ノーマルビュー

Graphene Substrates in Lithium-Sulfur and Lithium-Oxygen batteries(2025/2/4)

著者: staff
2025年2月4日 17:49

日時: 2025年2月4日(火) 16:00-17:00

会場:早稲田大学 西早稲田キャンパス54号館101室

講師:Jusef Hassoun

対象:応用化学科大学院生および学部生

参加方法:入場無料、直接会場へお越しください。

主催:先進理工学部 応用化学科

問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課

TEL:03-5286-3000

Graphene Substrates in Lithium-Sulfur and Lithium-Oxygen batteries(2025/2/4)

著者: staff
2025年2月4日 17:07

日時: 2025年2月4日(火) 16:00-17:00

会場:早稲田大学 西早稲田キャンパス54号館101室

講師:Jusef Hassoun

対象:応用化学科大学院生および学部生

参加方法:入場無料、直接会場へお越しください。

主催:先進理工学部 応用化学科

問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課

TEL:03-5286-3000

Studies on the role of sulphur during FC-CVD synthesis of CNTs(2025/3/7)

著者: staff
2025年2月4日 16:59

日時: 2025年3月7日(金) 15:00-16:40

会場:早稲田大学 55号館S棟610室

講師:Esko I. Kauppinen

対象:学部生、大学院生、教職員、学外者、一般

参加方法:入場無料、直接会場へお越しください。

主催:先進理工学部 応用化学科

問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課

TEL:03-5286-3000

リンク先:https://noda.w.waseda.jp/seminar-j.html

LMCT Catalysis for Selective Functionalizations of Strong Bonds(2025/2/13)

著者: staff
2025年1月30日 18:05

日時: 2025年2月13日(木) 16:20-18:00

会場:早稲田大学121号館 コマツ100周年記念ホール

講師:Zhiwei Zuo

対象:学部生、大学院生、教職員、学外者、一般

参加方法:入場無料、直接会場へお越しください。

主催:先進理工学部 応用化学科

問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課

TEL:03-5286-3000

Opportunity for New Plastics Industry from CO2 Fixation into Polymers(2025/2/13)

著者: staff
2025年1月30日 18:04

日時: 2025年2月13日(木) 15:00-16:40

会場:早稲田大学 西早稲田55号館S棟510室

講師:王 献紅

対象:学部生、大学院生、教職員、学外者、一般

参加方法:入場無料、直接会場へお越しください。

主催:先進理工学部 応用化学科

問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課

TEL:03-5286-3000

ナノメートルの物質で起こる光のねじれ現象を解明

著者: contributor
2025年1月29日 15:27

ナノメートルの物質で起こる光のねじれ現象を解明
自然界のねじれ現象の解明と制御に貢献

発表のポイント

  • ナノの世界が見える特殊な光学顕微鏡を使って、ナノ物質近傍にできる光のねじれを立体的に可視化しました。
  • ナノ物質の近くに光が集まること、このとき光のねじれが強くなること、また、光が集まりその強度が増すよりも、光ねじれの方が緩やかに起こることを発見しました。詳しい理論解析から、その物理起源を明らかにしました。
  • 金属ナノ物質でおこる電子の動きを制御することで、光のねじれを制御し、分子のねじれの高感度検出と自然界のねじれ現象の解明や制御につながることが期待されます。

概要

早稲田大学理工学術院の井村 考平(いむら こうへい)教授、同学術院の長谷川 誠樹(はせがわ せいじゅ)助教は、光のねじれとその立体特性を直接観測する手法を開発し、金ナノ物質近傍の光の強度とそのねじれを精密に計測し、金属ナノ物質で起こる電子の分布によって、光のねじれ具合が違うことを明らかにしました。さらに、光を集める強さとねじれの強さには違いがあること、「光の広がりと比べて、光のねじれがゆっくりとほどけること」をはじめて発見しました。これは、これまで解明されていなかった新たな光の特性になります。また、理論計算を行い実験結果がよく再現されること、その結果から今回の発見の起源を明らかにしました。この研究成果は、光のねじれを利用した分子の高感度検出をはじめ、光のねじれを活用した、自然界のねじれ現象の解明と制御につながることが期待されます。

本研究成果は、『Nano Letters』(論文名:Three-Dimensional Visualization of Chiral Nano-Optical Field around Gold Nanoplates via Scanning Near-Field Optical Microscopy)にて、2024年12月20日(現地時間)にオンラインで掲載されました。

図 ナノ物質近傍にできる光のねじれ

キーワード:

光のねじれ、金属ナノ物質、光アンテナ効果、分子の掌性(キラリティー)、ナノスケールの光学顕微鏡(近接場光学顕微鏡)

研究の背景

自然界には、アミノ酸や生体分子をはじめ、貝殻や渦巻きなど、さまざまな物体や現象において構造の対称性が右手と左手の鏡像関係となる掌性が存在します。これを英語ではキラリティー※1と呼びます。この掌性は、分子や構造体のねじれと関係があり、生体内において非常に重要な働きをすることが知られています。例えば、右回りのねじれは薬効を示すが、その逆はそうでない場合があることが知られています。したがって、分子のねじれを制御して合成すること、またそれを高感度に検出することが極めて重要です。

分子のねじれの方向により右回りの円偏光と左回りの円偏光に対する光の吸収の強さが違っていることから、分子のねじれの検出にこの円偏光に対する光吸収の違いが利用できます。しかし、その感度は非常に低いことが知られています。これを高感度にする方法として、ナノ物質の利用が提案されています。金属ナノ物質※2では、光を物質近傍に閉じ込める光アンテナ効果があり、分子を金属ナノ物質に近づけることで高感度化を実現できる可能性があります。分子のねじれを検出するためには、ナノ物質近傍で光がねじれる空間とそのメカニズムを解明する必要がありますが、通常の光学顕微鏡は、光の回折現象により空間分解能に制限があり、ナノ物質近傍の光のねじれを直接観測することはできませんでした。

これまでの研究で分かっていたこと

ナノサイズの金属ナノ物質に光を照射すると、物質内部の電子が集団で振動するようになります(これをプラズモン※2と呼びます)。これにより、光はナノ物質近傍に空間的、時間的に閉じ込められ、光の強度が局所的に強くなります。光の閉じ込め具合は、電子の運動の空間的な分布、またその時間特性と関係すると予想されます。しかし、ナノ物質内の電子の空間分布を直接観測することは容易ではありません。

私たちの研究グループは、ナノスケールの光学顕微鏡の高度化をすすめて、ナノ物質の電子の空間分布と光特性の関係を研究してきました。これまでに、電子の分布により、光の閉じ込め効果が違うことは明らかになっていました。しかし、光のねじれに関する詳細な知見はありませんでした。近年になり、金属ナノ物質近傍で光のねじれが大きくなることが報告され、それを制御し、分子のねじれ選択的な結晶化など、さまざまな応用につなげる研究が精力的に行われています。また、光のねじれの観察についても国内のいくつかの研究グループを中心に報告されるようになってきています。

図1.ナノスケールの光学顕微鏡で観察した金ナノプレートの電子の分布と光のねじれ図

今回の研究で新たに実現しようとしたこと、明らかになったこと、そのために開発した手法

本研究では、電子の分布と光のねじれに関係があること、光の集まり方とねじれ方には違いがあることを初めて明らかにしました(図1)。特に、光のねじれ方・ほどけ方に関する発見は、これまで解明されてこなかった成果となります。

ナノスケールの光の空間分布を観測する手法は、ここ20年で大きく進展しています。しかし、ナノ物質近傍の光のねじれは、これを観察するのが容易ではありませんでした。一方、ナノ物質の化学合成やナノ加工技術の進展により、ナノ物質を用いた光ねじれに関する研究が近年急速に進展しています。私たちは、光のねじれを理解することが、その制御と応用において本質的に重要であると考えました。

そこで本研究では、私たちがこれまで開発してきたナノスケールの光学顕微鏡※3に光のねじれ測定を可能とする光学系を組み合わせて、装置をあらたに開発しました。さらに、光の広がりとねじれの度合いを評価するために、立体的な観測手法を組み合わせることを考案しました。これらにより、今回の重要な発見へとつなげることができました。

開発した装置の模式図を図2に示します。この装置では、微小な開口に発生する小さな光の粒(ナノスケールの光)を局所的に試料に照射して、試料から透過してくる光のねじれを装置下部の光学部品(ねじれ検出光学系)で選別し、検出します。また、光を照射する微小開口部分と試料表面との距離をナノメートルの精度で制御することで立体的な観測を実現しています。

図2.光のねじれの観測を可能とするナノスケールの光学顕微鏡

研究の波及効果や社会的影響

私たち自身をはじめ自然界には、さまざまなところに分子のねじれが関係する現象があります。しかし、その起源は必ずしも十分に解明されたとは言えない状況です。分子のねじれを高感度に検出し、それを制御することは、生命の起源をはじめ、病理診断の効率化や医薬品の開発において、今後さらに重要性を増すと考えられます。また、光のねじれを利用することで、高度な光通信が実現することも提案されており、今回の成果は、自然現象の解明や健康社会の実現に貢献するだけでなく、高度な持続可能な社会を実現する上でも基盤となる知見であると考えられます。

課題と今後の課題

今回の研究では、光のねじれと金属の電子の分布にどのような関係があるのか、その立体的な特性を解明することを目的に研究を進めました。これらにより、光のねじれの本質に迫る成果につながりました。しかし、現状では、これを自在に制御するには至っていません。これまでに、金属ナノ物質に関する基礎的知見を明らかにしてきました。今後は、これらを基盤として、光のねじれを制御し、さらに分子のねじれの選択的な高感度検出や結晶化などの応用につなげることを検討しています。これらにより、将来、病理診断の効率化や創薬、さらには自然界に存在するねじれの起源の解明につながることが期待されます。

研究者のコメント

これまでナノ物質を対象に研究を展開してきました。ナノ物質は、分子やバルク(固体)とは大きく異なる光特性を示します。その起源は、物質のサイズと光の波長のサイズが同程度になることにより、物質と光が互いに相互作用することに起因します。金属ナノ物質でおこる光のねじれの増大もよく似た起源ですが、その本質に迫ることができたことで、今後の光のねじれの先端的応用につながると期待されます。今回の成果を得る上で、精密な計測と高度な解析が必要となりました。これは、私たちのこれまでの取り組みが実を結んだ成果です。本研究で報告した物質や光の本質に迫る成果は、化学をはじめ物質科学、また生命科学分野に波及効果をもたらすことを期待しています。

用語解説

※1 分子の掌性(キラリティー)
乳酸など分子には、構成元素、また構造が同じで、対称性のみが異なる分子が存在する。これらは、鏡像関係にあり、ほとんどの化学的な特性は同じで、光に対する特性のみが違う。これらをL体、D体で区別する場合がある。生体内のアミノ酸は、すべてL体である。

※2 金属ナノ物質
数nmから数mmサイズの金属粒子(構造体)。コロイドと呼ばれることもある物質。金属ナノ物質では、光により物質内部の自由電子の集団的な振動(プラズモンと呼ばれる)が誘起される。特定の波長(色)の光により、この集団電子運動が誘起されることから、特異な光学特性を示す。中世ヨーロッパの教会にあるステンドグラスや江戸切子の赤色は、金ナノ粒子による光吸収と散乱に起因する。

※3 ナノスケールの光学顕微鏡(近接場光学顕微鏡)
生体組織など微小な試料を観測する場合には、カラー撮影が可能な光学顕微鏡が利用される。光学顕微鏡は、光をレンズで集光し、これを試料に照射して観察する。空間分解能(どれくらい小さなものを観察できるか)は、光の回折現象(光の集光限界)により制限され、可視域(波長380-780 nm)では光の波長の半分程度(波長600 nmの場合、約300 nm)。これよりも小さなものを観察するためには、光の回折現象に依存しないナノスケールの顕微鏡が必要となる。これを達成する顕微鏡の一つが、近接場光学顕微鏡。この顕微鏡では、波長サイズ以下の微小な開口に発生する小さな光の粒(近接場光)を試料に照射して、試料の観察を行う。空間分解能は、開口径程度となる。本研究では、空間分解能は100 nm程度である。

論文情報

雑誌名:Nano Letters
論文名:Three-Dimensional Visualization of Chiral Nano-Optical Field around Gold Nanoplates via Scanning Near-Field Optical Microscopy
執筆者名:長谷川誠樹※(早稲田大学),井村考平*(早稲田大学) ※筆頭著者、*責任著者
掲載日時(現地時間):2024年12月20日
掲載URL:https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.nanolett.4c05151
DOI:https://doi.org/10.1021/acs.nanolett.4c05151

研究助成

本研究は、科学研究費補助金 学術変革領域研究A「光の螺旋性が拓くキラル物質科学の変革(尾松孝茂領域代表)」公募研究「超螺旋光によるナノキラル光場の創成とその可視化」(課題番号:23H01927、研究代表者:井村考平)、基盤研究B「光場制御と強結合によるナノ光増強場の高度化と機能開拓」(課題番号:23H04604、研究代表者:井村考平)の支援により実施されました。

化学に基づく生体中分子機能の理解とデザイン(2025/2/17)

著者: staff
2025年1月17日 17:41

日時: 2025年2月17日(月) 16:30-18:10

会場:早稲田大学 120-5号館121会議室

講師:山東 信介

対象:学部生、大学院生、教職員、学外者、一般

参加方法:入場無料、直接会場へお越しください。

主催:先進理工学部 生命医科学科

問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課

TEL:03-5286-3000

白色レーザーを用いた非線形ラマン分光学的イメージング(2025/2/27)

著者: staff
2025年1月17日 17:37

日時: 2025年2月27日(木) 16:30-18:10

会場:早稲田大学 120-5号館121会議室

講師:加納 英明

対象:学部生、大学院生、教職員、学外者、一般

参加方法:入場無料、直接会場へお越しください。

主催:先進理工学部 生命医科学科

問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課

TEL:03-5286-3000

「フィクションと現実の建築のあれこれ」(2025/2/6)

著者: staff
2025年1月17日 16:23

日時: 2025年2月6日(金) 13:00-16:20

会場:早稲田大学 西早稲田キャンパス 57号館201室

講師:大童 澄瞳

対象:学部生、大学院生、教職員、一般

参加方法:入場無料、直接会場へお越しください。

主催:創造理工学部 建築学科

問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課

TEL:03-5286-3000

Achieving Ultralong and Efficient Organic Phosphorescence with Polymer-Based Matrix(2025/1/31)

著者: staff
2025年1月17日 09:18

日時: 2025年1月31日(金) 10:40-12:20

会場:早稲田大学 55号館S棟510室

講師:Fushun Liang

対象:学部生、大学院生、教職員、学外者、一般

参加方法:入場無料、直接会場へお越しください。

主催:先進理工学部 応用化学科

問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課

TEL:03-5286-3000

“Ways of Seeing Architecture: Photography, Representation and Meaning”(2025/1/28)

著者: staff
2025年1月14日 15:39

日時: 2025年1月28日(火) 17:00-20:20

会場:早稲田大学イノベーション・ラボラトリー (55号館S棟1階)

講師:William Mulvihill

対象:学部生、大学院生、教職員、学外者、一般

参加方法:入場無料、直接会場へお越しください。

主催:創造理工学部 建築学科

問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課

TEL:03-5286-3000

2月16日(日)・17日(月)の入試・広報オフィス閉室について

著者: staff
2025年1月14日 15:36

一般選抜試験のため、入試・広報オフィスは以下のとおり閉室となります。

 216日(日):終日閉室
 217日(月):11時まで閉室
        11時から16時まで開室(13時から14時までは昼休みのため閉室) 

※電話受付時間
 216日(日):終日不可
 217日(月):11時から17時まで可

Impurity ions in solids:theoretical modeling of optical properties(2025/1/27)

著者: staff
2025年1月10日 17:11

日時: 2025年1月27日(月) 15:30-:17:10

会場:早稲田大学63号館電子物理システム学科会議室

講師:Mikhail Brik

対象:学部生、大学院生、教職員、学外者、一般

参加方法:入場無料、直接会場へお越しください。

主催:基幹理工学部 電子物理システム学専攻

問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課

TEL:03-5286-3000

リンク:https://www.cms.sci.waseda.ac.jp/seminar-j.html

Condensation of vanishing photon emission rates in random atomic clouds(2025/1/24)

著者: staff
2025年1月10日 15:55

日時: 2025年1月24日(金) 10:40-12:20

会場:早稲田大学55号館N棟2階 物理応物会議室

講師:Pascazio, Saverio

対象:学部生、大学院生、教職員、学外者、一般

参加方法:入場無料、直接会場へお越しください。

主催:先進理工学部 物理学科

問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課

TEL:03-5286-3000

血管から考えるがんの転移,新型コロナ感染症重症化(2025/1/17)

著者: staff
2024年12月24日 10:52

日時: 2025年1月17日(木) 16:00-17:40

会場:早稲田大学 120-5号館121会議室

講師:樋田 京子

対象:学部生、大学院生、教職員、学外者、一般

参加方法:入場無料、直接会場へお越しください。

主催:先進理工学部 生命医科学科

問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課

TEL:03-5286-3000

Elliptic solitons: direct linearisation scheme and vertex operator(2025/1/9)

著者: staff
2024年12月20日 12:47

演題:Elliptic solitons: direct linearisation scheme and vertex operator

Part I: Elliptic direct linearisation scheme. (13時30分~14時20分)

Part II: tau function and vertex operator of elliptic solitons.(14時30分~15時20分)

日時: 2025年1月9日(木) 13:30-15:20

会場:早稲田大学西早稲田キャンパス62W号館1階大会議室A(東側)

講師:Dajun Zhang

対象:学部生、大学院生、教職員、学外者、一般

参加方法:入場無料、直接会場へお越しください。

主催:基幹理工学研究科数学応用数理専攻

リンク先URL: https://soliton.w.waseda.jp/kouenkai.html

問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課

TEL:03-5286-3000

Gonality型不変量と3次元代数ファイバー空間のスロープ不等式(2025/1/24)

著者: staff
2024年12月20日 12:47

日時: 2025年1月24日(金) 16:30-18:10

会場:早稲田大学西早稲田キャンパス51号館 18-08教室

講師:赤池 広都

対象:一般

参加方法:入場無料、直接会場へお越しください。

主催:基幹理工学部 数学応用数理専攻

リンク先URL: https://sites.google.com/view/waseda-ag-seminar

問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課

TEL:03-5286-3000

レニウム-オスミウム法による火山性塊状硫化物鉱床の生成年代決定

著者: contributor
2024年12月20日 09:44

レニウム-オスミウム法による火山性塊状硫化物鉱床の生成年代決定
日本列島における海嶺沈み込み現象のタイミングを確度良く制約

発表のポイント

  • 宮崎県延岡市および北海道下川町に胚胎する火山性塊状硫化物の生成年代をレニウム-オスミウム (Re-Os) 法によって決定し、宮崎県槙峰鉱床の生成年代は約8,900万年前、下川鉱床の生成年代は約4,800万年前であることを明らかにした
  • 日本列島における直近の中央海嶺 (イザナギ-太平洋海嶺) 沈み込み現象がいつ起こったのかを、鉱床の生成年代値から確度良く制約することに成功した
  • 地質帯の成り立ちが複雑な北海道や日本列島構造史の理解増進につながることが期待される

概要

早稲田大学理工学術院教授の野崎達生 (のざきたつお) 、東京大学大学院工学系研究科准教授の高谷雄太郎 (たかやゆうたろう) 、高知大学海洋コア国際研究所客員助教の中山健 (なかやまけん)、東京大学大学院工学系研究科教授ならびに千葉工業大学次世代海洋資源研究センター所長・主席研究員の加藤泰浩 (かとうやすひろ) の研究グループは、日本列島付加体中の現地性玄武岩を伴う別子型鉱床である宮崎県槙峰鉱床および北海道下川鉱床の生成年代をレニウム-オスミウム (Re-Os) 法によって決定し、白亜紀後期~古第三紀にかけて日本列島で起こった海嶺沈み込み現象のタイミングを確度良く制約することに成功しました。

本研究成果は、国際学術出版社であるNature Research社発行による『Scientific Reports』誌に2024年12月3日 (火) (現地時間) に掲載されました。

[論文情報]
論文名:Re-Os dating of the Makimine and Shimokawa VMS deposits for new age constraints on ridge subduction beneath Japanese Islands
DOI:10.1038/s41598-024-80799-z

キーワード:
火山性塊状硫化物 (VMS) 鉱床、別子型鉱床、日本列島、付加体、レニウム-オスミウム(Re-Os) 法、海嶺沈み込み、槙峰鉱床、下川鉱床

図:本研究により明らかとなった槙峰・下川鉱床のRe-Osアイソクロン年代と生成場

これまでの研究で分かっていたこと

我々の暮らしている日本列島の基盤岩は、主に過去4億年以降に形成された付加体※1から構成されています。この長い歴史の中で、日本列島には中央海嶺※2が複数回沈み込んだと考えられています。熱源である中央海嶺が沈み込むことによって、現在の日本列島に分布する『対の変成帯』※3や大規模花崗岩体 (バソリス)※4の形成およびそれに伴う構造浸食などが引き起こされたと考えられており、構造史※5を考えるうえで海嶺沈み込み現象は重要な地質学的イベントです。この海嶺沈み込み現象の起こった年代値 (タイミング) は、海嶺起源の玄武岩上に累重した堆積岩中に含まれる微化石年代※6などを用いて見積もられてきましたが、海嶺沈み込み現象に伴う熱的作用によって微化石の保存状態が悪くなってしまうなど,確度・精度良く数値年代を出す手法が限られていました。

付加体中には過去に海底で形成された鉱床が胚胎しており、現在の日本列島においても陸上で多種多様な鉱床が観察されます。本研究では、現地性玄武岩※7を伴う別子型鉱床※8に着目することで、海嶺沈み込み現象のタイミングを決定することを試みました。

今回の研究で新たに実現しようとしたこと、そのために新しく開発した手法

本研究では、四万十帯北帯に胚胎する宮崎県延岡市槙峰鉱床と日高帯に胚胎する北海道下川町下川鉱床を研究対象としました。両鉱床ともに現地性玄武岩を伴う別子型鉱床に分類されます。レニウム-オスミウム (Re-Os) 法※9を用いて、両鉱床を構成する硫化鉱物※10のRe-Osアイソクロン年代※9を求めた結果、宮崎県槙峰鉱床は8,940 ± 120万年前、北海道下川鉱床は4,820 ± 90万年前に生成したことが明らかになりました。

以下の地質学的・地球化学的特徴から、両鉱床が生成したのは陸源砕屑物 (砂岩・泥岩) が供給されるような大陸に比較的近い沿海の中央海嶺であることが明らかになりました;

  1. 鉱石を構成する硫化鉱物のRe-Osアイソクロン年代が鉱床母岩と接する堆積岩 (砂岩・泥岩) の微化石年代の範囲と類似すること
  2. 硫化物鉱石は現地性玄武岩を伴い、チャート※11を伴わないこと
  3. 硫化物鉱石は母岩の玄武岩に比べて放射壊変起源である208Pbに富む鉛同位体比組成※12を有すること
  4. 太平洋の中央海嶺玄武岩に比べて高く・幅広い硫黄同位体比組成 (d34S)※13を有すること
  5. 変質・変成鉱物組合せから見積もられる地温勾配が、槙峰地域は他の周辺地域に比べて高いこと

したがって、両鉱床のRe-Osアイソクロン年代は、中央海嶺が現在の宮崎県あるいは北海道を形成した地質帯に沈み込む直前の数値年代を表していると考えられます。

研究の波及効果や社会的影響と今後の展望

本研究により、付加体中の現地性玄武岩を伴う別子型鉱床の生成年代 (Re-Os年代) を求めることによって、海嶺沈み込み現象が起こったタイミングを確度良く数値年代で追跡できることが明らかになりました。このような鉱床学的・地球化学的研究を進めることで、地質帯の成り立ちが複雑な北海道の成り立ちや日本列島構造史、また同手法を世界中の別子型鉱床に適用することによって地球史の理解増進につながると期待されます。さらに、このような過去の海嶺沈み込み現象が起こったタイミングを決定していくことで、新たな別子型鉱床の発見に繋がることも期待されます。

研究者のコメント

日本は資源のない国だと思われることが多いですが、海洋プレートが沈み込んでいる上の島弧に位置しているため、海底鉱物資源だけでなく陸上にも多種多様な鉱床が胚胎しています。鉱床は資源の供給源だけでなく、過去に起こった元素の異常濃集プロセスの産物であるため、地球史の記録媒体とも見なせます。鉱床学と最新の地球化学的分析手法を組合せることで、今後も我々が地球をより良く、より深く理解することに貢献できると確信しています。

用語解説

※1 付加体
海溝やトラフにおいて海洋プレートが沈み込む時に、海洋底にたまっていた堆積物が剥ぎ取られて陸側に押し付けられていくが、この作用を付加作用と呼び、その結果陸側に形成された地質体を付加体と呼ぶ。したがって、付加体には過去の海洋底で生成した鉱床も胚胎する。

※2 中央海嶺
大洋の中央部を走る比高2~3 km、長さ数千kmの海底山脈。中央海嶺は地殻熱流量が大きく、固体地球内部から放出される熱エネルギーの大部分は中央海嶺から火山活動として放出されている。したがって、中央海嶺はいわば海洋プレートが生産される場である。

※3 対の変成帯
高圧型変成帯と低圧型変成帯が対をなして並走する場合、これを『対の変成帯』と呼ぶ。日本における典型的な例は、西南日本の三波川変成帯と領家帯である。

※4 バソリス
露出面積が100 km2以上の大規模な花崗岩体のこと。底盤とも呼ばれる。

※5 構造史
ある地質体やそれを構成する岩石などが,どのような過程を経て今に至っているかを表す歴史のこと。

※6 微化石年代
同定に種々の顕微鏡を必要とする化石のことを総称として微化石と呼ぶ。堆積岩には、放散虫、有孔虫、コノドントなどがしばしば含まれており、これらの種の産出組合せから決定した堆積年代のこと。

※7 現地性玄武岩
陸源砕屑物の堆積場において噴出もしくは貫入した緑色岩 (玄武岩) のこと。槙峰・下川地域の現地性玄武岩は、陸源砕屑物 (砂岩・泥岩) を伴うにも関わらず、その全岩化学組成は島弧玄武岩ではなく、中央海嶺玄武岩に類似する。

※8 別子型鉱床
海底⽕⼭・熱⽔活動に伴う噴気性堆積鉱床で、⽕⼭岩を⺟岩とする鉱床を火山性塊状硫化物 (VMS = Volcanogenic Massive Sulfide) 鉱床と呼ぶ。VMS鉱床のうち、特に過去に中央海嶺で生成して陸上に取り込まれたものを別子型鉱床、島弧・背弧の海底熱水鉱床に由来するものを⿊鉱鉱床と呼ぶ。

※9 レニウム-オスミウム (Re-Os) 法
Re、Osは原⼦番号75番、76番の元素であり、Osは6つある⽩⾦族元素の1つ。Reには185Reと187Reの2つの同位体が存在するが、これらのうち187Re量が半分に減少するまでの時間 (半減期) は416億年で、β線を放射して187Osを⽣じる。この放射壊変系を利⽤した年代決定法がRe-Os法である。化学分析により得られる187Re/188Os ⽐と187Os/188Os⽐から近似直線 (等時線:アイソクロン) を引き、その傾きから年代値 (Re-Osアイソクロン年代) を計算することができる。

※10 硫化鉱物
鉱物の分類上で、硫黄と結合している鉱物群。本研究に用いた硫化物鉱石試料は、主に黄鉄鉱 (FeS2)、磁硫鉄鉱 (Fe1-xS)、黄銅鉱 (CuFeS2)、閃亜鉛鉱 (ZnS) などから構成される。

※11 チャート
二酸化ケイ素 (SiO2) を主成分とする硬く緻密な珪質堆積岩の総称。主に放散虫と呼ばれる二酸化ケイ素の骨格を持つ海生浮遊性プランクトンの死骸が、陸域から遠く離れた深海底に降り積もってできた岩石。

※12 鉛同位体比組成
天然の鉛を構成する4種の安定同位体 (204Pb,206Pb,207Pb,208Pb) の存在比。一般には非放射壊変起源の204Pbに対する206Pb/204Pb比、207Pb/204Pb比、208Pb/204Pb比を指し、鉱床を構成する金属元素の起源の解明などに用いられる。

※13 硫黄同位体比組成 (δ34S)
試料の34S/32Sから標準物質の34S/32Sの差分を取り、それを標準物質の34S/32Sで割り算して、1,000を掛けたもの (=千分率を取ったもの)。式で表すと δ34S = ((34S/32S)sample-(34S/32S)standard))/((34S/32S)standard) x 1000。標準物質として、一般的にVienna-Canyon Diablo Troilite (VCDT) が用いられる。δ34Sの単位はパーミル (‰:千分率) (参考;パーセント、%:百分率)。

論文情報

雑誌名:Scientific Reports
論文名:Re-Os dating of the Makimine and Shimokawa VMS deposits for new age constraints on ridge subduction beneath Japanese Islands
執筆者名 (所属機関名):野崎達生 (早稲田大学・海洋研究開発機構・東京大学・神戸大学)、高谷雄太郎 (東京大学・早稲田大学・海洋研究開発機構)、中山健 (高知大学)、加藤泰浩 (東京大学・千葉工業大学)
掲載日時 (現地時間):2024年12月3日 (火)
掲載URL:https://doi.org/10.1038/s41598-024-80799-z

研究助成

研究費名:日本学術振興会 科学研究費補助事業 学術変革領域研究 (B);JP23H03812
研究課題名:局所マルチ硫黄同位体分析から読み解く熱水鉱床生成における微生物活動の寄与
研究代表者名 (所属機関名):野崎達生 (早稲田大学)

研究費名:日本学術振興会 科学研究費補助事業 基盤研究 (B);JP23K26607
研究課題名:熱水鉱床形成における微生物活動の寄与を定量化する~生物鉱学の創成を目指して~
研究代表者名 (所属機関名):野崎達生 (早稲田大学)

研究費名:日本学術振興会 科学研究費補助事業 基盤研究 (S);JP20H05658
研究課題名:地球環境変動・資源生成の真に革新的な統合理論の創成
研究代表者名 (所属機関名):加藤泰浩 (東京大学)

❌