遺伝子操作したブタの心臓を移植後2か月で死亡した男性の症例、ヒトには感染しないブタのウイルスが要因か
2 年前にドイツの研究グループが実施したブタの心臓をヒヒに移植する実験ではヒヒが最長 195 日間生存しているが、PCMV が存在すると 2 週間ほどで死んでしまったという。研究グループはヒヒの免疫を薬で抑制しただけでなく、ブタの免疫システムも働かないためにウイルスが爆発的に増殖したと考えており、ヒトでも同様の現象が起こる可能性があると警告していた。
男性の場合は手術から 20 日後の採血で PCMV の存在を示す兆候がみられたものの、そのレベルは非常に低く、ブタは病原体フリーであることが保証されていたため、チームでは誤検知だと考えたという。しかし、この検査には 10 日を要するといい、その間にウイルスが急速に増加した可能性もある。
実際 43 日目に男性は感染症らしき症状で発熱。AIDS 患者に使用することもあるシドフォビルを投与したほか、静注用免疫グロブリン製剤を投与していったん症状は落ち着いた。しかし、1 週間後には再び悪化し、心臓は弱っていく。投与した血液製剤には抗-ブタ抗体が含まれていたことがのちのテストで判明しており、医師は 2 回の投与で心臓に負担を与えたことも懸念しているという。
最大の懸念事項であった拒絶反応が起きなかったとはいえ、ウイルス感染を医師が防げない状況で移植を行うべきではなかったとの批判も出ているとのことだ。
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