経済の話2
2022年6月17日 05:25
全国の毒舌ファンに皆様 おはようございます。Tommyセンセです。
ということで、前回の記事が、(最近ヒット数が低迷している中で)案外評判が良かったものだから、引き続き経済の話をします。
ただ今、外国為替レートが超円安に振れていてややパニック気味になっている。
これは、アメリカが自国のインフレ退治のために、自国の政策金利を利上げしたことで、円売りドル買いが進んだことが原因である。(この記述程度は共通テストレベル)
政策金利が上がると家計が貯蓄に回す量が増え、企業の(借金をしてまでの)設備投資が減るので、景気が抑制されてインフレが収束するという魂胆だ。
ただし、この政策は、教科書的には間違っている。
インフレーションは、経済発展の象徴だから、時折、各国を襲ってくる。したがって、経済学者達も、インフレーションの原因を徹底的に調べ尽くしている。だから、普通、インフレーションは、〇〇インフレとか、××インフレとかの名前がつけられている。逆に、デフレーションは滅多に起きないので、これといった名称がなく、すべて「デフレーション」で済まされる。この30年間の日本経済は、過去に例を見ない現象なのだ。
さて、では今回の世界的インフレは、どのように考えられるか?
ズバリ、コストプッシュインフレと呼ぶ。コスト(生産に関わる費用)が上昇し、それが価格を押し上げる(プッシュ)形で起きたインフレである。(共通テストレベル)
コストプッシュインフレの逆が、デマンドプルインフレであって、好景気が続き購買意欲(需要=デマンド)が上昇すると、その意欲に引っ張られる形(プル)で商品全体の価格が上昇する(定期テストレベル)インフレのことをいう。
さて、今回アメリカで始まったインフレは、明らかにコロナで従業員ヶ働けなくなって商品の流通が減り、それを回復させるために(高給で)再雇用したための生産コストの上昇と、ウクライナ侵攻で、エネルギー&食料の調達が難しくなって、その影響で原材料費が上昇したことの2つの要因から起きる、コストプッシュインフレなのである。別に、好景気で需要が過熱しているわけではない。
ならば、加熱した需要を冷ますために使われる「政策金利の上昇」という金融政策を、このインフレ退治のために用いても、完全に無意味である。
本来ならば、原材料費の高騰を止めるために、ウクライナ侵攻を早く止めさせ世界規模の流通を元に戻すことが一番の好手(将棋風)のだが、ウクライナを支援している立場上アメリカはできない。
なので、そう遠くない将来、アメリカは、金利の上昇でマネーストックが減り(定期テストレベル)、景気が減速する。そして、コストプッシュインフレは収まらず、“不況なのにインフレ”という最悪の事態、スタグフレーションに突入していく。(もう突入しているかも)
スタッグフレーションとは、スタッグ(車が雪に埋まって動かなくなるという単語)とインフレーションの造語であって、1970年代の石油ショックによる世界的な“不況なのにインフレ”の状況で作られた言葉である。
このスタッグフレーションが一番ヤバイ。このままだと確実にアメリカ発の恐慌が起きる。アメリカの市場(特に、実態のない金融市場)が爆発するかもしれない。
この前、「インフレに耐えられるようになった・・・・・・」みたいなことを言って、国民から総スカンをくらった、我が黒田日銀総裁は、日本が(金利差解消のために)アメリカに追随して金利を上げる気は、さらさらないように思える。
ここまでは、何となく今回の黒田総裁の判断が正しいように思える。(今回のインフレは金利で解決できないコストプッシュなので)
したがって、日本は金融政策よりも、財政政策(つまり政府)の方で、生産コストを削る方が適切な解決策だ。消費税を減税したり、ガソリン税をなくしたり、(ガソリン税はそもそも二重課税なので税金としては素性が悪い)、高速道路料金を減額したりするする方が、早道だろう。(自民党政権では絶対にやらないけど)
とにかく、コロナとウクライナ侵攻で、教科書どおりにならない状況になった。どこかで必ず(稚拙な政治を繰り返す)アメリカ経済は破綻する。
でも、ではその分、日本が有利になるかというとそうでもない。アメリカ経済が破綻しそうになると、必ず、日本が(自国を無視してまでも)アメリカ経済を助ける対策をとる。プラザ合意とかブラックマンデーとか・・・
2024年が一番ヤバイ年になる。