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プロジェクト研究所ちょっとお邪魔します! グローバル生産・物流コラボレート研究所

著者: contributor
2025年11月12日 13:23

サプライチェーンに変革を起こす 早稲田発「学びのエコシステム」

 

デジタル化、グローバル化、サステナビリティ。さらにはパンデミックに経済安全保障。激動する社会の波を受け、企業のサプライチェーンはかつてない変革期を迎えています。その中で日本の製造業に活力を取り戻し、世界経済を明るく照らすためにアカデミアにできることは何か。産学連携で難題に取り組む研究所を紹介します。 

サプライチェーンの「大変革」に学術的アプローチで貢献する 

──「グローバル生産・物流コラボレート」といいますと、どのような研究が対象となるのでしょうか。 

大森峻一(所長/理工学術院教授)

ひと言でいえば、製造業を中心とする企業におけるサプライチェーン・マネジメント。原材料などの調達に始まり、製造現場への輸送、生産、倉庫での管理、そして販売店への配送といった一連の流れ、すなわちサプライチェーンに関する業務をいかに効率化するかについて研究しています。加えて、販売と消費を合わせたサービスオペレーション・マネジメントも研究対象に入ります。 

製造業を取り巻く最近の情勢は非常に厳しく、さまざまな問題が複雑に絡み合う中で企業は「大変革期」を迎えています。例えば、第4次産業革命などといわれるデジタル化の進展、SDGsに象徴されるサステナビリティへの対応やソーシャルビジネスの加速、グローバリゼーションの果てに巻き起こった保護主義の高まりなど、サプライチェーンに影響を及ぼす課題は山積です。コロナ禍によってサプライチェーンの分断リスクが顕在化し、地政学的リスクに伴い供給網の見直しを余儀なくされる、といったことも起きています。 

日本では特に働き手不足の問題も大きいですね。物流業界では「2024年問題」といって騒がれたように、働き方改革関連法の施行でトラック運転手の時間外労働時間に上限規制が設けられたことで、輸送力の低下が危惧されました。ドライバーだけでなく、在庫管理や需要予測に従事するホワイトカラーの人たちも高齢化などで職場から離れ、ベテランの経験と勘に頼ってきたツケが回ってきています。 

そうした中で、ビジネスと社会に役立つ次世代のグローバル生産・物流システムの構築を目指し、経営工学的な知見を生かして問題の分析と解決策の検討を行うことが私たちの使命です。

──アカデミアが持つ学術的な知見に対して、産業界からの要請や期待が大きいということですね 

そのように思います。日本の製造業はかつて世界を牽引する力を備えていましたが、近年では先ほど挙げたような環境変化により、国際競争力を保つことが次第に難しくなってきました。私たちは研究活動の一環で、日本を代表するようなメーカーの経営陣やサプライチェーンの実務担当者との共同研究や議論を重ねてきましたが、変革の方向性や具体的な方法について、学術的アプローチへの期待値がこれまで以上に膨らんでいることを実感しています。 

私自身、これまで多くの企業の方々とご一緒する中で感じるのは、日本企業には現場レベルで極めて高い能力と改善力が備わっているということです。実際、日々のオペレーションはすでに最適に近い水準で行われており、そこで働く人々の知見と努力は世界的に見ても誇るべきものです。 

一方で、私たちの分野には「制約理論(Theory of Constraints)」という考え方があります。システム全体のパフォーマンスは、“ボトルネック”となる制約条件によって決まるというものです。例えば、鎖の強さが最も弱い輪の強度で決まるように、組織やサプライチェーンも、どこか1カ所の制約条件が全体の可能性を抑えてしまうことがあります。 

飛躍的な改革を実現するためには、この制約条件そのものを変える必要があります。しかし、それは他部門や他社との関係にも影響を及ぼし、ときには一時的な混乱や負の影響を伴うこともあるため、決して容易ではありません。 

そのような中で、企業としての「ありたい姿」や長期的なビジョンを明確に定め、全体最適の視点から改革を進め、この壁を乗り越えていくことこそが、これからの企業の競争力の源泉になると考えています。 

私たちの研究所の貢献としては、そうした企業のビジョンを深く理解し、その実現に向けた意思決定をシナリオとして整理し、数理モデルやアルゴリズムを構築したうえでシミュレーションを行うことにあります。これにより、「もしこのような意思決定を行った場合、どのような結果が生じるか」を定量的に示し、企業が将来を見据えた戦略的な意思決定を行う際の支援を行うことが重要だと考えています。 

企業との共同研究で「理論と現実」のギャップを超える

──経営工学的アプローチというのは、具体的にどのようなことを行うのですか 

例えば、全国チェーンを展開する外食企業との共同研究で取り組んだ、店舗への配送スケジュールの全体最適化プロジェクトがあります。一定のエリアに複数の店舗が存在しているため、いかに物流の効率性を上げるかが課題でした。従来は、店舗ごとに希望する配送時間がまちまちで、ある店は朝の搬入を希望し、別の店では夜間を指定するというような状況でした。これでは、隣り合った店舗であっても朝と夜で同じ地域に2回行く必要があり、効率的ではありません。ここで、店舗の望むタイミングで届けるという「制約条件」を緩和して、配送時間をそろえれば、配送ルートもまとめられ、より少ない台数のトラックで回れます。  

では、一定エリアに数百の店舗があるとして、どの店舗同士の配送を調整すれば最も効率が上がるのか。膨大な組み合わせの中から最適解が得られるよう、アルゴリズムをつくって数理的に導き出します。個々の店舗の事情に振り回されず、本社が全体を俯瞰して調整を図ることで、ロジスティクスの効率が大きく改善するわけです。 

ただ、理論的に得られた最適解が、必ずしも現実の課題解決に使えるとは限りません。理論と現実の間には常にズレがあり、そのギャップを踏まえてどうするかを企業と協働しながら詰めていく作業が重要です。例えば、店舗の事情を最大限に考慮した場合、物流にかかるコストや人員、時間はどうなるか。逆に最も効率性を重視した場合、店舗にどれだけの負担を強いることになるか。そうしたシミュレーションでいくつかの選択肢を示し、企業に判断してもらうのも一つの方法でしょう。 

配送に限らず、サプライチェーンにはさまざまな段階がありますから、その全体を通して見て、従来は別々に機能していた部門と部門を結びつけて最適化すれば、ちょっとの改善で格段に効率を高めることも不可能ではありません。 

──現実に起きている課題を直視しながら研究を進めるわけですね 

私たちは企業の皆様と共同で研究を行うことも多くありますが、あくまで「研究」として、社会的な観点からも学術的な観点からも「重要な問い(Research Question)」を設定することを最も重視しています。 

その問いに対して科学的な手法で答えや解決策を導き出し、その成果を社会における問題解決や新たな価値創出につなげることが、私たちの使命です。共同研究を進める際にも、個々の企業様の課題解決にとどまらず、社
会全体へのインパクトが大きいテーマに取り組むことをご理解いただいたうえで、一緒に研究を進めています。

また、「重要な問い」であるためには、それが未解決問題でなければなりません。既存のソリューションや手法で容易に解決できるような自明な課題は研究テーマとはなりません。したがって、共同研究では常に新しいチャレンジに向き合い、試行錯誤を重ね、ときには一緒に失敗も経験させていただきながら、知見を積み上げていくことを大切にしています。 

サプライチェーンという領域は非常に広く、現場の運用から経営戦略、さらには経済全体の動向まで、多層的な視点が求められます。各レイヤーで必要となる方法論や専門知識も大きく異なるため、研究所には多様な分野の研究者に参画いただいています。 

また、実業界からも多くの実務家の研究員に参加していただき、現場の課題意識やビジネスのリアリティを踏まえながら、研究の社会的価値を高めるための議論を日々重ねています。こうした異分野・異業種の専門家との議論に、学生たちも加わることで、理論だけでなく実務の複雑さや意思決定の重みを直接体験し、大きな成長の機会へとつながっています。

大学と企業と学生が学び合うコミュニティの創出を

──大森先生がこの研究所の所長になられて約3年半。どのような方針で研究を進めてこられましたか。 

企業との連携や海外の研究者との協働も含めて、ネットワークを広げることを念頭に活動してきました。もともとこの研究所が発足したのは2002年、私の恩師である吉本一穂先生(理工学術院名誉教授)が立ち上げ、その名のとおり生産と物流の結びつきを強めながら生産性の向上や物流の効率化を追究することをテーマとしていました。それから20年以上を経て、企業経営を取り巻く環境は大きく変わっています。新しいことにどんどん挑戦し、仕組み化していきたいと考えています。 

──新しく始められたこととして、どのような活動がありますか 

いろいろと手を広げてきましたが、生産・物流に関する実務家の方々とのコミュニティづくりには特に力を入れています。マネージャークラスの研究会、調達系役員の研究会、物流系役員の研究会というように、サプライチェーン・マネジメントの第一線で活躍する各界のトップランナーにお集まりいただき、学術研究にもとづく最新の知見を紹介してフィードバックをいただくといった活動です。 

海外との連携にも力を入れています。アメリカ、ドイツ、中国、タイなど、各国の産業界や学術界の有識者と協働し、サプライチェーンの最前線で起きている変革を多角的に学んでいます。 

アメリカでは、サプライチェーン・マネジメントの先進的な事例を多く学んでいます。調査会社のガートナー(Gartner)が毎年発表する「サプライチェーン・トップ25」では、世界を代表する企業が殿堂入り(Masters Category)として評価されています。私たちは、そうしたガートナーランキングの常連企業や殿堂入り企業の経営者の方々から直接お話を伺い、どのようにサプライチェーン改革を進め、変化に対応しているのかを学ぶ機会を得ています。 

ドイツでは、最先端のファクトリーオートメーションを視察し、デジタル技術によって製造業の構造転換を図る産業政策──いわゆる「インダストリー4.0」の現場に触れてきました。特に、工場や企業間でのデータ連携の仕組みやガバナンス設計は、今後の日本のものづくりを考えるうえで非常に示唆に富むものでした。 

また、中国では「ハードウェアのシリコンバレー」とも呼ばれる深圳を訪れ、起業家、製造現場、ベンチャーキャピタル、アクセラレーターなどを通じて、アイデアがどのように形となり、ビジネスとして成長していくのかを学んでいます。こうした現地視察を通して、イノベーションを支えるモノづくりのエコシステムを理解し、今後の日本の産業競争力に生かすことを目指しています。 

こうした実践知に触れることで、単に理論を学ぶだけでなく、グローバルに通用する経営の意思決定や組織変革のアプローチを理解することができます。世界各地でのベストプラクティスを知ることは、日本企業が直面する課題を相対化し、次の変革の方向性を探るうえで非常に重要だと感じています。 

──研究活動には学生も参加されるとのことですが、こちらも成果が上がっていますか 

そうですね。企業が抱える現実の課題と向き合い、実務の最前線にいる方々に解決策をプレゼンし、フィードバックをもらう。学生にとって得るものが大きいことは間違いありません。研究所主催のスタディツアーで国内外の工場や企業、学術機関などへ視察にも行きますし、この分野で名の知れた錚々たる企業人がふらっと訪ねてこられたりもしますので、刺激は大きいのではないでしょうか。 

そうしたことも含めて、サプライチェーンとサービスオペレーションのマネジメント分野における「学びのエコシステム」を創ることが、私の目標です。大学には新たな研究機会の発見と学生の成長を、企業には最新理論の獲得と人材確保を、そして学生には意義ある学びの機会とキャリアへの道を。それぞれのニーズを満たせる仕組みができたらいいですね。

その結果、日本の製造業が再び強さを取り戻し、世界の課題解決に先導的役割を果たせるようになれればと願っています。 

音の波動を可視化する 及川先生に聞く音コミュニケーションの世界

著者: contributor
2025年11月12日 13:12

2025年度の「教えて! わせだ論客」のテーマは「コミュニケーション」。複数の専門家の視点から、コミュニケーションについて考えます。第5回のゲストは、「音響工学」を専門とする及川靖広教授(理工学術院)。音を物理現象として捉え、聴覚コミュニケーションを支援する研究などに取り組む及川教授に、「快適な音コミュニケーション」について伺いました。

音の専門家から見たコミュニケーションとは?

音も波動の一種なので、発する側と受け取る側の「波動のやりとり」だと思っています。そして、同じ音でも人によって受け取り方は異なります。コミュニケーションにおいて大切なのは、その「違い」を理解し、他者の感じ方を尊重することだと思います。

INDEX
▼「点」ではなく空間全体の「場」として音を理解する
▼みんな同じようで、違う音を聴いている
▼音に耳を澄ますように、社会を観察してほしい

「点」ではなく空間全体の「場」として音を理解する

及川先生の専門である「音響工学」「音響信号処理」とは、どのような研究分野なのでしょう?

「音響工学」とは、音の性質を理解した上で、工学的に人や社会のために役立てる学問分野です。私が常に意識しているのは二つのアプローチで、一つは、物理現象として音を扱うアプローチ。もう一つは、聞いている人間が感じ取る知覚現象として捉えるアプローチです。それらが混ざり合っている部分が「音響」とも表現され、その音を認知・理解する分野は心理学のカテゴリーでもありますので、幅広い研究領域だといえます。

そして、例えばマイクというのは音を電気信号に変換する道具で、電気信号がケーブルや電子回路を通ってスピーカーへ送られるわけですが、その電気信号をコンピューターで処理する技術のことを「音響信号処理」といいます。この技術は、イヤホンのノイズキャンセリング機能やスマートフォンの音声認識などに応用されています。

ただし、マイクで拾える音はあくまでもマイクがある場所における「点」の情報にすぎません。実際の音は、空間全体に広がりながら伝わっていく。物理学的に音は空気の振動の伝わりですから、音波が空間的・時間的にどう分布しどう変化していくのか、この音の空間的な広がりを、磁場や電場という言葉と同じように、「音場」と呼び、音の現象を本質的に観測・解析する研究をしています。

※空間のある地点での振動が次々と周囲に伝わる現象。

先生の研究事例を具体的に教えてください。

10年ほど前、デンマーク工科大学で客員教授をしていた時期に、「歯の骨伝導を利用した音声デバイス」を開発しました。骨伝導とは、鼓膜を介さずに骨の振動で音を伝える方法です。聴覚障がい者の中には、音を受け取る神経細胞は正常でも、鼓膜や中耳などの障がいによってそこまで音が届かない人がいます。そうした人たちに別経路で音を届けたいと思って、新たなデバイスを考案しました。

マウスピース型の歯骨伝導デバイス。左は、電気信号で圧電素子を振動させ、その振動を骨伝導により聴覚神経に伝えるデバイスで、右はBluetoothで無線化を検討したもの

近年は、「光学的手法による音の可視化技術」の開発にも力を入れています。これは、レーザー光や高速度カメラを使い、空気中のわずかなゆらぎから音の波を“見える化”する技術です。この方法を使うと、スピーカーや楽器から音がどう広がり、どのように干渉するのかを観察できます。つまり、音の伝搬を動画として記録できるということです。

シンバルをたたいた時の音の広がりの様子。スティックがプレートを打撃した時に音が発生、伝搬していく様子を観測できる ※クリックして動画を再生

また、この可視化技術をコンサートホールの音響設計にも応用する研究をしています。模型によるシミュレーションだけでなく、実際の空間で音がどう動くのかを見ることができれば、設計の精度は格段に上がります。

みんな同じようで、違う音を聞いている

「快適な音コミュニケーション」の前提となる基礎知識はありますか?

「快適な音コミュニケーション」の仕組みをデザインする上で、「音をどう聞き、どう伝えるか」を物理的に探究することは重要です。そのためには、「音の発生」「空間の伝播」「耳による知覚」の三つの領域を知っておく必要があります。

まず、「音の発生」。人の声や楽器の音、さらには機械の動作音まで、音の出方には無限のバリエーションがあるので、「音を出すこと」が音コミュニケーションの出発点になります。

次に、「空間の伝播」。音は空気を介して伝わります。壁や天井で反射し、干渉し、減衰していく。その“空気の中の旅”を理解することが、音響工学の核心です。先ほどの「光を使った音の可視化技術」を使えば、音がどのように空間を伝播していくかをリアルタイムで観測できます。これによって、音のコミュニケーションを自在にデザインできる可能性が広がります。

最後に、最も人間的な領域である「耳による知覚」。同じ音を聞いても、人によって感じ方は異なります。味覚や視覚と同じように、聴覚にも個人差がある。私はいつも学生たちに、「みんな同じようで、違う音を聞いている」と説明しています。だからこそ、「心地よい音」「伝わる音」は一様ではありません。

この3領域を組み合わせて、「快適な音コミュニケーション」を追究していくことになります。

近年、力を入れている研究は何ですか?

音と「AR(拡張現実)」や「MR(複合現実)」を結び付けた研究にも力を入れています。AR技術を使って、実空間に音の分布を重ねて表示すれば、どこからどんな音が出ているかを3Dで見ることができるんです。例えば、車のエンジン音など騒音とされる音波が、車体のどこからどう伝わっていくのかを特定し設計に役立てたり、建築の分野でも「静かで快適な空間」をデータとして再現したりすることが可能です。

 

写真左:アイドリング状態にある自動車で、エンジンルームから発生する音を3Dで表現した様子
写真右:左側に配置したスピーカーから発生している音波が、パーティションの影響を受け、どのように回り込んで空間に伝わるかを3Dで可視化した様子

また、256個のスピーカーを組み合わせて、音場そのものを創生するシステムも開発しています。「仮想の音空間」を造り出し、音に包まれることができるわけです。そうした「身体で聞く」体験をデザインすることで、いわゆる「気配」なども仮想空間で再現できるかもしれません。

 

本庄キャンパス 環境情報実験棟に実装した、256個のスピーカーを組み合わせた「音場創生システム」。256個のスピーカーを独立して駆動することが可能で、高速1bit信号処理を用いることにより、シンプルなシステムとして実現した

音に耳を澄ますように、社会を観察してほしい

及川先生が考える「コミュニケーション」とは?

「波動のやりとり」だと思っています。「波動」を発する側と受け取る側が、物理的に情報を交換する境界領域にコミュニケーションがあります。この空間を物理的にもっと詳しく理解することが、コミュニケーションの質を高めることにつながるのではないでしょうか。

また、先ほどもお伝えした通り、「人はみんな違う音を聞いている」という前提を持ってほしいと思います。同じ音を聞いても、年齢や環境、感性によって聞こえ方が違うのは人間として自然なことです。大切なのは、その「違い」を理解し、他者の感じ方を尊重すること。音に限らずとも、コミュニケーションにおいて、相手と自分が同じ受け取り方をしているとは限りません。だからこそ、「どう伝わるか」「どう響くか」を意識してコミュニケーションをとることが大切だと思います。

最後に早大生に向けてメッセージをお願いします。

「先が読めない時代」といわれますが、本当にそうでしょうか。アンテナを張っていれば、未来の兆しは必ず感じ取れる。音もそうです。小さな揺らぎの中に、大きな変化の前触れがある。だからこそ、“量”を増やすよりも、感覚を研ぎ澄ますことを大切にしてほしいですね。「拡張」よりも「精度」。音に耳を澄ますように、社会や人の動きを丁寧に観察してほしいと思います。

及川 靖広(おいかわ・やすひろ)

理工学術院表現工学科教授。博士(工学)。早稲田大学理工学部電気工学科卒業。スウェーデン王立工科大学客員研究員などを経て、2007年より現職。専門は音響工学、音響信号処理、コミュニケーション音響、音場の計測と制御。光学的手法を用いた音の可視化、骨伝導デバイス、AR音響空間の研究などを通じて、「音を通じたコミュニケーションの理解と創造」をしている。

取材・文:丸茂 健一
撮影:石垣 星児

2025 年度「STI for SDGs」アワード 奨励賞を受賞

著者: contributor
2025年11月11日 13:20

科学技術・イノベーション(Science, Technology and Innovation:STI)を用いて社会課題を解決する優れた取り組みに対して、さらなる発展や同様の社会課題を抱える国内外の地域への水平展開を促し、持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)の達成に貢献することを目的として、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)により創設された「STI for SDGs」アワードについて、理工学術院中垣隆雄教授(プロジェクトマネージャー)、理工学術院秋山充良教授が参画する研究プロジェクトが奨励賞を受賞しました。

【受賞団体】早稲田大学、株式会社ササクラ、吉野石膏株式会社
【プロジェクト名】海水を用いた有価物併産カーボンリサイクル技術実証
【概要】海水を原料に、炭酸マグネシウムとして CO2を固定化するとともに、石膏や肥料などの有価物を生産する独自のカーボンリサイクル技術を開発。温暖化防止への取り組みとして、早期の本格的な社会実装が期待される。

今回受賞したプロジェクトは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の公募事業である「カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/CO2有効利用拠点における技術開発/研究拠点におけるCO2有効利用技術開発・実証事業(実証研究エリア)」に採択された研究プロジェクトとなります。

なお、第7回目となる2025年度の「STI for SDGs」アワードでは、書類および面接審査を経て、文部科学大臣賞1件、科学技術振興機構理事長賞1件、優秀賞4件、奨励賞4件、次世代賞2件が受賞しました。

理工学術院 中垣隆雄教授

 

授賞式の様子

 

Waseda Researcher – Ayumi Ishii

著者: contributor
2025年11月4日 13:07

早稲田大学では、国際研究大学としての地位確立の担い手となる注目の若手・中堅研究者を、次代の中核研究者として選出しています。

その一人である先進理工学部の石井あゆみ准教授は、近赤外光や偏光などの「目に見えない」光を検出・操作し、強い光や電気エネルギーとして利用する研究を進めています。

地球に住む私たちにとって無限でクリーンなエネルギー源といえる光。今よりも自由に利用できるようになったら、どのような未来が見えてくるのでしょうか。石井先生に伺いました。

【次代の中核研究者】石井 あゆみ(先進理工学部 准教授)

 

国際エンジニアリングアワードで国内最優秀賞! 全方位移動ロボットを提案

著者: contributor
2025年11月11日 09:51

「諦めずに取り組むことで、多角的なスキルを身に付けることができた」

大学院先進理工学研究科 修士課程 2年 天野 創太(あまの・そうた)

西早稲田キャンパス 55号館にて。「Sphebot」と共に

幼少期から機械に関心を持ち、現在は先進理工学研究科の澤田秀之研究室 でロボット開発に取り組む天野創太さん。災害現場や起伏のある地形での探索を想定した、全方位移動可能な球体ロボット「Sphebot(スフィボット)」を発表し、2025年9月に、世界28カ国から2,100件を超える応募が寄せられ、国際的に権威のあるJames Dyson Award(以下JDA)2025で国内最優秀賞を受賞しました。学部生の頃から本格的にロボット開発に携わってきた天野さんに、ロボットに興味を持ったきっかけや製作の裏側、今後の展望などを聞きました。

――ロボットに興味を持ったきっかけは何ですか?

高校生の頃ボート部に所属していた際には、使用するマイクシステムの修理もしていたそう

小学生のときに、ドイツの「フィッシャーテクニック」というおもちゃを買ってもらったのがきっかけです。レゴブロックのように組み立てて遊ぶものなのですが、センサーやモーター、マイコンなどが付いていて、機械や構造の仕組みを学べるものになっていました。それで遊んでいる中で、ロボットに興味が湧いていったように感じます。また、中学生になると、勉強の合間の自由時間にパソコンで遊ぶようになり、当時Googleが無償で提供していた「SketchUp」というCAD(※1)ソフトウェアで設計するのが一番の気晴らしでした。

(※1)設計や製図を行うためのソフトウェア。

――今回、JDAに「Sphebot」を応募しようと思ったのはなぜですか?

学内で開催されていたJDAの説明会に参加したことがきっかけです。話を聞いてみると面白そうで、コンペティションで求められる内容が、自分が製作しているロボットと相性が良さそうだとも感じたんです。JDAではデザインが特に重視されるため、プロトタイプの中から募集内容に適したものを選び、デザインをブラッシュアップしました。プレゼン動画では、動作イメージの表現にもこだわりました。

「Sphebot」は、学部4年生の頃から製作していたもので、もともと研究室で開発が進められていたロボットを継承し、一人でプロジェクトを進めてきました。脚によって本体を持ち上げられる変形式の球体にすることで、脚型ロボットのように段差を越える柔軟性に加え、車輪のようなスムーズな移動性も得られ、新たな形状のロボットを世に送り出せるのではないかと考えました。

「Sphebot」の動作イメージ。JDAでのプレゼン動画から

――JDA2025で国内最優秀賞を受賞した感想や、アワードを通して苦労したことについて教えてください。

他の応募作品を見ても世界中から素晴らしいアイデアが集まっていたので、まさか選ばれるとは思っていませんでした。そのため、結果を聞いた時は本当にびっくりしましたし、素晴らしい作品の中から最優秀賞に選んでいただけたのは、非常に光栄です。

実物の「Sphebot」と

苦労をしたのは、時間のやりくりですね。このプロジェクトは一人で進めていたので、何をやるにも全て自分で動かなければなりませんでした。特にプレゼン資料のCG制作は大変で、高性能なPCを使っても動作が重く、うまく表現できないこともしばしば。また、実機はシミュレーションでうまくいっても実際には動かないこともよくあるので、そのエラーを一つ一つ取り除いていく作業も大変でした。ただ、諦めずに取り組むことで、今回のJDA2025に限らずこの3年間の研究を通して、多角的なスキルを身に付けることができたと感じています。

――そもそもロボット開発はどのように進めているのですか?

基本的には、CADで設計し、試作をするという流れを繰り返します。シミュレーションが必要なときには、3DCGのソフトウェアを仲介して、ゲーム開発用のプラットフォームの空間内に読み込み、物理シミュレーションを行います。これらの方法により、「実際に動作するか」「どういう見た目になるのか」を見ながら実機を完成に近付けていきます。研究室や自宅にある3Dプリンターで試作を繰り返しながら、動作を検証し、最終的に現在の「Sphebot」の設計に至るまでには2~3年を費やしました。

ロボットに関するアイデアは、日常の中でよく浮かびます。特に車を運転しているとき、「こう動いたら面白いかも」「この配置ならうまくいきそう」と思い付くことが多いです。今回の「Sphebot」の動作機構も、そんな日常のひらめきから生まれました。

 

写真左:「Sphebot」の部品を製作している時の様子
写真右:部品の試作に使用している自宅の3Dプリンター

――大学ではどのようなことを学んでいますか?

大学でバレーボールをしている時の一枚。南東北総体のTシャツを着ている中央左が天野さん

私は先進理工学部の応用物理学科出身で、基礎物理から量子力学や相対性理論まで幅広く学びました。澤田研究室は計測情報工学という応用的な分野に軸を置いていて、制御理論や形状記憶合金、最近はディープラーニング(※2)の研究にも力を入れています。研究室では各々がプロジェクトを立ててひたすら研究に励んでおり、見つけてきた論文を紹介し合って常に知識をアップデートしたり、新しい技術や発見について助手や博士課程の学生と議論したりしています。研究で忙しい日々ではありますが、学部生の頃から続けているバレーボールは良い気分転換になっています。

(※2)人工知能技術の一種で、データから特徴を自動的に学習する技術。

――最後に、今後の展望について教えてください。

JDA2025では完成したイメージを発表したのですが、球体が転がるときのランダムな動きをうまく制御できるよう、今後も機械学習を含め検討を続けていきたいです。最終的には、周囲の環境を自ら認識し、地図を生成しながらどんな地形でも思い通りの動きができる、アニメやSF映画に出てくるようなロボットキャラクターのような動作の実現をイメージしています。ただ、時間的な制約もあるため、中長期的な目標については新しく入ってくる研究室の後輩にも託しながら、見守っていければと思います。

自分の展望は、あと半年ほどで研究室を離れてしまうので、これまで培ってきたスキルや経験を生かして、自身の可能性をさらに広げることです。就職後も、面白いアイデアが浮かべば、どんどんロボットを作っていきたいですね。

第912回

取材・文・撮影:早稲田ウィークリーレポーター(SJC学生スタッフ
人間科学部 3年 西村 凜花

【プロフィール】

愛車のMAZDA CX-5と一緒に

愛知県出身。愛知県立旭丘高等学校卒業。高校時代はボート部に所属し、インターハイにも出場した。現在は週に1~2回バレーボールで体を動かすのが趣味。車の運転も好きで、日本全国を走り回り、毎年地球一周分くらい運転しているそう。

ヤーン・テラー効果における新奇な現象を発見

著者: contributor
2025年11月13日 09:49

ヤーン・テラー効果における新奇な現象を発見
~電子の軌道とスピンの新しい結合形態がみつかる~

発表のポイント

  • 固体中の電子のスピンが秩序化すると、それによってヤーン・テラー効果が誘起されて結晶が歪むという新しい現象を見出しました。
  • Co1-xFexV2O4という物質を測定し、FeO4正四面体のヤーン・テラー効果に由来する構造相転移が、 VとCo/Feのスピンが秩序化する温度において起こることを見出しました。
  • Co1-xFexV2O4のFe2+はeg軌道の縮退の解け方が決まらない状態にありますが、スピンが秩序化すると、スピンの方向が決まり、スピン軌道結合を通じてeg軌道の縮退の解け方を一意に決めるため、構造相転移が起こることを明らかにしました。
  • 量子力学における二準位系を磁場によって制御できることになり、将来的には量子情報への応用の可能性をも示唆するものです。

これまで、ヤーン・テラー効果を示す物質はこれまでに数多く知られていましたが、物質の磁性のもととなる電子のスピンがその現象に絡むことはほとんどありませんでした。
早稲田大学 理工学術院 勝藤拓郎(かつふじたくろう)教授らの研究グループは、固体中の電子のスピンが秩序化すると、それによってヤーン・テラー効果が誘起されて結晶が歪むという、これまでに知られていなかった新しい現象を見出しました。
このことは、量子力学における典型的な二準位系の問題を磁場によって制御でき、将来的には量子情報への応用の可能性を示唆するものです。
本研究成果は、国際学術誌「Physical Review Letters」に2025年10月29日に公開されました。
論文名:Coupling between orbital and spin degrees of freedom in Jahn-Teller ions for Co1-xFexV2O4

これまでの研究で分かっていたこと

ヤーン・テラー効果とは、1937年にヤーンとテラーの論文によって示された効果です。分子や結晶中の電子の軌道にエネルギーが等しいものが複数ある場合(すなわち縮退した軌道※1がある場合)、分子あるいは結晶を歪ませることにより、特定の軌道のエネルギーを下げて(すなわち縮退を解いて※1)その軌道を電子が占有することにより、系全体のエネルギーを下げられるというものです。ヤーン・テラー効果を示す物質はこれまでに数多く知られていましたが、物質の磁性のもととなる電子のスピンがその現象に絡むことはほとんどありませんでした。電子のスピンはある温度以下で秩序化するのですが、多くの系でスピンの秩序化が起こる温度はヤーン・テラー効果によって分子や結晶の変形が起こる温度よりも遥かに低く、両者の間に相互作用が発生しないためです。

新たに実現しようとしたこと、明らかになったこと、そのために新しく開発した手法

縮退した軌道を電子が占有する系において、電子のスピンが秩序化すると、それによってヤーン・テラー効果が誘起されるという、これまでに知られていなかった新しい現象を見出しました。さらに、電子のスピンと軌道角運動量の間に存在するスピン軌道結合※2がこうした振舞のもととなっていることを明らかにしました。
今回研究の対象としたのはAB2O4で表される立方晶のスピネル構造(図1左)をとる物質群です。このうちFeV2O4と言う物質は、正四面体の頂点にある酸素イオンと正四面体の中央にあるFe2+のイオンによるヤーン・テラー効果によって正方晶への構造相転移が起こる物質として知られています。一方、同じ構造のCoV2O4と言う物質はCo2+に軌道の縮退がないため、ヤーン・テラー効果による格子変形は起こりません。我々はこの物質の混晶系Co1-xFexV2O4のxを様々に変化させた単結晶試料を作製し、それらの磁化と歪を詳細に調べた結果、VとCo/Feのスピンが秩序化する温度(ネール温度)において、FeO4のヤーン・テラー効果による構造相転移が起こることを見出しました(図2左)。さらにFeの量を減らしていくと、構造相転移温度は減少しないが、歪の大きさが大きく減少する(図2右)という特異な振る舞いを見出しました。なお、Co1-xFexV2O4の磁性と構造はこれまでに回折手法を用いて研究されてきましたが、この手法は結晶の小さな歪を見逃しがちであり、結果として間違った相図が報告されてきたことも明らかになりました。

図1 (左)スピネル構造 (右) 正四面体の頂点にある4つの酸素に囲まれたFe2+のeg軌道の状態と歪

図2 Co1-xFexV2O4の(左)電子相図。Tsは構造相転移温度、TNはネール温度。(右)正方晶歪の大きさ

今回得られた正しい相図は、「スピンが秩序化するとヤーン・テラー効果が起こって構造相転移を起こす」ということを強く示唆する結果となっています。スピネル構造のAサイトにおいて二重に縮退したeg軌道※3が存在する場合、立方晶が一軸方向に伸びるのか縮むのか、さらにその一軸が立方晶の等価な3つの軸のいずれであるかによって、eg軌道の縮退の解け方が様々に異なるため(図1右)、逆にどれが選ばれるかが決まらない状態(フラストレーション)にあります。こうした状態でスピンが秩序化すると、スピンの方向が決まり、その結果スピン軌道結合を通じてeg軌道の縮退の解き方を一意に決めるため、結果的に構造相転移が起こることになります。このような振る舞いは、二重に縮退した軌道とそれと結合した結晶格子の歪、および磁化(スピンの秩序の度合い)を考慮したモデルによって再現できることも示しました。

研究の波及効果や社会的影響

二重に縮退したeg軌道のヤーン・テラー効果は、量子力学における典型的な二準位系の問題であり、それを1テスラ以下の磁場によって制御できるという事実は、量子情報への応用の可能性を示唆するものです。現状ではFe2+イオン1個の状態を制御したり読み出したりすることは困難ですが、結晶中のFe2+イオンの数は極限まで減らすことによって、Fe2+1個の状態を磁場によって制御し、かつ読み出すことが可能になれば、量子情報への応用の道が開けると考えられます。

課題、今後の展望

量子情報へ応用するためにはFe2+イオンの数を減らすとともに、Fe2+1個の磁性を測定することが必要となり、その技術開発が求められます。さらに、FeV2O4のFeをCoで置換するのではなく、Vの方を非磁性のイオンで置換することによりFeのスピンの秩序化を抑制すると、軌道とスピンの結合はあるが、それらが同時にフラストレーションした新しい状態を形成することが期待されます。このような2つの自由度が絡まり合って(エンタングルメント)揺らぐ状態はこれまでに知られておらず、基礎科学的な興味があります。

研究者のコメント

本研究成果では、物質中における軌道自由度と呼ばれる軌道縮退に由来した電子の自由度と電子のスピンの新たな結合の形態を示したことに意義があると思います。これを用いて新たなデバイスを構築していくのが次のステップであると思っています。

用語解説

※1 縮退した軌道
原子やそれが周期的に配列した固体中にある電子は、軌道と呼ばれる状態を占有することが知られています。その際に、エネルギーが同じになる軌道のことを縮退した軌道といいます。何等かの理由により縮退していた軌道のエネルギーが異なることになったとき、縮退が解けるといいます。

※2 スピン軌道結合
電子のもつ軌道角運動量と、同じ電子が持つスピンとの間の相互作用であり、軌道角運動量とスピンの内積で表されます。

※3 eg軌道
電子の軌道のうち、二重に縮退した(entarted)軌道で、空間反転した際に符号が変化しない(gerade)ものをeg軌道といいます。一般的に、遷移金属の軌道(d軌道)は、立方晶中で二重縮退したeg軌道と三重に縮退したt2g軌道となります。

キーワード

ヤーン・テラー効果、軌道縮退、スピン軌道結合

論文情報

雑誌名:Physical Review Letters
論文名:Coupling between orbital and spin degrees of freedom in Jahn-Teller ions for Co1-xFexV2O4
執筆者名(所属機関名):Minato Nakano (早稲田大学)、Taichi Kobayashi (早稲田大学)Takuro Katsufuji* (早稲田大学)
*:責任著者
掲載日時:2025年10月29日
掲載URL:https://journals.aps.org/prl/abstract/10.1103/5kwm-sljw
DOI:https://journals.aps.org/prl/abstract/10.1103/5kwm-sljw

研究助成

研究費名:科学研究費補助金 基盤研究(B)
研究課題名:複合自由度に由来する新規磁気伝導物質の探索と新規物性
研究代表者名(所属機関名):勝藤拓郎(早稲田)

研究費名:新学術領域研究(研究領域提案型)公募研究
研究課題名:軌道自由度による超構造を用いた量子液晶状態の探索
研究代表者名(所属機関名):勝藤拓郎(早稲田)

スキルミオンの流体挙動と論理ゲート機能

著者: contributor
2025年11月13日 09:47

スキルミオンの流体挙動と論理ゲート機能を理論的に発見
~ナノ磁気構造体の流体力学の創成とそのデバイス機能の開拓に道

発表のポイント

  • 磁性体中に発現する「スキルミオン」と呼ばれる粒子状のナノ磁気構造体が無数に集まると、流体のように振る舞うことを発見しました。
  • 「スキルミオン流体」をアルファベットのHの形状をした磁性体素子に流すと、AND(論理積)やOR(論理和)に対応する論理演算ができることを数値シミュレーションにより発見しました。
  • これらの流体挙動と論理演算機能は、位相幾何学的な磁化配列を持つスキルミオンが無数に集まった結果として現れる創発的な現象と機能です。
  • この成果により、スキルミオン1個1個を制御する高度な技術が不要となり、スキルミオンの素子応用の研究・開発が促進されると期待されます。また、ナノ磁気構造体の流体力学を研究対象とする科学分野が創成されるとともに、新たな機能を開拓する応用研究の展開が期待されます。

ナノサイズ(ナノは10億分の1)の磁気構造体であるスキルミオン※1は将来の磁気デバイスの素材として期待されていますが、極めて微小なスキルミオン1個1個を精密に制御する難しさが、研究・開発における大きな課題になっています。
早稲田大学理工学術院総合研究所 張溪超(ちょうけいちょう) 次席研究員/研究院講師と、同大理工学術院 望月維人(もちづきまさひと) 教授、信州大学工学部 劉小晰(りゅうしょうし) 教授らの研究グループは、この課題を克服するために、無数のスキルミオンを集合体として活用する可能性について検証しました。数値シミュレーションにより、膨大な数のスキルミオンの集合体の挙動を調べた結果、電流存在下で流体のように振る舞うことや、AND(論理積)やOR(論理和)に対応する論理ゲート※2としての機能を持つことを発見しました。この成果により、スキルミオンを使った素子の実現を阻んでいた課題が解決され、その素子応用の研究・開発が促進されると期待されます。また、ナノサイズの磁気構造体の流体力学※3を研究対象とする新しい科学分野が創成され、その現象と機能を開拓する研究の展開も期待されます。
本研究成果は、2025年11月1日 (土)にProceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 誌にオンライン掲載されました。

これまでの研究で分かっていたこと

スキルミオンは位相幾何学(トポロジー)※4で特徴付けられる特殊な磁化(原子レベルでのN極-S極の向き)配列を持つナノサイズの磁気構造体であり、2010年頃に、キラル磁性体※5や、強磁性体/重金属積層系※6などの空間反転対称性の破れた磁性体で発見されました。このナノ磁気構造体は、磁性体中で非常に安定に存在し、まるで粒子のように振る舞います。特に、磁性体に電流を流し、スキルミオンを構成する磁化にトルク(回転力)を与えることで、スキルミオンを動かすことができます。驚くことに、スキルミオンは通常の磁気構造体(磁壁)に比べて10万分の1から100万分の1の極めて小さな電流で動かすことができます。
このように、安定して微小電流で動かせるスキルミオンを、次世代のメモリ素子や論理ゲート素子の情報ビットとして応用するために、世界中で精力的な研究が行われています。その中でも、磁性体の細線中に生成した一つ一つのスキルミオンを電流で動かし、スキルミオンが「ある・ない」で「0,1」を表現するスキルミオン・レーストラックメモリ※7と呼ばれる磁気メモリ素子が精力的に研究されています。
しかし、スキルミオン・レーストラックメモリの研究・開発では、個々のスキルミオンを情報ビットとして使うために必要な「読み出し(検出)」、「書き込み(生成)」、「消去」、「伝送」する技術の実現が容易ではないことが課題となっています。つまり、スキルミオン1個1個を高い精度で検出し、ナノサイズの領域に指定された数だけ生成・消去し、トラップされたり失われたりすることなく確実に伝送するといった高度な技術の必要性が、スキルミオンをメモリ素子などに活用する上で大きな障害となっているのです。

新たに実現しようとしたこと、明らかになったこと、そのために新しく開発した手法

我々の研究グループは、スキルミオン1個1個を制御するのではなく、無数のスキルミオンの集まりを情報ビットとして活用することで、この課題の解決を目指しました。スキルミオンの集合体を情報担体として活用することは、個々で制御する場合と比べて、以下の3つのメリットがあると考えられます。
① 精密な位置に厳密に指定された数のスキルミオンを生成しないといけないという問題が解消する。
② 無数のスキルミオンを磁気細線で構成された回路の中を巡回させることで、スキルミオンを消去する必要がなくなり、そのための高度な技術が不要となる。
③ 無数のスキルミオンの集まりは、1個1個のスキルミオンよりもはるかに容易かつ精度よく検出できるため、高度な読み出し技術が不要となる。
本研究では、強磁性体と重金属の二層構造の材料で図1(a)のようなアルファベットのH(を横に寝かせたような)形状の素子を作り、そこに膨大な数のスキルミオン[図1(b)参照]を流した時の挙動を、数値シミュレーションにより調べました。具体的には、上下2本の横棒(パイプAとB)の左端(入力AとB)どちらか一方から、あるいは両方から無数のスキルミオンを注入した時の振る舞いを調べました。その結果、無数のスキルミオンは、全体としてあたかも層流や乱流※8のような流体挙動を示すことを発見しました。さらに、このスキルミオン流体がAND(論理積)やOR(論理和)の論理ゲートとして振る舞うことを発見しました。

図1: (a) スキルミオンの流体挙動をシミュレーションにするために用いたアルファベットのHを横に寝かせた形状の磁性体素子。強磁性体/重金属積層構造でできている。
(b) 入力端子から(a)の素子に注入する無数のスキルミオンの概念図。(c)-(e)の左側の図では青い点のように見えている。
(c) 入力Aからのみスキルミオン流体を注入した時の挙動。スキルミオン流体は上の横棒(パイプA)を流れ続ける。
(d) 入力Bからのみスキルミオン流体を注入した時の挙動。最初、下の横棒(パイプB)を流れていたスキルミオン流体はジャンクション部を通って、上側のパイプAに流れ込む。
(e) 入力AとB両方からスキルミオン流体を注入した時の挙動。上の(d)の場合とは異なり、パイプBを流れていたスキルミオン流体はパイプAに跳ね返される結果、パイプBを流れ続ける。(c)-(e)の左パネルは磁化分布を表しており、「0」「1」の数字は入力端子と出力端子におけるスキルミオンの有無に対応している。右パネルはスキルミオン流体を構成するスキルミオンの軌跡を表している。

強磁性体/重金属積層構造において、電流からトルクを受けたスキルミオンは、電流に対しやや斜めの方向に駆動されます。その結果、図1(a)のような「横向きH型素子」の中を流れるスキルミオン流体は、二本の横棒部分(パイプAとB)では右方向に流れていこうとしますが、縦棒にあたるジャンクション部では右斜め上方向に流れていこうとします。これにより、下の横棒(パイプB)の左端(入力B)から注入されたスキルミオン流体は、上の横棒(パイプA)にスキルミオン流体が流れていない時はジャンクション部を通り、上の横棒(パイプA)を流れるようになる一方、上の横棒(パイプA)にスキルミオン流体が流れている場合は跳ね返されてそのまま下の横棒(パイプB)を流れ続けることになります。

図2:横向きのH字型磁気デバイスに注入したスキルミオン流体が示すAND(論理和)とOR(論理積)の論理ゲート機能の概念図。(a) 出力AはORに対応する出力を吐き出す。(b) 出力BはANDに対応する出力を吐き出す。

図1(c)のような振る舞いの結果、スキルミオン流体はAND(論理積)とOR(論理和)の論理演算※2を自然に表現することができます。具体的には、「横向きH」の上下2つの横棒の左端をそれぞれ入力端子AとB、右端をそれぞれ出力端子AとBと見なした時に、出力端子Aにスキルミオン流体が流れるかどうかがORの出力に対応し、出力端子Bにスキルミオン流体が流れるかどうかがANDの出力に対応します[図2参照]。つまり、出力端子Aに注目すると、入力端子AとBどちらか一方、あるいは両方にスキルミオン流体を注入した時にだけ、出力端子Aにスキルミオン流体が流れてくるので「OR(論理和)」が表現される一方、出力端子Bに注目すると、入力端子AとB両方にスキルミオン流体を注入した場合にだけ、出力端子Bにスキルミオン流体が流れてくるので「AND(論理積)」が表現されます。この現象を活用することで、安定で動かしやすいスキルミオンの特徴を保持しつつ、高い制御性を実現できるため、堅牢で省電力な論理ゲート素子の実現が期待できます。

研究の波及効果や社会的影響

磁気構造体であるスキルミオンは、言ってみれば磁性体を構成する各原子の上にある電子スピンの向きが織りなす模様に過ぎません。それにもかかわらず、その模様が膨大な数集まると、まるで水のように流れ、流体として振る舞うこと、そして、そのようなスキルミオン流体が論理ゲートとしての機能を備えているということは驚くべき発見です。この現象や機能を活用することで、堅牢性と省電力性を兼ね備えた次世代の論理ゲート素子の実現が期待できます。さらに、今回の発見は、スキルミオン流体が基礎科学の観点からも技術応用の観点からも大きな可能性を秘めていることを示しています。

課題、今後の展望

今回の発見は、スキルミオン流体が秘める豊かな可能性の一端を明らかにしたことに過ぎないと考えています。また、粒子的な振る舞いを見せるナノサイズのトポロジカル磁気構造体※9は、スキルミオン以外にも近年次々に発見されています。これらの磁気構造体も膨大な数集まることで流体としての挙動を示す可能性があります。さらに、流体の性質は、それを構成する個々の粒子や粒子間の相互作用の性質に強く依存することを考えると、今後まったく新しい挙動や性質を示す「磁気構造体の流体」が発見されてもおかしくありません。様々なナノ磁気構造体を対象に、その流体として挙動や現象を広く探索・解明し、普遍的な物理を追求する研究の展開が重要になります。さらに、これらの研究を通じて、「ナノ磁気構造体の流体」ならではの新しい物質機能を探索し、そのスピントロニクス※10への応用の可能性を探ることも重要な課題であると考えています。

研究者のコメント

今回の研究成果は、「スピントロニクス」という現代物理学の最先端の研究領域に、物理学における古典的な基礎学問である「流体力学」の概念を取り入れた画期的な成果と言えます。これにより、「ナノ磁気構造体の流体力学」とも呼ぶべき新しい研究分野が創成され、まったく新しい物理学の概念や、これまでにない応用研究の展開が生まれることを期待しています。

用語解説

※1 スキルミオン
磁性体中に現れる磁化が渦状、あるいは噴水状に配列した磁気構造のことです。中心の磁化は下向きですが、外側に向かうにつれてなめらかに回転し、最外周では上向きとなります。通常、数nm(ナノメートル)〜数百nmの大きさの円形状をしており、磁性体中で粒子のように振る舞います。スキルミオンを作ったり、消したりするには、必ず局所的に磁化を反転する操作が必要になりますが、この操作は比較的大きなエネルギーを要するために起こりにくく、スキルミオンは安定で、熱揺らぎや外部からの擾乱に強い磁気構造になっています。

※2 論理演算、論理ゲート
論理演算とは、「真(True)」と「偽(False)」という二値(0と1でも表される)を入力として、その組み合わせに基づき一定の規則で出力を決める操作のことをいいます。これは日常の「はい・いいえ」に対応する単純な判断を、数学的に扱えるようにしたものです。代表的な論理演算には以下のようなものがあります。
・AND(論理積):両方が真のときだけ真を返す
・OR(論理和):どちらか一方でも真なら真を返す
・NOT(否定):入力が真なら偽、偽なら真を返す
これらを組み合わせると、より複雑な条件判断を記述することができます。論理ゲートは、この論理演算を物理的に実現する最小単位の装置です。電子回路では、トランジスタやダイオードを使って0と1の信号を処理する仕組みとして構成されます。たとえば、ANDゲートは「二つの入力端子が両方1のときだけ出力が1になる」回路です。コンピュータは、これらの基本的な論理ゲートを大量に組み合わせることで、加算や乗算、記憶、プログラム実行など、複雑な情報処理を行っています。つまり、論理ゲートは現代の情報処理装置の最も基本的な構成要素なのです。

※3 流体力学
液体や気体の運動と力学的性質を研究する学問分野です。水や空気のように形を保たず流れる物質を「流体」と呼び、その流れ方や力の伝わり方を数理的に扱います。

※4 位相幾何学(トポロジー)
図形や空間構造を、その連続変形における等価性や非等価性、連続変形しても保たれる性質に着目して分類する幾何学のことを位相幾何学といいます。

※5 キラル磁性体
キラル磁性体とは、結晶構造やスピン(原子レベルでの磁化:N極-S極に相当)配置に「左右非対称性(キラリティ)」を持つ磁性体のことを指します。ここで「キラリティ」とは、右手と左手のように、鏡映像と重ね合わせることができない性質を意味します。多くのキラル磁性体は反転対称性を欠いた結晶構造を持ちます。そのため、電子スピン間には通常の対称的な(スピン対の上下を反転させても同じ)交換相互作用に加えて、非対称的交換相互作用(スピン対の上下を反転させるとエネルギーが変わる)であるジャロシンスキー・守谷相互作用が働きます。この相互作用が、らせん磁気構造(ヘリカル構造やコニカル構造)やスキルミオン格子といった、通常の強磁性体では見られない特異なスピン秩序を安定化させます。キラル磁性体の代表的な例にはB20型化合物であるMnSiやFeGe、β-Mn型のCo-Zn-Mn合金、絶縁磁性体のCu2OSeO3などがあります。

※6 強磁性体/重金属積層系
強磁性体薄膜と重金属薄膜を交互に積み重ねた人工構造のことを指します。この系では、強磁性体が持つ磁気的な性質と、重金属が持つ電子の運動と磁性を結合する効果を併せることにより、通常の磁性体では得られない多彩なスピントロニクス機能を実現できます。本研究では、特にナノスケールのトポロジカル磁気構造を安定かつ電流で操作できる「スキルミオン生成・駆動デバイス」としての機能に注目しました。

※7 スキルミオン・レーストラックメモリ
スキルミオンを情報の担体として用いる、新しい概念の不揮発性メモリ素子のことです。細長い磁性ナノワイヤー(レーストラック)中にスキルミオンを作り、その「いる」「いない」を「0」「1」として情報を表現します。電流を流すと、スキルミオンが滑らかに移動するため、情報を配列したまま読み書きが可能になります。スキルミオン・レーストラックメモリには様々な特徴や長所があります。まず、スキルミオンのサイズが数nm〜数百nmと小さいため、高密度な記録が可能です。さらに、スキルミオンは非常に小さな電流(磁壁に比べると10万分の1から100万分の1)でも駆動できるため、エネルギー効率に優れ、低消費電力で稼動できます。さらに、スキルミオンはナノ秒オーダーで移動できるため、高速動作が可能です。一方で、「スキルミオンの生成・消去技術の制御性」、「スキルミオンの運動が電流方向からそれてしまう現象(軌道逸脱)の抑制」、「安定動作のための材料探索とデバイス設計」といったいくつかの解決すべき課題や困難があります。これらの課題が解決されれば、スキルミオン・レーストラックメモリは、次世代の超高密度・低消費電力メモリとして、従来のフラッシュメモリやハードディスクを凌駕する可能性があります。

※8 層流、乱流
流体の運動は流れの秩序性に応じて大きく層流と乱流に分類されます。これは、流体力学における基礎的かつ重要な概念です。層流(Laminar Flow)は、流体の分子が互いに混じり合うことなく、平行な層をなして規則正しく流れる状態であり、摩擦損失が比較的小さく、流れが滑らかで予測しやすいという特徴があります。一方で、乱流(Turbulent Flow)は、流れが不規則に渦を巻き、速度や圧力が時間的・空間的に大きく変動する状態であり、エネルギー散逸が大きく、摩擦抵抗や混合効率が増大する傾向があります。理論的には、層流はナビエ–ストークス方程式の解を比較的単純な形で記述できる一方、乱流は非線形性が強く、その取り扱いには統計的手法や数値流体力学が必要になります。また、層流と乱流の遷移は、流体の慣性力と粘性力の比を表す「レイノルズ数(Re)」によっておおよそ判定されます。具体的には、レイノルズ数がおよそ2000より小さい場合は層流が現れ、およそ4000より大きい場合は乱流が現れます。また、中間領域では遷移流と呼ばれる両者が混在する複雑な流れが現れます。

※9 トポロジカル磁気構造体
スキルミオンと同様に位相幾何学的に特徴付けられる磁化配列を持つ磁気構造のことです。スキルミオンと同様、連続変形により一様磁化状態に戻すことができないため、一度生成されると熱揺らぎや外部からの擾乱に強く、安定に存在できます。

※10 スピントロニクス
物質中の電子は、電気的な性質を担う「電荷」の自由度に加え、磁気的な性質を担う「スピン」の自由度を持っています。この電子のスピン自由度を積極的に活用し、エレクトロニクス技術への応用を目指す研究分野をスピントロニクスと呼びます。

キーワード

スキルミオン、ナノ磁気構造体、スキルミオン流体、流体力学、論理演算、論理ゲート

論文情報

雑誌名:Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America (PNAS)
論文名:Nanofluidic logic based on chiral skyrmion flows
執筆者名(所属機関名):張 溪超/Xichao Zhang (早稲田大学 理工学術院総合研究所・研究院講師)
*望月維人/Masahito Mochizuki (早稲田大学 理工学術院先進理工学部応用物理学科・教授)
夏 静/Jing Xia (Sichuan Normal University 四川師範大学)
Yan Zhou (The Chinese University of Hong Kong香港中文大学)
Guoping Zhao (Sichuan Normal University 四川師範大学)
劉 小晰/Xiaoxi Liu (信州大学工学部電子情報システム工学科・教授)
Yongbing Xu (Nanjing University 南京大学/University of York)
掲載日時(現地時間):2025年10月31日
掲載日時(日本時間):2025年11月1日
掲載URL:https://doi.org/10.1073/pnas.2506204122
DOI:https://doi.org/10.1073/pnas.2506204122

研究助成

研究費名:科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業 CREST
研究課題名:Beyond Skyrmionを目指す新しいトポロジカル磁性科学の創出(課題番号:JPMJCR20T1)
研究代表者名(所属機関名):于秀珍(理化学研究所)

研究費名:日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A)
研究課題名:スキルミオンが持つ新しい物質機能・物性現象の開拓とスキルミオニクスの創出(課題番号:JP25H00611)
研究代表者名(所属機関名):望月維人(早稲田大学)

研究費名:日本学術振興会 科学研究費助成事業 学術変革領域研究(A)
研究課題名:キメラ準粒子の理論(課題番号:JP24H02231)
研究代表者名(所属機関名):村上修一(東京大学)

研究費名:日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究
研究課題名:ナノ機能界面のトポロジカル磁気テクスチャのデバイス機能の創出(課題番号:JP25K17939)
研究代表者名(所属機関名):ZHANG XICHAO(早稲田大学)

研究費名:日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
研究課題名:磁気スキルミオンの物性とその論理演算・メモリ素子への基盤構築(課題番号:25K01606)
研究代表者名(所属機関名):劉 小晰(信州大学)

研究費名:日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)
研究課題名:スピンソリトンを用いた室温量子リザーバーコンピューティング(課題番号:24K21711)
研究代表者名(所属機関名):劉 小晰(信州大学)

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