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局面にフィットする”切り紙型”熱電発電デバイス

著者: contributor
2025年10月22日 14:14

局面にフィットする“切り紙型”熱電発電デバイス
高いフレキシブル性能と高い発電性能の両立を実現

ポイント

  • 薄いフィルム基板に切り込みを入れて立体化する切り紙の構造を利用し、人体などの曲面熱源に貼付可能でありかつ 高い発電性能を有する熱電発電デバイスを実現しました。
  • 平面状態で熱電素子を実装するため、熱電発電において有利な細長い熱電素子を容易に実装可能です。
  • 切り紙構造により立体的にすることで、平面状態よりも熱電素子に温度差が付き高い電力を発電可能です。
  • 切り紙構造により高いフレキシブル性を有しており、曲率半径0.1mmの屈曲変形や1.7倍に伸ばす延伸変形が可能です。
  • 今回考案した構造は、曲面の熱源に追従可能であるだけでなく放熱フィンとなる天板部も有しているため、高い発電性能を有しています。
  • ヒトの皮膚に貼付した際に体温を無線送信できることを示し、ウェアラブルIoT機器への応用可能性を示しました。

概要

近年、IoT (Internet of Things) デバイス※1の自立電源として、温度差から電力を得るフレキシブル熱電発電デバイスが注目されていますが、曲げたり伸ばしたりするフレキシブル性能と高い発電性能を両立させることは困難でした。

早稲田大学 理工学術院 岩瀬英治(いわせ えいじ)教授寺嶋真伍(てらしま しんご)講師(任期付き)らの研究グループは、熱電発電デバイス(Thermoelectric Generator: TEG)※2の新構造として図1のような切り紙構造の一種である「ポップアップ切り紙構造※3」を考案し、フレキシブル性能と高い発電性能の両立を実現しました。具体的には、曲率半径0.1㎜の屈曲変形や1.7倍の延伸変形させることができるにもかかわらず、これまで提案されたフレキシブル熱電発電デバイスの発電能力を凌駕しました。

このことを活かした応用として、曲面熱源であるヒトの体表に貼付し、ヒトの体温と空気の温度差で生じる発電を利用して体温の無線送信にも成功し、これまでにない発電性能を有した熱電発電デバイスであることを実証しました。今後、ウェアラブル機器や医療・福祉分野への応用が期待されます。

本研究成果は、国際学術誌「npj Flexible Electronics」のオンライン版に2025年10月21日に公開されました。

論文名: Pop-up kirigami thermoelectric generator with high stretchability and conformal thermal interfaces

図1 曲げ変形および伸縮変形が可能なポップアップ切り紙型熱電発電デバイス(図中のNはN型の熱電素子を示し、PはP型の熱電素子であることを示す)

これまでの研究で分かっていたこと

IoTデバイスやウェアラブル機器の普及に伴い、バッテリー交換不要で環境から電力を得られる発電技術が注目されています。中でも、ヒトや配管のような曲面から熱を利用できるフレキシブル熱電発電技術は有望視され、近年、研究が盛んに行われています。

従来の研究において、シリコーンゴムなどのゴム材料を基板材料として適用することで、フレキシブルな熱電発電デバイスは提案されているものの、ゴム材料の熱抵抗が高く発電量を大きく損なっていました。すなわち、フレキシブル性能と高い発電性能にはトレードオフの関係がありました。そのため、材料に依らず構造によってフレキシブル性能を得る方法として、折り紙や切り紙の構造を利用したフレキシブル熱電発電デバイスが注目され始めました。しかしながら、これまでフレキシブル熱電発電デバイスに適用された折り紙や切り紙の構造は、ミウラ折り※4や七夕飾り(天の川)※5の構造といった一般的な折り紙や切り紙の構造であり、熱源への接触が面接触ではなく線接触であったり、大気への放熱面がないなど、熱電発電デバイスには不向きな構造でした。

新たに実現しようとしたこと、明らかになったこと

本研究では、熱電発電デバイスが抱えるフレキシブル性能と高い発電性能の両立が困難であるという課題を解決するため、新たな切り紙構造である「ポップアップ切り紙構造」を考案しました。

非伸縮性材料の薄いフィルム基板に切り線パターンを施し、平面状態で熱電素子を実装した後、立体的に展開させることで屈曲性・伸縮性を実現させ、多様な曲面熱源への適合性を可能にしました。

性能評価の結果、曲げや延伸といった変形を加えても、フラットな状態と同等の発電性能を維持できることを確認しました。また、曲率半径0.1mmの屈曲変形や1.7倍に伸ばす延伸変形が可能であることを示しました(図2)。したがって、緩やかに曲がった熱源のみならず、90度に曲がった角を持つような熱源であっても貼付可能です。

らに、開発した熱電発電デバイスを無線送信回路と接続したセンシングの実証では、ヒトの体表に貼付し、ヒトの体温と空気の温度差で発電することで、体温の無線送信実証にも成功し、ウェアラブルIoT機器としての有用性を実証しました。これまで、ヒトの皮膚の体温(34℃程度)と大気(22℃)の温度差から無線送信が可能な電力(100 μW)を得るのは困難であり、本熱電発電デバイスが高い発電性能を有しているといえます。これにより、電池交換や廃棄の必要無しに、血圧や体温などの健康状態をモニタリングすることが可能となります。

図2 各種変形時の性能計測結果

研究の波及効果や社会的影響

本研究により、従来困難だった「高いフレキシブル性能と高い発電性能を有する熱電発電」が可能となり、IoTデバイスやウェアラブル機器のメンテナンスフリー化が現実となります。また、以下のような波及効果と社会的インパクトを有しています。

1.エネルギー自立型IoT社会への貢献:

電池交換の不要な自己発電型センサとして、IoTネットワークの信頼性・持続性を大きく向上させることが可能です。特に、センサが多数設置されるスマートシティやインフラモニタリングにおいて、メンテナンスコストの低減と長期運用が期待されます。

2.ウェアラブルヘルスケアの進展:

人体に密着して安定した発電が可能であることから、バイタルサインを常時測定するヘルスケアデバイスへの応用が可能です。患者の体温や状態をリアルタイムで把握することにより、遠隔医療や高齢者の見守り支援にもつながります。

3.災害・非常時の電源確保

やかんなど身近な熱源から電力を得られるため、停電時や災害時にも携帯端末や通信機器の動作に必要な電力を確保でき、非常用電源としての有効性が期待されます。特に電力インフラの整わない地域や緊急避難所などにおいて大きな社会的価値を持ちます。

4.切り紙構造技術の新展開

これまでアートや一部の機構設計に限られていた切り紙技術を、熱設計と融合し、高性能なエネルギーデバイスへと展開した本研究は、複数分野にわたる融合研究の先駆例となります。

課題、今後の展望

本研究で提案したポップアップ切り紙構造は、本研究で用いた細長く硬い熱電素子だけでなく、カーボンナノチューブ(CNT)シートのような薄膜の熱電素子にも適用可能な構造であるため、様々な熱電材料へ展開することが考えられます。さらに、現在のフレキシブル基板で一般的に用いられている、ポリイミド銅基板を基板材料として用いており、立体化の工程以外は現在のフレキシブル基板の製造工程で実現可能なため、量産化・大面積への展開が容易であると考えています。

低コストで製造可能なフレキシブル熱電発電デバイスを開発することで、IoTセンシングデバイスやウェアラブル機器に利用可能な自立型電源を実現できると考えられます。

研究者のコメント

切り紙は、折り紙に比べると国際的な認知度がやや低めではありますが、学術的にも興味深い特徴を多数持っているため、電子デバイスとの相性は良いです。熱電材料のみならず今回提案したように構造についての研究が広く行われ、国際的に広く使用される未来を期待します。

キーワード

切り紙、熱電発電、IoT (Internet of Things)、フレキシブル電子デバイス、ストレッチャブルディスプレイ、ウェアラブル機器、次世代エレクトロニクス

用語解説

※1  IoT (Internet of Things) デバイス
センサや家電、機械などの「モノ」がインターネットにつながり、データを送受信する仕組みを指します。温度や動きなどを自動で測定・制御でき、スマート家電や医療機器、工場の監視装置などに広く使われています。電池交換が難しい場所で使われるため、自己発電機能を備えたIoTデバイスが期待されています。

※2 熱電発電デバイス(Thermoelectric Generator: TEG)
デバイスの両端に与えた温度差に対して、電圧が発生する熱電効果(ゼーベック効果)を利用した発電デバイス。デバイスに生じる温度差が発電量につながるため、温度の高い熱源には密着し、温度の低い大気には良く放熱することが重要である。

※3 ポップアップ切り紙構造
長手方向に圧縮することで高さ方向に立ち上げることのできる切り紙構造であり、電子部品を載せる平らで変形しない面を持ち、構造全体を引き伸ばすことができます。立ち上げ後には、熱電素子が実装された脚部は無変形であるため平面を保ったまま曲げ伸ばしができる構造です。

※4 ミウラ折り
日本の航空宇宙工学者・三浦公亮先生が考案した折り紙構造で、折り紙工学の分野において最も有名な折り紙構造です。折り紙工学における周期的パターン構造の一つで、平面を山折りと谷折りでタイル状に配置することで、1自由度構造として折り畳み・展開できるのが特徴です。人工衛星の太陽光パネルなどに応用されています。

※5 七夕飾り(天の川)
紙などのシート材に規則的で平行なスリットが入った構造で、引き伸ばすことができないシート材であっても、引き伸ばしが可能になります。引き伸ばすと、立体的で規則的な網目状パターンが現れるため、日本の七夕の時期には装飾品として扱われます。

論文情報

雑誌名:npj Flexible Electronics
論文名:Pop-up kirigami thermoelectric generator with high stretchability and conformal interfaces
執筆者名:Shingo Terashima(早稲田大学)*、Eiji Iwase(早稲田大学)
*:責任著者
掲載予定日時(現地時間):2025年10月21日
掲載予定日時(日本時間):2025年10月21日
掲載URL:https://www.nature.com/articles/s41528-025-00454-z
DOI:https://doi.org/10.1038/s41528-025-00454-z

研究助成

研究費名:NEDO先導研究プログラム/未踏チャレンジ
研究課題名:切り紙型熱電デバイスによる自立無線センサシステムの研究開発
研究代表者名(所属機関名):岩瀬英治(早稲田大学)

2025年度 W-SPRING・W-SPRING-AI博士フォーラムを開催

著者: contributor
2025年10月22日 14:13

2025年9月19日(金)、早稲田大学国際会議場において「W-SPRING・W-SPRING-AI博士フォーラム」を開催しました。

本フォーラムは、博士後期課程への進学を後押しするとともに、研究力向上とキャリアパスの多様化を支援するために国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が展開する事業である「次世代研究者挑戦的研究プログラム(SPRING)」および「国家戦略分野の若手研究者及び博士後期課程学生の育成事業(BOOST)」の支援を受け、本学が運営している「早稲田オープン・イノベーション・エコシステム挑戦的研究プログラム(W-SPRING)」および「早稲田次世代AIイノベーション・エコシステム挑戦的研究プログラム(W-SPRING-AI)」について、成果報告、分野融合・学生同士のネットワーク構築および将来の共同研究実施のきっかけの場作りを目的として開催するものです。

昨年度に続き2回目の開催であり、12の研究科からW-SPRINGおよびW-SPRING-AIの支援学生約200名が一堂に会し、交流を深めました。

冒頭、本学常任理事・W-SPRING事業統括の本間敬之(理工学術院・教授)から、本フォーラム開催にご協力くださった産業界等の方々への御礼とともに、学生に対して「W-SPRINGやW-SPRING-AIではイノベーションを牽引する博士人材を育成することを目的としていますが、博士の研究はしっかり深掘りしながら、それが社会にとってどのような価値があるのか、どのように産業に貢献するか、という意識を持ってもらいたいと考えています。本日は幅広い分野の博士課程に在籍する仲間が多く参加しています。このような機会を活用し、異分野の学生との議論を通して、俯瞰的に物事を見る力をつけてもらいたいと思います。ぜひ、学生同士の交流を深めてネットワークを広げてください。」と、メッセージが送られました。

常任理事・W-SPRING事業統括 本間敬之(理工学術院・教授)

続く、来賓の文部科学省科学技術・学術政策局長の西條正明氏からは、「博士課程で日々研究に邁進される皆さんは、まさに知のフロンティアを切り開く先駆者です。博士人材の持つ深い専門知識と課題発見解決能力などの汎用的能力や新たな知を創造する力は、イノベーションの質とスピードを強化し、企業の競争力を格段に向上させるものと確信しております。社会の多様なフィールドで活躍できる博士人材が育ち活躍することで、博士人材の価値が一層高まり、優秀な学生が博士課程に進学するという好循環を生み出すことが可能になると考えております。私どもも、昨年『博士人材活躍プラン』をとりまとめ、今年は経済産業省と共同で設置した有識者会議で『博士人材の民間企業における活躍促進に向けたガイドブック』『企業で活躍する博士人材ロールモデル事例集』『博士人材ファクトブック』の3点をとりまとめ、博士人材の活躍・活用を企業に伝える取り組みを行っています」と、博士学生への期待と、博士人材を応援する活動の紹介をいただきました。

文部科学省科学技術・学術政策局長 西條正明氏

また、W-SPRING-AI事業統括の鷲崎弘宜(理工学術院・教授)からは、本フォーラムの趣旨説明として学生に向けて、「三つの狙い」が伝えられました。

  1. アカデミアだけでなく、様々な業種の企業からも多くの人においでいただいている。自分の研究が社会においてどのように貢献できるか、どう実装を進めるかを考える機会としてもらいたい。
  2. 新しいアイデアやイノベーションは異分野の交流・連携から生まれる。今日は約200人の博士人材が集まっており、その中で少なくとも一人は自分の研究とのつながりや発展を見出せる人がいるはずである。ぜひ、その一人を見つけてほしい。そうした異分野連携を奨励すべく、学生間の異分野連携相乗型共同研究を募集する予定である。
  3. ポスターセッションやグループワーク、交流会などで、積極的に交流を進め、ヒューマンスキルを磨いてもらいたい。

W-SPRING-AI事業統括 鷲崎弘宜(理工学術院・教授)

趣旨説明ののち、30分ごと、4パートに分けてポスターセッションが行われました。全パートにおいて研究分野を限定せず混在させながら、ポスターには統一して自己紹介、研究概要、キャリアデザインを記載するフォーマットとすることで、異分野の学生が議論に入りやすい工夫を取り入れました。学生たちは、異分野のポスター発表にも積極的に参加して質問を重ね、議論を深めていました。

ポスターセッションの様子:時には複数の分野の学生がディスカッションする様子も見られた

ポスターセッションの様子:いずれのグループの学生も、指定されたセッション時間中、非常に真剣に研究成果やキャリアデザインについて議論した

午後の部は、まず2025年度より開始した異分野融合研究プロジェクトについて、今年度採択された2件のプロジェクトの発表がありました。

  1. The neural mechanisms underlying listening difficulties: A focus on speech perception and production.
  2. Visualizing the learning effects of “Failure”: An interdisciplinary approach to elucidating learning processes.

異分野融合研究プロジェクト発表の様子

次に基調講演として、W-SPRING-AI副事業統括の尾形哲也(理工学術院・教授)から“Embodied AI: Empowering robots with foundation models”というタイトルでロボット研究の最前線や社会実装に向けた活動の紹介がありました。

オンラインで講演したW-SPRING-AI副事業統括 尾形哲也(理工学術院・教授)

続いて行われたグループワークでは、「AIがどれほど進化してもなお、人間にしか解決できない課題とは何だろうか?」をテーマに、異分野のグループに割り振られた博士学生たちがディスカッションを重ね、その結果を2分間のプレゼンテーション資料としてまとめ、発表しました。各グループに、産業界やアカデミアで活躍するファシリテーターが1名ずつ参加し、議論を始めるきっかけやテーマに関する助言をもらいながらグループワークが進められました。プレゼンテーションでは、内容の充実度はもちろんのこと、短い時間で聴衆に印象を残すための資料や話し方の工夫が多く見られました。すべてのグループの発表後、ファシリテーターを代表して6名から、総評と企業紹介がありました。

グループワークの様子:自由にツールを用いながら議論を積み上げていく学生たち

グループワークの様子:グループワーク終盤では、プレゼンテーションでどう引き付けるか、にもこだわる様子がみられた

グループワークを終えたのち、発表の様子

懇親会・ネットワーキングでは、ファシリテーターから「いかに良い『問い』を見つけるかを博士研究においても意識してほしい」「今回のように、分野に横串を通してチームで議論を進められるのが早稲田の良いところである」「グループワークでは『AIにできないこと』が問いであったが、ビジネスの視点からは『AIに(だけ)できることが何か』を探すことも重要」といったコメントをいただきました。

様々な分野、学年の博士学生たちが、自身の持つ知見を用いて意見を交わし、多様な業界・業種のファシリテーターの助言を受け入れながらより良い結果を導き出そうとする様子が、今後の日本を牽引する博士人材として頼もしく感じられたイベントとなりました。

 

 

早稲田オープン・イノベーション・エコシステム挑戦的研究プログラム(W-SPRING)

将来の我が国の科学技術・イノベーションの基盤となり、社会課題の解決に取り組む博士学生を育成するとともに、博士の多様なキャリアパスを確立させることを目指して、2021年度から開始し、2024年度から2期目を迎えた博士学生支援プログラムです。経済的支援として、博士学生一人当たり最大で年間290万円を240人に、最長3年間支給するとともに、学位取得後を見据えたキャリア開発・育成コンテンツをカリキュラムに組み込むことで、博士人材が産業界で幅広く活躍するための素養を身に付け、社会実装を目的とした融合的研究に専念できるよう支援しています。

本プログラムの実施を通じて、社会の課題解決と産業界のニーズに応え得るべく、博士課程の教育改革をこれまで以上に押し進め、日本の産業競争力の強化と社会の持続可能な発展に寄与していきます。

(本プログラムは、文部科学省/JST「次世代研究者挑戦的研究プログラム<Support for Pioneering Research Initiated by the Next Generation(SPRING)>」に採択されています)

早稲田次世代AIイノベーション・エコシステム挑戦的研究プログラム(W-SPRING-AI)

博士学生が、領域横断に AI イノベーションを生み出し続け、世界的な AI 技術・応用の研究をリードし、同分野の研究を本格的に推進・先導するリーディングサイエンティストに成長することを目指して、2024年度から博士学生への支援を開始いたしました。経済的支援として、博士後期課程の学生一人当たり最大で年間390万円を最長3年間支給するとともに、学位取得後を見据えた育成コンテンツをカリキュラムに組み込むことで、次世代AI分野に関する高度な専門性と研究遂行能力を身に付けると同時に、自身の研究に専念できるよう支援します。

本プログラムの実施を通じて、次世代 AI 分野におけるイノベーション創出や日本の産業競争力強化に貢献していきます。

(本プログラムは、文部科学省/JST「国家戦略分野の若手研究者及び博士後期課程学生の育成事業 次世代AI人材育成プログラム(博士後期課程学生支援)」に採択されています)

Synthesis and Properties of Rigid Chiral Skeletons and their Derivatives with Boron-Containing Building Blocks (2025/11/12)

著者: staff
2025年10月20日 09:58

演題:Synthesis and Properties of Rigid Chiral Skeletons and their Derivatives with Boron-Containing Building Blocks

日時:2025年11月12日(水) 16:20-18:00

会場:早稲田大学 121号館 コマツ100周年記念ホール

講師:焦 佼 (西安交通大学・副教授)

対象:学部生、大学院生、教職員、学外者、一般

参加方法:入場無料 直接会場へお越しください

主催:先進理工学部 応用化学科

問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課

TEL:03-5286-3000

“Ultra-low loading Cobalt catalysts for oxygen reduction reaction”(2025/11/3)

著者: staff
2025年10月20日 09:57

演題:”Ultra-low loading Cobalt catalysts for oxygen reduction reaction”

日時:2025年11月3日(月) 13:30-15:10

会場:早稲田大学 西早稲田キャンパス55N号館1階 第二会議室

講師:Günter Motz  (バイロイト大学教授・学術ディレクター)

対象:学部生、大学院生、教職員、学外者、一般

参加方法:入場無料 直接会場へお越しください

主催:先進理工学部 応用化学科

問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課

TEL:03-5286-3000

「Organic Optoelectronics through Polariton Quantum Condensates」(2025/11/10)

著者: staff
2025年10月16日 11:35

演題:「Organic Optoelectronics through Polariton Quantum Condensates」

日時:2025年11月10日(月) 16:20-18:00

会場:早稲田大学 西早稲田キャンパス 55N号館 1階 第一会議室

講師:石井 智大 (北海道大学 電子研助教)

対象:学部生、大学院生、教職員、一般

参加方法:入場無料 直接会場へお越しください

主催:先進理工学部 化学・生命科学科

問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課

TEL:03-5286-3000

Halide in Halide Perovskites is a Boon and a Bane (2025/11/10)

著者: staff
2025年10月16日 11:35

演題:Halide in Halide Perovskites is a Boon and a Bane

日時:2025年11月10日(月) 14:40-16:20

会場:早稲田大学 西早稲田キャンパス 55N号館 1階 第一会議室

講師:Jena Ajay Kumar (東京大学大学院総合文化研究科附属先進科学研究機構特任准教授)

対象:学部生、大学院生、教職員、一般

参加方法:入場無料 直接会場へお越しください

主催:先進理工学部 化学・生命科学科

問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課

TEL:03-5286-3000

Molecular Engineering for Lead Perovskite Photovoltaics (2025/11/10)

著者: staff
2025年10月16日 11:34

演題:Molecular Engineering for Lead Perovskite Photovoltaics

日時:2025年11月10日(月) 13:00-14:40

会場:早稲田大学 西早稲田キャンパス 55N号館 1階 第一会議室

講師:郭 章林 (九州大学 カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所 助教)

対象:学部生、大学院生、教職員、一般

参加方法:入場無料 直接会場へお越しください

主催:先進理工学部 化学・生命科学科

問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課

TEL:03-5286-3000

ユーティリティデータを活用した業界横断のデータ連携に関する実証実験を開始

著者: contributor
2025年10月15日 15:38

ユーティリティデータを活用した業界横断のデータ連携に関する実証実験を開始
~地域のリソース最適活用と脱炭素社会の実現を目指して

学校法人早稲田大学スマート社会技術融合研究機構(以下:早稲田大学)、株式会社 REDER(以下:REDER)、株式会社ネクステムズ(以下:ネクステムズ)、株式会社 NTT データグループ(以下:NTT データグループ)、株式会社NTT データ(以下:NTT データ)は、地域全体で脱炭素化を推進することを目指し、地域の労働力やエネルギーなどのリソースの過不足をマッチングし、有効活用する実証実験を開始しました。地域全体での脱炭素化の実現には、単一事業者や単一業界での取り組みでは限界があり、業界横断でのデータ連携・活用と共通エコシステムの形成が不
可欠です。本実証では、まず電気・水道・ガスといったエネルギーリソースを対象とし、それらユーティリティ分野の事業者間で安全にデータを連携させる仕組みを地域密着型の先行モデルで検証します。将来的にはさまざまな地域への展開や、共通のデータ連携エコシステム注 1 の構築により、事業者の開発・運用コストを抑えつつ、地域全体の脱炭素化と持続可能な社会の実現を目指します。
※本事業の早稲田大学代表研究者は理工学術院の林泰弘教授です。

背景

近年、地域社会では人口減少や高齢化に伴い、労働力や資源の不足が大きな課題となっています。特に離島や中山間地域では、生活や産業を支える電気・水道・ガスといったエネルギーインフラサービスを安定的に維持するために、限られたリソースを効率的に活用する仕組みが必要です。
このような背景から、REDER、ネクステムズ、早稲田大学、NTTデータグループ、NTTデータは、各種リソース情報を管理する事業者間でのデータ連携・活用の仕組みが必要と考え、ユーティリティデータを軸とした業界横断のデータ連携に関する実証実験を開始しました。
従来は各事業者が個別にシステムを構築してきたため、開発・運用コストの負担が課題となっていました。本実証では、共通的なデータ連携エコシステムを形成することで、事業者間の協力を容易にし、これまで分断されていたリソースを地域全体で共有・活用できる仕組みの実現を目指します。これにより、各事業者の負担を抑えつつ、持続的に機能する新しい地域モデルの構築が可能になります。

実証実験の概要

実証期間:2025年度~2027年度
実証エリア:沖縄県波照間島
実証内容:

(1) 水道の揚水稼働やガスの利用状況など電力の需給バランスに影響を与えるさまざまな要素を対象にした、異なる事業者間のデータ連携を実現するプラットフォームの構築
  • エネルギーリソースは複数の事業者によって分散管理されていますが、いずれも安定供給に対して相互に影響を及ぼす特性をもつため、協調的に活用することが不可欠です。そのため、これらを事業者間で調整・最適化する調停機能をプラットフォームに備えます。
  • 異なるリソースの調停にあたっては、事業者間で機微な情報の共有が求められる場合がありますが、心理的な障壁から実行に踏み切れない事業者も少なくありません。こうした障壁を下げるため、データを秘匿化したまま扱える機能をプラットフォームに組み込み、安全かつ安心して連携できる環境を整えます。
(2) さまざまな事業者を実証フィールドに誘致し、構築したプラットフォームを用いた新規サービス・ビジネスに係る実証のコーディネート<h/5>
  • 例えば、農機・建機のレンタルやMaaS注2などのサービスと連携しバッテリー(着脱式を含む)の稼働率を高める事例は、地域で発電した再エネ由来の余剰電力をバッテリーの充電向けに有効活用できる可能性を秘めています。しかし、事業者間での調停が必要で、これまで実サービス化が進まない状況にありました。こうした状況に対し、実データを使用できるフィールドと調停機能を備えたプラットフォームを提供し、新規サービス創出を加速させます。
図1:実証実験のイメージ

 

ユースケース例:
① 水需要や発電量の予測などの情報を掛け合わせて、貯水・造水設備や蓄電池の稼働量を調停および最適化し、地域全体のコストを抑制。
② 各家庭や施設の太陽光発電・蓄電池の稼働情報などを統合し、発電と消費を調停およびバランスさせることで、地域全体のエネルギー利用効率を向上。

 

図2:ユースケース例①のイメージ
図3:ユースケース例②のイメージ

 

各社の役割

早稲田大学:需要予測の高度化および有識者などによる議論の場の提供
■収集される各種データを活用した需要予測の高度化手法の構築
■さまざまな分野の学識者、機構会員、企業有識者、学生などの参画・議論の場の提供

REDER:実証を行う事業者の誘致
■波照間島においてさまざまな事業者を募っての実証コーディネート
■オンサイトの各ユーティリティ計測をAPI連携する機能の構築
■ユーティリティ計測と連携し、社会マクロでのバッテリー(着脱式を含む)の稼働率最大化

ネクステムズ:実証のフィールドおよび分散型再エネ電源機器の提供
■自治体や住民との合意形成
■分散型再エネ電源機器注3(太陽光/蓄電池/EVなど)の需要側EMSの連携

NTTデータグループ/NTTデータ:ユーティリティ領域をはじめとする地域リソース情報連携基盤の提供
■安全かつ柔軟にデータを連携・活用できる企業間・組織間データ連携の総合サービス「X-CuriaTM(読み:クロスキュリア)」を基にした、地域リソース情報連携基盤の構築およびユーティリティ領域への適用
■上記により業界横断のデータ連携に必要な機能の抽出および改善の実施

今後について

2025年度後半からプラットフォームの検討・構築を実施し、2026年度中に他事業者を誘致しての実証を開始予定です。将来的には波照間島での実証結果を踏まえ、業界横断の安心安全なデータ連携の仕組みを他の地域に展開することを目指します。

(注1)「データ連携エコシステム」とは、事業者や組織同士が安全にデータを共有し合い、新しいサービスを生み出すための共通基盤や仕組みです。
(注2)「MaaS」とは、Mobility as a Serviceの略であり、地域住民や旅行者のトリップ単位での移動ニーズに応じて、複数の公共交通機関やそれ以外の移動サービスを最適に組み合わせて検索・予約・決済などを一括で行うサービスです。
(注3)「分散型再エネ電源」とは、家庭や事業所などが各地に分散して所有しているエネルギー源のことです(例:太陽光発電や蓄電池)。
*「X-Curia」は日本国内における株式会社NTTデータの商標です。
*その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

「代数的ベクトル束についてのシジジー的アプローチ」2025/12/10

著者: staff
2025年10月14日 11:42

演題:「代数的ベクトル束についてのシジジー的アプローチ」

日時:2025年12月10日(水) 10:40-12:20

会場:早稲田大学 西早稲田キャンパス 51号館 18-08

講師: 宮﨑 誓 (熊本大学名誉教授)

対象:一般

参加方法:入場無料 直接会場へお越しください

主催:基幹理工学研究科 数学応用数理専攻

問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課

TEL:03-5286-3000

「射影曲線の超平面切断の一様性・Cayley-Bacharach性」2025/12/9

著者: staff
2025年10月14日 11:42

演題:「射影曲線の超平面切断の一様性・Cayley-Bacharach性」

日時:2025年12月9日(火) 15:05-16:45

会場:早稲田大学 西早稲田キャンパス 51号館 18-08

講師: 宮﨑 誓 (熊本大学名誉教授)

対象:一般

参加方法:入場無料 直接会場へお越しください

主催:基幹理工学研究科 数学応用数理専攻

問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課

TEL:03-5286-3000

 

 

ベンゼン環の一発変換で創薬加速

著者: contributor
2025年10月13日 15:51

ベンゼン環の一発変換で創薬加速
芳香族ケトンを一度で多様なヘテロ環に

ポイント

  • 医薬品開発で重要な「芳香族環のヘテロ芳香環への置換」を、ワンステップで可能にする新反応を開発しました 
  • 古典的な反応を利用しつつ、従来の「進まない」という常識を覆し、多段階でしかできなかった変換を一度で実現しました。 
  • 医薬品や天然物由来の複雑な分子にも適用可能で、高収率かつ温和な条件で変換できます 
  • 医薬分子の構造多様化や物性改善を加速し、新薬創出に貢献する基盤技術として期待されます 

概要

ベンゼン環(芳香環)をヘテロ芳香環に置き換える「ヘテロ芳香環スワッピング」は、医薬品の溶解性や安定性を高める有効な手法ですが、従来は複雑な多段階反応が必要で汎用性が低いという課題がありました。 

早稲田大学の山口潤一郎(やまぐちじゅんいちろう)教授らの研究グループは、古典的なClaisen※4/逆Claisen反応※5を応用し、芳香族ケトン※1とヘテロ芳香族※2エステルを一度に反応させることで、ワンステップで多様なヘテロ芳香族ケトンを合成する新手法を開発しました。本反応は高効率で進行し、医薬品や天然物由来の複雑分子にも適用可能です。この成果は創薬研究や新材料開発に広く応用されることが期待されます。
本研究成果は、2025年10月9日 (木)に「Nature Communications」に掲載されました。
論文名:Heteroaromatic Swapping in Aromatic Ketones

これまでの研究で分かっていたこと

製薬企業の創薬研究者は、薬の性能を向上させるために、生物活性をもつ化合物(シード化合物)を有機合成化学の手法で改変し、より高活性で代謝安定性の高い薬へと作り直してきました。その中でも、芳香環(ベンゼン環)を、窒素などを含む大きさの近いヘテロ芳香環に置き換えると、水溶性や代謝安定性が改善されることが知られています。実際に、抗てんかん薬ペランパネルは、シード化合物のベンゼン環をピリジン環に変えることで、生物活性が約3倍向上しました。
ヘテロ芳香環にはピリジン環以外にも多様な種類があるため、研究者はさまざまなヘテロ芳香環に変換して活性を確認したいと考えてきました。これが「ヘテロ芳香環スワッピング」※3と呼ばれる手法です。しかし、ヘテロ芳香環の導入は合成の初期段階に行われることもあり、例えば、ヘテロ芳香環の導入から5工程かけて化合物を合成した場合、10種類の化合物を作ろうとすると50回の反応を行う必要あります。もし最終段階で、ワンステップ(1工程)で置換できれば、同じ10種類でもわずか10回で済みます。そのため、効率的に「ヘテロ芳香環スワッピング」を実現する簡便な方法の開発が強く望まれていました。

新たに実現しようとしたこと、明らかになったこと

今回、私たちの研究グループは、芳香族ケトンとヘテロ芳香族エステルを一度の反応で混ぜ合わせ、芳香族環を様々なヘテロ芳香環に置き換える新しい「ヘテロ芳香環スワッピング」を開発しました。この反応は、古典的なClaisen反応と逆Claisen反応を組み合わせたもので、容易に入手できる試薬と、温和な条件下で高効率に進行します。これにより、従来は多段階を必要とした変換を、ワンステップで実現することが可能になりました。さらに、この手法は官能基耐性※6が高く、医薬品や天然物など複雑な分子にも適用できることを実証しました。例えば、抗精神病薬である芳香族ケトン「ハロペリドール」の芳香環をワンステップで、ピリジン環をもつ新規類縁体へと変換可能です。ピリジン環のみならず25種類以上のヘテロ芳香環に変換できることもわかっています。

研究の波及効果や社会的影響

今回開発した「ヘテロ芳香環スワッピング」は、薬の開発における大幅な効率化を可能にします。従来は複数の工程を必要としていた構造改変をワンステップで実現できるため、研究者は短期間で多くの候補化合物を合成できるようになり、新しい薬の探索や最適化が大きく加速すると期待されます。
さらに本成果は、古典的なClaisen反応では中間体が安定で、逆Claisen反応は進行しないと考えられていた通説を覆すものです。ケトンに電子的な差をもつ中間体であれば、逆Claisen反応が容易に進行することを明らかにし、教科書の記載に影響を与える学術的成果としても意義をもちます。

課題、今後の展望

今回開発した芳香族ケトンの「ヘテロ環スワッピング」は、幅広い分子に適用可能である一方で、すべての基質に対応できるわけではありません。特に電子的に豊富なヘテロ芳香族や一部の単純なケトンでは反応が進みにくく、さらなる基質適用範囲の拡大が課題となります。最大の課題は、ベンゼン環の隣にケトンを持つ必要があるため、すべてのベンゼン環に適用できない点です。
今後は、この制限を克服し、より多様なベンゼン環をもつ化合物に適用できるような新しい改良法の開発を進めていきます。これにより、より幅広い医薬品候補化合物や機能性化合物に本手法を応用できるようになり、創薬や材料開発における可能性がさらに広がると期待されます。

研究者のコメント

教科書に明記されてきた通説に例外があることを示せたのは、私たちにとって大きな驚きであり、大きな達成感を得ています。このシンプルで実用的な手法は、創薬研究に携わる多くの研究者の助けになると確信しています。今後も有機化学の基礎反応を新しい視点から見直し、社会に貢献できる分子変換技術を生み出していきたいと考えています。

用語解説

※1 芳香族ケトン
ベンゼン環などの芳香環にカルボニル基(C=O)が結合した化合物。医薬品や機能性分子の合成中間体として広く使われています。

※2 ヘテロ芳香環
ベンゼン環のような芳香環の一部が窒素や酸素、硫黄などの原子に置き換わった環構造。薬の溶解性や安定性を改善する効果があり、多くの医薬品に利用されています。

※3 ヘテロ芳香環スワッピング
既存の芳香環を、異なるヘテロ芳香環に入れ替える手法。薬の効力や安全性を高めるための手法の一種で、創薬研究において注目されています。

※4 Claisen反応(クライゼン反応)
エステルやケトンのエノラートが縮合して1,3-ジカルボニル化合物をつくる有機化学の基本反応。19世紀末にドイツの化学者ルートヴィヒ・クライゼンが発見。

※5 逆Claisen反応
1,3-ジカルボニル化合物が逆方向に分解し、2つのカルボニル化合物(今回はケトンとエステル)に戻る反応。

※6 官能基耐性
反応の際に分子内の他の部位(アルコールやアミンなどの官能基)が壊れずに残る性質。耐性が高いと複雑な分子にも適用しやすくなります。

キーワード

芳香族ケトン、ヘテロ芳香族、分子編集、Claisen反応、逆Claisen反応、医薬品化学、骨格変換、合成化学、構造多様化、創薬

論文情報

雑誌名:Nature Communications
論文名:Heteroaromatic Swapping in Aromatic Ketones
執筆者名:Hikaru Nakahara(早稲田大学)、Ryotaro Shirai(早稲田大学)、Yoshio Nishimoto(京都大学)、Daisuke Yokogawa(東京大学)、Junichiro Yamaguchi*(早稲田大学)
掲載予定日時(現地時間):2025年10月9日
掲載予定日時(日本時間):2025年10月9日
掲載URL:https://www.nature.com/articles/s41467-025-64041-6
DOI:https://doi.org/10.1038/s41467-025-64041-6
*:責任著者

研究助成

研究費名:日本学術振興会 科学研究費補助金(JSPS KAKENHI)
研究課題名:結合交換反応の開発と機械学習最適化
研究代表者名:山口潤一郎(早稲田大学)
助成番号:JP21H05213

研究費名:日本学術振興会 科学研究費補助金(JSPS KAKENHI)
研究課題名:ラジカル生成過程の観測と追跡を可能とする高精度電子状態理論の開発
研究代表者名:横川大輔(東京大学)
助成番号:JP23H04911

その他、JST CREST (JPMJCR24T3)や科学研究費補助金(25K01775)も一部ご支援をいただきました。

 

Development of a Compton Camera for medical imaging(2025/11/10)

著者: staff
2025年10月13日 13:18

演題:Development of a Compton Camera for medical imaging

日時:2025年11月10日(月) 13:30-15:10

会場:早稲田大学 55号館N棟2階203  物理応物会議室

講師:Ivor  Fleck (Professor der Physik, University Siegen)

対象:学部生、大学院生、教職員、一般

参加方法:入場無料 直接会場へお越しください

主催:先進理工応用物理学科

問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課

TEL:03-5286-3000

顔画像処理夜明けの時代から現在を観る(2025/11/01)

著者: staff
2025年10月13日 13:16

演題:顔画像処理夜明けの時代から現在を観る

日時:2025年11月1日(土) 16:20-18:00

会場:早稲田大学 国際会議場 井深記念ホール

講師:金出 武雄 (カーネギーメロン大学創始者記念全学教授, 京都大学高等研究院招聘特別教授)

対象:学部生、大学院生、教職員、一般

参加方法:入場無料 直接会場へお越しください

主催:先進理工応用物理科  応用物理学科

問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課

TEL:03-5286-3000

 

(3年連続)おもしろ科学実験教室 in シンガポールを開催しました

著者: staff
2025年10月13日 11:28

2025 年 9 月 6 日(土)、7 日(日)の 2 日間にわたり、シンガポールに所在する早稲田大学系属・早稲田渋谷シンガポール校を会場として「おもしろ科学実験教室 in シンガポール」を開催しました。今回はシンガポール日本人学校中学部の生徒、シンガポール教育省語学センター(MOELC:Ministry of Education Language Centre)で日本語を学んでいる中高生、および早稲田渋谷シンガポール校の生徒を対象として、総勢 79 名の生徒が参加しました。

本企画は 2019、2023、2024 年に続き、今年で3年連続 4 回目を迎えました(2020 年~2022年は新型コロナウイルス感染症の影響で実施を見送り)。本実験教室は、自ら体験することを通じて科学への興味・関心を高める機会を提供するとともに、シンガポール在住の中高生に早稲田大学および早稲田渋谷シンガポール校を知っていただき、進学先候補として興味を持ってもらうこと、また早稲田渋谷シンガポール校の生徒には高大連携の一環として本学理工学部をより理解してもらうことを目的として実施しました。

会場となった早稲田渋谷シンガポール校

分離技術で、植物の成分を取り出す

実験のテーマは「植物の葉から光合成のヒミツの成分をとりだそう!~未来を支える分離技術~」です。今回は、特定のものを分離する技術である『細胞分画』と『カラムクロマトグラフィー』を用いて、植物から光合成の成分を分離する2つの実験に挑戦しました。

①細胞分画による葉緑体の分離

 
試料はムラサキゴテンを使用し、その紫色の葉から緑色の葉緑体を分離しました。目視では分かりませんが、顕微鏡でムラサキゴテンの葉を観察すると緑色の部分もあることが確認できます。観察後は、葉っぱを砕き、マイクロピペットという器具を上手に使いこなして試薬を加えたり、上澄み液を吸い取ったりしながら溶液を調製し、遠心力によって葉緑体だけを回収しました!

 

②カラムクロマトグラフィーによる光合成色素の分離

 
試料はほうれん草を使用し、光合成色素の分離を行いました。ほうれん草をすりつぶして得た溶液(抽出液)に青色LEDをあてると、緑色の液体が赤色に光ります!カラムに抽出液を入れ、カラムクロマトグラフィーにより成分を3種類に分離させることができました。

カラムクロマトグラフィーにより単離した光合成色素 左からカロテノイド、クロロフィルa、クロロフィルb

カラムクロマトグラフィーという手法を用いると、植物内の成分をこのように分離して観察できます。分離した溶液に青色LEDの光を当てることで、複数種類ある光合成色素の中でも自家蛍光で赤く光る特徴を持つクロロフィルを判別することができました!


実験指導には、早稲田大学理工学術院の技術職員のほかに早稲田渋谷シンガポール校の在校生も加わりました。彼らの的確な指導のもと、参加者は楽しく実験していました。実験の待ち時間や休憩時間は、趣味や休日の過ごし方、高校についての紹介等でどのテーブルも盛り上がっていました!

今回のテーマは高校や中学ではまだ学んでいない知識が含まれていたり、使ったことのない装置や器具を使用するため、内容や工程には難しい部分もありましたが、皆真剣に取り組み、大きな失敗もなく大成功で終えることができました。参加者の皆さんは、真剣な眼差しで実験に取り組み、葉が緑色に見える理由や、光合成の仕組みに深く関わる成分を自分の手で分析する喜びを感じていたようです。また、実験の合間には、学校の垣根を越えて生徒同士が活発に交流している様子も見られました。

シンガポール教育省語学センターの先生方は、「通常の学校では利用できない実験器具を用いて細胞分画やカラムクロマトグラフィーを体験する貴重な機会を得ました。また、実験教室は日本語で行われたため、生徒たちは日本語の科学用語にも触れることができました。高校生や大学スタッフとの会話を通じて日本語の会話力も磨かれ、実験体験はさらに充実したものとなりました。」とコメントされていました。

この実験教室は、本学理工センター技術部の職員や機器・装置だけではなく、本学が持つ海外拠点ネットワーク(早稲田渋谷シンガポール校)の物的・人的リソースの活用、早稲田渋谷シンガポール校在校生の協力、さらにシンガポール日本人学校、シンガポール教育省語学センター、理工パートナーズの支援により実現しました。この取り組みを通じて、多くの参加者に科学への興味関心を深める機会を提供することができました。

参加者の中から将来、早稲田生が誕生し、やがて世界で活躍する校友(卒業生)として、ともに科学技術や社会の発展に寄与していくことを、私たち職員一同願っています。

白衣を着た姿で記念撮影(写真は9/6午前の部)

記念品として配布した、スタッフ手作りの葉っぱ型小物入れ。本実験教室で使用した植物の葉をイメージし、3Dプリンターとレーザー加工機で作製!中には細胞小器官が描かれています。

次は早稲田で会いましょう!
See you again at WASEDA!

環境省「地域共創・セクター横断型カーボンニュートラル技術開発・実証事業」に新規採択

著者: contributor
2025年10月8日 17:34

再エネ導入を加速する次世代蓄電技術開発に着手

シリコン系負極を活用した高性能リチウムイオン電池で電力安定供給とカーボンニュートラルを推進

国立大学法人信州大学、TDK株式会社、国立大学法人鳥取大学、学校法人早稲田大学、ヴェルヌクリスタル株式会社の5者は、環境省が公募した「令和7年度 地域共創・セクター横断型カーボンニュートラル技術開発・実証事業」において、研究開発課題「再エネの導入促進に資するSi系負極を用いた系統用電力貯蔵システムに関する技術開発」(以下、本事業)が採択されたことをお知らせします。
本事業は、2050年カーボンニュートラル社会の実現に不可欠な再生可能エネルギー(以下、再エネ)の導入拡大を加速させるため、電力貯蔵システムの高度化を目指すもので、既存のリチウムイオン二次電池(以下、LIB)に使用されている黒鉛負極をSi系負極に置き換えることで、高エネルギー密度と高出力/長寿命の次世代LIBを開発・実証し、早期の社会実装を図ります。
※本事業の早稲田大学代表研究者は理工学術院の門間聰之教授です。

本事業の目的と技術的優位性

再エの出力変動を補い、安定した電力供給を可能にするためには、高エネルギー密度と高出力を両立した電力貯蔵システムが喫緊に求められています。しかし、現在の技術では、この両立は困難でした。本事業で開発するSi系LIBは、従来の黒鉛の代わりにSi系負極を用いることで、エネルギー密度を飛躍的に向上させ、かつ高い出力と長寿命化を同時に実現します。この革新的な技術は、既存の製造プロセスを転用できるため、他の次世代電池技術に比べて早期の社会実装が期待されています。また、主要材料であるシリコンは国内での供給安定性が高く、経済的な優位性も備えています。

実施体制と今後の展望

本事業は、令和7年度10月から2年半にわたり、各機関の専門性を結集して研究開発と実証を進めます。信州大学が代表機関として全体を統括し、材料評価、セル試作、劣化機構解析を分担します。共同実施者である鳥取大学はSi系複合材料の開発と基本性能評価を、早稲田大学は高度な解析技術を用いて劣化機構を解明します。ヴェルヌクリスタル株式会社は要素技術を統合したシステム開発を、TDK株式会社は開発した電極合材で試作したセルでの信頼性評価と事業化に向けたロードマップの策定を担当します。
本技術の社会実装を加速させることで、我が国のエネルギー安定供給とカーボンニュートラル社会の実現に貢献してまいります。

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