共通テスト自己採点が変わる
2023年10月6日 04:51
全国の毒舌ファンの皆様、おはようございます。Tommyセンセです。
ということで、早くも10月。定年まであと5ヶ月となった。
進路課長課業も先が見えてきた。現在は、AO入試の準備で大忙し、今週末に受験を控える面々がいる。中には、「自己PRは、道具を持ち込んで・・・・」という大学もあり、受験生それぞれが、工夫をしてリハーサルしている。(何だかんだ言って、小さい頃からダンスを習い、いざとなったらどこでも披露できる奴が成功する時代になりつつあるね)
このAO入試が一段落すると、今度は「推薦入試」。OLDな読者諸氏には、想像できないと思われるが、今の推薦入試は「学力検査」がある。“基礎学力調査”とか、“口頭試問”とか要項に書いてあるけれど、基本は学力検査である。出来ない奴は落ちるのだ、我々高校側も必死だが大学側も、少しでもいい生徒を確保したいと必死なのだ。
AO入試、推薦入試とも、なかなかの高倍率で合格率はそれほど高くない。
したがって、大多数の者が一般入試に回る。その第一関門は、1月第3週に行われ全国の受験生50万人が一斉に受験する“共通テスト”だ。
1976(昭和51)年に初めて導入された「共通一次」が、「大学入試センター試験(センター試験)」(平成元年頃)となり、令和の時代を迎えると、「大学入学共通テスト」となった。導入されて以来、名称や必修教科などは多少変化したものの、全教科マークシート方式で行われることに変化はない。
ワタシが大学受験をしたころは、その「共通一次」の3回目と4回目だったと思う(浪人しているから2回うけた)。その花の浪人時代(今は無き、静岡学園予備校)に、友達とふざけ半分で作成したのが、共通一次・マークシートTシャツである。もう今から40年も前のことだけけれど、以来記念Tシャツとして大事にタンスの中にしまってある。もう定年なので久しぶりに蔵出してご披露する。
さて、このマークシート方式の共通テスト(共通一次・センター試験)だが、1月の第3週末の土日2日間で行われ翌月曜日が自己採点の日になっていることもスタート以来変わらない。これだけ世の中で技術革新が行われ、当時より、IT技術も数段発達しているのに、この自己採点結果を受験ビジネス各社に送って判定を調べてもらうという日程は何も変わっていない。受験ビジネス各社は、進研(今ベネッセ)駿台(共通テスト絡みの仕事はベネッセと連携している)河合塾、代々木ゼミナールの4社体制だったものが、随分前に代ゼミが撤退し、4~5年前に東進予備校が参入した。
せっかくのマークシートで、コンピュータで読みこめば、たった1日くらいで生徒の点数が計算できるはずなのに、大学入試センターが生徒それぞれに点数を通知するのは、なんと4月になってからである。
読者のみなさん、驚いて下さい。1月の中旬にマークシートで答案を提出し、本人に得点が通知されるのが4月なんてことあり得ますか?
こういうのが、談合体質というのです。「自己責任」とか「個人の自由」とかいうならば、共通テストの点数は、1週間ほどで生徒に開示され、その点数を元に受験大学を決めれば良いのです。その際、合算方式(共通テストの点数と個別試験の点数を合算する)にするか、資格試験方式(受験資格最低点を大学が明示し、合否は個別試験のみとする、東工大がこれ)にするかは大学が決めればいい。ところが受験生は、自分の本当の点数がわからないまま、受験ビジネス各社のデータをもとに、判定を見比べて右往左往する。
これらは、大学側がハッキリとした序列を作られるのを恐れるからだけの理由なのであって、その間の受験ビジネスにもそれなりの権威を差し上げようとする、国公立大学と受験ビジネスの複合談合である。まさしく、視聴率を稼ぎたい主要音楽メディアとタレント売りたいジャニーズ事務所の談合体質そっくりだ。
したがって、本来ならば全く必要のない「共通テスト後の自己採点」なのだが、高校側と受験ビジネス各社のITイノベーションでだんだんと様変わりしてきた。
昨年度までは生徒の自己採点結果を学校独自のマークシートに転記させ、学校でマークカードを読み取ることで統計処理をしてきた。それを多くの学校で、自己採点結果をGooleのフォームで送信するようになった(と思われる)。そして、受験ビジネス各社には、自己採点の点数のみを送っていた。しかも、最大大手のベネッセ駿台グループは、4枚複写の紙(カーボン紙)を剥がして宅配便で返送していた。
ところが今年から大きく変化し、生徒は、自分のマーク番号をそのままベネッセ駿台や河合塾のフォーム(スマホ画面)に入力すると、スマホ内(クラウド内?)で自己採点が完了し、そのまま受験各社に転送されるようになる。自己採点当日の紙媒体がなくなるのだ。(河合のマーク用紙もベネッセ駿台のカーボン紙も、学校独自の自己採点シートも)一斉になくなる。
この技術革新で、ベネッセも河合塾も、各教科でどのような受験者層がどのようなミスをしたかの膨大なビッグデータが手元に残るようになるのだ。これは高校側にも同じ事で、900点満点の再現答案が一瞬にして手に入ることになる。今後、どのようにこのビッグデータを今後の授業に活用できるかが、それぞれの高校の腕の見せ所となるはずだ。(こういう仕事に全く興味を示さない教員もいるのだが・・・・)
この生徒の再現答案によるビッグデータは、昨年までは「大学入試センター」の独占コンテンツだった。生徒がどのように間違え、(選択肢を考える時点で)どのように引っかかったか、をテータとして残しているのは大学入試センターの大型コンピュータだけだった(しかも40数年分)。だから、共通テスト(共通一次もセンター試験も)の平均点コントロールができていたのさ。
これからは、その作業が受験ビジネス各社やそれぞれの高校で出来るようになる。特に高校側のデータ活用は重要で、授業の改善や作問で使わなければいけなくなる時代が来たのだ。でもね、これらの作業も、IT革命で一瞬のもとで、データ自体は提供されるのよ。使いこなすのは、先生一人一人の実力であって近未来的に大きな差がついてくると思う。先生ってますます大変になるのね。(僕は定年だけど・・・・・)
もう一回、Tommyセンセの若かりし頃の記念碑的名作、「共通一次マークシートTシャツ」(バックプリント)の写真を貼り付けます。(いくら金を積まれても絶対売らないよ)