還暦老人生徒指導を語る
2024年3月18日 05:50
全国の毒舌ファンの皆様 おはようございます。Tommyセンセです。
ということで、時間が空いたけれど、教員人生を振り返るの記。
下田南高校定時制教員を3年やったのち、縁あって静岡県立沼津商業高校へ転勤することになった。結果的に、沼商には3年間しか在籍せず、しかも、副担任→3年担任→1年担任と、途切れ途切れの仕事になったので、それほどの思い入れもないまま去ることになった。現在の学校で当時の生徒だった子が母親となって、その子供とは3年間過ごしたのが救いだ。
3年目に突如、政治決着のような形で転勤したので、誰からも祝福されなかった。クラスの生徒はそのまま残し、残った教員からは白い目で見られた(と感じた)。離任式後の送別会も笑うことはできずに(逃げるように)去って行った。転勤した理由は次回になるだろうが、惜しまれない転勤は二度としたくない、と決意したし、転勤は内緒でしてはいけないとも思った。事実、その後の転勤は明快に“転勤します!!!!”と振舞った。
沼商で勤務していた頃、嵐のように平和な学校を襲ったのが、ルーズソックス旋風である。
そして、教員と高校生の、服装指導追いかけっこが延々と続くことになっていった。
当時、服装指導(生徒指導)が、しっかりできる先生は(先生内部の評価として)「いい先生」であって。違反の服装をしている生徒を、ほったらかしにしているとダメ教員とされた。
「生徒の指導もできないで、何が先生だ・・・・・・・」という悪口・陰口がどこからも聞こえてきた。
ご想像通り、ワタシは生徒指導も服装指導も好きではない。そもそも生徒を型にはめることも好きではないし、生徒が教員の指導で心を入れ替えることはない、と思っている。
ワタシの服装指導基準で言えば、その服装が、「似合っているか否か」「お洒落か否か」「TPOに沿っているかどうか」が服装の規準であって、制服の着こなしがキレイだったらそれでいいと思う。ルーズソックスで言えば、この靴下は、人間の美しい曲線の一つであるふくらはぎからくるぶしのラインを隠すので、美しいラインを持っている女性にはむしろマイナスである。との結論である。
このような信条なので、服装指導などやりたくもない。この当時、同じことを思っていた教員は多くいたと思う。服装指導をしている理由は、先輩教員に怒られたくないし、陰口をたたかれたくもないからであって、服装を指導すれば生徒が成長するとは微塵も思っていなかった。
しかも「服装の乱れは心の乱れ」などという、厄介なキャッチコピーで学校が飾り付けられていた。
そもそも若者の心はいつも乱れているものであって、服装が乱れている生徒は、自分の内面の心の乱れを素直に表出している“いい生徒”である。形だけにこだわって人間を決めつけるものではない、と思うのが普通の人間だと(内面では)反発していた。
この服装指導に何しては、もちろん賛否両論があり、当時、服装指導に教員生命を賭けているようなオーラを醸し出している先生も少なからずいた。そして、その先生の心は純粋であったと思う。とにかく制服をしっかり着用させるのだ、という信念に盾突くことは出来ない。加えて、服装指導をしっかりしている先生って、本当に教員らしい。この立派さを否定できるものでもない。でも、教員になった当時から抱いていた違和感は、今でもなくなることがない。
こんな生活をしている(自分の気持ちとは裏腹に生徒を押さえつけるような指導)と、体の変調をきたしてしまうぞと感じた時でもあった。
今の生徒たちは本当に大人しくなり、服装の乱れとかで指導をされる生徒は極端に減った。学校の偏差値レベルの話ではない、(昔は、荒れているという評判がたった)頭のデキの悪い学校から、多少勉強が出来る学校のすべてで、生徒は大人しくなった。これは極論だが、生徒が大人しくなったのと日本が衰退していく流れは一致している。他にも思い当たる節がある。今の生徒たちは、運転免許をとることにさほど関心を示さなくなった。バイクにも乗りたくないらしい。様々なことに対する欲望の塊(異性と付き合いたいとか、スピードを追求したいとか、金持ちになりたいとか・・・・)であるはずの若者はどことなく大人しくなった。
教員が、生徒を型にはめる指導をくりかえしたばかりに、こんな日本になってしまったとはいえないか????(あくまでも還暦老人の回顧録ね)
今、生徒の中には、「社会福祉」について勉強したいと思う子供たちが一定数存在し、その類の分野を学ぶ学部・学科も存在するのだけど、こういう生徒や学部学科があることすら違和感を覚えてしまう(他に興味はないのかよ?)。
いやいやながら生徒指導をする時代を懐かしむわけではないが、生徒をとことん従順にさせた日本の教育には賛成できない。
別に当時の沼商を否定するわけではない。そういう時代だったのだ。
次回は、逃げるように転勤した顛末について話します。