ノーマルビュー

Received — 2021年10月22日 tommy先生の「世相を斬る」

志望理由書

著者: tommyjhon
2021年10月22日 05:37
全国の毒舌ファンの皆様 おはようございます。Tommyセンセです。

 ということで、3年生は、出願第一期が始まっている。今の時期は、「総合型選抜」といって、昔のAOとか推薦入試の類いである。
受験生は、自己PRのために一生懸命に「志望理由書」なるものを書く。ワタシも少し添削のお手伝いをするが、ある意味で、受験の指導や授業よりも苦しいし、切ない思いもわき出てくる。


 「志望理由書」を推敲すればするほど、その生徒の実存(何者か?)と離れていってしまうようだ。大学に入るためにそんなに仮面を被ってどうするのだろう?
大学のこと(アドミッションポリシーというらしい)を読み込んで、「貴学」なんて言葉を普通に使い、腰を低く低くしてお世辞を並べて「志望理由書」なるものを書かせている。大学は、そんなにお世辞を言われて本当に嬉しいの?


 薬学部って、高校生やその親にとっては、とても魅力的なものらしい。なぜだろう? とにかく「薬剤師」は人気がある。高校1年生の理系志望のうち、2割くらいは必ず薬学志望がいる。
 さあ、この“薬学志望の高校生”の志願理由書がやっかいだ。
いきなり、「薬剤師にあこがれる」とある。


 悪いけれど、ワタシは超文系人間なので、病院で医者の指示通りに薬を集めてお客の前に並べる仕事になぜ憧れるのか、どうしても理解できない。だって、薬剤師ってオリジナルな見立てをしてはいけないのでしょ。そんな創造性のない職業になぜ憧れるのだろう?


「社会に貢献したい」ともある。どの仕事でも、やっていれば社会貢献になるものであり、薬剤師だけが医療に貢献しているわけではない。むしろ、生身の人間を扱うような医学・看護学の方が、よほど生きがいを感じると思うのだがどうなんだろう?
 
 なので、「ワタシは、あなた方のように堕落して病気なるような人とは違うのよ!薬の事はとっても詳しいの!、ワタシの言うことを聞きなさい!!!!」というマウントポジションを取りたいだけかもしれない。



 薬学部志望の生徒が嫌いなわけではない。応援しないわけではない。もちろん不合格させようと思っているわけでもない。
高校生(すべての人間)が、薬学に憧れる、本当の、真の、正確な、正直な、理由は、
「なぜ、薬は効くのだろう?」
が、解らないからである。
医学・薬学の世界は、パターナリズム(ゆがんだお父さん大好き主義、「パパのいうことは全部正しいと思い込む思考)の世界なので、我々は、医者と薬剤師の指示通りに薬を飲まされる。そして、案外に効果がある。
 その、誰も説明できない薬の効果に関して、専門的に勉強できるのは素晴らしいことなのだ。人間社会を作り上げてきた世紀の発明品なのだから、凄い学問だ。
薬学志望の理由って、「医療に携わる医学・薬学・看護学の中で、一番不思議な学問だから」だと思うのだが・・・・・


医学(医療技術)によって、人間が治癒することは誰でもイメージできる(大門ミチコのお陰で)。看護によって、人間が救われることもイメージできる(ヤマピーとガッキーのお陰で)。しかし、「なぜこの薬が〇〇病に、効果があるのか?」というイメージは、凡人には全然湧いてこない。だけど効くのですよね。
この凄さが、薬学の第一歩だと思うのだけれど、誰も「志望理由書」に書いてくれない。


なんで???????
大学は、「この学部・学科が一番面白そうだから」という、逆の意味では一番素晴らしい動機を許してくれない。


ちなみに、ワタシは「何を勉強するか解らないから社会学部を志望した」のだが、今の社会では許されないようだ。


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