ノーマルビュー

「気候変動とエネルギーミックスを考える ~21世紀の二大リスクへの処方箋~」(2024/7/24)

著者: staff
2024年7月16日 14:45

演題:気候変動とエネルギーミックスを考える ~21世紀の二大リスクへの処方箋~

日時:2024年7月24日(水) 15:00-17:00

会場:西早稲田キャンパス 54号館104教室

講師:大関 眞一(元、海洋技術開発(株)代表取締役社長)

対象:学部生・大学院生、教職員、学外者、一般の方

参加方法:入場無料、直接会場へお越しください。

主催:創造理工学部 環境資源工学科

問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課

TEL:03-5286-3000

「ChIP-Atlasハンズオンセミナー」(2024/8/2)

著者: staff
2024年7月11日 12:22

演題:ChIP-Atlasハンズオンセミナー

日時:2024年8月2日(金)14:00-15:40

会場:西早稲田キャンパス 55号館S棟510号室

講師:沖 真弥(熊本大学教授)

対象:学部生・大学院生、教職員、学外者、一般の方

参加方法:入場無料、直接会場へお越しください。

IGV をインストールしたパソコンをご持参ください。

主催:先進理工学研究科 化学・生命化学科

問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課

TEL:03-5286-3000

関連リンク:https://igv.org/doc/desktop/#DownloadPage/

「Hamiltonian models in modulation theory of surface gravity waves.」(2024/7/31)

著者: staff
2024年7月10日 11:32

演題:Hamiltonian models in modulation theory of surface gravity waves.

Part 1: deep-water case.  (11:00-11:50)

Part 2: interaction with internal waves. (13:20-14:10)

日時:2024年7月31日(水) 11:00-14:10

会場:西早稲田キャンパス 62号館1階大会議室A(東側)

講師:Philippe Guyenne(デラウェア大学 教授)

対象:学部生・大学院生、教職員、学外者、一般の方

参加方法:入場無料、直接会場へお越しください。

主催:基幹理工学部 応用数理学科

問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課

TEL:03-5286-3000

「Microbial dark matter: an untapped biotechnological resource」(2024/7/31)

著者: staff
2024年7月4日 16:20

演題:Microbial dark matter: an untapped biotechnological resource

日時:2024年7月31日(水)  16:00 – 17:40

会場:早稲田大学 120-5号館121会議室

講師:Jörn Piel(ETH Zurich教授)

対象:学部生・大学院生、教職員、学外者、一般の方

参加方法:入場無料、直接会場へお越しください。

オンライン参加希望者は、[email protected]に申込

主催:早稲田大学 先進理工学部 生命医科学科

問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課

TEL:03-5286-3000

研究成果の実用化に向けて ~Waseda PoC Fund 2024年度は過去最多の応募数から7課題を選定~

著者: contributor
2024年7月3日 14:10

タイプS採択者(左から清野准教授、紫藤博士1年、合田教授、小野口次席研究員※矢内教授はオンライン参加)

タイプA採択者(左から堀尾修士1年、寺原次席研究員、バイラムオメル学部4年)

2024年度 新規研究課題7件を採択

早稲田大学アントレプレナーシップセンターでは、早稲田大学から生まれた研究成果の早期実用化をめざし、研究開発型スタートアップの創出を加速化するための様々な取り組みを行っています。

2020年から始まった『早稲田PoC Fund Program』は、早稲田大学の研究成果をもとにしたビジネスアイデアを、PoC(プルーフ・オブ・コンセプト)と呼ばれるビジネス仮説検証を行うことによってビジネスモデルを確立させ、スタートアップ創出を支援するプログラムです。今年度はついに5年目を迎え、4月に締め切った公募ではこれまでで最多の応募がありました。早稲田大学の研究成果を研究室に留まらせることなく、社会実装し世界にダイレクトに貢献することをめざす研究者が増えてきたと言えます。

この多数の応募のなかから、厳正な書類・面接審査を経て2024年度の研究課題7件を決定しました。採択された研究課題は、仮説検証を行うための研究開発費と、ビジネスの専門家による伴走支援、そして起業活動に役立つ様々なWSの受講機会など、手厚いサポートが提供され、事業化をめざしていきます。

  • 2024年度 採択課題
研究代表者 所属 研究課題名
(タイプS)
合田 亘人 教授  先進理工学部 生命医科学科 2型糖尿病の根治を目指した膵細胞増殖活性化剤の開発
矢内 利政 教授 スポーツ科学部 投手の寿命を延ばす肩肘運動解析ドックの開発
清野 淳司 准教授(任期付) 先進理工学研究科 化学・生命化学専攻 抗がん活性予測AIシステムの開発と検証
小野口 真広 次席研究員 理工学術院総合研究所 新規RNA-タンパク質複合体解析技術の開発と創薬スクリーニングへの応用
紫藤 寛生 博士1年 創造理工学研究科 総合機械工学専攻 鑑賞者が表現者になる新感覚インタラクティブ・ロボット・アートの事業化
(タイプA)    
寺原 拓哉 次席研究員 理工学術院総合研究所 コンピューターシミュレーションを用いた美しく、機能性の高い製品デザインの提案
堀尾 優子 修士2年 人間科学研究科 バイオレメディエーションによる放射性セシウム回収・減容化システムの開発

(事業期間:2024年度末まで)

 

「研究者から起業家への飛躍」に向けたキックオフミーティング

講師の髙山氏

意見交換の様子

それぞれのPoC活動の開始に先立ち、東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(東大IPC)より髙山幸次郎氏を講師に迎え、アカデミア発の起業において何に留意する必要があるか、事業化の「はじめの一歩」において特に重要となる論点は何かについて学びました。

各参加者の現在のビジネスアイデアにおいて想定されている「顧客」は何か、その「顧客」のどのような課題を解決しようとしているのか、なぜその課題が大きいのか等についてワークを通じて確認し、7月以降メンターとのやりとりを通じて本格化する活動の事前準備を行うことができました。ミーティング終了後にはアントレプレナーシップセンターの施設を見て回り、起業のイメージを深めた参加者もおられました。

3月に予定されているDemo Dayまでに、それぞれの研究がどのようなビジネスアイデアに変化しているのか、期待が高まります。

 

これまでに7件のスタートアップを創出

早稲田 PoC Fundは、これまでの4年間でタイプAを4件、タイプSを18件採択。 教員・研究員・大学院生を代表とする研究チームが、それぞれの研究課題にビジネスの創出プロフェッショナルの方々からの支援(ハンズオン的支援)を受けながら、試作品の研究開発や市場・インタビュー調査などを実施し、研究シーズを活用したビジネスアイデアのブラッシュアップに取組んできました。

その結果、これまでに7社が起業を果たし、うち、2社は早稲田大学のベンチャーキャピタルである、早稲田大学ベンチャーズから資金調達を行うなど、『早稲田PoC Fund Program』から着実な研究開発型スタートアップが生みだされています。

  • これまでに早稲田PoC Fund Programから生まれた企業
研究代表者 法人名
三宅丈雄 教授(情報生産システム研究科) ハインツテック株式会社
中尾洋一 教授(先進理工学部 化学・生命化学科 ) Ussio Lab.(株)
大橋啓之 客員上級研究員(ナノ・ライフ創新研究機構) 株式会社こころみ
青木隆朗 教授(理工学術院・応用物理学科) 株式会社Nanofiber Quantum Technologies
 陽 品駒 次席研究員(次世代ロボット研究機構) 株式会社HatsuMuv 
伊藤 悦朗 教授(教育・総合科学学術院) 株式会社 BioPhenoMA
原 太一 教授(人間科学学術院) Wellness AP Science 株式会社

早稲田大学は、これからも早稲田大学発の研究成果を安心・安全・便利な世界の実現に貢献するビジネスアイデアにし、新たなイノベーションの創出をめざしてしてまいります。『早稲田PoC Fund Program』の取り組みに、どうぞご期待ください。

 

研究室から生まれた成果が事業化されるまでのストーリーを語るMovie

大学の研究室から生まれた研究成果が、PoCファンドによる支援を経て、起業を果たした事業化までのストーリーを研究者が語る人気の動画コンテンツが好評公開中です。ぜひご覧ください。

The Challenges of Waseda’s startups #8 戸川望教授 株式会社Quanmatic

The Challenges of Waseda’s startups #9 伊藤悦郎教授 株式会社BioPhenoMA

 

早稲田PoCファンドプログラムとは?

2020年からアントレプレナーシップセンターが実施している、ギャップファンドプログラム。研究成果をもとにしたベンチャー企業を創出するために必要なビジネスアイデアの仮説検証(プルーフ・オブ・コンセプト)を行うための開発資金(ギャップファンド)の提供と専門家による伴走支援体制を構築。起業を通じた研究成果による社会貢献の実現を目的としています。提携ベンチャーキャピタルからの寄付を財源とするタイプAおよびB、JST  START 大学・エコシステム推進型 大学推進型を財源とするタイプSの3つのタイプがある。

 

本件に関するお問合せ

早稲田大学リサーチイノベーションセンター
アントレプレナーシップセンター 早稲田PoC Fund Program事務局 (担当:喜久里、酒匂、武藤)

ポリエステル衣類の放射線照射発光を発見、陽子線ビームの画像化にも成功

著者: contributor
2024年7月3日 11:25

ポリエステル衣類の放射線照射発光を発見、陽子線ビームの画像化にも成功
~放射線治療など様々な分野への応用に期待~

発表のポイント

  • ポリエステル製の生地や衣類が放射線照射で発光することを発見
  • 陽子線ビーム照射によるポリエステル衣類の発光画像化に成功
  • ポリエステル生地は柔らく、患者表面に密着して配置可能なため、放射線治療における表面発光計測など、さまざまな分野への応用が期待される

概要

早稲田大学理工学術院の山本 誠一(やまもと せいいち)上級研究員(研究院教授)および片岡 淳(かたおか じゅん)教授らのERATOプロジェクト研究チーム(プロジェクトリーダー:片岡 淳教授)は、神戸陽子線センターの山下 智弘(やました ともひろ)博士、東北大学未来科学技術共同研究センターの吉野 将生(よしの まさお)准教授、鎌田 圭(かまだ けい)准教授、東北大学金属材料研究所の吉川 彰(よしかわ あきら)教授、大阪大学大学院医学系研究科の西尾 禎治(にしお ていじ)教授と共同で、一般に市販されているポリエステル製の生地や衣類が放射線照射で発光することを発見しました。またポリエステル製の衣服が、放射線治療に使われる陽子線ビーム照射で発光している様子を短時間間隔の連続画像(リアルタイム画像)として可視化することにも成功しました。ポリエステル製の生地や衣類は柔らかく、自在に曲がるので、放射線治療のみならず、放射線計測に関連した様々な分野への応用が期待されます。

本研究成果は、2024 年6月12日にネイチャー・パブリッシング・グループのオンライン総合科学誌『Scientific Reports』に発表されました。

【論文情報】
雑誌名:Scientific Reports
論文名:Scintillation of polyester fabric and clothing via proton irradiation and its utilization in surface imaging of proton pencil beams
DOI: https://doi.org/10.1038/s41598-024-62456-7

これまでの研究で分かっていたこと

放射線治療*1では正確な放射線照射が求められます。しかし、種々の要因により、正確な位置に放射線が照射されない可能性もあります。精度の高い治療を提供可能にするために、治療中に患者の位置と体表面における放射線ビーム位置を短時間間隔の連続画像(リアルタイム画像)として計測する方法が研究されています。

これまで、患者の表面に照射された放射線領域のリアルタイム画像確認のために、放射線治療用高エネルギーX線照射で発生するチェレンコフ光*2を画像化する方法が試みられてきました。しかし、陽子線治療ビームではチェレンコフ光がほとんど生成せず、リアルタイム画像化が困難でした。水や生体組織は、放射線に対して光を放出することが報告されていますが、放出される光はごくわずかであり、観察には暗箱と超高感度カメラが必要で、観察に長い時間がかかりました。放射線で良く光るシンチレータ*3を用いる方法も試みられていますが、一般にシンチレータは固いため、平らな部分に配置する必要がありました。

今回の新たに実現しようとしたこと、明らかになったこと

今回の研究では、患者体表面の複雑な形状に密着して配置可能なシンチレータ材料として、放射線照射で発光する生地と衣類を探索しました。シンチレータ材料を探索する中で、木綿などは放射線照射で発光しませんでしたが、ポリエステル製の生地や衣類は、放射線照射で良く発光することが分かりました。さらに画像化実験により、ポリエステル製の衣類が、陽子線ビーム照射で発光し、リアルタイムに画像化できることを確認しました。

そのために新しく開発した手法

今回、生地や衣類の放射線による発光を探索するために、放射線の一種であるアルファ線を種々の生地切片に照射することで、基礎的な性能を評価しました。この探索により、ポリエステル製の衣類は、他の衣類、例えば綿などとは異なり、アルファ線照射により、プラスチックシンチレータ(代表的なシンチレータの一つ)の10%から20%もの強度で発光することが明らかになりました。

これらの結果をもとに、ポリエステル製のシャツなどをリアルタイム画像化実験の材料として選択し、陽子線照射中の発光画像を高速高感度カメラで計測しました(図1)。

図1 陽子線照射中のポリエステル製Tシャツ画像化実験の模式図

その結果、部屋の電気を消した環境において、陽子線照射で発生する発光を、0.1秒間隔のリアルタイム画像として得ることに成功しました。また得られた発光画像から、陽子線ビーム照射発光の積算画像も得られました(図2)。

図2 Tシャツを着せたマネキン(白黒画像)と陽子線ビーム照射発光の積算画像(カラー表示の部分)

研究の波及効果や社会的影響

本研究により、陽子線ビーム照射中に衣服表面のリアルタイム発光画像を得ることが可能になりました。ポリエステル生地や衣類は柔らかく自在に曲がり、また縫い合わせることで任意の形状にすることが可能です。放射線治療を受ける患者さんにフィットするポリエステル製のシャツを着てもらうことで放射線照射による患者表面の発光を画像化できる可能性があります。またポリエステル生地や衣類は、衣料用に大量生産されているので低コストです。

これまでシンチレータというと、固く曲がらないものがほとんどでした。しかしポリエステル製の生地や衣類は自在に変形することから、今回発見した放射線照射発光現象は、これまでと異なる用途の広がりが期待されます。

今後の課題

今回、ポリエステル製の衣類を用いて、陽子ビームを0.1秒間隔でリアルタイム画像として観察できるようになりました。明るい環境で、より短い時間で陽子ビームを画像化するには、放射線照射発光の多い材料開発が必要です。陽子線以外にも、治療用X線や電子線、さらには診断用X線装置やCT装置の放射線照射位置リアルタイム計測にも応用できる可能性があるので、今後、画像化実験を進めます。

研究者のコメント

市販の廉価なポリエステル製の生地や衣類が放射線照射で発光することを発見できたのは大変幸運でした。この研究成果は、これまでシンチレータは硬くて変形しないのが常識の中で、柔らかく変形可能、さらに種々の形状に比較的容易に加工することが可能なシンチレータを実現したという新しさがあると思います。今後、さらに高性能で変形可能な新しいシンチレータ開発とその応用研究を積極的に進めていきます。

用語解説

1 放射線治療
放射線を用いて患者のがんを治療する方法。放射線の種類としては、X線やガンマ線、粒子線などが使われる。

2 チェレンコフ光
荷電粒子が光よりも速い速度で物質を通過するときに発生する光。放射線治療におけるX線や電子線照射で発生するので、画像化して放射線治療に応用する研究がおこなわれている。

 シンチレータ
放射線があたることにより発光する物質。放射線の検出や画像化するときに用いられる。

論文情報

雑誌名 :Scientific Reports
論文名 :Scintillation of polyester fabric and clothing via proton irradiation and its utilization in surface imaging of proton pencil beams
執筆者名:Seiichi Yamamoto1)*, Tomohiro Yamashita2), Masao Yoshino3), Kei Kamada3), Akira Yoshikawa3), Teiji Nishio4), Jun Kataoka1)

1.早稲田大学 理工学術院 山本 誠一 (論文責任著者)、片岡 淳
2.神戸陽子線センター 山下 智弘
3.東北大学 未来科学技術共同研究センター 吉野 将生、鎌田 圭、吉川 彰
4.大阪大学 大学院医学系研究科 西尾 禎治

掲載日:2024 年6月12日
DOI:https://doi.org/10.1038/s41598-024-62456-7

研究助成

本研究は、科学技術振興機構(JST)戦略的創造推進事業 ERATO「片岡ラインX線ガンマ線イメージング」(R3~8年度;グラント番号 JPMJER2102)、科学研究費補助金基盤研究(B)「チェレンコフ光閾値以下のエネルギーの放射線照射による水の発光現象の医療応用」(R4~8年度;グラント番号22H03019)、および科学研究費補助金基盤研究(A)「マイクロ共晶体構造を応用した量子線弁別型超高解像度イメージング装置の開発」(R1~5年度;グラント番号19H00672)の支援を得て実施したものです。

「ひとの居場所をつくる」(2024/7/16)

著者: staff
2024年7月3日 09:32

演題:ひとの居場所をつくる

日時:2024年7月16日(火) 16:00-17:40

会場:西早稲田キャンパス 56号館 104教室

講師:山﨑 健太郎(一級建築士・山﨑健太郎デザインワークショップ 代表取締役/工学院大学教授)

対象:学部生・大学院生、教職員、学外者、一般の方

参加方法:入場無料、直接会場へお越しください。

主催:創造理工学部 建築学科

問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課

TEL:03-5286-3000

NEDO「エネルギー・環境分野における革新的技術の国際共同研究開発」に採択

著者: contributor
2024年7月2日 17:18

国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募する2024年度「エネルギー・環境分野における革新的技術の国際共同研究開発」に、本学理工学術院 小柳津研一教授の提案が採択されました。21件の提案に対し、外部有識者による厳正なる採択審査及びNEDO内の審査を経て9件が採択されたなかの1件となります。

採択課題

  • 小柳津 研一(理工学術院 教授)
    非金属系蓄電物質を用いた系統用次世代レドックスフロー電池に関する国際共同研究開発
    (研究開発課題名:希少金属に依存しない系統用次世代レドックスフロー電池に関する国際共同研究開発)

 

「エネルギー・環境分野における革新的技術の国際共同研究開発」について

地球温暖化問題の解決のためには既存のエネルギー技術開発の延長のみでは不十分であり、世界共通の地球規模の課題である気候変動問題に対応しつつ、経済の成長を図っていくため(環境と成長の好循環)には、国内外の先進的技術などを活用しながら、エネルギー・環境分野におけるイノベーションの創出を図っていくことが重要です。
本事業は、国内外の先進的技術等を活用しながら、2040年以降の実用化につながる新たな革新的エネルギー・環境技術を産み出していくイノベーションの創出を図ることで、我が国が主導する形で世界共通の地球規模課題である気候変動問題に対応しつつ、同時に我が国の経済成長に貢献することを目指します。
NEDO webサイトより)

▶ 研究開発課題一覧(PDF

試行錯誤で学んだことで起きてしまう判断のバイアスは世界共通

著者: contributor
2024年7月2日 17:16

試行錯誤で学んだことで起きてしまう判断のバイアスは世界共通

発表のポイント

  • 人間は試行錯誤によって学習しますが、場合によっては最適でない判断をすることがあります。異なる社会経済的・文化的背景において、学習によって起きる判断のバイアスがどのように現れるかはわかっていませんでした。
  • 経済的判断の傾向に関する調査の結果、情報を把握した上で行う意識的な判断においてリスクを回避する傾向は国によって違いがありましたが、試行錯誤の学習によって生じたバイアスには社会経済的・文化的背景の影響が見られませんでした。
  • この研究結果は、多様な背景を持つ個人がどのように意思決定をしているのかについて明らかにしたもので、産業界や政策立案者にも貴重な洞察を提供すると思われます。

概要

パリ高等師範学校のHernán Anlló博士、Stefano Palminteri教授と早稲田大学理工学術院の渡邊克巳教授らの研究グループは、社会経済的・文化的背景が異なる11カ国の人々の経済的判断の傾向を調査し、明示的な情報にもとづいたリスク回避の傾向などは国によって違いがあっても、試行錯誤を通じた学習による行動のバイアスにはほとんど違いが見られないことを明らかにしました。

本研究成果は、英国科学誌『Nature Human Behaviour』に、2024年6月14日(現地時間)にオンラインで掲載されました(論文名:Comparing experience- and description-based economic preferences across 11 countries)。

これまでの研究で分かっていたこと

人間を含む動物は、試行錯誤によって学習します。これを強化学習※1といいます。強化学習は本来、報酬を多くし、罰を少なくするという単純な目的を持っています。しかし文脈によっては最適でない判断につながることが知られていました。強化学習は、医療、教育、経済、経営、政策などの分野に広範な影響を及ぼすにもかかわらず、異なる社会経済的・文化的背景などが、強化学習にどのように影響するかは分かっていませんでした。

今回の新たに実現しようとしたこと、明らかになったこと、そのために新しく開発した手法

この疑問を解決するために、強化学習における文脈効果を確実に捉える実験的アプローチを用いて、社会経済的・文化的に異なる11カ国の人々の経済的判断の傾向を調査しました。

(実際の報酬ではなく例えになりますが)、
A:75%で一万円(期待値※2=7500円)
B:25%で一万円(期待値=2500円)
C:75%で一千円(期待値=750円)
D:25%で一千円(期待値=250円)

をもらえる選択肢があったとします。このような選択肢の「〜%で〜円」の部分を明示的に示して判断させる「宝くじ課題」では、「AとB」のどちらか、「CとD」のどちらかを選ばせると、当然期待値の高いAとCを選びます。これを何度も繰り返した後に、今度は「AとD」「BとC」をペアにして選ばせても、AとCを選びます。ただし、このような意識的な判断の時に、報酬を得られないというリスクを回避する傾向(例えば「BとC」をペアとしたときに、期待値は低いが報酬を得られる確率は高いCを選択する傾向)は国によってかなり違っていました。

一方、「〜%で〜円」の部分を明示的に示さずに、試行錯誤によって学習させる「強化学習課題」も行いました。「AとB」「CとD」の組み合わせで学習し、期待値の高いAとCを選ぶようになった後に、「AとD」「BとC」をペアでどちらを選ぶかをみると、「AとD」ではAを選ぶのですが、「BとC」だと確率的には期待値の低いCを選ぶことのほうが多くなりました。さらには、このような最適でない行動をする程度は、今回調べた全ての国でほとんど違いが見られませんでした。

つまり、経済的判断において、情報を説明された上で行う意識的な判断は社会経済的・文化的背景によって違いが出てきますが、強化学習によって(おそらく無意識的に)形成される行動は、ほとんど影響を受けないことが示唆されます。

研究の波及効果や社会的影響

日本人はリスクをとらない傾向が強いと言われることがあります。例えば、1億円が当たる確率が1%の方が、5万円が当たる確率が50%の場合よりも、期待値という点では優れています。でも、報酬を得られないことを避ける傾向が高ければ、2番目の選択肢がより高い効用を持つように見えるかもしれません。

しかしながら、本研究はこのような明確に情報が与えられた時の判断と、個人が試行錯誤の結果学んだ行動にはズレがあるということを示しています。この結果は、個人の意思決定だけではなく、医療・教育・経済・経営・政策などより大きな枠組みを捉えるときも重要な知見となります。

今後の課題

本研究は、社会がグローバルな結びつきを強める中、人間の意思決定を支える共通の基盤としての強化学習を調べたものになります。この研究結果は、多様な背景を持つ個人がどのように複雑な意思決定をしているのかについて明らかにし、産業界や政策立案者にも貴重な洞察を提供するものだと考えています。今回は国というものを、文化的・経済的背景を表すものとして一時的に用いましたが、今後はさまざまな集団や個人差なども考慮して、人間の意思決定の普遍的な部分と多様性を解明していきたいと考えています。

研究者のコメント

私たちの判断や気持ち、行動が文化・環境に影響されるという説は、さまざまな場面で語られることがありますが、動物としての人間がもつ基礎的なプロセスと複雑に絡み合っていて、「どの側面でどの程度」という捉えをしなければ、実際に役には立ちません。「日本人だから」「遺伝が全てだ」「人はそれぞれ違う」「人はみんな同じ」など単純な言い切りをせずに、研究を通じて丁寧に紐解いていくことが必要だと思います。

用語解説

※1 強化学習
報酬に基づく試行錯誤を通じた学習。獲得した経験に基づいて行動することを可能にするメカニズムや行動のこと。

※2 期待値
1回の試行で確率的に得られる値の平均値。期待値がより高くなる選択をすることが、確率的に「良い」選択といえる。

論文情報

雑誌名:Nature Human Behaviour
論文名:Comparing experience- and description-based economic preferences across 11 countries
執筆者名(所属機関名):Hernán Anlló(パリ高等師範学校/早稲田大学) ―他24名― Katsumi Watanabe (早稲田大学)、Stefano Palminteri(パリ高等師範学校)
掲載日時(現地時間):2024年6月14日
掲載URLhttps://www.nature.com/articles/s41562-024-01894-9
DOI10.1038/s41562-024-01894-9

研究助成

研究費名:ムーンショット型研究開発事業
研究課題名:非接触表面情報からの身体運動を伴う場合の心身状態の推定
研究代表者(所属機関名):渡邊克巳(早稲田大学)

研究費名:科研費基盤(A)
研究課題名:クロスモーダル型人間拡張技術の知的基盤の構築
研究代表者名(所属機関名):渡邊克巳(早稲田大学)

貴金属原子を孤立させた金属ナノ多孔体

著者: contributor
2024年6月25日 13:32

貴金属原子を孤立させた金属ナノ多孔体

本研究のポイント

  • アモルファス(非晶質)注1)骨格の金属ナノ多孔体注2)上での置換メッキにより貴金属シングルアトム(単一原子)を析出
  • 高い表面積の支持体を利用することで、貴金属原子を12 wt%程度まで導入させることに成功
  • 高活性な水素発生電極触媒として機能し、高い安定性を保持

研究概要

名古屋大学大学院工学研究科の山内 悠輔 卓越教授、Yunqing Kang(カン ユンチン)外国人特別研究員(JSPS)、早稲田大学理工学術院の朝日 透 教授らの研究グループは、豪州クイーンズランド大学との共同研究で、アモルファス(非晶質)の金属骨格からなるナノ多孔体を支持体として用いて、貴金属原子を均一に孤立分散させる方法を提案しました。

特に、原子レベルで分散した白金族金属注3)の原子は独特の幾何学的構造を持ち、高い原子利用効率を実現できるため、次世代ナノ触媒注4)として非常に有望です。近年では、カーボン支持体注5)に単核の金属活性点が固定化されたシングルサイト触媒注6)が注目されていますが、多くの場合、これらの金属はイオン状態であり、カーボン支持体とは配位結合しています。そのため、構造的な安定性に欠けるなどの問題がありました。

本研究では、均一に白金原子を分散させる理想的な支持体として、均一なメソ細孔を持ち、骨格がアモルファス状態のニッケルで構成されたナノ多孔体を提案しました。高い表面積を有する支持体上での置換メッキ注7)により、白金原子が孤立形成し、最大で12 wt%までの均一に分散させることが可能になりました。Pt原子とNi原子は金属結合で結ばれており、優れた電気触媒による水素発生性能を示し、長時間にわたり安定した状態でした。また、本手法により他の金属原子や複数の種類の金属原子なども同時に孤立して形成させることもでき、シングルサイト触媒の新たな合成法として今後注目されると期待しています。

本研究成果は、2024年6月21日付オープンアクセス雑誌「Science Advances」にて掲載されました。

左から(早稲田大学)朝日透教授、(名古屋大学)Yunqing Kang外国人特別研究員、山内 悠輔卓越教授

研究背景と内容

原子レベルで分散された金属は、その高い金属利用効率と独自の幾何学的構造により、様々な触媒用途のための有望な材料として注目されています。特に、白金族金属は、単一原子(シングルアトム)を形成する場合,非常に高い触媒活性を示しますが、その一方で不安定になりやすいという課題があります。

この問題を解決するための効果的な手法の一つとして、特定の支持体上にシングルアトムを形成させ、それらの相互作用を強化することで触媒活性を調整する方法が挙げられます。そのため、優れた触媒活性を持ちながらも、高価な金属の利用効率を最大化できるため、原子レベルで分散された貴金属原子を高い担持量で導入する新規触媒の研究が盛んに行われています。

これまで、窒素含有カーボン複合材料、金属酸化物、金属硫化物などの様々な支持体がシングルアトムをうまく分散させる理想的な基質として広く研究されてきました。しかし、これらの支持体上では、多くの場合、シングルアトムの酸化状態(金属イオンの状態)を形成しています。別の手法として、単一原子合金を形成する方法があります。この合金中では、ゲスト金属原子が他の金属基質によって隔離され孤立状態になっているため、お互いの金属は金属結合でつながっています。これまでに、Pt/Ni(Ni基質へのPt孤立原子の導入)、Pt/Cu、Ir/Co、Pd/Cuなど報告されてきましたが、すべての基質はナノ構造を持たないものや結晶性ナノ粒子に限定されているため、多くのシングルアトムを導入できませんでした。

本研究では、アモルファス骨格を有するナノポーラスニッケル(Ni)を支持体として用いて、置換反応によって生成された原子レベルで均一に分散したPt原子を導入することに成功しました。高い表面積を有する支持体上での置換メッキにより、白金原子が形成し、最大で12 wt%までの白金原子を均一に分散させることが可能になりました(図1,図2)。Pt原子とNi原子は金属結合で結ばれており、長時間にわたり安定で、優れた電気触媒による水素発生性能を示します。

図1. (A) 低倍率の走査型電子顕微鏡(SEM;スケールバー:1 μm)、(B) 高倍率のSEM(スケールバー:500 nm)、(C) 生成物のイラスト図、(D) 透過型電子顕微鏡(TEM)画像(スケールバー:100 nm)、(E) HAADF-STEM像(スケールバー:50 nm)、(F) 元素マッピング(スケールバー:500 nm)、及び(G) ラインスキャン元素マッピングプロファイル。

図2.(A) 粉末X線回折(XRD)パターン、(B) 高解像度HAADF-STEM画像(スケールバー:5 nm)、及び(C) (B)の選択領域の拡大HAADF-STEM画像(スケールバー:1 nm)。赤い円で囲まれた明るい点は、原子レベルで分散された白金原子の位置を示している。

成果の意義

貴金属は、その高い触媒活性から広く利用されていますが、原子レベルで分散させたシングルアトム触媒は、貴金属の利用効率を最大限に引き出すために非常に有望であります。シングルアトム触媒は、原子一つ一つが活性点となるため、触媒表面全体で効率的に反応を進めることができます。さらに、本研究ではこれらを高い表面積を持つナノ多孔体に担持することで、高い導入量を実現しながら、安定した性能を維持することが可能になりました。

本研究成果により、水素生成反応やその他のエネルギー変換プロセスにおいて、高効率で耐久性のある触媒を提供することが期待されます。また、貴金属の効率的な利用を促進することで、経済的かつ環境に優しい触媒システムの開発にも貢献すると期待されます。

 

本研究は、2020年10月から始まったJST-ERATO『山内物質空間テクトニクスプロジェクト』の支援のもとで行われたものです。

用語説明

注1)アモルファス(非晶質):
原子が規則正しく並んでおらず、結晶構造を持たず、無秩序に配置されている状態を特徴とする。これにより、特定の物理的特性や化学的特性が生じ、さまざまな応用分野で重要な役割を果たしている。

注2)ナノ多孔体:
ナノメートル(1ナノメートル=10億分の1メートル)スケールの細孔(ポア)を持つ材料のことを指す。これらの細孔は、材料全体の特性に大きな影響を与え、特に表面積の増大や物質の吸着、触媒反応、分子の分離などの応用において重要。

注3)白金族金属(Platinum Group Metals, PGM):
周期表の第5族および第6族に属する6つの貴金属を指す。具体的には、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)。これらの金属は、化学的性質や物理的性質が類似しており、特に触媒としての優れた性能から広く利用されている。

注4)ナノ触媒:
ナノメートル(1ナノメートル=10億分の1メートル)サイズの粒子を持つ触媒のこと。その極小サイズによって特有の物理的、化学的特性を持ち、従来の触媒よりも高い触媒活性や選択性を示すことが多い。

注5)支持体:
触媒における支持体とは、触媒活性物質を保持し、その分散を助けるための材料のこと。

注6)シングルサイト触媒:
触媒活性の中心となる金属原子が単一の原子として存在する触媒のことを指す。

注7)置換メッキ(ちかんめっき):
ある金属基質上に別の金属を析出させる化学プロセスの一つ。このプロセスでは、基質となる金属が溶液中の別の金属イオンと化学的に反応し、基質の表面に新しい金属が析出することによって、メッキ(薄い金属層)が形成される。この反応は、基質金属の溶解と新しい金属の析出が同時に進行するため、置換メッキと呼ばれる。

(8)論文情報

雑誌名: Science Advances
論文タイトルMesoporous amorphous non-noble metals as versatile substrates for high loading and uniform dispersion of Pt-group single atoms
著者:Yunqing Kang(外国人特別研究員)(名古屋大学), Shuangjun Li, Ovidiu Cretu, Koji Kimoto, Yingji Zhao, Liyang Zhu, Xiaoqian Wei, Lei Fu, Dong Jiang, Chao Wan, Bo Jiang, Toru Asahi(早稲田大学), Dieqing Zhang, Hexing Li, Yusuke Yamauchi(名古屋大学)
URLhttps://www.science.org/doi/10.1126/sciadv.ado2442
DOI:10.1126/sciadv.ado2442

「Fine-Grained Control over Paraphrase Generation」(2024/7/18)

著者: staff
2024年6月24日 15:06

演題:Fine-Grained Control over Paraphrase Generation

日時:2024年7月18日(木) 16:00-17:10

会場:西早稲田キャンパス 63号館5階06室

講師:荒瀬 由紀(東京工業大学教授)

対象:学部生・大学院生、教職員、学外者、一般の方

参加方法:入場無料 直接会場へお越しください。

主催:基幹理工学部 情報理工学科

問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課

TEL:03-5286-3000

「アルツハイマー病モデル動物を用いたプロポリスの認知症予防効果の検証」(2024/7/3)

著者: staff
2024年6月24日 12:16

演題:アルツハイマー病モデル動物を用いたプロポリスの認知症予防効果の検証

日時:2024年7月3日(水)16:30-18:10

会場:西早稲田キャンパス 55号館S棟610号室

講師:森口 茂樹(国立大学法人東北大学大学院薬学研究科・准教授)

対象:学部生・大学院生、教職員、学外者、一般の方

参加方法:入場無料、直接会場へお越しください。

主催:先進理工学研究科 化学・生命化学科

問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課

TEL:03-5286-3000

「Introduction to mock toric varieties」(2024/7/12)

著者: staff
2024年6月24日 11:16

演題:Introduction to mock toric varieties

日時:2024年7月12日(金) 16 :30-18: 10

会場:西早稲田キャンパス 51号館18階12室

講師:吉野 太郎(東京大学 数理科学研究科 博士課程3年)

対象:学部生・大学院生、教職員、学外者、一般の方

参加方法:入場無料、直接会場へお越しください。

主催:基幹理工学部 数学科

問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課

TEL:03-5286-3000

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著者: staff
2024年6月18日 14:51

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