政党談義
2023年4月25日 05:53
全国の毒舌ファンの皆様 おはようございます。Tommyセンセです。
ということで、統一地方選挙が終わり、全国の結果が出そろった。
地方議会の選挙結果といえども、地方議員は、国政選挙の集票マシーンとしての役割も担うので、次の国政選挙を占う意味もある。
一番の注目は、日本維新の会が約4倍増になったことであろう。
統一地方選挙【詳細】維新 大阪ダブル選制し 道府県議選も倍増 | NHK | 統一地方選
これは、主要メディアも大きく報道した。
しかし、主要メディアは無視したが、れいわ新撰組も、大きく地方議員の数を増やした。
政党とは、【同じ主義主張で集まった集団】であるので、政党には必ず大きな思想的相違がある。地方選挙では、候補者全員が、「地方の活性化」とか「子育て支援」とか「再生」とか、「発展」とか、「生活第一」とか全く同じ主張をしているので理解できがたいが、国政を担う段階になると、特に国防や経済政策などで大きな違いとなる。
また、日本では、選挙制度の仕組みを「自由委任」と考えられているので、
候補者が「消費税に断固反対します!」と言ってもいざ投票となると、「消費税増税賛成」に回るような、“口だけ”議員を辞めさせることはできない。したがって、政党別の大きな政策程度は、国民全体が理解しておくべきである。
今回は、高校の授業レベルで、政党別の思想的背景を説明しておく。
これは、ただ今、「3年政治経済分野で教えている単元」です。
国の制度を大きく動かす経済思想は、大きく分けて2つの系統がある。
日本人もよく知っている「Aスミスらによる古典派経済学」か「JMケインズ博士の修正資本主義政策」である。古典派とはいえ、現在は「新古典派経済学」が大きな潮流となっているので侮れない。
まず、戦後の経済政策を大きくリードしたのが、JMケインズ博士(1930年代~1940年代のイギリスで大蔵大臣だった)の理論である。簡単に言うと、「大きな政府」と言われる考え方で、国民の購買力の上昇(有効需要論ともいう)が経済を支えるのであって、政府は社会保障とか社会福祉政策を大きく展開し、完全雇用(アメリカのニューディールもこれ)の実現が国民経済を支える、というものである。
これは、ケインズ革命ともいうべきで、戦後の先進国はすべてこの政策を採用した。もちろん、戦後の日本を指導した自由民主党も、ケインズ政策を具体化させている。(国民皆保険/皆年金政策とか)
ただ、自民党は基本的に地方の名望家と自営業者に支えられていたので、(社会主義的な労働者優先政策の)革新野党(日本社会党)も、それなりの反対勢力として存在し、JMケインズ理論を補完していた。日本社会党の政治思想は“社会民主主義”(社会主義的な労働者優先政策を議会政治の中で実現しようというもの)である。
ところが、ケインズ政策の最大の弱点は、「政府の赤字増加」であって、1970年代になると、先進国はすべての国で財政赤字に苦しむことになる。そこで、じわじわと増税がはかられるのであるが、この「増税」こそが、経済を停滞させる原因であるとして、「大きな政府」を転換し、国営事業を民営化させ、企業の活性化こそが国を救うと訴えていたのが、Mフリードマンが率いたシカゴ学派(いわゆるマネタリズム)であって、彼らの主張は、「減税」と「民活」だけである。これは、サプライサイド(供給側・つまり企業側)経済学であって、ケインズ学派のディマンドサイド(需要側)からの経済政策とは大きく異なるのだ。
このマネタリズム経済学を、新古典派という。
1980年代、イギリスのサッチャー政権やアメリカのレーガン政権、日本の中曽首相など、1980年代は、このサプライサイド経済学が主要国の経済政策を一新させた。サッチャーは民営化でイギリス病(慢性的な不況と財政赤字)を克服し、レーガンは、レーガノミクスと呼ばれる減税政策でアメリカを蘇らせた。日本のJR・JT・NTTも、経済構造の転換を促進させ、国鉄病の荒療治は今から見ると成功と言える。
ここで、日本の政治情勢が、困ったことになっていく。
政権政党である自民党が、大きな改革を実践し、また、それが成功したように見えてしまったので、野党が反対政党としての意味を失ってしまった。
日本社会党が頼りにしていた大企業の労組メンバーは、マネタリスト経済学では、「不況の真犯人」と見られて、民衆の目の敵にされた。曰く、「労働組合達が、賃金上げろとうるさいので、日本の経済が停滞してしまったのだ」と。
大企業労組を支持基盤としていた日本社会党は、1993年の非自民連立政権を経て、自社さきがけ連立政権という最後のあだ花の後に消滅していく。
そして、自民党が伝統的なケインズ政策の中で、正反対のサプライサイド経済学(新古典派、民営化路線)を取り入れたことで、政府自民党も、経済思想的に何が何だかかわからない状態になり、迷走し始める。
そして、なんと分裂した。この分裂を主導したのが小沢一郎一派であって、小沢一郎の師匠が、(ケインズ経済学の申し子っぽい)田中角栄であることを考えると、この分裂は、経済思想の対立でもある。
ちょこっと、備忘録のように書いておこうと始めたが、案外長くなりそうなので、この話題は続く。