ノーマルビュー

Received — 2022年1月11日 tommy先生の「世相を斬る」

日本史の勉強

著者: tommyjhon
2022年1月11日 05:53
全国の毒舌ファンの皆様 おはようございます。Tommyセンセです。

 ということで、ふて腐れて家にじっとしていた3連休が終わり、いよいよ学校では「共通テストWEEK」が始まる。
3年生は残り5日となり、我々教員は、「共通テスト前時間割」やら「自己採点当日の特別時間割」やら、「自己採点後の3年生特別時間割」やらで大忙しになる。
共通テストを受験させる身の上としては、本番のテストにどのような問題が出題されるかが気がかりでならない。・・・・予想した問題が出題されると1年間はハッピーに暮らせるせ、外しまくると、1年間ずっと懺悔していなければならない。


 今は公民科(現代社会・倫理・政経)ばかり教えているが、10年くらい前までは「日本史」も教えていた。
日本史を教えている時代は、世の中の日本史好きの高校生をどんどん“日本史嫌い”にしていった自覚があった。中学生までは「歴史大好き少年&少女」達を、授業やテストでどんどん踏みつぶしていった。
 その理由は、講談系日本史と研究系日本史の違いによる。『鎌倉殿の13人』に代表されるようなものを講談系日本史と呼ぶ。何やら歴史が大きく動く分岐点で様々な人物が混じり合い、結ばれたり引き裂かれたりして、大きく動いたように見える時代(源平合戦とか太平記とか戦国時代とか明治の御維新など)をことさらデフォルメして描き、それが『時代物』や『語り部』によって伝承された日本史が講談系日本史である。日本史好きの少年少女達にが小学校高学年とか中学校の時代に飛びつくのが、これらだ。


 ところが、高校で勉強する研究系日本史は、それらの人物像の点描とは少し違う。人物はそれなりに大事だが、もっと“社会構造”を中心に歴史をとらえようとしている。例えば、“土地の支配形態の変化”とか、“産業・技術の発達”とか、“(表・裏を含めた)外国からの影響”とか、“経済的な変化”とかである。このような全然人間が登場しない“面白くない日本史”を延々と勉強させている。
 それはそうだ、講談系日本史は、大学入試にそれほど出ないからである。北条義時や豊臣秀吉、坂本龍馬なんて、日本史で絶対に出題されない。それよりも、遙かに“土地制度史”や“社会経済史”の方が大切である。(それに加えて文化史も)、だから、日本史嫌いを増幅させてしまうのですね。この枠(パラダイム)を大きく転換する(転換できる)と、真の“日本史好き”になるのだ。


 したがって、5日後に行われる、『共通テスト日本史』は、出題範囲として、政治史(講談系日本史)が30%、社会経済系(土地制度・支配制度・流通・産業)などが30%、文化史(宗教・文学・美術・研究など)が30%となる。残り10%はバッファー(緩衝部分)だ。なので、文学好きの歴史小説大好き人間が、共通テストで高得点がとれるわけでもないし、ましてや「大河ドラマ好き」だけで日本史の点数が伸びるわけでもない。この単純な図式にいち早く気づいた生徒と、もっと早く気づいてひらすら、「社会経済史」とか「文化史」とかを一生懸命教えている教師のもとで勉強した奴が、「共通テストで高得点」となるのである。


 我々(世間からみれば、一風変わった)業界人は、どうしても自称「歴史好き人間」を、やや斜めに見てしまう。・・・・君たちは『講談』が好きなのでしょ。


・・・・・嗚呼、ひねくれた人間だなワタシは。
❌