ノーマルビュー

NASA、火星でのヘリコプター飛行実験計画を発表

著者: headless
2021年3月28日 13:44
NASAは23日、火星ヘリコプターIngenuityの飛行計画を発表した(NASA JPLのブログ記事SlashGearの記事Ars Technicaの記事The Vergeの記事)。

Ingenuityを腹面に取り付けた火星探査車Perseveranceは2月18日(東部時間)に火星のジェゼロクレーターへ着陸し、3月21日には着陸時のデブリからIngenuityを保護するためのシールドが取り外された。NASAはIngenuityの「飛行場」となる10m×10mの平坦で障害物のない場所をジェゼロクレーター内で選定しており、現在Perseveranceが向かっている。

飛行場にPerseveranceが到着したら、6 sol(火星時間で6日、地球時間6日4時間)かけてIngenuityを取り外して配置する。6日目にはIngenuityの脚がジェゼロクレーター表面にしっかりと接地していることを確認したうえでPerseveranceが約5m離れた位置に移動し、互いに通信できることが確認されれば配置完了だ。ここから30 solにわたるIngenuityの飛行実験が開始される。最初の飛行は4月8日以降を計画しているとのこと。

Ingenuityの飛行実験は地球以外の場所で初となる航空機の動力飛行となる。大気密度が地球の1%程度しかない火星での飛行は困難が伴うが、成功すれば1997年に火星探査車Sojournerの成功で火星探査の方法が大きく変わったのと同様に、将来の火星探査の幅を大きく広げるものになると期待されている。

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NASA、火星探査機PerseveranceのSuperCam搭載マイクで録音した音声を公開

著者: headless
2021年3月14日 15:02
火星探査機PerseveranceのSuperCam搭載マイクで録音した音声ファイル3本をNASAが公開している(NASAジェット推進研究所のニュース記事)。

SuperCamはレーザーで微量の岩石を昇華させて成分を分析するための機材で、レーザーが岩石に当たった時の音を聞くためにマイクを搭載している。NASAは2月にPerseveranceが火星で録音した風の音を公開しているが、SuperCamとは別に火星の大気圏突入・降下・着陸(EDL)を記録するために搭載した楽器用マイク(DPA 4006)で録音したものだ。

今回公開された音声は、2月19日(Sol 1)2月22日(Sol 4)に録音した風の音と、3月2日(Sol 12)に録音したレーザーが岩石に当たる音だ。DPA 4006が録音した風音は吹かれ音のような感じだったが、今回の風音はより風の音らしく聞こえる。レーザーが岩石にあたる音はカチッ・カチッという感じで、30回ほど繰り返されている。なお、NASAは2月にDPA 4006で2月20日に録音した音声を公開した際、火星での史上初の音声録音と説明していたが、SuperCamの最初の録音の方が先だったようだ。

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NASAの火星探査車Perseverance、史上初めて音声用マイクで火星の音声を録音

著者: nagazou
2021年2月24日 13:35
headless 曰く、

NASAは23日、火星探査車Perseveranceが火星に降下・着陸した際の映像と、火星で初めてマイクにより録音された音声を公開した(プレスリリース動画音声1音声2)。

火星で記録された音声としてはこれまでに火星探査機InSightによる火星の風音地震の音が公開されているが、これらはセンサーが捉えた振動を可聴周波数帯域に変換したもので、実際に音声用マイクで火星の音が録音されたのは今回が初めてだ。

Perseveranceの火星大気圏突入・降下・着陸(EDL)記録システムにはDPA Microphone製の楽器用マイクが搭載されている。EDL記録システムの主目的である着陸までの音声は残念ながら録音できなかったそうだが、市販の楽器用マイクは降下・着陸時の振動や衝撃に耐え、20日にジェゼロクレーターで火星の風音を録音することに成功した。

音声1と音声2は同じ録音だが、音声2はフィルターで探査車が発するノイズを消したものだ。いずれも4秒過ぎから吹かれ音のような低い風音が数秒間記録されている。映像の音声は地球側のものだが、パラシュートが開くところから着陸の瞬間までを見ることができる。

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NASAの火星探査車 Perseverance、火星に無事着陸

著者: headless
2021年2月20日 11:39
NASAの火星探査車 Perseveranceが日本時間19日、火星のジェゼロクレーターに無事着陸した(NASA JPLのブログ記事Mars 2020のブログ記事[1][2]動画)。

NASAジェット推進研究所(JPL)がPerseveranceの着陸を確認したのは日本時間2月19日8時55分。昨年7月30日にPerseveranceを載せた宇宙機 Mars 2020が打ち上げられてから予定通り203日後の火星到着となった。Perseveranceは自動車ぐらいの大きさで重量1,026kgのロボット地質学者・宇宙生物学者であり、今後数週間のテストを行った後、ジェゼロクレーターでの2年間にわたる探査活動を開始する。

幅およそ45kmのジェゼロクレーターは火星の赤道北側、イシディス平原の西端に位置し、35億年前には川から流れ込む水で満たされた湖だったと考えられている。Perseveranceは湖底やデルタ地帯で地質学的調査や過去の気候を調査するほか、微生物の痕跡も探り、史上初となる火星からのサンプルリターンを目指す。Perseveranceの腹部には火星ヘリコプター Ingenuityが取り付けられており、地球外の惑星上で初となるヘリコプターの動力飛行実験も計画されている。

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UAEと中国の火星探査機、相次いで火星周回軌道に投入される

著者: headless
2021年2月11日 13:32
日本時間10日、UAEの火星探査機 Hopeと中国の火星探査機 天問1号が相次いで火星に到達し、火星周回軌道への投入に成功した(Emirates News Agencyの記事CNSAのニュース記事中国語版)。

Hopeは2020年7月20日に日本の種子島宇宙センターからH-IIAロケットで打ち上げられ、日本時間10日0時42分に火星周回軌道へ投入された。Hopeは搭載する3つの観測装置(赤外分光器・紫外分光器・イメージャー)を用い、軌道上から火星の大気を惑星規模で観測するのが目的だ。

天問1号は2020年7月23日に中国・海南島の文昌衛星発射場から長征5号ロケットで打ち上げられ、日本時間10日20時52分に火星周回軌道へ投入された。天問1号は今後軌道修正を数回行い、5月~6月には探査車をユートピア平原に軟着陸させる計画だ。

現在、NASAの火星探査車 Perseveranceを載せた宇宙機 Mars 2020も火星に近付いており、2月18日にはジェゼロクレーターへの着陸を予定している。

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NASA、火星探査機InSightの地熱測定装置プローブ打ち込みを打ち切る

著者: headless
2021年1月16日 11:39
NASAは15日、2年近くにわたって難航していた火星探査機InSightの地熱測定装置Heat Flow and Physical Properties Package(HP3)のプローブ打ち込み作業打ち切りを発表した(NASAのニュース記事)。

「mole」と呼ばれるプローブは長さ約40cmの小型杭打ち装置とInSightをつなぐテザーにセンサーを組み込んだもので、地熱測定を行うには少なくともmoleが3mの深さまで掘り進む必要がある。moleの打ち込み作業は2019年2月から行われているが、InSightが想定外の硬い土壌に覆われた地点へ着陸したため作業は難航した。

NASAではロボットアームのスコップを用いたさまざまな手法で打ち込み作業の補助を試み、最終的にはスコップでmoleの上部キャップを叩く手法により、見えなくなる深さまで地中へ進めることに成功していた。1月9日(Sol 754)時点ではmoleの上端が地表から2~3cmの深さまで進んでおり、摩擦を強めるためmoleに土をかぶせてからスコップで500回打ち付けたそうだ。しかし、それ以上進んでいかなかったため、作業の打ち切りを決めることになった。

火星の地熱測定はできなくなってしまったが、表土よりも深く火星の地面を掘り進んだのはInSightが初めてであり、将来のミッションに役立つ重要な知見が得られたという。また、ロボットアームの目的外使用により、エンジニアはロボットアームの操作に関する貴重な経験をしたとのことだ。

なお、InSightのミッションは地熱測定だけでなく、地震測定や火星の内部構造に関するデータ収集なども行っており、NASAではミッションを2022年12月まで、2年間の延長を決めている。InSightが搭載する気象センサーは火星の詳細な気象データを収集可能で、火星探査車Curiosityと2月に火星へ到着するPerseveranceが搭載する気象センサーと合わせ、地球以外の惑星で初の気象観測ネットワークを構成することになる。

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NASA、火星に向かうPerseverance搭載のマイクで録音した音声を公開

著者: headless
2020年11月23日 19:19
火星探査車Perseverance火星に向かう途中で録音した音声をNASAが公開している(JPL Newsの記事音声ファイル)。

NASAはこれまでに火星着陸機InSightが記録した火星の風音地震の音を公開しているが、これらはセンサーが捉えた振動を可聴周波数帯域に変換したものだった。これに対し、Perseveranceは音声用のマイクを2本搭載している。1本はDPA Microphones製のマイクで、火星の大気圏突入・降下・着陸(EDL)を記録するため、カメラとともに搭載されている。もう1本はレーザーで微量の岩石を昇華させて成分を分析するSuperCamに搭載されているマイクで、こちらはレーザーが岩石に当たった時の音を聞くことができるようにするためのものだ。

今回公開されたのは10月19日に機内でカメラ・マイクシステムのテストを行った際にEDLマイクが収音した60秒間の音声で、真空中であることから固体中を伝わる機械的な振動を記録したそうだ。音色的には振動し続けるシンバルのような感じだが、これは熱交換用の液体を循環させるポンプの音だという。DPAの解説によれば、EDLマイクは無指向性コンデンサーマイクDPA 4006で、プリアンプを内蔵するモジュラーアクティブケーブルMMP-GとデジタルオーディオインターフェイスMMA-Aを介してPerseveranceのコンピューターにUSB接続されているとのこと。

DPA 4006はプロ向けの製品ではあるが、楽器録音用であり、宇宙探査用に作られたものではない。そのため、実際の着陸時に録音が成功するのかどうかわからないそうだ。ただし、着陸時の音声はどうしても必要なものではなく、録音できなくてもジェゼロクレーターでの探査ミッションの成果を一切損なうことはない。それでも着陸シーケンスの一部だけでも録音でれば素晴らしい成果になるとのことだ。Perseveranceは2021年2月18日に火星の大気圏へ突入する予定だ。

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火星探査機InSightの小型杭打ち装置、見えなくなる深さまで地中にもぐる

著者: headless
2020年10月17日 15:25
NASAの火星探査機InSightは火星着陸から2年近くにわたって地熱測定装置Heat Flow and Physical Properties Package(HP3)のプローブ打ち込みを試みているが、ようやくHP3の小型杭打ち装置(mole)が見えなくなる深さまで地中に進んだそうだ(JPL Newsの記事DLR Blogの記事)。

moleは柔らかい土壌の摩擦を利用して掘り進む設計になっているが、InSightは想定外の固い土壌に覆われた地点へ着陸してしまったため、作業が難航している。今年5月からはロボットアームに取り付けられたスコップでmole後部のキャップを押して(叩いて)地面に押し込む作業を開始し、6月には地中へ押し込むことに成功していた。

6月20日(Sol 557)にはmoleが自力で掘り進むことができることを確かめる「Free Mole Test」を完了。その後はスコップに角度を付けてさらに押し込む作業を進めていたが、8月下旬からは砂嵐で太陽電池の発電能力が低下し、moleの作業にコマンドを送信できるのは2週間おきになっていたという。それでもmoleとInSightをつなぐテザーの動きからmoleが地中を進んでいることが予想されており、10月3日(Sol 659)にスコップをどけてmoleが完全に砂に埋まる深さまで進んでいることを確認した。

10月17日(Sol 672)にはスコップを2つのずらした位置で平行に動かす作業を行い、その後熱伝導性の測定を行う。 今後はさらなる押し込み作業とFree Mole Testの実施に備えて摩擦力を強化するため、moleを覆う砂を押し固め、必要に応じて砂を追加する。押し込み作業の再開は2021年に入ってからになるとのことだ。

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NASAのEyes on the Solar System、火星に向かうMars 2020 Perseveranceミッションがリアルタイム表示可能に

著者: nagazou
2020年8月26日 17:03
headless 曰く、

火星探査機Perseveranceを載せて火星に向かうMars 2020の現在の様子をNASAのEyes on the Solar Systemで表示できるようになった(NASA JPLのニュース記事)。

Eyes on the Solar Systemは実際のデータを元に天体や宇宙機をインタラクティブにレンダリング表示する。Mars 2020のデータはナビゲーションチームが火星までの航路指定に用いるのと同じデータを使用しており、来年2月に火星に到着するまでリアルタイムで追いかけることができる。スタンドアロン版のEyes on the Solar Systemアプリを使用すれば、過去や将来のデータを表示することも可能だ。

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NASA、火星探査車Perseveranceの打上げに成功

著者: headless
2020年8月1日 15:25
NASAとUnited Launch Alliance(ULA)は7月30日、火星探査機「Perseverance」を載せて火星へ向かう宇宙機「Mars 2020」の打ち上げミッションをケープカナベラル空軍基地LC41で実施した(NASAのブログ記事[1][2][3]JPL Newsの記事動画)。

ULAの Atlas V 541ロケットによる打上げが行われたのは日本時間20時50分。約1時間後にMars 2020はAtlas Vロケットから分離し、さらに約27分後にはMars 2020が送信したテレメトリーデータを地上で受信することに成功し、確実に火星へ向かっていることが確認された。その後、宇宙機の一部で予期したよりも若干温度が低いことが判明し、必要最低限のシステムだけ残して電源を切るセーフモードに入っていたが、現在はセーフモードも解除されてチームは惑星間の旅に集中できるようになったとのこと。

Mars 2020は今後7か月間かけて火星へ向かい、2021年2月18日にジェゼロクレーターに着陸する予定だ。Mars 2020ミッションは火星探査初の往復ミッションであり、Perseveranceはジェゼロクレーターで探査を行いつつ岩石や塵のサンプルを収集し、最終的に地球へ持ち帰ることを目指す。

Perseveranceには火星で初の動力飛行デモを計画しているヘリコプター「Ingenuity」が搭載されているほか、さまざまな機材が搭載されている。また、5種類の宇宙服素材とヘルメットに使用するポリカーボネート素材のサンプルも送られ、スペクトロメーター「SHERLOC (Scanning Habitable Environments with Raman & Luminescence for Organics & Chemicals)」により宇宙線の影響を調査するとのこと。

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火星探査機InSight、スコップで小型杭打ち装置を叩いて地中へ押し込むことに成功

著者: headless
2020年6月7日 13:41
NASAの火星探査機InSightでは地熱測定装置Heat Flow and Physical Properties Package(HP3)のプローブ打ち込み作業が1年以上にわたって難航しているが、HP3の一部である小型杭打ち装置(「mole」と呼ばれている)を地中に押し込むところまでは成功したそうだ(NASA InSightのツイートDLR BLOGの記事The Registerの記事)。

InSightは表面が固化した土壌に覆われた地点に着陸してしまったため、土壌からの十分な摩擦が得られずに杭打ち作業が難航した。昨夏にはロボットアームのスコップをmoleの横から押し当てることで摩擦を与える手法を試みていたが、ある程度進むと押し戻されてしまっていた。

今回の作業はmole後部のキャップをスコップで押して(叩いて)地面に押し込むというもので、計画は2月に発表されていた。作業はSol 458(3月11日)に地表から7 cmの位置で始まったが、現在のInSightミッションでは週に1回しか作業が行えず、スコップが地表に触れる深さまで進んだのはSol 536(5月30日)のことだったという。

作業地点の地表は深さ1cm程度の砂で覆われており、再び押し込み作業を行ってスコップが止まる位置まで進める計画だ。moleの長さは16インチ(約40cm)であり、先端は地下40 cmまで進んでいることになる。その後はmoleが自力で掘り進んでいけるかどうかをみる「free-Mole」テストを実施する計画とのことだ。

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NASA、火星ヘリコプターの名前を「Ingenuity」に決定

著者: headless
2020年5月5日 13:39
NASAは4月29日、火星での動力飛行デモを計画しているヘリコプターの正式な名前が「Ingenuity」に決まったことを発表した(プレスリリースGeekWireの記事Mashableの記事動画)。

NASAは新火星探査車の名前を決めるエッセイコンテスト「Mars 2020 Rover Naming Contest」を昨夏実施し、28,000件以上の応募の中から3月に「Perseverance」を選んでいる。しかし、Perseveranceを提案したAlexander Mather氏のエッセイ以外にも優れたものが数多くあり、その中から火星ヘリコプターの名前を選ぶことになったという。Ingenuityはアラバマ州の高校生、Vaneeza Rupani氏が提案したもので、エッセイコンテストのファイナリストにも残っていた。Rupani氏はエッセイの中で「Ingenuity(優れた想像力)は人々の素晴らしい達成を可能にし、我々の地平線を宇宙の端まで広げることを可能にする」と述べている。

IngenuityはPerseveranceの腹面に取り付けられて火星に向かい、火星着陸から数か月後に時機を見て展開される。飛行前のチェックを行う間、寒い火星の夜を耐えることができれば実際にデモ飛行が行われるとのこと。太陽電池パネルを搭載するIngenuityの重量は約2 kg。デモ飛行が成功すれば、地球以外の惑星で動力飛行する初の航空機となり、将来の火星探査では次世代機が探査可能な範囲を大きく拡大することになる。

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