ノーマルビュー

【11月28日(金)12:30~13:10開催】文部科学省PEP卓越大学院プログラム 2026年4月進入/編入 9期生 募集説明会開催します!

著者: staff
2025年10月7日 17:36

文部科学省卓越大学院プログラム『パワー・エネルギー・プロフェッショナル(PEP)育成プログラム』は、
電力・エネルギー新産業創出に寄与する人材を輩出することを目的とした修士・博士後期5年一貫の博士人材育成プログラムです。

この度、本プログラムの2026年進入/編入 9期生募集説明会を以下のように開催致します。
当日は、プログラム説明後に現役PEP生2名(電力系・エネルギーマテリアル系代表)も参加して、
皆さんの質問にお答えします。
お気軽にお申込みください!

<日時>
2025年11月28日(金)12:30~13:10

形式:Zoomオンラインミーティング(途中入退室可)
※申請フォームから参加登録いただいた方にURL等詳細を、前日までにメールでお送り致します

<申請フォーム>
PEPプログラムに少しでも関心のある方はお気軽に、以下URLよりお申込みください。
https://forms.office.com/r/TTETZxXshZ
申込締切:11月27日(木)10:00まで

<ポスター>
ポスター

<概要>
対象:現在、電力系・エネルギーマテリアル系を専攻分野としている
(あるいは現在それらの分野・専攻に関心がある)以下の学生、社会人
・学部3年生、4年生
・修士課程・一貫制博士課程1年生、2年生
・2026年4月に以下の参画専攻博士後期課程入学予定者

<参画専攻>
・基幹理工学研究科(機械科学・航空宇宙専攻、電子物理システム学専攻)
・創造理工学研究科(地球・環境資源理工学専攻)
・先進理工学研究科(応用化学専攻、電気・情報生命専攻、ナノ理工学専攻、先進理工学専攻)
・環境・エネルギー研究科(環境・エネルギー専攻)

<内容>
・PEP卓越大学院プログラム概要説明(研究指導・支援体制、カリキュラム、進路、経済的支援etc)
・進入/編入募集日程
・現役PEP生(2名)の体験談
・Q&Aタイムもあります

<ご参考>
PEP卓越大学院プログラムHP https://dpt-pep.w.waseda.jp/
パンフレット https://dpt-pep.w.waseda.jp/about/?id=pamphlet
募集要項出願書類 https://www.waseda.jp/fsci/admissions_gs/guidelines/pep/

<お問合せ>
PEP卓越大学院プログラム事務局(51号館1F理工統合事務所内)
Email:[email protected]   TEL:03-5286-3238

触媒的カルボン酸誘導体の脱カルボニル化を伴う変換反応(2025/12/11)

著者: staff
2025年10月6日 16:48

演題:触媒的カルボン酸誘導体の脱カルボニル化を伴う変換反応

日時:2025年12月11日(木) 16:30-18:10

会場:早稲田大学 西早稲田キャンパス 62W号館 1階 大会議室

講師:西原 康師 (岡山大学 異分野基礎科学研究所 教授)

対象:学部生、大学院生、教職員、一般

参加方法:入場無料 直接会場へお越しください

主催:先進理工学研究科 化学・生命化学専攻

問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課

TEL:03-5286-3000

誘電正接0.001未満を実現―世界最高水準の低誘電材料を発見

著者: contributor
2025年10月2日 17:03

誘電正接0.001未満を実現―世界最高水準の低誘電材料を発見
~次世代高速通信(6G)に貢献する回路基板材料の新展開~

発表のポイント

  • 高周波電気信号への応答性が低い硫黄を含む高分子を基盤構造に、世界最高水準の低誘電特性を示す新しい有機材料を開発した。
  • 硫黄原子と酸素原子を交互に配列する分子設計にも拡張し、170 GHzというミリ波帯でも低誘電特性を維持できることを実証した。
  • 本材料は、第6世代移動通信システム (6G) の実現に向け、高速・大容量・低遅延の通信を支える回路基板材料としての応用が期待される。

早稲田大学 理工学術院の小柳津研一 (おやいづけんいち) 教授および渡辺清瑚 (わたなべせいご) 次席研究員らの研究グループは、株式会社ダイセル(本社:大阪市北区、代表取締役社長 榊 康裕)と共同で、これまで達成が難しいとされてきた誘電正接0.001未満の低誘電材料の開発に成功しました。
低誘電材料は、次世代の高速・大容量通信に欠かせない要素技術ですが、通信に用いる電波の周波数が高くなるほどエネルギー損失が増大する課題を抱えています。来たる6G通信の実装 (2030年頃) に向けて、材料の電気絶縁性を飛躍的に高めることが強く求められています。本研究では”ポリ(フェニレンスルフィド)誘導体”という構造に着目し、高周波電気信号への応答性を大幅に抑制することで、従来材料を凌駕する世界最高水準の低誘電特性を実現しました。本研究は、高速大容量通信における回路基板材料の新たな設計指針を提示するものであり、将来的には「より多くのデータを、より高速で、より高品質に」伝送できる通信技術の実現につながる可能性があります。
本研究成果は、2025年8月16日 (土曜日) 午前7時 (英国時間) にNature系列誌「Communications Materials」にオンライン掲載されました。

これまでの研究で分かっていたこと

近年、モノのインターネット (IoT) や人工知能 (AI) の急速な発展に伴い、多量のデータを高速かつ高品質に伝送する技術への需要が一層高まっています。しかし、情報通信機器の回路基板に用いられる電気絶縁材料 (低誘電高分子材料) は、通信に用いる電波の周波数※1が高くなるとともに伝送損失※2の増加を引き起こし、通信時の発熱や品質劣化を招く課題を抱えています。2030年頃に実装が見込まれる6G通信※3に向けては、30-300 GHzのミリ波帯でも優れた電気絶縁性を維持できる回路基板材料の開発が急務となっています。

低誘電材料の性能を表す指標には、誘電率※4と誘電正接※5の2つがあり、特に誘電正接は伝送損失の値を大きく左右するため重要な指標とされています。これまで、ポリイミド※6やポリ(フェニレンオキシド) (PPO)※7など多くの低誘電材料が開発されてきましたが、分子内に存在する極性※8の影響から、低誘電率 (3以下) かつ低誘電正接 (0.001未満) を両立する材料の実現は困難でした。例外的に、PTFE※9に代表されるフッ素樹脂は、フッ素原子の分極率※10が低く0.001未満の誘電正接を示しますが、近年は環境規制により含フッ素化合物の使用が制限されており、これに代わる新たな分子設計指針が求められてきました。

新たに実現しようとしたこと、明らかになったこと、そのために新しく開発した手法

本研究グループは、低誘電プラスチックの分子構造から極性を持つ官能基を排除し、電気信号への応答性を極限まで抑えることで、誘電率や誘電正接を更に低減できると考えました。そこで、極性の低いスルフィド結合※11と分子運動性の低いベンゼン環※12から構成される”ポリ(フェニレンスルフィド) (PPS) 誘導体”に着目し、電気信号に伴う分子振動を抑えられる化学構造を導入することで、従来の低誘電材料を凌駕する低誘電特性を実現できることを見出しました。

そこで、研究グループは、従来の低誘電材料であるPPOの酸素原子を硫黄に置換したジメチル置換PPS (PMPS) と、これらの交互共重合体※13 P1に新しく着目しました (図1)。

図1: 本研究における低誘電化の戦略

図1の補足:従来のPPOと、本研究で見出した高分子 (PMPS、P1) の分子設計と誘電特性 (10 GHzにおける値)。PPOの酸素がPMPSでは硫黄に変わり、分子の極性が小さくなることから、高周波電気信号への応答性が低くなり誘電正接 (Df) が低下する。(CCライセンスに基づき、論文中の模式図を一部改変及び翻訳)

誘電特性を測定したところ、分子構造に含まれるPMPS骨格の割合が多いほど、スルフィド結合の低い極性に由来して誘電正接が減少し、特にPMPSでは10 GHzにおいて0.001未満の極めて低い値を示しました。一方、硫黄は高い分極率を有することから誘電率は増加したものの、最大でも2.80に留まり、低誘電材料として十分に機能することが分かりました。すなわち、PPS誘導体は従来材料と同等の低い誘電率を保ちながら、誘電正接を大幅に低減できることが明らかとなりました。

図2: P1の特異的な誘電特性

(a) 10-170 GHzにおける誘電正接スペクトルと傾きkDfの一覧. P2は交互共重合体P1の位置異性体 (メチル基の位置が異なる構造体)、PPSはポリ(p-フェニレンスルフィド)を指す。P1のみが極小値 (紫部) を有し、スペクトルの傾きも小さいことから周波数依存性が小さい。
(b) P1とPMPSの極性を表す模式図。
(c) P1とPMPSの静電ポテンシャル (左) およびMulliken電荷 (右) の分布。硫黄はやや正に、酸素は負に帯電していることがわかる。(CCライセンスに基づき、論文中の模式図を一部改変及び翻訳)

さらに、PPO骨格とPMPS骨格を交互に配置したP1は、他の高分子と異なり周波数が増加しても誘電正接がほぼ変化せず、80 GHzにおいても安定して0.002未満の低誘電正接を維持しました。また、この低い周波数依存性は170 GHzという更に高い周波数帯でも維持されました (図2a)。詳細な機構を調べると、PMPS骨格とPPO骨格が交互に並ぶP1でのみ極性が微小に偏り、高分子鎖間に静電相互作用※15が発現することで電気信号に伴う分子運動が抑制され、幅広い周波数帯においてエネルギー損失を抑えられることが分かりました (図2b, c)。

研究の波及効果や社会的影響

近年の情報通信の高速化は著しく、低誘電材料の開発競争もこの5年程度で急速に激化しています。要求水準は年々上がる一方で、所望の低誘電特性を実現する高分子材料の設計指針は確立されていませんでした。本研究は、分野における壁の1つである「誘電正接0.001未満」を突破する新しい手法として、「硫黄を使った分子設計」というアイディアを初めて実証したものです。
今後、このコンセプトを多様な高分子構造に展開することで、更に優れた低誘電特性を示す材料が網羅的に開拓されることが期待できます。得られた材料が第6世代移動通信システム (6G) に実装されれば、「より多くのデータを、より高速で、より高品質に」伝送できるようになり、データの処理速度の飛躍的向上、IoTの普及拡大、ウェアラブル機器の高性能化など、大きな社会的波及効果も期待できます。

課題、今後の展望

本成果では、極めて低い誘電正接を示す有機材料の分子設計を初めて実証しましたが、その下限がどこにあるのかは未知数です。今後は、PPS誘導体の構造を部分的に改変した高分子や、他の硫黄含有ポリマー、さらには架橋高分子にも対象を拡張し、高分子材料が到達し得る低誘電特性の限界を追究したいと考えています。

研究者のコメント

これまで取り組んできた高屈折率高分子の研究を発展させ、「屈折率と表裏の関係にある誘電率の制御にも応用できるのでは?」と着想したのが本研究の出発点です。当初は「屈折率が高ければ誘電率も高い」と予想していましたが、実際にはスルフィド結合の性質により誘電率は意外に低く、加えて誘電正接が大幅に低減することを見出しました。本成果は低誘電材料開発におけるブレイクスルーであり、情報社会を支える革新的技術への第一歩になると確信しています。

用語解説

※1 周波数
1秒間に電波が振動する回数。周波数が高いほど、より多くの情報を伝送できる。

※2 伝送損失
情報通信において、電気信号が減衰する度合い。周波数の1乗、誘電率※3の平方根、誘電正接※4の1乗に比例する。

※3 6G通信
2030年頃に実装が予定されている、30-300 GHzの電波を用いた通信技術。現行の5G通信と比較して省コストかつ更に高速・低遅延・大容量の通信や、同時多数の情報デバイス接続が可能となる。

※4 誘電率
外部から電場が加わった時に、電子が偏る程度を表す指標のこと。回路基板に用いる高分子材料の場合、誘電率は低い方が好ましい。

※5 誘電正接
外部から交流電場が加わった時に、エネルギーが熱として損失する程度を表す指標。極性基や運動性の高い官能基が電気信号に応答し、局所的に運動することが損失の原因とされている。回路基板に用いる高分子材料の場合、誘電正接は低い方が好ましい。

※6 ポリイミド
イミド結合を有するエンジニアリングプラスチックの総称。高分子鎖間での相互作用が強く、耐熱性や電気絶縁性に優れる。

※7 ポリ(フェニレンオキシド) (PPO)
芳香環と酸素原子の繰り返し構造から成るエンジニアリングプラスチック。耐熱性や電気絶縁性に優れる。工業的には、ポリスチレンとブレンドして成形加工性を高めたノリル樹脂が用いられることが多い。

※8 極性
分子構造の中で、電荷がプラス(正)とマイナス(負)に偏る程度のこと。極性の低い分子ほど外部電場に応答しにくくなり、損失が小さくなる。

※9 PTFE
テフロン樹脂 (ポリ(テトラフルオロエチレン)) の略称。耐熱性や耐薬品性、電気絶縁性に優れる。フライパンの撥水コーティングなどにも用いられる。

※10 分極率
電場や光が加わった際に、原子周囲の電子の偏りが生じる性質。硫黄は分極率が高く、酸素は分極率が低い原子として知られている。分極率の低い分子ほど電荷を貯めにくく、損失が小さくなる。

※11 スルフィド結合
炭素原子と硫黄原子が2つの電子を介して形成する化学結合。炭素と硫黄は電気陰性度 (電子を原子が引き付ける能力) の差が小さいことから極性※8が低い。

※12 ベンゼン環
6つの炭素原子が正六角形に結合した平面状の化学構造。高分子に組み込まれると,剛直性が高く、熱的・化学的安定性に優れた官能基として働く。

※13 交互共重合体
2種類の化学構造が、交互に連結された高分子のこと。例えば、2種類の高分子の単位構造をそれぞれA, Bとすると、交互共重合体はABABAB…という分子配列を有する。

キーワード

ポリ(フェニレンスルフィド)、含硫黄高分子、低誘電特性、周波数、高速大容量通信、ミリ波、6G、回路基板材料

論文情報

雑誌名:Communications Materials
論文名:Poly(phenylene sulfide) derivatives as ultralow dielectric loss materials with stable frequency response
執筆者名(所属機関名):Seigo Watanabe1,2, Shuma Miura2, Tomohiro Miura2, Yoshino Tsunekawa2, Daisuke Ito3, Kenichi Oyaizu1,2,*
*:責任著者
1早稲田大学理工学術院総合研究所
2早稲田大学先進理工学研究科応用化学専攻
3株式会社ダイセル
掲載日時(現地時間):2025年8月16日7時
掲載日時(日本時間):2025年8月16日15時
掲載URL:https://doi.org/10.1038/s43246-025-00917-w
DOI:10.1038/s43246-025-00917-w

研究助成

研究費名:有機エネルギーマテリアル化学の確立と展開
研究課題名:文部科学省 科研費 基盤研究(A) (21H04695)
研究代表者名(所属機関名):小柳津研一(早稲田大学)

研究費名:ソフト分極構造の多重集積による光・電場機能高分子の革新
研究課題名:文部科学省 科研費 挑戦的研究 (開拓) (22K18335)
研究代表者名(所属機関名):小柳津研一(早稲田大学)

研究費名:両親媒性共重合体を鍵材料とするポリフェニレンスルフィドの革新的接着と相溶化
研究課題名:文部科学省 科研費 若手研究 (25K18083)
研究代表者名(所属機関名):渡辺清瑚(早稲田大学)

上記のほかに、みずほ学術振興財団 工学研究助成、池谷科学技術振興財団 単年度研究助成 (No. 0371233-A)、天野工業技術研究所 研究助成 の支援により実施されました。

Introduction to gauge theory for families(2025/10/29)

著者: staff
2025年10月2日 11:12

演題:Introduction to gauge theory for families

日時:2025年10月29日(水) 16:00-17:40

会場:早稲田大学 西早稲田キャンパス 51号館18-12室

講師:今野 北斗 (東京大学 准教授)

対象:大学院生、教職員、学外者、一般

参加方法:入場無料 直接会場へお越しください

主催:基幹理工学研究科 数学応用数理専攻

問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課

TEL:03-5286-3000

リンク先URL:http://sites.google.com/view/somaohno/対称性と幾何セミナー?authuser=0.

Latest Breakthroughs in Anion-Exchange Membrane Fuel Cells(2025/10/29)

著者: staff
2025年10月2日 10:14

演題:Latest Breakthroughs in Anion-Exchange Membrane Fuel Cells

日時:2025年10月29日(水) 16:00-17:00

会場:早稲田大学 121号館4階407室

講師:Dario Dekel (Israel Institute of TechnologyProfessor)

対象:学部生、大学院生、教職員、学外者、一般

参加方法:入場無料 直接会場へお越しください

主催:先進理工学研究科  応用化学専攻

問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課

TEL:03-5286-3000

 

光を集めてエネルギーに変える:プラズモンと人工光合成(2025/10/22)

著者: staff
2025年9月29日 16:33

演題:光を集めてエネルギーに変える:プラズモンと人工光合成

日時:2025年10月22日(水) 15:00-16:40

会場:早稲田大学 西早稲田キャンパス 55S号館 カンファレンスルーム

講師:三澤 弘明 (北海道大学電子科学研究所客員研究員、岡山大学先鋭研究領域特任教授)

対象:学部生、大学院生、教職員、学外者、一般

参加方法:入場無料 直接会場へお越しください

主催:先進理工学部 応用化学科

問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課

TEL:03-5286-3000

タンパク質配列に秘匿された遺伝暗号の解読と、その制御技術の開発(2025/10/21)

著者: staff
2025年9月29日 15:19

演題:タンパク質配列に秘匿された遺伝暗号の解読と、その制御技術の開発

日時:2025年10月21日(火) 15:05-16:45

会場:早稲田大学 西早稲田キャンパス55S-510室

講師:茶谷 悠平  岡山大学 学術研究院研究教授 (准教授)

対象:学部生、大学院生、教職員、一般

参加方法:入場無料 直接会場へお越しください

主催:先進理工学部 応用化学科

問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課

TEL:03-5286-3000

リンク先URL:https://sites.google.com/s.okayama-u.ac.jp/chadani-lab/

アーベル曲面上の安定層とそのモジュライ(2025/10/17)

著者: staff
2025年9月25日 14:33

演題:アーベル曲面上の安定層とそのモジュライ

日時:2025年10月17日(金) 16:30-18:10

会場:早稲田大学 西早稲田キャンパス 51号館 18-08

講師:吉岡 康太 (神戸大学 教授)

対象:一般

参加方法:入場無料 直接会場へお越しください

主催: 基幹理工学部 基幹理工学研究科 数学応用数理専攻

問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課

TEL:03-5286-3000

リンク先URL: https://sites.google.com/view/waseda-ag-seminar

 

【PEP卓越大学院プログラム】2026年1月実施9期生(2026年4月進入・編入)選抜試験(SE)情報を更新しました

著者: staff
2025年9月22日 14:37

卓越大学院プログラム
「パワー・エネルギー・プロフェッショナル(PEP)育成プログラム」
2026年1月実施の9期生(2026年4月進入・編入)選抜試験(SE)に関する情報を更新致しました。

詳細は、理工学術院HP大学院入試ページの中のPEP SE情報ページ(募集要項・出願書類)をご参照ください。

https://www.waseda.jp/fsci/admissions_gs/guidelines/pep/

「CREST」「さきがけ」および「ACT-X」に採択

著者: contributor
2025年9月19日 09:37

2025年度JST戦略的創造研究推進事業に採択

国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の2025年度戦略的創造研究推進事業(「CREST」、「さきがけ」および「ACT-X」)において、本学の研究提案からCREST1件、さきがけ1件、ACT-X2件が採択されたほか、さきがけの特定課題調査として1件が決定しました。

CRESTは採択60件/応募826件(うち私大の採択は2件)、さきがけは採択168件/応募1,734件(うち私大の採択は11件)、ACT-Xは採択110件/応募745件(うち私大の採択は6件)と、年々応募件数が増加している中での採択となりました。

本採択を受け、他の研究者や産業界等ともネットワークを構築しながら、挑戦的な基礎研究を推進し、新たな科学知識に基づく革新的技術シーズの創出を目指します。

決定した本学からの研究提案は以下のとおりです。

CREST

戦略目標:量子フロンティア開拓のための共創型研究
研究領域:量子・古典の異分野融合による共創型フロンティアの開拓
青木 隆朗(理工学術院 教授)
【研究課題】次世代加工による超高協同係数ナノフォトニック共振器QED

 

さきがけ

戦略目標:ゆらぎの制御・活用による革新的マテリアルの創出
研究領域:ゆらぎの理解と制御による材料革新
廣井 卓思(理工学術院 准教授)
【研究課題】ソフトマテリアルの表面選択的ゆらぎ計測法の開発

 

さきがけ(特定課題調査)

※次年度への再応募を条件とした短期間での調査・研究活動

戦略目標:実環境に柔軟に対応できる知能システムに関する研究開発
研究領域:実世界知能システムの基盤創出
三宅 太文(次世代ロボット研究機構 次席研究員)

 

ACT-X

戦略目標:人間理解とインタラクションの共進化/文理融合による社会変革に向けた人・社会解析基盤の創出/信頼されるAI/数理科学と情報科学の連携・融合による情報活用基盤の創出と社会への展開/Society 5.0を支える革新的コンピューティング技術の創出
研究領域:次世代AIを築く数理・情報科学の革新
伊藤 潤成(大学院先進理工学研究科 修士課程1年)
【研究課題】部分観測下におけるSim2Real転移手法の開発
河井 雪野(大学院基幹理工学研究科 博士課程2年)
【研究課題】AutoMLに向けたクラスタリングの数理情報基盤

 

戦略的創造研究推進事業とは

戦略的創造研究推進事業は、我が国が直面する重要な課題の克服に向けて、挑戦的な基礎研究を推進し、社会・経済の変革をもたらす科学技術イノベーションを生み出す、新たな科学知識に基づく創造的な革新的技術のシーズ(新技術シーズ)を創出することを目的としています。そのために、大学・企業・公的研究機関等の研究者からなるネットワーク型研究所(組織の枠を超えた時限的な研究体制)を構築し、その所長であるプログラムオフィサー(研究総括等)による運営の下、研究者が他の研究者や研究成果の受け手となる産業界や広く社会の関与者とのネットワークを構築しながら、研究を推進します。(出典:JSTホームページ)

“Toward Volumetric Urbanism:  AI-Driven Analysis of Volumetric Urban Space Use”(2025/10/29)

著者: staff
2025年9月19日 09:20

演題:“Toward Volumetric Urbanism: AI-Driven Analysis of Volumetric Urban Space Use”

日時:2025年10月29日(水) 15:00-17:00

会場:早稲田大学 西早稲田キャンパス 55号館1階 第一会議室

講師:Hoon Han (Director of UNSW Cities Institute & Professor of City Planning, Faculty of Arts, Design and Architecture, The University of New South Wales.)

対象:学部生、大学院生、教職員、学外者、一般

参加方法:入場無料 直接会場へお越しください

主催:創造理工学部 建築学科

問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課

TEL:03-5286-3000

リンク先URL:https://www.goto.arch.waseda.ac.jp/hoon-lecture2025.html

2025年度 JST「戦略的創造研究推進事業 情報通信科学・イノベーション基盤創出(CRONOS)」に採択

著者: contributor
2025年9月18日 10:20

国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)「戦略的創造研究推進事業 情報通信科学・イノベーション基盤創出(CRONOS)」の公募において、2025年度の新規研究開発課題として、本学からの提案が採択されました。
応募件数138件のうち採択課題は11件で、私立大学からは唯一の採択となりました。

採択課題

甲藤 二郎(理工学術院・教授)

【研究開発課題名】学習型符号化と生成AIの統合による生成型通信

 

戦略的創造研究推進事業 情報通信科学・イノベーション基盤創出(CRONOS)

情報通信分野の重要性が世界的にもますます増していることを踏まえ、Society5.0以降を見据えた未来社会における大きな社会変革を実現可能とする革新的な情報通信技術の創出と、革新的な構想力を有した研究人材育成に取り組み、日本の情報通信技術の強化を目指すプログラムです(プレスリリース文より)

寝室の換気量、現行の2倍が望ましい可能性

著者: contributor
2025年9月10日 09:12

寝室の換気量、現行の2倍が望ましい可能性

ポイント

  • 寝室内換気と睡眠の質の関係について、過去17本の研究を整理・分析しました。
  • 寝室の換気状況を示す指標として用いられる二酸化炭素濃度が1,000ppmに達すると、睡眠効率や深睡眠割合が低下することを確認しました。
  • 安全側に余裕を持たせて睡眠の質が低下する可能性を十分に低く抑えるには、寝室内の二酸化炭素濃度を800ppm以下に保つことが望ましく、現行の住宅換気基準の少なくとも2倍の換気量が必要であると推計されました。
  • 本研究成果は、住宅の設計規格や換気設備の改良、省エネルギー型換気技術の開発につながることが期待されます。

概要

早稲田大学スマート社会技術融合研究機構 研究助手の秋元 瑞穂(あきもと みづほ)、同大学理工学術院教授の田辺 新一(たなべ しんいち)およびデンマーク工科大学教授のPawel Wargockiらの国際研究チームは、寝室内換気と睡眠の質の関係について、同グループの研究成果に加え、国内外で発表された関連研究を含めて整理・分析しました。

その結果、寝室の換気状況を示す代表的な指標である二酸化炭素濃度※1が1,000ppm※2に達すると睡眠効率※3や深睡眠※4割合が低下すること、さらに安全側に余裕を持たせて睡眠の質が低下する可能性を十分に低く抑えるには800ppm以下を目標とすべきであることが明らかとなりました。また、この水準を満たすためには、現行の住宅換気基準の少なくとも2倍の換気量が必要であることを示しました。

本研究成果は、Taylor & Francis社発行の国際学術誌『Science and Technology for the Built Environment』(論文名:New research on bedroom ventilation and sleep quality suggests that building standards should be revisited (ASHRAE 1837-RP))に掲載され、2025年7月21日(月)にオンライン版が公開されました。

キーワード:
睡眠の質、換気量、二酸化炭素(CO₂)濃度、寝室環境、睡眠効率、深睡眠、室内空気質(IAQ)、住宅換気基準

研究の背景と目的

これまでの研究でも、寝室の不十分な換気が睡眠の質に及ぼす影響には関心が寄せられてきました。特に、室内のCO₂濃度が高まると、覚醒時に眠気や集中力の低下が生じることは広く知られているものの、寝室内の換気不足や、その結果として生じるCO₂濃度の上昇が睡眠に与える影響については、これまで統一的な結論を導くことが困難でした。これは、実際に報告されてきた研究が、対象とする人数や年齢、測定した睡眠指標(睡眠効率、深睡眠割合、入眠潜時※5など)、さらに換気の方法(窓開け、機械換気など)においてそれぞれ異なっていたためであり、結果を直接比較することが難しい状況にあったからです。

研究の方法と明らかになったこと

本研究グループは、同グループの研究成果を含め、2020年1月から2024年8月までに発表された、寝室の換気状況と睡眠の質を同時に測定した合計17本の研究を整理・分析しました。対象には、実際の住環境で寝室の状況を調べた研究に加え、換気条件を意図的に操作して睡眠への影響を検討した研究も含まれており、寝室内のCO₂濃度や換気条件と、睡眠効率、深睡眠割合、入眠潜時といった睡眠指標との関係を比較しました。これらの研究はまだ数は多くないものの、近年着実に増加しており、国際的にも注目が高まっています(図1)。

図1:睡眠中の換気と睡眠の質を同時に測定した論文数と被引用数の推移
2024年8月時点での状況を示しており、論文数が年々増加していることがわかる。

分析の結果、寝室内のCO₂濃度が高くなると睡眠の質に影響が及ぶことが確認されました。図2は、レビュー対象とした研究を縦軸に並べ、それぞれの研究の種類(実際の住環境での調査か、換気条件を操作した実験的研究か)や対象者の年齢属性とともに整理し、横軸に報告されたCO₂濃度を示したものです。整理・分析した17本の研究のうち、一部は複数の条件で実験を行っており、図2には合計22件の実験データが反映されています。そのため研究番号が同じでも、条件の異なる結果が複数プロットされている場合があります。

例えば研究番号3では、実験室内のCO₂濃度がおよそ800 ppm、1,900 ppm、3,000 ppmの条件で比較されています。その結果、800 ppmに比べて1,900 ppmや3,000 ppmでは睡眠の質に統計的に有意な低下(p<0.05)が確認されました。このように、黒く塗りつぶされたプロットは有意な低下が認められた条件を、白抜きのプロットは比較対象や有意差が認められなかった条件を示しています。

図2:寝室内CO₂濃度と睡眠の質に関する各研究の結果
縦軸にはレビュー対象とした研究番号が並び、それぞれの研究の種類(横断研究=実際の住宅で実態調査を行った研究、介入研究=実験室・実際の住宅で換気条件を変えた研究)と対象者の年齢属性が整理されている。なお、同じ研究番号が複数示されているのは、1つの研究で条件の異なる実験結果を含むためである。

横軸には寝室内CO₂濃度を示し、黒いプロットは平均値、赤いプロットは95パーセンタイル値。塗りつぶされたプロットや灰色の帯は統計的に有意な差(p<0.05)が確認された水準を示し、白抜きは有意差が確認されなかったことを示す。CO₂濃度は絶対値で表す。なお、研究番号12は人工気候室にて実験的にCO₂を追加して濃度を上昇させた研究であり、他の研究と必ずしも直接比較できない。

図2から、脳波計や腕時計型睡眠計によって測定された睡眠の質に有意な低下(p<0.05)が報告された最も低い絶対CO₂濃度は約1,000 ppmであることが読み取れます。一方で、統計的に有意差が確認された条件(塗りつぶし)と比較された参照条件(白抜き)の中で最も高い濃度は850 ppmでした。(それぞれ図中に青丸で示す。)ただし、850ppmという値はあくまで参照条件にすぎず、NOAEL(無影響量)と位置づけることはできません。本研究グループは、センサーの測定精度(±50 ppm程度)を考慮し、安全側に余裕を持たせて800 ppm以下を暫定的な目標水準とすることが合理的だと提案しました。

さらに、図3は外気のCO₂濃度を420 ppmと仮定し、睡眠中の人からのCO₂産生量に応じて、寝室内のCO₂濃度を800 ppmや1,000 ppmといった目標値以下に保つために必要な外気供給量を推計したものです。この図から、成人が睡眠中の寝室でCO₂濃度を800 ppm以下に維持するには一人当たり約8 L/s(リットル/秒)の外気供給が必要であることが読み取れます。この換気量は、現在推奨されている住宅の換気量より明らかに多く、また住宅で広く採用されている0.5回/h換気※6よりも高い値に相当します。例えば、床面積10m2・天井高2.5mの寝室(容積25m3)で考えると、一人で滞在する場合はおよそ1時間に1回、二人で滞在する場合はおよそ30分に1回、部屋全体の空気が入れ替わる換気量に相当します。現状、この水準に対応する規格は限られており、欧州規格EN 16798-1の最も厳しいカテゴリーI(屋外濃度+380 ppm以内)が該当します。また、一部の病院規格(例:米国暖房冷凍空調学会ASHRAE Standard 170、日本の病院設備設計ガイドラインHEAS-02)でも同様のレベルが規定されています。

なお、必要換気量は「屋外濃度との差」と「室内のCO₂産生量」によって決まります。就寝時はCO₂産生量が覚醒時より小さいため、寝室で800 ppmを目標とする場合でも、一般オフィスで1,000 ppmを目標とする場合と同程度(約8–10 L/s・人)の換気量が必要になる目安です。

図3:寝室内CO₂濃度を抑えるために必要な外気供給量の推計
外気CO₂濃度を420 ppmと仮定し、睡眠中の人のCO₂産生量(9、10、11、15 L/(h・人))と、目標とする寝室内CO₂濃度(800 ppmや1,000 ppmなど)に応じて必要な外気供給量を推計したもの。睡眠中のCO₂産生量は、9 L/(h・人)が高齢者、10 L/(h・人)が子ども、11 L/(h・人)が成人、15 L/(h・人)が夜間に目覚めやすい人や代謝量の高い人を想定している。成人の睡眠中の寝室を想定した場合、CO₂濃度を800 ppm以下に維持するには、一人当たり約8 L/sの換気量が必要である。

研究の波及効果や社会的影響

これまで住宅の換気は、主にシックハウス対策や結露防止、感染症対策を目的として議論されてきましたが、本研究は睡眠という生活行動と換気環境を結び付け、寝室で目安となるCO₂濃度を提示した点に特徴があります。睡眠の質が日々の生活に影響することを踏まえると、こうした知見は住宅設計や換気のあり方を検討するうえで有用な基礎情報となります。

今後の展望

本研究は既存研究を整理・分析したレビューであり、対象となった研究数がまだ多くないこと、また研究ごとに条件や評価方法に違いがあることが課題として挙げられます。また、CO₂濃度は寝室の換気状況を示す指標として広く用いられていますが、CO₂のみを操作した研究は限られており、特に1,000ppm未満の低濃度での比較データが不足しています。そのため、今後さらなる研究の積み重ねが必要です。

本研究で得られた知見をもとに、比較可能なデータが増えていくことが重要であり、私たち自身も実際の寝室での実験や調査を継続することで、より確かな知見を蓄積していきたいと考えています。

用語解説

※1 CO₂(=二酸化炭素)濃度
室内の空気に含まれる二酸化炭素の割合を示す指標。単位は ppm(parts per million、百万分の一)。人が呼吸でCO₂を排出するため、室内の換気状況を示す目安として広く使われている。

※2 ppm
気体の濃度を表す単位で、「100万分の1」を意味する。例えば、800 ppm は空気100万分のうち二酸化炭素が800含まれる状態を表す。

※3 睡眠効率
布団やベッドに入っていた時間のうち、実際に眠っていた時間の割合。一般的に85%以上で良好とされる。

※4 深睡眠
睡眠段階のひとつで、脳波では徐波(ゆっくりした波)が多く出現する状態。身体の回復や記憶の整理に重要とされる。

※5 入眠潜時
布団やベッドに入ってから実際に眠りに入るまでの時間を指す。短いほど寝つきが良いとされ、長い場合は寝つきにくさや睡眠の質の低下を示すことがある。

※6 換気回数(回/h)
室内の空気が1時間あたりに何回入れ替わるかを示す指標。例えば0.5回/hは「2時間で部屋全体の空気が1回入れ替わる」ことを意味する。

論文情報

雑誌名:Science and Technology for the Built Environment
論文名:New research on bedroom ventilation and sleep quality suggests that building standards should be revisited (ASHRAE 1837-RP)
執筆者名(所属機関名):秋元 瑞穂*(早稲田大学)、Xiaojun Fan(カリフォルニア大学バークレー校シンガポール研究拠点)、Li Lan(上海交通大学)、Chandra Sekhar(シンガポール国立大学)、田辺 新一(早稲田大学)、David P. Wyon(デンマーク工科大学)、Pawel Wargocki(デンマーク工科大学)
論文掲載日:2025年7月21日
掲載URL:https://doi.org/10.1080/23744731.2025.2531317
DOI:10.1080/23744731.2025.2531317

研究助成

研究費名:科研費 特別研究員奨励費22KJ2956
研究課題名:室内環境が良質な睡眠に与える影響に関する研究
研究代表者名(所属機関名):秋元瑞穂(早稲田大学)

研究費名:ASHRAE 1837-RP
研究課題名:The Effects of Ventilation in Sleeping Environments
研究代表者名(所属機関名):Pawel Wargocki(デンマーク工科大学)

なお、本研究は Danish the 20th December Foundation および鹿島学術振興財団(The Kajima Foundation)からの支援も受けています。

Electrochemical Cascade Synthesis of Polycyclic Heteroaromatics: A Sustainable Gateway to Functional Optoelectronic and Photocatalytic Materials(2025/11/5)

著者: staff
2025年9月9日 11:34

演題:Electrochemical Cascade Synthesis of Polycyclic Heteroaromatics: A Sustainable Gateway to Functional Optoelectronic and Photocatalytic Materials

日時:2025年11月5日(水) 16:30-18:10

会場:早稲田大学 西早稲田キャンパス55N号館 1階 第2会議室

講師:Mohamed S. H. Salem (大阪大学・産業科学研究所助教)

対象:学部生、大学院生、教職員、学外者、一般

参加方法:入場無料 直接会場へお越しください

主催:先進理工学部 化学・生命化学科

問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課

TEL:03-5286-3000

「専門の壁を越えて“主人公”になる」社会人として生きるためのヒント (2025/10/10)

著者: staff
2025年9月2日 16:58

演題:「専門の壁を越えて“主人公”になる」社会人として生きるためのヒント

日時:2025年10月10日(金) 17:00-18:40

会場:早稲田大学 西早稲田キャンパス63号館 2階 04, 05会議室

講師:佐藤 雅彦 (株式会社日立製作所研究開発グループチーフストラテジスト)

対象:学部生、大学院生、教職員、一般

参加方法:入場無料 直接会場へお越しください

主催:先進理工学部 化学・生命化学科

問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課

TEL:03-5286-3000

リンク先URL: https://www.foresight.ext.hitachi.co.jp/_ct/17743416

 

制約を圧縮して表現する量子技術を開発

著者: contributor
2025年8月29日 13:12

制約を圧縮して表現する量子技術を開発 
量子計算機による組合せ最適化解法の高精度化を実現 

ポイント

  • 現実世界の組合せ最適化問題を量子計算機で解くには一般に現れる多くの制約(守らなければならないルール)を効率的に取り扱うという課題がありより汎用的で精度の高い手法の開発が求められてきました  
  • 本研究では、組合せ最適化問題がもつ制約を量子計算機で圧縮して表現する技術を構築し、その技術をもとに、探索対象となる組合せの個数を削減し、探索効率を向上する量子アルゴリズムを開発し、精度の改善を実証しました 
  • 本手法は量子計算機に簡単に導入できることから本技術を取り込んだ量子ソフトウェアの開発により、精度高く現実世界の組合最適化問題を解くことが期待できます 

概要

 量子計算機を現実世界の組合せ最適化問題に活用するためには、組合せ最適化問題※1がもつ制約を効率的に取り扱うことが重要となります。これを受け、早稲田大学高等研究所准教授の白井達彦(しらい たつひこ)、同大学理工学術院教授の戸川望(とがわ のぞむ)らの研究グループは、組合せ最適化問題がもつ制約を量子計算機で圧縮して表現する技術(図1)を構築し、組合せ最適化の探索効率を向上するための新しい手法を開発しました。さらに本研究グループは、この手法をゲート型量子計算機※2に適用し、実量子計算機を模したシミュレータで精度の改善を確認しました。

図1 組合せ最適化問題のもつ制約を量子計算機で圧縮して表現するための手法の概要。
図1の補足:図中央上は量子回路を表し、量子ゲート※3(左から制御NOTゲートとXゲート)を作用させることで、表(図中央下)で示した変換を実行する。

これまでの研究で分かっていたこと

現実世界のあらゆるところに存在する組合せ最適化問題は大規模になるほど、従来型のコンピュータで最適解を得ることが困難になるため、様々な解法が研究されています。中でも近年、ゲート型量子計算機といった量子力学の原理にしたがって動作する新しいタイプの計算機が注目されています。量子計算機は国内外で研究開発され、一般のユーザーもクラウド上で使用できる段階になっています。
しかし、量子計算機を活用するにはまだ課題が多くあります。とくに制約をもつ組合せ最適化問題を解くことは社会的に重要である一方で、現在の量子計算機では十分な精度を達成することは難しいという課題があります。これまで、この困難を克服するためさまざまな手法が開発されてきました。しかし、これらの手法は、特定のタイプの制約に適用範囲が制限されており、社会課題に現れる複雑な制約をもつ組合せ最適化問題を解くことは依然として困難です。

新たに実現しようとしたこと、明らかになったこと

 今回の研究では、現実世界の組合せ最適化問題に現れる制約に対して汎用的に適用可能な手法を実現しようと試みました。そこで、探索の効率化を実現するため、制約を満たす解の集合を圧縮して表現することを考えました。たとえば、図1では、1個の果物をAlice(以下A)とBob(以下B)のどちらかに与えるという問題を考えます。それぞれAとBに1個ずつの量子ビットを対応させ、量子ビットが1のとき果物を与える、量子ビットが0のとき果物を与えないとします。すると2個の量子ビットが必要となります。このとき、果物の個数は1個ですので、2個の量子ビットのうち、一方は0、もう一方は1とする必要があります。これが制約です。ところが量子計算機は一般に制約を満たさない解を出力します。たとえば、2個の量子ビットの両方が0あるいは両方が1となるような解です。このような制約を満たさない解があるとエネルギー地形が複雑化(凸凹)するため、量子アルゴリズムの精度を悪化させる要因となります。そこで、制約を満たす解の個数が2個であることに着目し、1個の量子ビットでこれらを表現することを考えます。具体的には、図1の表で与えられる変換を考えます。このとき、x_A^’を0に固定した解空間を考えると、x_B^’=0とx_B^’=1がそれぞれ制約を満たす解に対応しています。このように、もともと2個の量子ビットで表現されていた制約を満たす解空間を1個の量子ビットで圧縮して表現できることがわかります。こうしたもともとの問題で必要とする量子ビットの個数より、少ない個数の量子ビットで表現された空間を圧縮空間と呼びます。圧縮空間では探索する必要のある解の個数が減るため、精度高く最適解を探索できることが期待されます。
今回の研究では、ゲート型量子計算機を用いて圧縮空間を構築する方法を明らかにしました。圧縮空間を与える変換は、ゲート型量子計算機で操作する量子ゲートを組み合わせて表すことができます。そこで、組合せ最適化問題の制約に応じて、圧縮空間を構成する量子ゲートの組合せを探索するための量子アルゴリズムを開発しました。この方法は、原理的にはあらゆるタイプの制約に適用でき、現実世界に現れる多くの組合せ最適化問題に対して有効です。さらに典型的な制約をもつ組合せ最適化問題に対して、具体的に本手法が適用可能であることを示しました。実際に、量子計算機で解くことが困難とされる3つのタイプの組合せ最適化問題に対して、本手法を組み込んだ場合(提案手法)と組み込まなかった場合(従来手法)とを比較した結果、提案手法で得られた答えの精度が高いことがわかりました(図2)。

図2.手法の比較
図2の補足:縦軸横軸の値は各組合せ最適化問題の最適解が得られる確率を表しています(1が最も精度が高い)。縦軸に提案手法、横軸に従来手法を示しました。四角(赤色)のデータは最大kカット問題※4(k=3,4)、丸(緑色)のデータは二次ナップサック問題※5、三角(青色)のデータは二次割当問題※6を表し、それぞれシミュレータを用いて実験を行った結果をプロットしています。データが対角線の上側にあることは、提案手法において従来手法より性能が改善していることを示しています。

研究の波及効果や社会的影響

本手法を使うことによって、より精度高くさまざまな制約をもつ組合せ最適化問題を解くことができます。本手法は量子計算機に簡単に導入することができることから、現在のまた近未来的に実現する量子計算機の性能を最大限引き出すための量子ソフトウェア開発の要素技術として利用されることが期待されます。たとえば、今回の手法により交通流の最適化が実現すると、渋滞の解消や二酸化炭素排出量の削減など社会的問題へ大きく貢献する可能性があります。

課題、今後の展望

本手法では、組合せ最適化問題のもつ制約を量子計算機で圧縮して表現する手法を開発しました。今後、量子計算機の性能が向上するとともに、一層広範囲の組合せ最適化問題に適用可能となることが期待されます。また、圧縮空間を構築する方法は、組合せ最適化問題にとどまらず、化学計算や機械学習などへの応用が考えられます。実世界に見られるさまざまな具体的な問題に対して、本手法の有効性を検証していきます。

研究者のコメント

本研究ではゲート型量子計算機を精度高く利用するための手法を開発しました。本研究で開発した手法を使うことで、量子計算機の性能が最大限発揮され、今後新たに量子計算機を活用できる事例が増えることを期待します。

キーワード

組合せ最適化、制約、量子アルゴリズム、圧縮、量子ソフトウェア

用語解説

※1 組合せ最適化問題
膨大な選択肢の中から、与えられた制約を満たしつつ、関数の最小値(または最大値)をとる選択肢を求める問題の総称。

※2 ゲート型量子計算機
現在の計算機を構成するビットを量子ビットで置き換えた計算機であり、量子ゲートと呼ばれる演算を量子ビットに作用させることで動作する。

※3 量子ゲート
ゲート型量子計算機における演算素子。図1で示した、制御NOTゲートとXゲートは、古典計算における排他的論理和やNOTに対応する。

※4 最大kカット問題
与えられたグラフの頂点集合を、異なる部分集合間を繋ぐ辺の数を最大にするようにk個の部分集合に分割する組合せ最適化問題。

※5 二次ナップサック問題
ナップサックの容量と品物の価値が与えられたとき、容量を超えない範囲でナップサックに入れる品物の総価値を最大化する組合せ最適化問題。

※6 二次割当問題
工場と地点が同じ個数与えられたとき、各工場を各地点に割り当てたときの地点間の輸送コストの合計を最小化する組合せ最適化問題。

論文情報

雑誌名:IEEE Transactions on Quantum Engineering
論文名:Compressed space quantum approximate optimization algorithm for constrained combinatorial optimization
執筆者名(所属機関名):Tatsuhiko Shirai*(早稲田大学)、 Nozomu Togawa(早稲田大学)
掲載日時:2025年8月25日
掲載URL:https://ieeexplore.ieee.org/document/11139119
DOI:https://doi.org/10.1109/TQE.2025.3602404

研究委託

研究委託元:NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)
研究課題名:JPNP16007「高効率・高速処理を可能とするAIチップ・次世代コンピューティングの技術開発/次世代コンピューティング技術の開発/量子計算及びイジング計算システムの総合型研究開発」
代表機関:国立研究開発法人産業技術総合研究所
本学の研究代表者名:戸川望(早稲田大学)

研究助成

研究費名:科研費・若手研究
研究課題名:23K13034「非平衡量子開放系における物性制御法の開発」
研究代表者名:白井達彦(早稲田大学)

❌