ノーマルビュー

NASAの火星ヘリコプターIngenuity、ミッション終了

著者: headless
2024年1月27日 21:28
NASA のビル・ネルソン長官は 1 月 25 日、火星ヘリコプター Ingenuity のミッション終了を発表した (NASA JPL のブログ記事動画)。

Ingenuity は大気密度が地球の 1% 程度しかない火星で初の動力飛行デモを行うため、火星探査車 Perseverance の腹部に取り付けられて火星へ向かった。名称は火星探査車の名称を決めるエッセイコンテストファイナリストに残った中から選ばれたものだ。

当初の計画は 30 sol にわたって計 5 回の飛行実験を行うというものだったが、計画は大幅に延長。3 年近くにわたって合計 72 回のフライトを完了し、総飛行距離は計画の 14 倍以上、総飛行時間は 2 時間を超える。

Ingenuity はひっくり返ったりしておらず、現在も地上と通信を行っているが、今週地球に届いた 1 月 18 日のフライト後の画像でローターブレードの 1 本が破損していることが確認され、NASA では飛行可能な状態ではないと判断したとのことだ。

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赤道地下に大量の氷が発見。火星を覆うのに十分な量

著者: nagazou
2024年1月23日 16:12

欧州宇宙機関(ESA)の火星探査機「Mars Express」が、火星の赤道地帯で非常に大量の氷を発見したそうだ。火星ではこれまでも赤道付近で氷の存在が確認されていたが、今回発見されたのは溶ければ火星を浅い海で覆えるほどの大量の氷だという(UchuBiz)。

この氷は地下3.7kmまで続く、厚さ数百メートルの固まった灰と乾燥した塵の地殻に覆われているそう。氷は純粋なブロックではなく塵に大きく侵食され、深さ1.5~2.7mで火星を覆うのに十分な量としている。ただし、氷が非常に深い場所に埋まっているため、アクセスは難しいと考えられているとのこと。

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NASAの火星探査車Curiosity、火星着陸から4千日

著者: headless
2023年11月11日 18:18
NASA の火星探査車 Curiosity は火星滞在日数が火星時間で 4,000 日 (Sol) を超えたそうだ (NASA JPL のブログ記事)。

Curiosity が火星のゲールクレーターに着陸したのは 2012 年 8 月 5 日。11 年以上にわたってゲールクレーター内の探査を続ける Curiosity は現在、古代の火星が微生物の生命を維持できる環境であったかどうかを調べるため、高さ 5km のシャープ山を徐々に登っている。

シャープ山の地層は火星の気候変動の記録であり、Curiosity はカリフォルニア・シエラネバダの場所にちなんで名づけられたターゲット「セコイア」から 39 番目のサンプルとなる岩石の粉末を Sol 3,982 ~ 3,983 に採取し、分析のために取り込んでいる。

昨年 Curiosity が特定した硫酸塩鉱物と炭酸塩鉱物は大昔の火星の様子を理解するため大きな役に立った。このような結果は 10 年以上待ち続けていたものであり、セコイアのサンプルからさらなる情報が得られると期待される。

なお、火星は間もなく地球から見て太陽と同じ方向に位置するとなり、数週間は通信が妨げられる可能性がある。そのため、エンジニアは 11 月 6 日 ~ 28 日の to-do リストを Curiosity に渡し、安全に通信が回復できる時期を待つとのことだ。

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火星探査車 Curiosity が撮影した火星の「絵葉書」

著者: headless
2023年6月18日 12:38
NASA が火星探査車 Curiosity 撮影のパノラマに着色し、火星の「絵葉書」として公開している (NASA JPL のニュース記事)。

Curiosity は 4 月に大規模なソフトウェア更新を実施しているが、パノラマは更新完了直後の 4 月 8 日、火星の現地時間午前 9 時 20 分と午後 3 時 40 分にナビゲーションカメラで撮影されたものだ。なお、ソフトウェア更新には画像処理の高速化が含まれるが、撮影機能自体は更新前と変わらない。

午前と午後のパノラマはそれぞれ 7 分半かけて撮影され、各 5 枚の画像が地球上でつなぎ合わされた。NASA は 2021 年 11 月にも Curiosity が午前と午後に撮影したシャープ山のパノラマで「絵葉書」を作っている。今回も異なる時間帯に撮影されたパノラマを組み合わせ、午前を示す青系と午後を示す黄色系に塗り分けることで舞台照明のような効果を生んでいる。

現在、Curiosity はゲールクレーター内にあるシャープ山のふもとを上っている。写真では Curiosity の轍とともに、予想されていなかった古代の湖の痕跡を発見した「Marker Band Valley」などこれまで探査してきた地形が写っている。撮影時期が空気の澄んだ冬季だったこともあり、およそ 40 km 離れたクレーターの縁や、87 km 離れたクレーターの外にある山々も見ることができる。

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NASA の火星ヘリコプター Ingenuity、4 月に 1 週間近く行方不明になっていた

著者: headless
2023年6月3日 13:32
NASA の火星ヘリコプター Ingenuity は順調に飛行を重ねているが、4 月初めには 1 週間近く通信が途絶えていたそうだ (NASA のニュース記事The Register の記事)。

通信が途絶えたのは Sol 752 (地球時間 4 月 2 日) に実施された 49 回目の飛行の数日後。49 回目の飛行は強風によるバッテリーの温度低下とコマンドシーケンシングの軽微な問題で 2 回中止されており、3 回目にようやく飛行に成功して過去最高となる高度 16m まで上昇して撮影に成功した。しかし、撮影データのダウンリンクを最後に通信が途絶え、50 回目の飛行に向けたインストラクションの送信を試みたが、ヘリコプターのベースステーション (HBS) から返されるデータはヘリコプターの信号が受信できないというものだった。

冬が終わってヘリコプターの充電状態は改善しているが、日によってサバイバルモードで夜を越せるかどうかぎりぎりの状態で、電源が落ちてしまうと復帰時間の予想が難しい。親機の火星探査車 Perseverance 側の都合もあり、復帰が予測される時間の範囲全体にわたって探索し続けることはできない。そのため、チームは数日掛けてようやくヘリコプターに再接続するといった経験を重ねており、Sol 755 に通信が失われた時点ではあまり心配していなかったそうだ。探査車はその後、通信の妨げとなる岩石の陰に入ったため、探索失敗が続くのは通信の問題だと考えていたとのこと。しかし、探査車の移動で通信の問題がなくなってもヘリコプターは見つからず、さすがに不安を感じ始める。

1 週間近くたったSol 761、ヘリコプターはチームが復旧時刻と予測していた現地の平均太陽時 (LMST) 9 時 44 分に通信確認 (ACK) 信号を 1 回だけ送信してくる。翌 Sol 762 にも ACK が 1 回だけ送信され、ヘリコプターが生きていると確認される。チームがフライトプランを送信した結果、ヘリコプターは Sol 763 (地球時間 4 月 13 日) に 50 回目の飛行を実施して前回の記録を上回る高度 18m に到達し、翌朝テレメトリーデータをダウンリンクしてきたとのこと。

Ingenuity の充電不足は当分続き、チームと小さなヘリコプターとのかくれんぼも当分続くとのことだ。

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火星探査車 Curiosity、ソフトウェア更新で移動が高速化

著者: nagazou
2023年4月20日 07:07
headless 曰く、

NASA が 4 月 3 日から 7 日にかけて、火星探査車 Curiosity の大規模なソフトウェア更新を実施したそうだ (NASA ジェット推進研究所のブログ記事The Register の記事)。

今回の更新は NASA が前回ソフトウェアをオーバーホールした 2016 年から構想していたものだといい、細かいものから大きなものまで 180 か所程度の変更が含まれる。大規模な変更の一つは、移動を高速化するものだ。最新の火星探査車 Perseverance では移動時に前方の地形を撮影し、走行しながら専用コンピューターで処理して自律的なナビゲーションを行う。このような専用コンピューターを搭載しない Curiosity では、一定の距離ごとに停止して処理を行う必要がある。ソフトウェア更新後も一定の距離ごとの停止が必要な点については変わらないが、停止時間が大幅に短縮されて移動に使える時間が長くなったとのこと。

もう一つの大きな変更点はホイールの摩耗を減らすためのものだ。Curiosity のアルミニウムホイールは 2013 年の段階で既にトレッド破損の兆候が見られており、乗り越える岩石の状態によって速度を調整して摩耗を減らすアルゴリズムが追加されている。最新のソフトウェアでは Curiosity が特定地点に向けて弧を描くように走行する際、ステアリングの量を減らす2つのコマンドが導入された。この動作は火星探査車 Spirit と Opportunity で「あったらいい機能」として考えられたが、実装されなかったのもだという。

Curiosity が火星に到着して間もなく 11 年となるが、NASA では引き続き新しいアイディアを実装してミッションを効率化できるとのことだ。

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月や火星の地下探査におけるネットワーク構築、「ヘンゼルとグレーテル」のパンくず技を取り入れるべきとの提案

著者: headless
2023年3月5日 19:29
月や火星の地下探査に向け、「ヘンゼルとグレーテル」のパンくず技を取り入れたネットワーク構築をアリゾナ大学の研究チームが提案している (論文アブストラクトアリゾナ大学のニュース記事The Register の記事)。

惑星探査でメッシュネットワークを構築するアイディアは新しいものではないが、従来のアイディアは事前の計画に従って通信ノードを配置していくものだ。一方、研究チームの特許も出願中だという「Breadcrumb-Style Dynamically Deployed Communication Network」(DDCN)では、ヘンゼルとグレーテルが帰り道を見失わないようパンくずを落としていったのと同様、探査機が必要に応じて自律的にノードを配置していくのだという。

具体的には前のノードから離れて信号が弱くなってきた場合、新しいノードを配置し、通信が確立されるまでその場で待機するといった処理になる。これにより、地下の溶岩洞や地底湖を調査する探査機と地上の探査機との間を長距離で、かつ堅固に結ぶことができるとのこと。

候補となる溶岩洞は月や火星で特定されており、地上の厳しい環境から生命を保護できる可能性から深く長い溶岩洞は宇宙生物学における重要性があるほか、将来の宇宙飛行士が滞在する居住地の建設地としても重要だ。研究チームでは DDCN のコンセプトを 2019 年に NASA に提案しているとのことだ。

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NASA の火星探査機 MRO、火星で熊を発見

著者: nagazou
2023年1月31日 07:03
headless 曰く、

NASA の 火星探査機 Mars Reconnaissance Orbiter (MRO) 搭載の高解像度カメラ HiRISEが、火星で子熊の顔のような地形を捉えた (アリゾナ大学 HiRISE の記事写真)。

画像は 12 月 12 日に上空からシレーン大陸付近を撮影したもの。口元部分は丘で、鼻と口に見える V 型の地形は丘が崩れた跡、2 つの目はクレーターだ。顔の輪郭にあたる円形の地形は大きなクレーターが堆積物で埋められたものとみられる。鼻が火山または泥の噴出口で、堆積物はそこから流れ出た可能性も考えられるとのこと。

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火星着陸機 InSight、ミッション終了

著者: headless
2022年12月25日 11:59
NASA は 21 日、火星着陸機 InSight のミッション終了を発表した (プレスリリースThe Verge の記事Ars Technica の記事The Register の記事)。

InSight のミッションは岩石で表面が覆われた天体の形成過程を知るため、火星深部の調査を行うのが目的だ。2018 年 11 月の火星着陸以来 4 年以上にわたり、InSight は隕石衝突の衝撃によるものを含め、火星の地震 (marsquake) を 1,319 回検知している。また、センサーで風の振動を捉えて火星の風音を初めて地球にもたらした。

一方、想定よりも硬い土壌に覆われた地点に着陸してしまったため、地熱測定装置のプローブ打ち込みは難航した。それでも打ち込みを試行する過程ではロボットアームと先端に取り付けたスコップの使用などに関するさまざまな知見が得られ、地表からわずかの深さまで埋めたプローブにより火星の土壌の物理的・熱的特性に関する貴重なデータも得られたという。

しかし、予定の 2 倍に延長されたミッションで InSight の太陽電池パネルには砂塵が積もり、ロボットアームとスコップによる除去も行ったものの徐々に出力が低下していった。NASA では InSight が火星周回機との通信確立に 2 回連続で失敗したらミッション終了を宣言すると決めていた。NASA ジェット推進研究所 (JPL) が最後に InSight と通信したのは 12 月 15 日。以降 2 回連続で通信できず、InSightのバッテリーがエネルギー切れになったと判断したとのこと。

NASA は引き続き InSight からの信号受信を試みるが、あくまで念のためであり、通信の再確立は不可能とみられている。

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火星探査車 Perseverance、これまでで最も高精細・高フレームレートな火星の日食を撮影

著者: nagazou
2022年4月26日 06:01
headless 曰く、

火星探査車 Perseverance が火星で撮影した日食の動画を NASA が公開している (NASA JPL のブログ記事Ars Technica の記事Mashable の記事動画)。

日食は Perseverance の Mastcam-Z カメラが 4 月 2 日 (sol 397) に撮影したもので、2 つある火星の衛星の 1 つ「フォボス」が太陽面を通過する 40 秒ほどの映像だ。フォボスは見かけの大きさが太陽よりも大幅に小さく、ジャガイモに例えられる形をしているため、太陽と見かけの大きさがほぼ同じ月によって発生する地球の日食とは大きく異なる。火星では 2004 年に火星探査車 Spirit と Opportunity が日食を撮影しており、Curiosity も Mastcam による撮影を行っている。Perseverance の Mastcam-Z は Curiosity の Mastcam と同様のカメラシステムだが、ズーム可能になるなどのアップグレードが行われており、これまでで最も高精細で高フレームレートな映像になっている。

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火星ヘリコプター Ingenuity、新しい場所での飛行に向けてソフトウェアをアップグレード

著者: headless
2022年3月19日 15:28
NASA は 15 日、先日火星で 21 回目の飛行に成功したヘリコプター Ingenuity の飛行運用を 9 月まで延長すると発表した (NASA ジェット推進研究所のブログ記事)。

21 回目の飛行はジェゼロクレーター北西部のセイター (Séítah) と呼ばれる領域を超えて次の運用場所へ向かうのに最低 3 回必要な飛行の 1 回目であり、Ingenuity はそこで火星探査車 Perseverance の 2 つ目の科学研究活動を助けていくことになる。

Ingenuity の新しい運用場所はこれまでの比較的平坦な土地とはまったく異なり、古代の川が形成した幅数 km、クレーターの底から 40 mの高低差がある扇状デルタだ。このデルタは数多くの地質学的新事実を秘めており、数十億年前に火星に存在した微生物の痕跡が見つかることも期待されている。

初めに Ingenuity は水路 2 本の跡地を調査し、Perseverance がデルタの頂上を目指す際に進むべき方向の選定に必要なデータを収集する。Ingenuity が収集したデータは Perseverance のルート選定だけでなく、研究対象となる場所の評価にも用いられる。さらには探査車で行くことのできない場所の撮影や、Mars Sample Return プログラムの着陸地点などの選定も行う可能性があるという。

NASA ジェット推進研究所 (JPL) の Ingenuity チームは新しい場所での運用に向けてソフトウェアのアップグレードを行っており、Ingenuity はこれまでの上限だった高度 15 m を超えた飛行が可能になっている。また、飛行中に対気速度を変更したり、地形の変化に合わせた調整を行ったりといったことも可能になっているとのことだ。

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ハインツ、火星の土壌を模した環境で栽培したトマトでトマトケチャップ「Marz Edition」を作成

著者: nagazou
2021年11月12日 06:04
headless 曰く、

フロリダ工科大学オルドリン宇宙研究所の研究チームが火星の土壌を模した環境でトマトを栽培し、そのトマトを用いてハインツがトマトケチャップ「Marz Edition」のプロトタイプを作成した(Florida Tech News の記事ハインツ UK の特設ページH.J. Heinz & Co. のツイート動画)。

栽培実験は2年にわたり、パームベイの同大先端製造・革新デザインセンターに設置された温室「Red House」で行われた。Red House は火星で植物を栽培しようとする人類が直面する条件を再現すべく設計されており、明かりは LED のみ。火星の土壌と共通する特徴を数多く備えるモハベ砂漠の土およそ 3.5 トンを模擬土として用いるほか、厳格な温度管理と定期的な灌漑が行われるという。

研究チームは初めに 2,000 時間以上かけて 30 株を栽培するパイロット版の実験を行い、その後 450 株のトマトを個別の鉢で栽培した。その過程でハインツが持つ大量の種子カタログから 4 種の候補を選び出し、そのうち 2 種がより大きな規模での栽培に成功したとのこと。

Marz Edition の「Marz」は火星 (Mars) の「s」をハインツ (Heinz) らしく「z」に置き換えたものだ。プロトタイプはハインツが今週公開したが、味見は社内のごく一部でのみ行われる。それは一人の人間にとっては小さな一口だが、人類にとっては偉大な一歩になるとのことだ。

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火星探査車 Perseverance、岩石サンプル取り込みに成功

著者: headless
2021年9月5日 13:39
NASA は 2 日、火星探査車 Perseverance が 1 日に実施した 2 回目の岩石サンプル採取活動で、サンプル取り込みに成功したことを示すデータを受信したと発表した(NASA のニュース記事)。

Perseverance は史上初となる火星からのサンプルリターンを目指しており、先端がコアリングビットになった中空のサンプルチューブとインパクトドリルで岩石を掘削してサンプルを採取する。しかし、8 月 5 日に実施した 1 回目のサンプル採取では掘削には成功したもののサンプルは落下してしまったとみられ、チューブ内にサンプルは取り込まれていなかった。

今回のサンプル採取では、掘削後に撮影された映像でサンプルがチューブ内に収まっていることが確認できる。ただし、ロボットアームがサンプル取り込み処理を完了した後の映像は暗く、実際にサンプルが取り込まれたかどうかを結論付けることはできない。

サンプル取り込み処理では 1 秒間のドリルビット振動を 5 回繰り返し、余分な物質をサンプルチューブの縁から振り落とす。これによりサンプルはチューブのより深い位置に吸い込まれる。チームはサンプル取り込み成功を確信しているものの、前回の失敗を踏まえてサンプルを実際に格納する前にさらなる写真撮影を行い、取り込み状況を確認するとのことだ。

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中国の火星探査車 祝融、予定ミッションを完了して延長ミッションへ

著者: nagazou
2021年8月25日 14:24
headless 曰く、

中国の火星探査車 祝融が 8 月 15 日で予定のミッションを完了し、延長ミッションに入ることが決まったそうだ (CNSA のニュース記事 英語版中国語版The Register の記事SlashGear の記事)。

祝融を乗せた天問 1 号着陸機は 5 月 15 日に火星着陸。祝融は 8 月 15 日まで Sol 90 (約 92 日間) にわたる探査活動を行い、889 m を移動して搭載探査機器で約 10 GBのデータを収集したという。ミッション完了後も祝融の状態は良く、延長ミッションではユートピア平原南部の古代の海岸線を探索する計画だ。

ただし 9 月中旬から 10 月下旬には火星が合の位置になり、太陽の電磁波による通信障害が予想される。そのため約 50 日間は通信を中断し、天問 1 号周回機と祝融はセーフモードで待機するとのことだ。

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火星からのサンプルリターンを目指す Perseverance、最初のサンプル採取は失敗

著者: nagazou
2021年8月10日 17:07
headless 曰く、

NASAは 6 日、火星探査車 Perseverance が実施した 1 回目の岩石サンプル採取活動で、サンプルが採取されていないことを示すデータを受信したと発表した(プレスリリース)。

史上初となる火星からのサンプルリターンを目指す Perseverance先端がコアリングビットになった中空のチタン合金製サンプルチューブを 43 本搭載しており、ロボットアームの先に取り付けたインパクトドリルで地表を掘削してサンプルを採取する。作業は終始自律的に行われるが、1 回目の作業でサンプル採取後にプローブでサンプル量を測定した結果、サンプルはチューブ内に取り込まれていなかったとのこと。ただし、サンプル採取・格納システムでハードウェア上の問題があるとは考えられず、掘削した岩石が予期したように反応しなかったとみられるそうだ。

NASA が火星探査ミッションでも岩石や表土の予期していなかった特性による困難に直面するのは今回が初めてではない。火星探査機 Phoenix は採取した土壌サンプルの粘度が高かったために分析装置への取り込みに手間取り、火星探査車 Curiosity は岩石サンプル採取用ドリルで掘削できない非常に硬い岩石を確認した。火星探査機 InSight は 2 年近くにわたって地熱測定装置プローブ打ち込みを試みていたが成功せず、今年 1 月に打ち切りを決めている。

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中国国家航天局、火星探査車 祝融が着陸機のスロープを降りる際の音声を公開

著者: nagazou
2021年6月29日 14:04
headless 曰く、

中国の火星探査車 祝融が天問1号着陸機から火星表面に降り立った際の音声と、着陸機降下時および祝融が着陸機と並んで写真を撮影した際の動画が公開されている(中国国家航天局のニュース記事Neowinの記事The Vergeの記事動画[1][2])。

音声は5月22日に祝融が着陸機のプラットフォームからスロープを伝って降りていった際のもので、ゴロゴロとした感じの摩擦音だ。何かの声のようにも聴こえる。動画はいずれも無音。5月15日に周回機から着陸機が分離した際の動画はアニメーション GIF が公開されていたが、今回の動画はより長く高解像度になっている。写真撮影時の動画は祝融がリモートカメラを切り離したのち、撮影位置に移動するまでの様子が捉えられている。動画のリンクは SciNews が YouTube で公開しているものだが、中国国家航天局 (CNSA) の記事では見つけにくいリンクで個別にMP4ファイルが提供されている。

火星での音声は NASA の火星探査機 InSight がセンサーで捉えた風地面の振動を可聴周波数帯域に変換したものが公開されている。火星探査車 Perseverance は音声用マイクを搭載しており、火星の風音や、成分分析用のレーザーが岩石に当たった時の音を録音している。今回の音声の録音方法については特に説明がない。

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中国の火星探査機 天問1号着陸機、火星着陸に成功

著者: headless
2021年5月16日 11:49
中国国家航天局(CNSA)は15日、火星探査機 天問(Tianwen)1号着陸機の火星着陸成功を発表した(ニュースリリースAssociated Press Newsの記事新華網の記事)。

天問1号は昨年7月23日に打ち上げられ、今年2月10日に火星周回軌道へ投入されていた。天問1号は日本時間15日2時頃に軌道を離脱し、5時頃に着陸機と周回機が分離した。周回機は分離から30分ほどのちに火星周回軌道へ戻り、着陸機は分離から3時間ほどのちに大気圏に突入。8時18分に目的のユートピア平原へ着陸した。着陸成功が確認されたのは、着陸機に積まれた探査機 祝融(Zhurong)が太陽電池パネルとアンテナを展開し、信号を送信してきた1時間以上後のことだという。

祝融は今後7~8日かけて着陸地点周辺の環境の確認やセルフチェックを行ったのち、着陸機から降りて探査を開始する。6つの車輪と青い蝶の羽を思わせる太陽電池パネルを持つ祝融は質量240㎏。少なくとも火星時間で90日間の寿命が想定されているとのことだ。

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NASAの火星ヘリコプターが5回目の飛行を完了し、新しい飛行場に移動

著者: nagazou
2021年5月10日 15:12
headless 曰く、

NASAの火星ヘリコプターIngenuityが日本時間8日、5回目の飛行を完了した(JPL Newsの記事動画)。

Ingenuityは日本時間4時26分(火星時間12時33分)に最初の飛行場Wright Brothers Fieldを離陸し、108秒間飛行して129m南の新しい飛行場に着陸した。新しい飛行場の上空ではこれまでの最高高度となる10mまで上昇したという。新しい飛行場は地球以外で初の「偵察飛行」となった4回目の飛行で収集した情報をもとに選定された。この偵察飛行で生成されたデジタル高度マップは、ほぼ完全に平らな地形でほぼ何も障害物のない場所であることを示しているとのこと。

5回目の飛行を終えたIngenuityは運用デモの段階に移行し、偵察や探査車ではいくことのできない場所の上空からの観測、大気のある高度からの詳細なステレオイメージ作成など、火星でヘリコプターがどのように役立つかを確認することに注力する。今後もさらに新しい飛行場を選定して片道飛行を実施する計画で、さらに正確なマヌーバーも要求される。いずれは火星探査車Perseveranceの探査ペースを落とすことなくIngenuityを飛ばせるようにする計画で、今後数週間かけて2回ほどの飛行を行い、評価を行うとのことだ。

なお、4回目の飛行は音声付き動画が公開されている。動画はPerseveranceが撮影したもので、音声はSuperCam搭載マイクにより収音したという。火星でさまざま「史上初」の音声録音を行っているPerseveranceだが、今回の音声は地球以外の惑星上で宇宙機が別の宇宙機の発する音声を史上初めて録音したものとなる。

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NASAの火星ヘリコプターIngenuity、飛行デモは次の段階へ

著者: headless
2021年5月4日 17:25
NASAは4月30日、火星ヘリコプターIngenuityの飛行デモを新たな段階に進める計画を発表した(NASA JPL Newsの記事)。

これまでIngenuityの飛行デモは技術的デモの段階だったが、次の段階では火星探査車Perseveranceから独立し、Perseveranceの探査スケジュールへの影響が少ない運用デモに移行する。

Ingenuityは既に4回の飛行に成功しており、4回目の飛行では現在の飛行場「Wright Brothers Field」の南約133mにある新しい飛行場の候補地まで約266mを往復した。5回目の飛行では新しい飛行場に着陸する計画で、Ingenuityの状態に問題がなければ運用デモの段階に進む。運用デモではこれまでより正確なマヌーバーや上空からの観測能力活用が行われる一方で、リスクも大きくなる。

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NASAの火星探査車Perseverance、火星の大気から酸素生成に成功

著者: headless
2021年4月24日 17:18
NASAの火星探査車PerseveranceがMars Oxygen In-Situ Resource Utilization Experiment(MOXIE)を用い、火星の大気から酸素を生成する実験に成功したそうだ(NASA JPLのニュース記事)。

MOXIEはトースターほどの大きさの実験的機材。火星の大気の96%を占める二酸化炭素を約800℃に加熱することで酸素原子を分離し、副産物の一酸化炭素は火星の大気に放出する。4月20日(sol 60)に行われた最初の実験はMOXIEが故障していないかどうかの確認を兼ねたもので、宇宙飛行士1人の10分間の必要量に相当する約5gの酸素が生成された。MOXIEは最大で1時間に10gの酸素を生成できる設計になっており、火星年1年間(地球年で約2年)かけて様々な条件の実験を少なくとも9回は実施する予定だという。

火星への有人ミッションで4人の宇宙飛行士を帰還させるにはおよそ7トンのロケット燃料と25トンの酸素が必要になる。一方、火星で宇宙飛行士の呼吸に必要な酸素は1年間で1トン程度。25トンの酸素を地球から運ぶのは困難なため、1トン程度に大型化したMOXIE後継機を運ぶ方がより経済的で現実的とのことだ。

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