駿台予備校は、英語学者の山崎寿春 氏によって大正時代に設立された東京受験講習会が起源だ。
以来、駿台予備校の看板教師は一貫して英語科の先生で、徐々に数学科にもスタ-教師が現れるようになったが、教師番付の上位は英語教師が占めてきた。
駿台全国模試も英語に特徴があり、英文和訳問題が配点の多くを占める。
6月4日に受けた駿台全国模試の英語問題は、めくってもめくっても、英文和訳と英文内容を日本語で説明する問題が次々と出てくる。
これは国立大学英語筆記問題は飽くまで「英文内容を日本語で理解し日本語で表現する能力」を要求しているからという、駿台の確固たるスタンスにもとづいている。
「英文を読んで英語として理解する直読直解」を主張する英語教育の流派からすると、「時代遅れのアナクロニズム」と批判されている。
それに対して「難関国立大学はアカデミズムの立場から、英語の日常的運用能力よりも、研究者としての論文読解能力や論文表現力」が優先されるとして、一向に歯牙にも掛けずに無視している。
駿台が売りにしている東大入試では、「英語の日常的運用力」を試す問題もかなり出題されていると思うが、「英語の日常的運用力」は共通テストで十分だという姿勢だ。
だから、駿台模試はセンタ―入試の時代からマーク式問題には、授業も模試も重きを置いていない。
その隙をついてというか、センタ―入試とそれを引き継いだ共通テストでは、完全に河合塾がデータ分析、模試問題作成の面で圧倒的優位を築いた。
静高が掲げる「難関国立大学合格者数をベンチマ-クとする」と言う方針からは、駿台の記述模試を利用するのは理にかなったやり方だ。
少なくとも、英文和訳問題がほとんど出題されない「進研模試」を受けさせるよりも、入試対策としては有効である。
だが、静高では肝心の日常授業で「英文和訳、英文内容を日本語で説明させる演習」をやらない。
これは、英語の直読直解重視からと言うよりは、静高の英語教師の日本語能力が低いからだと塾長は見ている。
英文和訳にはかなり高度の日本語作文力が要求されるからである。
校内テスト、特に入試対策の学力テストで英文和訳問題を出さないのは、受験指導は日本語能力を必要としない「共通テスト対策」までが限界としているからだろう。