還暦老人が為替介入を語る。(真面目だよ)
2024年7月13日 06:32
全国の毒舌ファンの皆様 おはようございます。Tommyセンセです。
ということで、今日から3連休。でも、梅雨前線最後の攻撃に見舞われて、行楽が全部吹っ飛んだ。楽しみにしていた野球観戦もお手上げじゃ。
そういえば、この週末に日銀が為替介入したというニュースがあった。
日本は約3.5兆円の為替介入実施した可能性、日銀当座預金見通し示唆(Bloomberg) - Yahoo!ニュース
私を含めてこれだけでは、何のことがよくわからない。それでも、まがりなりに高校生を教える立場にあるので、教えられる程度の知識で解説する。
実は、20数年前に某F高校の後輩(某かるた部)で優秀で生意気な奴と話しこんだことがある。彼は京都大学経済学部で学んでいて、専攻を何にしたかが話題になった。その時の会話がこんな感じ。
「センセ、僕、お世話になっている教授に、専門的に日本銀行を勉強してみたいと言ったんですよ。」
「うんうん、おもしろそうじゃん!!!!」
「そうしたら、教授に怒られました。あんな難しい所、オマエ見たいなバカでは到底太刀打ちできないから止めろ!って言われました」
「えっ、オマエみたいな、バカって言われたの?」
「ハイ」
「だって、京都大学経済学部だろ???????」
今でもハッキリ覚えている。日本銀行の仕組みって相当複雑で凡人では理解できないことばかりなんだろう。
それくらいだから、例えば、この為替介入という仕組みが、ワタシにすべて説明できるとは思えない。本当は超複雑な取引なんだろうが、もの凄く単純化して説明する。
円とドルは、変動相場制の元で外国為替市場でほぼ24時間取引される(日本の市場と、海外の市場があるので)。ここでは、その時の需給関係によって円の需要が多ければ円の値段が高くなり、ドルの需要が多ければドルの値段が高くなる。
今回、政府日銀(この区別もよくわからないけど・・・)が為替介入して5円くらい円高ドル安に振れた。つまりは、政府日銀がドルを売り、円を買ったことになる。
先ほどの記事だと、「差額の約3兆5000億円が円買い介入の規模と推定される。」と書いてあるが、ドル売り介入をしたのだか、規模はドルベースで表記するのが基本だろう。3兆5千億って、何万ドルなんだ?
政府も日銀も日本の機関だから、3.5兆円分のドルはどこにあるんだろう?
この政府や日銀が持っているドルのことを「外貨準備」という。
さっきの記事のパブリックコメントで検索したら、日本の外貨準備は150兆円以上はらくらく持っているらしく、その内の3.5兆円ならば、それほどおおきな金額とは言えない。
この「外貨準備」という勘定は、相当やっかいな理解項目である。
日本では、ほぼ全員が高校生段階で一度は「政治経済」を習う。でもこれだけである。これ以上は、どこかの大学の経済学部で国際経済を学ばなければ教えてもらえない。
しかも、「外貨準備」という考え方は、以前の固定相場制と1973年からの変動相場制では、全く違うものになっていて、固定相場制風の考え方を自分の脳みそから払拭するのは大変なのだ。もし、高校時代の政治経済の先生方が1973年以前の固定相場制での概念を教えてしまうと、日本人は大きな考え違いをしたまま死んでいくことになる。また、やっかいなことに、高校時代にこれまた一生懸命勉強させられる日本史(政治経済よりも真剣に勉強したはずだ)では、固定相場制時代のことばかり(だって明治・大正・昭和だものね)なので、これまた、外貨準備のことが間違って理解してしまう。
固定相場制の時代、輸入超過が続くと外貨が足りなくなった(明治時代がそう)。逆に、輸出超過が続くと外貨が増えた。だから、明治の日本は、生糸や絹織物で外貨を稼がなければ、軍艦を輸入できなかったのだ。固定相場制では、外貨を沢山持っていた方が、とっても安心なのである。
ところが、変動相場制というのは、輸出入の額で外国為替相場が調節されてしまうので、輸入超過が進むと円安になり輸出超過が続くと円高になるシステムだから、基本的に外貨準備が必要ない。言い換えると、外貨準備が発生しない自動調節装置なのだ。
今、日本は外貨準備150兆円だという。発生しないはずの外貨準備が150兆円もある。なぜだろう。
さっき、「輸入超過が進むと円安になり輸出超過が続くと円高になるシステム」と書いた。となると、日本は輸出産業でのし上がった国なので、日本経済が進むと円高が進む。経済が発展すると円高がどんどん進行するのは当然である。ちなみに、1949年の円相場は1ドル360円のスーパー円安だった。
しかしながら、輸出超過が進み円高になると輸出産業が困り果てるので、そんな時は、こそこそドル買いして円安に誘導していた。輸出産業を助けていたのである。このコソコソとしたドル買いは、為替介入と絶対言わないのが不思議だ。ちなみに、(メディア・大手企業・政府のトライアングルによって)人気を作られていた小泉政権や安倍政権では円安が進み、(メデイア・大手企業・官僚)のトライアングルか嫌われていた民主党政権では円高が進行した。
このコソコソとしたドル買い(円売り)介入の結果が150兆円ほどの「外貨準備」である。ナマのドル紙幣を積み立てていても利益があがらないので、この買ったドルはアメリカの国債に化けて、アメリカ政府を大いに潤させた。円安誘導は、輸出企業とアメリカ政府にとっては打ち出の小槌、金のなる政策だったのである。そして、このツケは物価に反映されるので日本の庶民が薄く広く負担させられていた。
したがって、行き過ぎた円安を外貨準備によって少しくらい円高誘導するのは、普通の当たり前のことで、その原資である150兆円は、もともと円安にするために貯まってしまったドルなのである。しかも、1ドル85円(これは超円高)の時に買ったドルは、今や1ドル160円となるのだから、単純に2倍くらいの儲けだ。
したがって、一番最初の、ニュース、。
「差額の約3兆5000億円が円買い介入の規模と推定される。」という言葉は、「政府は、1兆円くらい儲けて、3兆5000億円ほど手に入れた」と表現しなければ、正しくない。
3,5兆も手に入れた(これが日銀なのか政府なのかがワタシの知識では理解できない)のだから、物価高に苦しむ庶民に還元してもバチは当たらないだろう。むしろ、経済の貸借でいうならば、今まで苦しめられてきた物価高を是正するために使ってこそ当然の3.5兆円である。
ちなみに、ガソリン税収入は4,3兆円だそうだ。 こんなはした金、2回為替介入をすれば一気に元がとれる。物価高の一員、ガソリン税は今でも「なし」にできるのだ。消費税だって、たかだか25兆円くらいである。これだって、今回の規模の為替介入を3回やれば5%に縮小できる。それでも、「外貨準備」の10%を切り崩せばいい話である。
とにかく、政府も日銀も全く同じで、政府や日銀が赤字になれば、その分は国民が広く黒字になるのだ。(これば簿記の初歩)
まさか、この儲けた3.5兆円を赤字の補填なんかに使わないでね。
日銀(政府)がやることって、(少しは理解できている)しっかりした記者が書かないと、凄いミスリードになるのよね。
最後にもう一度、
政府日銀は、為替介入で、儲けたのだ。