星間分子雲の塵に含まれる有機物が地球の水の起源となった可能性
2020年5月16日 13:32
従来、彗星の氷や炭素質隕石に含まれる含水ケイ酸塩鉱物などが地球に水をもたらした物質の候補となっていたが、67P/チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の探査では彗星の氷に由来する地球の水が1%未満に過ぎないとの同位体分析結果が出ている。また、炭素質隕石由来とすると地球の水が多くなりすぎるという問題もあるという。彗星や星間分子雲は有機物を大量に含んでおり、今回の研究では星間有機物が雪線の内側(太陽からの距離が2.5天文単位以内)でどのように変化するかを加熱実験により調べている。
星間有機物を直接入手することはできないため、研究では星間分子雲で有機物質が生成されるプロセスを実験室で再現し、生成された有機物質の分析結果を元に作った模擬星間有機物を使用している。加熱実験ではダイヤモンドアンビルセルを使用した場合、反応容器を使用した場合ともに400℃で水と石油が生成されることが確認されたという。星間有機物は氷が蒸発してしまう雪線の内側でも残っているため、炭素質隕石がなくても地球の水の起源を説明できる可能性が出てきたとのこと。この結果は小惑星や氷衛星の内部に大量の石油が存在することも示唆するものだ。
研究グループのメンバーは小惑星探査機はやぶさ2が小惑星リュウグウで採取した試料の有機物を分析することも予定しており、地球型惑星や隕石中の水や有機物の起源をより明確にできることが期待される。
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