還暦老人の「授業改善」近況報告
2024年9月5日 05:45
全国の毒舌ファンの皆様 おはようございます。Tommyセンセです。
ということで、総裁選を語る前に、近況報告。
近況と言っても、再任用ハーフ教員(地歴公民科)としての職業話。病気やレジャーの近況ではない。
ここ数年、「ICTを駆使しなさい」と会議や研修でやたら指導される。確かに便利なものだから、老人であってもこの波には逆らえない。
ちなみに、ICTとは 「Information and Communication Technology(情報通信技術)」で、まあコンピュータを使ってコンピュータで出来ることはコンピュータに任せなさいということだろう。理科の授業では、実験経過などの映像を使うことでかなり効率的になったいると聞いた。
でも、還暦を過ぎた老人なので、全面的に授業スタイルを更新というわけにはいかず、一歩一歩牛歩戦術であって、今のペースだと1学期ごとに1ヶ更新くらいだ。幸いなことに現勤務校は、それほど受験指導が必要ない。つまり知識の注入をそんなにしなくてもいい。だから、今年度の1学期は「世界史演習」という独自科目(学校で独自に開設できる科目)で、通年プレゼンテーションを行うようにした。この授業は、ワタシが教えない(教員として、教えないという行為は倒錯したものなので、心理的には辛い)。生徒が自分で調べて、プレゼンシートを作って、発表するを繰り返している。ただ今、2周目に突入しているが、生徒もだんだん上手になっている。もちろん(受験に全く関係しない)世界史的事象を自分で調べて要点整理して発表するわけなので、相当なストレスであろうと想像する。でも、これからの時代は、誰もがICTとして使うことなのだ。これくらいのスキルは身につけないとね。
生徒を観察していると、自分が(教員として)世界史を教えていた時の参考サイトなんかをやっぱり参考にしている。便利だけれど使いにくいサイトもあって、そんなときは「そうだろう、このサイトって便利だけれどわかりにくいよね」なんて相づちを打ってしまう。なんだ、俺が教える手間が省かれているじゃん。この試みはこれからも続けていくつもり。
2学期の更新(現代語ではアップデートと言うらしい。)は、Chat機能を1年生の授業に使おうと思っている。生徒の声(疑問点、感想、簡単に言えばわかったか否かなど)をタイピングデータで送ってもらうつもりだ。スマホでの文書作成スキルは卓越している高校生であるが、タイピングは案外ヘタクソで、ここをクリアしないと大学生や社会人になれない(と思う)。生徒の意見を言ってもらう、という目的と、直ちに文章化することができる生徒を育成するのが目的だ。
そういえばこんなことがあった。
前勤務校の伊豆中央高校で、PTA対象の講演会というのを企画していた。当てにしていた某大学の某教授がその大学の副学長に昇格してしまい、新年度になってからの講師変更を余儀なくされた。この講演会は5月なのに!!!!!!
ここでもまた、ICT。ワタシが愛用しているSNS(はっきりいうとフェイスブック)で、旧知の方に連絡をとり、泣きついてその講演会の講師を引き受けていただいた。Y氏という某T葉大学で、主に学生支援をしている方だ。
その講演会の中で、Y氏は聴衆の声を拾うためにChatを使われた。普通こんなPTA対象の講演会など、最後に「なにかご意見ありませんか?」「ご質問もどうぞ」と御茶を濁して、何も意見がでないまま終わるのが通例だが、この時には、ご父兄(とはいえ、奥様方)も大いに楽しんで、バンバンスマホから言葉を送られた。これが舞台のスクリーンに反映されて、予定時間を越えて盛り上がった。
まあ、この講演会の二番煎じを、こそっと泥棒猫のように取り入れようとしているのである。いよいよ今日から始まりなので、今後の経過をお楽しみに!!!!!
ホントはラインチャットが一番便利(これは、百人一首かるたの大会などでよく使われてる)なのだが、なにせ授業中はスマホ禁止であって、さすがに還暦老人といえどもそのルールを破るわけにはいなない。その代わり生徒達は、クロームブックを買わされているので、このクロームブックをロッカーの肥やしにしておくわけにはいかない。
なので、これ
Google Chat: メッセージとチームのコラボレーション | Google Workspace
実は、「生徒の意見(声)を聞く」という行為も、先生という職業の人間にとっては、精神的に辛いものなのだ。
学校の先生って、3年間のカリキュラムがあり、1年間の授業計画(シラバスとカッコつけて言ってる)があり、単元ごとの計画があり・・・・と、行動は、官僚的なのである。なので、授業が計画通りにいかないとすごく落ち込むし、定期テストを控えているので、実務的にもすごく困るのね。
官僚的で計画通りであるという「予定調和」が先生の一番重視するところだ。(これが本音)、生徒の意見や声なんかをイチイチ聞いていると、計画通りに進まないよ、絶対に。
だから、研究授業の「授業計画」なんかでは、“予想される生徒の意見”なんて欄があった。今の授業テクロロジー(授業工学、とワタシは名付けた)で盛んに作られている、ルーブリックという仕組みでも、「予測される生徒の課題達成項目」なんかを作り上げなければならない。
ルーブリック作成支援 コアネット教育総合研究所 (core-net.net) から拝借。
授業をやる前に、この評価基準を作れと学者センセや教育官僚の方、教育ビジネスの編集者さん達、そして先進的な先生方は、おっしゃるのだ。
“授業をやる前に作成”というのが精神的に辛い。(先進的な先生は、よくぞこの作業を毎回できるなあ。俺ら一般教員は、やってみなければわからないよと思うだけ)
これも詰まる話は、「予定調和させろ」という次元だ。
でも、授業や高校生活でのホンモノのゴダイゴ(醍醐味)は、予定調和しない時に、先生や生徒がどうなるか!!!!!!! なんだよね。
(それこそ、問題解決能力)
つまるところ、今日から始める「Chat」も、この予定調和という最難関をどうやってクリアするかが大変なのだ。
予想される問題点として、「誰も書き込まない」という最難関がある。さて、どうなることやら。