳香族や一部の単純なケトンでは反応が進みにくく、さらなる基質適用範囲の拡大が課題となります。最大の課題は、ベンゼン環の隣にケトンを持つ必要があるため、すべてのベンゼン環に適用できない点です。
今後は、この制限を克服し、より多様なベンゼン環をもつ化合物に適用できるような新しい改良法の開発を進めていきます。これにより、より幅広い医薬品候補化合物や機能性化合物に本手法を応用できるようになり、創薬や材料開発における可能性がさらに広がると期待されます。
研究者のコメント
教科書に明記されてきた通説に例外があることを示せたのは、私たちにとって大きな驚きであり、大きな達成感を得ています。このシンプルで実用的な手法は、創薬研究に携わる多くの研究者の助けになると確信しています。今後も有機化学の基礎反応を新しい視点から見直し、社会に貢献できる分子変換技術を生み出していきたいと考えています。
用語解説
※1 芳香族ケトン
ベンゼン環などの芳香環にカルボニル基(C=O)が結合した化合物。医薬品や機能性分子の合成中間体として広く使われています。
※2 ヘテロ芳香環
ベンゼン環のような芳香環の一部が窒素や酸素、硫黄などの原子に置き換わった環構造。薬の溶解性や安定性を改善する効果があり、多くの医薬品に利用されています。
※3 ヘテロ芳香環スワッピング
既存の芳香環を、異なるヘテロ芳香環に入れ替える手法。薬の効力や安全性を高めるための手法の一種で、創薬研究において注目されています。
※4 Claisen反応(クライゼン反応)
エステルやケトンのエノラートが縮合して1,3-ジカルボニル化合物をつくる有機化学の基本反応。19世紀末にドイツの化学者ルートヴィヒ・クライゼンが発見。
※5 逆Claisen反応
1,3-ジカルボニル化合物が逆方向に分解し、2つのカルボニル化合物(今回はケトンとエステル)に戻る反応。
※6 官能基耐性
反応の際に分子内の他の部位(アルコールやアミンなどの官能基)が壊れずに残る性質。耐性が高いと複雑な分子にも適用しやすくなります。
キーワード
芳香族ケトン、ヘテロ芳香族、分子編集、Claisen反応、逆Claisen反応、医薬品化学、骨格変換、合成化学、構造多様化、創薬
論文情報
雑誌名:Nature Communications
論文名:Heteroaromatic Swapping in Aromatic Ketones
執筆者名:Hikaru Nakahara(早稲田大学)、Ryotaro Shirai(早稲田大学)、Yoshio Nishimoto(京都大学)、Daisuke Yokogawa(東京大学)、Junichiro Yamaguchi*(早稲田大学)
掲載予定日時(現地時間):2025年10月9日
掲載予定日時(日本時間):2025年10月9日
掲載URL:https://www.nature.com/articles/s41467-025-64041-6
DOI:https://doi.org/10.1038/s41467-025-64041-6
*:責任著者
研究助成
研究費名:日本学術振興会 科学研究費補助金(JSPS KAKENHI)
研究課題名:結合交換反応の開発と機械学習最適化
研究代表者名:山口潤一郎(早稲田大学)
助成番号:JP21H05213
研究費名:日本学術振興会 科学研究費補助金(JSPS KAKENHI)
研究課題名:ラジカル生成過程の観測と追跡を可能とする高精度電子状態理論の開発
研究代表者名:横川大輔(東京大学)
助成番号:JP23H04911
その他、JST CREST (JPMJCR24T3)や科学研究費補助金(25K01775)も一部ご支援をいただきました。
Development of a Compton Camera for medical imaging(2025/11/10)
2025年10月13日 13:18
演題:Development of a Compton Camera for medical imaging
日時:2025年11月10日(月) 13:30-15:10
会場:早稲田大学 55号館N棟2階203 物理応物会議室
講師:Ivor Fleck (Professor der Physik, University Siegen)
対象:学部生、大学院生、教職員、一般
参加方法:入場無料 直接会場へお越しください
主催:先進理工応用物理学科
問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課
TEL:03-5286-3000
顔画像処理夜明けの時代から現在を観る(2025/11/01)
2025年10月13日 13:16
演題:顔画像処理夜明けの時代から現在を観る
日時:2025年11月1日(土) 16:20-18:00
会場:早稲田大学 国際会議場 井深記念ホール
講師:金出 武雄 (カーネギーメロン大学創始者記念全学教授, 京都大学高等研究院招聘特別教授)
対象:学部生、大学院生、教職員、一般
参加方法:入場無料 直接会場へお越しください
主催:先進理工応用物理科 応用物理学科
問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課
TEL:03-5286-3000
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早稲田大学 緊急用お知らせサイト
- 【緊急通知訓練】緊急時の大学からの連絡方法の確認について/【Emergency Notification Training】Confirmation on how the University will communicate during an emergency
【緊急通知訓練】緊急時の大学からの連絡方法の確認について/【Emergency Notification Training】Confirmation on how the University will communicate during an emergency
2025年10月13日 11:35
大地震などの緊急時に、大学から休講等の緊急連絡を行う場合は、「一斉メール」および「緊急用お知らせサイト」等で通知します。
(いずれも同じ内容です。)
10月20日(月)12:30までに、下記の2点を行ってください。
①こちらの「緊急用お知らせサイト」をPCやスマートフォン等の「ブックマーク」へ登録してください。
②大地震などの際に、大学から依頼する「災害時安否確認フォーム」へアクセスし、実際に回答・送信できることを確認してください。
(今回は訓練のため、回答内容までは確認しません)
<災害時安否確認フォーム>
このフォームは、災害発生時の大学への連絡手段として利用します。大地震が発生した際には、大学へ自身の安否を連絡してください。
下記、ご確認ください。
■本学における緊急時の通知方法■
緊急時に大学から通知する内容は、以下の方法で確認できます。
1.緊急用お知らせサイト
2.MyWaseda内のお知らせ
3.Wasedaメール
緊急時は以下にも情報を配信します。
4.早稲田大学公式Webサイト https://www.waseda.jp/
5.早稲田大学公式X(旧Twitter) https://twitter.com/waseda_univ
6.早稲田大学公式Facebook https://www.facebook.com/WasedaU
緊急用お知らせサイトや災害時安否確認フォームへは次の場所からもアクセスできます。
・MyWasedaログイン前 画面左下 https://my.waseda.jp/
・MyWasedaログイン後 左上サービスメニュー内(スマートフォン)
・MyWasedaログイン後 ホーム画面右(PC)
以上
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In the event of a major earthquake or other emergency, the University will notify students of class cancellations
and other emergencies through a mass email as well as by posting information on the Emergency Bulletin Website.
(The contents are the same in both cases.)
Please do the following two things by 12:30 p.m. on Monday, October 20.
1) Bookmark this Emergency Bulletin Website on your PC or Smartphone.
2) Access the "Safety Report Form" and confirm that you can actually answer and send the form.
This is a training exercise, so we will not check the contents of your responses.
Safety Report Form
When a large earthquake occurs, please report to the University your safety status and any damage incurred.
■ Receiving university announcements in an emergency
In the event of an emergency, Waseda will make emergency announcements through the following platforms:
1) Emergency Bulletin Website
2) "Announcements" on MyWaseda
3) Waseda email system
The University will also post information to the following websites:
4) Waseda’s website: http://www.waseda.jp/
5) Waseda’s official X(formerly Twitter): https://twitter.com/waseda_univ
6) Waseda’s official Facebook: https://www.facebook.com/WasedaU
You can also access the Emergency Bulletin Website and the Safety Report Form in the locations below:
・Before MyWaseda login screen (bottom left) https://my.waseda.jp/
・After logging into MyWaseda (upper left) service menu (smartphone)
・After logging into MyWaseda (right on home screen on PC)
(3年連続)おもしろ科学実験教室 in シンガポールを開催しました
2025年10月13日 11:28
2025 年 9 月 6 日(土)、7 日(日)の 2 日間にわたり、シンガポールに所在する早稲田大学系属・早稲田渋谷シンガポール校を会場として「おもしろ科学実験教室 in シンガポール」を開催しました。今回はシンガポール日本人学校中学部の生徒、シンガポール教育省語学センター(MOELC:Ministry of Education Language Centre)で日本語を学んでいる中高生、および早稲田渋谷シンガポール校の生徒を対象として、総勢 79 名の生徒が参加しました。
本企画は 2019、2023、2024 年に続き、今年で3年連続 4 回目を迎えました(2020 年~2022年は新型コロナウイルス感染症の影響で実施を見送り)。本実験教室は、自ら体験することを通じて科学への興味・関心を高める機会を提供するとともに、シンガポール在住の中高生に早稲田大学および早稲田渋谷シンガポール校を知っていただき、進学先候補として興味を持ってもらうこと、また早稲田渋谷シンガポール校の生徒には高大連携の一環として本学理工学部をより理解してもらうことを目的として実施しました。
会場となった早稲田渋谷シンガポール校
分離技術で、植物の成分を取り出す
実験のテーマは「植物の葉から光合成のヒミツの成分をとりだそう!~未来を支える分離技術~」です。今回は、特定のものを分離する技術である『細胞分画』と『カラムクロマトグラフィー』を用いて、植物から光合成の成分を分離する2つの実験に挑戦しました。
①細胞分画による葉緑体の分離
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試料はムラサキゴテンを使用し、その紫色の葉から緑色の葉緑体を分離しました。目視では分かりませんが、顕微鏡でムラサキゴテンの葉を観察すると緑色の部分もあることが確認できます。観察後は、葉っぱを砕き、マイクロピペットという器具を上手に使いこなして試薬を加えたり、上澄み液を吸い取ったりしながら溶液を調製し、遠心力によって葉緑体だけを回収しました!
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②カラムクロマトグラフィーによる光合成色素の分離
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試料はほうれん草を使用し、光合成色素の分離を行いました。ほうれん草をすりつぶして得た溶液(抽出液)に青色LEDをあてると、緑色の液体が赤色に光ります!カラムに抽出液を入れ、カラムクロマトグラフィーにより成分を3種類に分離させることができました。
カラムクロマトグラフィーにより単離した光合成色素 左からカロテノイド、クロロフィルa、クロロフィルb
カラムクロマトグラフィーという手法を用いると、植物内の成分をこのように分離して観察できます。分離した溶液に青色LEDの光を当てることで、複数種類ある光合成色素の中でも自家蛍光で赤く光る特徴を持つクロロフィルを判別することができました!
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実験指導には、早稲田大学理工学術院の技術職員のほかに早稲田渋谷シンガポール校の在校生も加わりました。彼らの的確な指導のもと、参加者は楽しく実験していました。実験の待ち時間や休憩時間は、趣味や休日の過ごし方、高校についての紹介等でどのテーブルも盛り上がっていました!
今回のテーマは高校や中学ではまだ学んでいない知識が含まれていたり、使ったことのない装置や器具を使用するため、内容や工程には難しい部分もありましたが、皆真剣に取り組み、大きな失敗もなく大成功で終えることができました。参加者の皆さんは、真剣な眼差しで実験に取り組み、葉が緑色に見える理由や、光合成の仕組みに深く関わる成分を自分の手で分析する喜びを感じていたようです。また、実験の合間には、学校の垣根を越えて生徒同士が活発に交流している様子も見られました。
シンガポール教育省語学センターの先生方は、「通常の学校では利用できない実験器具を用いて細胞分画やカラムクロマトグラフィーを体験する貴重な機会を得ました。また、実験教室は日本語で行われたため、生徒たちは日本語の科学用語にも触れることができました。高校生や大学スタッフとの会話を通じて日本語の会話力も磨かれ、実験体験はさらに充実したものとなりました。」とコメントされていました。
この実験教室は、本学理工センター技術部の職員や機器・装置だけではなく、本学が持つ海外拠点ネットワーク(早稲田渋谷シンガポール校)の物的・人的リソースの活用、早稲田渋谷シンガポール校在校生の協力、さらにシンガポール日本人学校、シンガポール教育省語学センター、理工パートナーズの支援により実現しました。この取り組みを通じて、多くの参加者に科学への興味関心を深める機会を提供することができました。
参加者の中から将来、早稲田生が誕生し、やがて世界で活躍する校友(卒業生)として、ともに科学技術や社会の発展に寄与していくことを、私たち職員一同願っています。
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白衣を着た姿で記念撮影(写真は9/6午前の部) |
記念品として配布した、スタッフ手作りの葉っぱ型小物入れ。本実験教室で使用した植物の葉をイメージし、3Dプリンターとレーザー加工機で作製!中には細胞小器官が描かれています。 |
次は早稲田で会いましょう!
See you again at WASEDA!
環境省「地域共創・セクター横断型カーボンニュートラル技術開発・実証事業」に新規採択
2025年10月8日 17:34
再エネ導入を加速する次世代蓄電技術開発に着手
シリコン系負極を活用した高性能リチウムイオン電池で電力安定供給とカーボンニュートラルを推進
国立大学法人信州大学、TDK株式会社、国立大学法人鳥取大学、学校法人早稲田大学、ヴェルヌクリスタル株式会社の5者は、環境省が公募した「令和7年度 地域共創・セクター横断型カーボンニュートラル技術開発・実証事業」において、研究開発課題「再エネの導入促進に資するSi系負極を用いた系統用電力貯蔵システムに関する技術開発」(以下、本事業)が採択されたことをお知らせします。
本事業は、2050年カーボンニュートラル社会の実現に不可欠な再生可能エネルギー(以下、再エネ)の導入拡大を加速させるため、電力貯蔵システムの高度化を目指すもので、既存のリチウムイオン二次電池(以下、LIB)に使用されている黒鉛負極をSi系負極に置き換えることで、高エネルギー密度と高出力/長寿命の次世代LIBを開発・実証し、早期の社会実装を図ります。
※本事業の早稲田大学代表研究者は理工学術院の門間聰之教授です。
本事業の目的と技術的優位性
再エの出力変動を補い、安定した電力供給を可能にするためには、高エネルギー密度と高出力を両立した電力貯蔵システムが喫緊に求められています。しかし、現在の技術では、この両立は困難でした。本事業で開発するSi系LIBは、従来の黒鉛の代わりにSi系負極を用いることで、エネルギー密度を飛躍的に向上させ、かつ高い出力と長寿命化を同時に実現します。この革新的な技術は、既存の製造プロセスを転用できるため、他の次世代電池技術に比べて早期の社会実装が期待されています。また、主要材料であるシリコンは国内での供給安定性が高く、経済的な優位性も備えています。
実施体制と今後の展望
本事業は、令和7年度10月から2年半にわたり、各機関の専門性を結集して研究開発と実証を進めます。信州大学が代表機関として全体を統括し、材料評価、セル試作、劣化機構解析を分担します。共同実施者である鳥取大学はSi系複合材料の開発と基本性能評価を、早稲田大学は高度な解析技術を用いて劣化機構を解明します。ヴェルヌクリスタル株式会社は要素技術を統合したシステム開発を、TDK株式会社は開発した電極合材で試作したセルでの信頼性評価と事業化に向けたロードマップの策定を担当します。
本技術の社会実装を加速させることで、我が国のエネルギー安定供給とカーボンニュートラル社会の実現に貢献してまいります。
ムーンショット型研究開発制度のプロジェクトマネージャーに小澤徹教授が新規採択
2025年10月8日 17:30
このたび、内閣府が統括する「ムーンショット型研究開発制度」における目標10のプロジェクトマネージャーとして、本学から新たに小澤 徹教授の研究開発プロジェクトが採択されました。
採択プロジェクト
プロジェクトマネージャー
小澤 徹(理工学術院・教授)
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研究開発プロジェクト
「核融合研究のパラダイムを刷新する数理モデルの定式化と解決法のイノベーション」
本研究開発プロジェクトは、プラズマ科学と数理科学の協働により、フュージョン分野の革新的な発展につながる研究課題を数学的に定式化し、その課題解決に挑戦し、核融合技術の基盤を築く取り組みです。数理を共通言語とする学際的な研究開発体制により、核融合炉の「設計ツール」の概念構築と数理的基盤形成を通じて社会実装や人材育成を推進し、研究開発プログラム計画を遂行します。また、本研究開発プロジェクトの推進により、フュージョンエネルギーの実用化・産業化の実現された社会像を目指し、ムーンショット目標10の達成に貢献します。
ムーンショット型研究開発制度
日本発の破壊的イノベーションの創出を目指し、従来技術の延長にない、より大胆な発想に基づく挑戦的な研究開発(ムーンショット)を推進する新たな制度で、内閣官房、内閣府、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省等が連携し、研究開発を推進します。総合科学技術・イノベーション会議で決定された10のムーンショット目標について、各目標における研究開発全体責任者であるプログラムディレクターの下、プロジェクトマネージャーは、ムーンショット目標達成および研究開発構想実現に至るシナリオの策定、研究開発プロジェクトの設計、研究開発体制の構築、研究開発プロジェクトの実施管理などを行います。
目標10では、フュージョンエネルギー(核融合反応によって生まれるエネルギー)の実用化に向けて、様々な応用技術が実装された2050年の社会からバックキャストし、その鍵となる課題解決に挑戦する研究開発を実施し、イノベーション創出を目指します。
ムーンショット目標
1. 2050年までに、人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現
2.2050年までに、超早期に疾患の予測・予防をすることができる社会を実現
3.2050年までに、AIとロボットの共進化により、自ら学習・行動し人と共生するロボットを実現
4.2050年までに、地球環境再生に向けた持続可能な資源循環を実現
5.2050年までに、未利用の生物機能等のフル活用により、地球規模でムリ・ムダのない持続的な食料供給産業を創出
6.2050年までに、経済・産業・安全保障を飛躍的に発展させる誤り耐性型汎用量子コンピュータを実現
7.2040年までに、主要な疾患を予防・克服し100歳まで健康不安なく人生を楽しむためのサステイナブルな医療・介護システムを実現
8.2050年までに、激甚化しつつある台風や豪雨を制御し極端風水害の脅威から解放された安全安心な社会を実現
9.2050年までに、こころの安らぎや活力を増大することで、精神的に豊かで躍動的な社会を実現
10.2050年までに、フュージョンエネルギーの多面的な活用により、地球環境と調和し、資源制約から解き放たれた活力ある社会を実現
本学では、これまでに以下5名が「ムーンショット型研究開発制度」にプロジェクトマネージャーとして採択されており、プロジェクトを実施しています。
菅野重樹(理工学術院・教授)
研究開発プロジェクト
「一人に一台一生寄り添うスマートロボット」
竹山春子(理工学術院・教授)
研究開発プロジェクト
「土壌微生物叢アトラスに基づいた環境制御による循環型協生農業プラットフォーム構築」
由良 敬(理工学術院・教授)
研究開発プロジェクト
「地球規模の食料問題の解決と人類の宇宙進出に向けた昆虫が支える循環型食料生産システムの開発」
青木 隆朗(理工学術院・教授)
研究開発プロジェクト
「ナノファイバー共振器QEDによる大規模量子ハードウェア」
中垣 隆雄(理工学術院・教授)
研究開発プロジェクト
「岩石と場の特性を活用した風化促進技術“A-ERW”の開発」
【11月28日(金)12:30~13:10開催】文部科学省PEP卓越大学院プログラム 2026年4月進入/編入 9期生 募集説明会開催します!
2025年10月7日 17:36
文部科学省卓越大学院プログラム『パワー・エネルギー・プロフェッショナル(PEP)育成プログラム』は、
電力・エネルギー新産業創出に寄与する人材を輩出することを目的とした修士・博士後期5年一貫の博士人材育成プログラムです。
この度、本プログラムの2026年進入/編入 9期生募集説明会を以下のように開催致します。
当日は、プログラム説明後に現役PEP生2名(電力系・エネルギーマテリアル系代表)も参加して、
皆さんの質問にお答えします。
お気軽にお申込みください!
<日時>
2025年11月28日(金)12:30~13:10
形式:Zoomオンラインミーティング(途中入退室可)
※申請フォームから参加登録いただいた方にURL等詳細を、前日までにメールでお送り致します
<申請フォーム>
PEPプログラムに少しでも関心のある方はお気軽に、以下URLよりお申込みください。
https://forms.office.com/r/TTETZxXshZ
申込締切:11月27日(木)10:00まで
<ポスター>
ポスター
<概要>
対象:現在、電力系・エネルギーマテリアル系を専攻分野としている
(あるいは現在それらの分野・専攻に関心がある)以下の学生、社会人
・学部3年生、4年生
・修士課程・一貫制博士課程1年生、2年生
・2026年4月に以下の参画専攻博士後期課程入学予定者
<参画専攻>
・基幹理工学研究科(機械科学・航空宇宙専攻、電子物理システム学専攻)
・創造理工学研究科(地球・環境資源理工学専攻)
・先進理工学研究科(応用化学専攻、電気・情報生命専攻、ナノ理工学専攻、先進理工学専攻)
・環境・エネルギー研究科(環境・エネルギー専攻)
<内容>
・PEP卓越大学院プログラム概要説明(研究指導・支援体制、カリキュラム、進路、経済的支援etc)
・進入/編入募集日程
・現役PEP生(2名)の体験談
・Q&Aタイムもあります
<ご参考>
PEP卓越大学院プログラムHP https://dpt-pep.w.waseda.jp/
パンフレット https://dpt-pep.w.waseda.jp/about/?id=pamphlet
募集要項出願書類 https://www.waseda.jp/fsci/admissions_gs/guidelines/pep/
<お問合せ>
PEP卓越大学院プログラム事務局(51号館1F理工統合事務所内)
Email:[email protected] TEL:03-5286-3238
2026年度 創造理工学部 早稲田建築AO入試(創成入試) 第一次選考合格発表
2025年10月7日 10:00
触媒的カルボン酸誘導体の脱カルボニル化を伴う変換反応(2025/12/11)
2025年10月6日 16:48
演題:触媒的カルボン酸誘導体の脱カルボニル化を伴う変換反応
日時:2025年12月11日(木) 16:30-18:10
会場:早稲田大学 西早稲田キャンパス 62W号館 1階 大会議室
講師:西原 康師 (岡山大学 異分野基礎科学研究所 教授)
対象:学部生、大学院生、教職員、一般
参加方法:入場無料 直接会場へお越しください
主催:先進理工学研究科 化学・生命化学専攻
問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課
TEL:03-5286-3000
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理工学術院
- 【教員公募】理工学術院 国際理工学センター Major in Mechanical Engineering 教授(任期付)、准教授(任期付)または講師(任期付) 1名 応募締切 2025/10/31(必着)
誘電正接0.001未満を実現―世界最高水準の低誘電材料を発見
2025年10月2日 17:03
誘電正接0.001未満を実現―世界最高水準の低誘電材料を発見
~次世代高速通信(6G)に貢献する回路基板材料の新展開~
発表のポイント
- 高周波電気信号への応答性が低い硫黄を含む高分子を基盤構造に、世界最高水準の低誘電特性を示す新しい有機材料を開発した。
- 硫黄原子と酸素原子を交互に配列する分子設計にも拡張し、170 GHzというミリ波帯でも低誘電特性を維持できることを実証した。
- 本材料は、第6世代移動通信システム (6G) の実現に向け、高速・大容量・低遅延の通信を支える回路基板材料としての応用が期待される。
早稲田大学 理工学術院の小柳津研一 (おやいづけんいち) 教授および渡辺清瑚 (わたなべせいご) 次席研究員らの研究グループは、株式会社ダイセル(本社:大阪市北区、代表取締役社長 榊 康裕)と共同で、これまで達成が難しいとされてきた誘電正接0.001未満の低誘電材料の開発に成功しました。
低誘電材料は、次世代の高速・大容量通信に欠かせない要素技術ですが、通信に用いる電波の周波数が高くなるほどエネルギー損失が増大する課題を抱えています。来たる6G通信の実装 (2030年頃) に向けて、材料の電気絶縁性を飛躍的に高めることが強く求められています。本研究では”ポリ(フェニレンスルフィド)誘導体”という構造に着目し、高周波電気信号への応答性を大幅に抑制することで、従来材料を凌駕する世界最高水準の低誘電特性を実現しました。本研究は、高速大容量通信における回路基板材料の新たな設計指針を提示するものであり、将来的には「より多くのデータを、より高速で、より高品質に」伝送できる通信技術の実現につながる可能性があります。
本研究成果は、2025年8月16日 (土曜日) 午前7時 (英国時間) にNature系列誌「Communications Materials」にオンライン掲載されました。
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これまでの研究で分かっていたこと
近年、モノのインターネット (IoT) や人工知能 (AI) の急速な発展に伴い、多量のデータを高速かつ高品質に伝送する技術への需要が一層高まっています。しかし、情報通信機器の回路基板に用いられる電気絶縁材料 (低誘電高分子材料) は、通信に用いる電波の周波数※1が高くなるとともに伝送損失※2の増加を引き起こし、通信時の発熱や品質劣化を招く課題を抱えています。2030年頃に実装が見込まれる6G通信※3に向けては、30-300 GHzのミリ波帯でも優れた電気絶縁性を維持できる回路基板材料の開発が急務となっています。
低誘電材料の性能を表す指標には、誘電率※4と誘電正接※5の2つがあり、特に誘電正接は伝送損失の値を大きく左右するため重要な指標とされています。これまで、ポリイミド※6やポリ(フェニレンオキシド) (PPO)※7など多くの低誘電材料が開発されてきましたが、分子内に存在する極性※8の影響から、低誘電率 (3以下) かつ低誘電正接 (0.001未満) を両立する材料の実現は困難でした。例外的に、PTFE※9に代表されるフッ素樹脂は、フッ素原子の分極率※10が低く0.001未満の誘電正接を示しますが、近年は環境規制により含フッ素化合物の使用が制限されており、これに代わる新たな分子設計指針が求められてきました。
新たに実現しようとしたこと、明らかになったこと、そのために新しく開発した手法
本研究グループは、低誘電プラスチックの分子構造から極性を持つ官能基を排除し、電気信号への応答性を極限まで抑えることで、誘電率や誘電正接を更に低減できると考えました。そこで、極性の低いスルフィド結合※11と分子運動性の低いベンゼン環※12から構成される”ポリ(フェニレンスルフィド) (PPS) 誘導体”に着目し、電気信号に伴う分子振動を抑えられる化学構造を導入することで、従来の低誘電材料を凌駕する低誘電特性を実現できることを見出しました。
そこで、研究グループは、従来の低誘電材料であるPPOの酸素原子を硫黄に置換したジメチル置換PPS (PMPS) と、これらの交互共重合体※13 P1に新しく着目しました (図1)。
図1: 本研究における低誘電化の戦略
図1の補足:従来のPPOと、本研究で見出した高分子 (PMPS、P1) の分子設計と誘電特性 (10 GHzにおける値)。PPOの酸素がPMPSでは硫黄に変わり、分子の極性が小さくなることから、高周波電気信号への応答性が低くなり誘電正接 (Df) が低下する。(CCライセンスに基づき、論文中の模式図を一部改変及び翻訳)
誘電特性を測定したところ、分子構造に含まれるPMPS骨格の割合が多いほど、スルフィド結合の低い極性に由来して誘電正接が減少し、特にPMPSでは10 GHzにおいて0.001未満の極めて低い値を示しました。一方、硫黄は高い分極率を有することから誘電率は増加したものの、最大でも2.80に留まり、低誘電材料として十分に機能することが分かりました。すなわち、PPS誘導体は従来材料と同等の低い誘電率を保ちながら、誘電正接を大幅に低減できることが明らかとなりました。
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図2: P1の特異的な誘電特性
(a) 10-170 GHzにおける誘電正接スペクトルと傾きkDfの一覧. P2は交互共重合体P1の位置異性体 (メチル基の位置が異なる構造体)、PPSはポリ(p-フェニレンスルフィド)を指す。P1のみが極小値 (紫部) を有し、スペクトルの傾きも小さいことから周波数依存性が小さい。
(b) P1とPMPSの極性を表す模式図。
(c) P1とPMPSの静電ポテンシャル (左) およびMulliken電荷 (右) の分布。硫黄はやや正に、酸素は負に帯電していることがわかる。(CCライセンスに基づき、論文中の模式図を一部改変及び翻訳)
さらに、PPO骨格とPMPS骨格を交互に配置したP1は、他の高分子と異なり周波数が増加しても誘電正接がほぼ変化せず、80 GHzにおいても安定して0.002未満の低誘電正接を維持しました。また、この低い周波数依存性は170 GHzという更に高い周波数帯でも維持されました (図2a)。詳細な機構を調べると、PMPS骨格とPPO骨格が交互に並ぶP1でのみ極性が微小に偏り、高分子鎖間に静電相互作用※15が発現することで電気信号に伴う分子運動が抑制され、幅広い周波数帯においてエネルギー損失を抑えられることが分かりました (図2b, c)。
研究の波及効果や社会的影響
近年の情報通信の高速化は著しく、低誘電材料の開発競争もこの5年程度で急速に激化しています。要求水準は年々上がる一方で、所望の低誘電特性を実現する高分子材料の設計指針は確立されていませんでした。本研究は、分野における壁の1つである「誘電正接0.001未満」を突破する新しい手法として、「硫黄を使った分子設計」というアイディアを初めて実証したものです。
今後、このコンセプトを多様な高分子構造に展開することで、更に優れた低誘電特性を示す材料が網羅的に開拓されることが期待できます。得られた材料が第6世代移動通信システム (6G) に実装されれば、「より多くのデータを、より高速で、より高品質に」伝送できるようになり、データの処理速度の飛躍的向上、IoTの普及拡大、ウェアラブル機器の高性能化など、大きな社会的波及効果も期待できます。
課題、今後の展望
本成果では、極めて低い誘電正接を示す有機材料の分子設計を初めて実証しましたが、その下限がどこにあるのかは未知数です。今後は、PPS誘導体の構造を部分的に改変した高分子や、他の硫黄含有ポリマー、さらには架橋高分子にも対象を拡張し、高分子材料が到達し得る低誘電特性の限界を追究したいと考えています。
研究者のコメント
これまで取り組んできた高屈折率高分子の研究を発展させ、「屈折率と表裏の関係にある誘電率の制御にも応用できるのでは?」と着想したのが本研究の出発点です。当初は「屈折率が高ければ誘電率も高い」と予想していましたが、実際にはスルフィド結合の性質により誘電率は意外に低く、加えて誘電正接が大幅に低減することを見出しました。本成果は低誘電材料開発におけるブレイクスルーであり、情報社会を支える革新的技術への第一歩になると確信しています。
用語解説
※1 周波数
1秒間に電波が振動する回数。周波数が高いほど、より多くの情報を伝送できる。
※2 伝送損失
情報通信において、電気信号が減衰する度合い。周波数の1乗、誘電率※3の平方根、誘電正接※4の1乗に比例する。
※3 6G通信
2030年頃に実装が予定されている、30-300 GHzの電波を用いた通信技術。現行の5G通信と比較して省コストかつ更に高速・低遅延・大容量の通信や、同時多数の情報デバイス接続が可能となる。
※4 誘電率
外部から電場が加わった時に、電子が偏る程度を表す指標のこと。回路基板に用いる高分子材料の場合、誘電率は低い方が好ましい。
※5 誘電正接
外部から交流電場が加わった時に、エネルギーが熱として損失する程度を表す指標。極性基や運動性の高い官能基が電気信号に応答し、局所的に運動することが損失の原因とされている。回路基板に用いる高分子材料の場合、誘電正接は低い方が好ましい。
※6 ポリイミド
イミド結合を有するエンジニアリングプラスチックの総称。高分子鎖間での相互作用が強く、耐熱性や電気絶縁性に優れる。
※7 ポリ(フェニレンオキシド) (PPO)
芳香環と酸素原子の繰り返し構造から成るエンジニアリングプラスチック。耐熱性や電気絶縁性に優れる。工業的には、ポリスチレンとブレンドして成形加工性を高めたノリル樹脂が用いられることが多い。
※8 極性
分子構造の中で、電荷がプラス(正)とマイナス(負)に偏る程度のこと。極性の低い分子ほど外部電場に応答しにくくなり、損失が小さくなる。
※9 PTFE
テフロン樹脂 (ポリ(テトラフルオロエチレン)) の略称。耐熱性や耐薬品性、電気絶縁性に優れる。フライパンの撥水コーティングなどにも用いられる。
※10 分極率
電場や光が加わった際に、原子周囲の電子の偏りが生じる性質。硫黄は分極率が高く、酸素は分極率が低い原子として知られている。分極率の低い分子ほど電荷を貯めにくく、損失が小さくなる。
※11 スルフィド結合
炭素原子と硫黄原子が2つの電子を介して形成する化学結合。炭素と硫黄は電気陰性度 (電子を原子が引き付ける能力) の差が小さいことから極性※8が低い。
※12 ベンゼン環
6つの炭素原子が正六角形に結合した平面状の化学構造。高分子に組み込まれると,剛直性が高く、熱的・化学的安定性に優れた官能基として働く。
※13 交互共重合体
2種類の化学構造が、交互に連結された高分子のこと。例えば、2種類の高分子の単位構造をそれぞれA, Bとすると、交互共重合体はABABAB…という分子配列を有する。
キーワード
ポリ(フェニレンスルフィド)、含硫黄高分子、低誘電特性、周波数、高速大容量通信、ミリ波、6G、回路基板材料
論文情報
雑誌名:Communications Materials
論文名:Poly(phenylene sulfide) derivatives as ultralow dielectric loss materials with stable frequency response
執筆者名(所属機関名):Seigo Watanabe1,2, Shuma Miura2, Tomohiro Miura2, Yoshino Tsunekawa2, Daisuke Ito3, Kenichi Oyaizu1,2,*
*:責任著者
1早稲田大学理工学術院総合研究所
2早稲田大学先進理工学研究科応用化学専攻
3株式会社ダイセル
掲載日時(現地時間):2025年8月16日7時
掲載日時(日本時間):2025年8月16日15時
掲載URL:https://doi.org/10.1038/s43246-025-00917-w
DOI:10.1038/s43246-025-00917-w
研究助成
研究費名:有機エネルギーマテリアル化学の確立と展開
研究課題名:文部科学省 科研費 基盤研究(A) (21H04695)
研究代表者名(所属機関名):小柳津研一(早稲田大学)
研究費名:ソフト分極構造の多重集積による光・電場機能高分子の革新
研究課題名:文部科学省 科研費 挑戦的研究 (開拓) (22K18335)
研究代表者名(所属機関名):小柳津研一(早稲田大学)
研究費名:両親媒性共重合体を鍵材料とするポリフェニレンスルフィドの革新的接着と相溶化
研究課題名:文部科学省 科研費 若手研究 (25K18083)
研究代表者名(所属機関名):渡辺清瑚(早稲田大学)
上記のほかに、みずほ学術振興財団 工学研究助成、池谷科学技術振興財団 単年度研究助成 (No. 0371233-A)、天野工業技術研究所 研究助成 の支援により実施されました。
Introduction to gauge theory for families(2025/10/29)
2025年10月2日 11:12
演題:Introduction to gauge theory for families
日時:2025年10月29日(水) 16:00-17:40
会場:早稲田大学 西早稲田キャンパス 51号館18-12室
講師:今野 北斗 (東京大学 准教授)
対象:大学院生、教職員、学外者、一般
参加方法:入場無料 直接会場へお越しください
主催:基幹理工学研究科 数学応用数理専攻
問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課
TEL:03-5286-3000
リンク先URL:http://sites.google.com/view/somaohno/対称性と幾何セミナー?authuser=0.
Latest Breakthroughs in Anion-Exchange Membrane Fuel Cells(2025/10/29)
2025年10月2日 10:14
演題:Latest Breakthroughs in Anion-Exchange Membrane Fuel Cells
日時:2025年10月29日(水) 16:00-17:00
会場:早稲田大学 121号館4階407室
講師:Dario Dekel (Israel Institute of TechnologyProfessor)
対象:学部生、大学院生、教職員、学外者、一般
参加方法:入場無料 直接会場へお越しください
主催:先進理工学研究科 応用化学専攻
問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課
TEL:03-5286-3000