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「クマのプーさん」など 1926 年に出版された著作物が米国でパブリックドメインに

著者:headless
2022年1月4日 17:59
米国では 2022 年 1 月 1 日、1926 年に出版された文学・音楽等の著作物がパブリックドメインとなったほか、1923 年よりも前に出版された推定 40 万点の録音物がパブリックドメインになった (Public Domain Day 2022The Verge の記事)。

Public Domain Day 2022 では新たにパブリックドメインになった文学作品として、以下の 13 作品を取り上げている。
  • A・A・ミルン「クマのプーさん」
  • アーネスト・ヘミングウェイ「日はまた昇る」
  • ドロシー・パーカー「イナフ・ロープ」
  • ラングストン・ヒューズ「おんぼろブルース」
  • T・E・ローレンス「知恵の七柱」
  • フェリークス・ザルテン「バンビ」
  • ハリール・ジブラーン「Sand and Foam」
  • アガサ・クリスティ「アクロイド殺人事件」
  • エドナ・ファーバー「ショウボート」
  • ウィリアム・フォークナー「兵士の報酬」
  • ウィラ・キャザー「私の不倶戴天の敵」
  • D・H・ローレンス「翼ある蛇」
  • H・L・メンケン「Notes on Democracy」

米国では 1977 年までに出版された著作物の場合について、出版から 95 年の著作権保護期間を定めているため、1926 年に出版された著作物が 1 月 1 日にパブリックドメインとなった。「バンビ」は 1923 年に出版されているが、1926 年の再出版時に米国での著作権表記が行われたため、米国では 1926 年出版扱いとなっている。音楽作品でも同様、1977 年までに公表された作品には 95 年の著作権保護期間が適用されるため、1926 年に初演されたプッチーニのオペラ「トゥーランドット」も今回ようやくパブリックドメインとなった。

日本では著作者の死後 50 年または 70 年の著作権保護期間を定めており、2018 年時点で戦時加算を含めて 50 年の著作権保護期間が満了していなかった作品は 70 年間となる。そのため、「クマのプーさん」などの著作権保護期間が既に満了している一方で今年新たにパブリックドメインとなる作品はなく、「日はまた昇る」など上記作品の半分は著作権保護期間が満了していない。

日本の作家の作品でも今年パブリックドメインとなる作品はないが、青空文庫では著作者自身の希望による3作品(円城塔「鉄道模型の夜」、澤西祐典「くじらようかん」、福永信「三重塔にて」)を1月1日に新規公開しており、2日には尾崎士郎訳の「現代語訳 平家物語 01 第一巻」、3日には鴨長明作・佐藤春夫訳の「現代語訳 方丈記」を新規公開している (そらもよう)。

米国ではこれまで録音物に関しては、1972 年 2 月 15 日以降に録音された著作物のみが連邦法で保護されていたが、2018 年に成立した Music Modernization Act (MMA) で古い録音物にも著作権保護が拡大された。今回の 1923 年以前に出版された録音物のパブリックドメイン化が MMA 適用の第 1 弾であり、パブロ・カザルスが演奏したバッハの無伴奏チェロ組曲第 3 番の第 5 曲や、セルゲイ・ラフマニノフが演奏したクライスラーの「愛の悲しみ」など、多数の録音がパブリックドメインとなった。

2024 年以降は 1923 年 ~ 1972 年の録音物が順次パブリックドメインに加わっていく。保護期間は 1923 年 ~ 1946 年に出版された録音物が 100 年、1947 年 ~ 1956 年に出版された録音物は 110 年となり、1957 年 ~ 1972 年 2 月 15 日までに録音された録音物はすべて 2026 年 2 月 15 日で保護期間が満了する。

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ドイツ・ヘッセン州が計画する学校のビデオ会議システム統一、裁判所に公募のやり直しを命じられる

著者:headless
2022年1月4日 11:51
ドイツ・フランクフルトの上級裁判所が 12 月 23 日、ヘッセン州が計画する学校のビデオ会議システム統一について、公募のやり直しを命じていたそうだ (プレスリリースNeowin の記事Microsoft 365 für Lehrer の記事SZ.de の記事)。

州内の学校では既にビデオ会議システムとして Microsoft Teams が授業で広く用いられている。しかし、州では Microsoft Teams が GDPR の基準を満たさないとして、GDPR の基準を満たす Web ベースのビデオ会議システムへの統一を計画。欧州全域で公募を行い、地元企業を含む応札者を選定した。

しかし、他の応札者から異議の申し立てがあり、独立の公共調達審判所が選定を停止したため、州が上訴していた。上級裁判所は現在の調達文書ではビデオ会議システムを使用するための要件を確認できないなどとする公共調達審判所の見解を支持し、調達文書を書き直して公募をやり直すよう命じた。本件に関して上告はできないとのこと。

州では Microsoft Office 365 が GDPR の基準を満たさないとして 2019 年に教育機関での使用を禁止したが、その後購入済みの場合などに限って使用を認めている。2020 年 4 月には COVID-19 パンデミックを受けて Microsoft Teams など GDPR 基準に合わないビデオ会議システムの使用を 2021 年 7 月 31 日までの期間限定で認めた

州文化省では 2021 年の新年度 (9 月)までに GDPR 準拠のビデオ会議システムを利用できるようにすると約束していたが、選定停止により Microsoft Teams 利用の許容期間は延長されている。なお、州が選定を意図したシステムの情報は公表されていないようで、学校では実際に動作を確認することもできない状況とみられる。

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