ノーマルビュー

COVID-19 による嗅覚低下の原因が嗅覚組織の炎症であることを示す研究成果

著者: headless
2022年4月17日 10:06
嗅覚低下は COVID-19 の特徴的な症状の一つだが、この症状が嗅覚組織の炎症によって引き起こされることを示唆する研究成果をジョンズホプキンス大学などの研究グループが発表している(論文ジョンズホプキンス大のニュース記事Ars Technica の記事)。

嗅覚低下は COVID-19 の初期症状の一つであり、回復後に数週間続くこともある。COVID-19 の原因ウイルスである SARS-CoV-2 が鼻粘膜を通じて嗅覚受容体ニューロン (ORN) を損傷するとの説が有力視されているものの、逆にそれを否定する証拠も示されている。今回の研究では COVID-19 で死亡した患者 23 名 (年齢中央値 62 歳、男性 14 名)と COVID-19 以外で死亡した患者 14 名 (年齢中央値 53.5 歳、男性 7 名) を対象に、2020 年 4 月 7 日 ~ 2021 年 9 月 11 日に実施した検視で嗅覚組織を採取。家族からの聞き取りによる嗅覚低下・喪失の有無と合わせて分析を実施した。

その結果、嗅覚組織の病変は嗅覚低下・喪失が報告された 9 名の患者でより深刻だったものの、COVID-19 の重症度や感染時期との関連はみられなかったという。嗅覚組織で SARS-CoV-2 が検出された患者は 3 名で、うち嗅覚低下・喪失の症状が報告されたのは 1 名のみ。そのため、SARS-CoV-2 が直接ニューロンを損傷するのではなく、嗅上皮への SARS-CoV-2 感染が炎症を引き起こしてニューロンを損傷し、脳に信号を送る軸索の数が減少して嗅球が機能しなくなることが示唆されるとのこと。今後はデルタ株やオミクロン株で死亡した患者についても同様の調査を計画しているそうだ。

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