マスクがフィットするようハックしてる?
研究に用いたマスクはサージカルマスクと KN95 マスクで、ハックはマスクのゴムひもを結ぶ・サージカルテープでマスクの縁を顔に固定する・パンティストッキングをマスクの上から巻く・包帯をマスクの縁部分に巻き付ける・つなぎ合わせた輪ゴム 3 本でマスクを押さえる・マスクの隙間にガーゼを詰める、という 6 種類だ。被験者は 18 歳女性 (頭囲 56 cm、以下同)・20 歳男性 (60 cm)・29 歳女性 (54 cm)・51 歳女性 (55 cm)の 4 人。パンティストッキングは 2 ブランドの製品 (A / B) を用い、ガーゼ詰込みと包帯巻き付けは KN95 のみ、輪ゴムはサージカルマスクのみで行っている。
結果としては、18 歳女性の KN95 ゴムひも結び、51 歳女性の輪ゴムを除いてハックによるフィット改善がみられた。被験者ごとのばらつきは大きいが、平均では KN95 のパンティストッキング A とサージカルテープ、サージカルマスクのパンティストッキング A / B とサージカルテープでの改善が大きい。ただし、鼻梁でのフィット改善を苦手とするハックも多く、パンティストッキングは被験者の鼻の高さによって結果が大きくばらついたようだ。
一方、多くのハックに共通する問題点は装用時の不快感だ。輪ゴムは 3 本つないだ両端を両耳にかけ、真ん中の 1 本でマスクを顔に押し付けるため、耳が痛くなる。最も効果的なパンティストッキングだが、締め付けによる不快感のほか、しゃべりくいことや時々目に入ってしまうといった問題もある。被験者の中で頭囲の最も大きい 20 歳男性の場合、パンティストッキング A は締め付けが強過ぎたため実験から除外している。
2 番目に効果的なサージカルテープの場合、使用時には問題ないものの剥がすときに痛みを感じる。また、長時間使用した場合に汗や動きでどの程度粘着力が低下するのかも不明だ。パンティストッキングとサージカルテープは KN95 で同じ被験者が繰り返したときのばらつきも大きかったとのこと。
今回の研究により、マスクのハックによるフィット性の向上は確認できたが、より効果的なハックは不快感も大きく、装用者の顔形による効果の差も予測が難しい。快適で効果的なフィッティング改善にはまだまだ研究が必要だが、研究者はこの成果がマスクデザイナーの役に立つだけでなく、マスクの改善を求める一般ユーザーの役にも立つことを期待しているとのことだ。
スラドの皆さんはマスクをハックしているだろうか。
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