石原慎太郎の死
2022年2月3日 05:45
全国の毒舌ファンの皆様 おはようございます。Tommyセンセです。
ということで、久々の政治話。
ご存じのように、作家であり政治家であり元東京都知事の石原慎太郎氏が亡くなられた。
弟の石原裕次郎の映画は何回も見たことあるが、お兄さんの作家としての作品は一つも読んでいない。『太陽の季節』がベストセラーだったらしいが、ワタシが本ばかり読んでいた時期とは少しズレがあって、石原慎太郎の小説に飛びつくことはなかった。
石原慎太郎の著作を始めて読んだのは、『NOといえる日本』である。何度も繰り返して読んだ。それ以前のワタシの読書遍歴での大きなテーマは、「日本はなんで馬鹿な戦争に突入したのだろう。あんなに凄い国に勝てるわけがない。日本人は馬鹿げた戦争をしたもんだ・・・・・」のような思考であったが、この『NOといえる日本』あたりから、徐々に政治的思考が変化していった。
【再録:石原慎太郎インタビュー】アメリカ人の神経を逆なでした男~石原慎太郎はなぜ『「NO」と言える日本』を書いたのか(ニューズウィーク日本版) - Yahoo!ニュース
それは、日本(もしくは日本人)はアメリカに大きく騙されている。戦後の洗脳(War Guilt Information Programウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム - Wikipedia )は戦後世代の僕ら(ワタシの世代)も大きく騙されていたのかもしれない。という風に変わっていった。したがって、『NOといえる日本』が書かれた時代の言論人としての石原慎太郎を凄い人だと思って尊敬していた。この本を書くことで、石原慎太郎の日本に対する愛国心を見たように感じたのだった。
しかし、紆余曲折を経て、石原慎太郎が東京都知事時代に、アメリカ・ワシントンでの講演で「尖閣諸島を東京都が買う」と発言したことで、もう一度、石原慎太郎に関する評価が180度変わっていった。
石原氏の死去、欧米でも速報 「中国と争い再燃」指摘 作家の業績も (朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース
簡単に言うと、
日本人が持つアメリカに対する偏見を解いでくれたのが石原慎太郎であったが、日本人に中国に対する偏見を作ってくれたのも石原慎太郎だ。
それ以前、日本の保守政治家(自民党)の重厚で慎重な政治姿勢は、一言で言うと「面従腹背」である。
- 面従腹背=表面だけは服従するように見せかけて、内心では反対すること。
アメリカに面と向かって反抗せず、慎重に慎重にアメリカに追随するふりをしながら、日本の国益を這いつくばるように気がつかれないように進展させるというものだった。そうやって、本当の腹の内を見せずに内政を整えていったのが右翼政治家だったように思う。
しかし、日本で人気のあった石原慎太郎が、ここで「尖閣諸島を買う」としたことで、日本はアメリカと一緒になって中国に対抗する、と宣言したようになった。
・・・それまで、尖閣諸島の領有権は、中国と日本で、「大人の対応」をしつつ、上手に棚上げしながらコントロールしていたように思う。
石原慎太郎が右翼思想の持ち主かどうかは異論があるところだろうが、少なくても我々庶民には、日本を代表する愛国者と写った。
だから、「NOといえる日本」は支持されたのだろう。
そして、「尖閣諸島を買う」発言は、日本の愛国者のベクトルを中国に向かわせる大きな引き金となった。
今や、日本の愛国バロメーターは、明らかに“中国への対抗心”である。今の日本人は、小さい頃からディズニーへの憧れと、中国のお笑い爆笑動画を見て育てらている。そうして、アメリカからの自立心がどんどんかき消されているのだと思う。
政治体制が根本的に違うので割り引いて考えなければならないが、日本の中国ニュースに対する報道姿勢は、その他の海外ニュースと明らかに違う。
以後、日本で人気になった政治家が、アメリカにしばらく滞在すると、思想が豹変する事例を何度も見てきた。
民主党で鳩山首相を次いだ管直人もその一人である。
管直人が首相になったときに、何となく突発的に起きた“尖閣諸島近海での中国漁船拿捕事件”は、日本の首相となった(反アメリカ的な思想をちらつかしている民主党出身の)人物に対するアメリカ側の首実検のように思えてならない。
ワタシは、今でも政治家田中角栄と小沢一郎を尊敬する人間である。この(ホンモノの愛国政治家)2人は、外交姿勢として、“全方位外交・等距離外交”を貫いた。日本を地政学的(太平洋の西側にある小さな島国)に考えるのなら、中国ともロシアともアメリカとも、上手にやっていくのが肝心なところである。どちらにも傾いてはいけないと思う。
当の本人が意識したことなのかは我々凡人には知るよしもないし、死んでしまったので改めて問うこともできないが、石原慎太郎は、日本の政治思想を大きく転換させたことを自覚しているのだろうか?
・・・・この件に関しては頭の中を整理してみます。今日は、ちょっと感情的になった。