ノーマルビュー

米ニューヨーク州の最高裁判所、人類でない象に人身保護令状は適用されないと判断

著者: nagazou
2022年6月16日 18:07
headless 曰く、

米ニューヨーク州の最高裁判所にあたるニューヨーク上訴裁判所は 14 日、ゾウは人類でないため人身保護令状は適用されないとする下級審の判決を支持した (裁判所文書: PDFNational Geographic の記事AP News の記事Politico の記事)。

この裁判は動物保護団体 Nonhuman Rights Project (NhRP) がニューヨーク・ブロンクス動物園で飼育されているメスのアジアゾウのハッピーに基本的人権を認めるよう求め、動物園の園長らを相手取って提起していたものだ。NhRP はニューヨーク州でチンパンジーの人権を主張して話題になったが、他の州を含めて人類以外の人権を主張する意見が裁判所に支持されたことはない。今回の下級審でも主張が認められずに上告している。

ハッピーはおよそ 1 歳の時に捕らえられ、過去 45 年にわたってブロンクス動物園で飼育されている。伴侶のゾウは 2002 年に他のゾウとの争いで負傷して安楽死させられ、次の伴侶も病気のため安楽死させられたという。園ではこれ以上ゾウを取得せず、いずれはゾウの飼育もやめる計画を示したため、ハッピーともう 1 頭のメスのゾウ、パティーだけになっている。2 頭は仲が悪いため、飼育場所の間には仕切りが設けられている。

NhRP は園の飼育環境に問題がないことについては議論せず、ハッピーが他のゾウと交流できないことのみを問題にしている。そのため、人身保護令状を適用して園から解放し、NhRPが指定するゾウの保護区へ移動するよう求めていた。一方、園では保護区への移動がハッピーのためになるとは限らないなどと反論し、棄却を請求していた。

上訴裁判所では人身保護令状が人類にのみ適用されるものであり、ゾウなど人類以外の動物には適用されないこと、ゾウに人権が認められなくても州の進んだ動物保護法によりハッピーの福祉は十分に保護されること、法律で規定される「人」の定義を拡張したいなら裁判所ではなく議会で議論すべきことなどを指摘。下級審の判断を支持して上告を棄却した。

すべて読む | サイエンスセクション | 法廷 | サイエンス | この記事をTwitterでつぶやく この記事をFacebookで共有 この記事をGoogle Plusで共有 このエントリーをはてなブックマークに追加

関連ストーリー:
YouTube、ロボットバトル動画を動物虐待として非公開に 2019年08月22日
札幌の動物園、ラオウのコスプレで馬に乗れる企画を開始 2019年07月24日
猿が撮影した写真の著作権侵害をめぐる裁判、米控訴裁判所が棄却 2018年04月28日
米連邦地裁、猿が撮影した写真の著作権者は猿自身であるとの訴えを却下 2016年01月10日
実験用チンパンジーの開放を求めた訴訟、チンパンジーは法人か 2015年04月23日
チンパンジーの「人権」を求める訴え、すべて却下される 2013年12月14日

Wikimedia Foundation、ロシアでWikipedia記事を虚偽情報とする判決に上訴

著者: nagazou
2022年6月16日 08:09
headless 曰く、

Wikimedia Foundation は 13 日、複数のロシア語版 Wikipedia 記事がロシアの裁判所に虚偽情報と判断されたことなどを不服とし、6 日に上訴したことを明らかにした (ニュースリリースThe Verge の記事)。

虚偽情報と判断されたのはロシアのウクライナ侵略に関連する一連の記事で、削除を拒否したことが行政命令違反にあたるとして合計 500 万ルーブル (およそ 1,200 万円) の制裁金支払いを命じられたという。4 月にロシアでは軍事行動に関する虚偽の情報を故意に流布することを禁ずる法律が成立しており、該当の Wikipedia 記事を虚偽情報として削除するよう当局が要求していた。

上訴にあたり Wikimedia では、Wikipedia 上の情報は表現の自由で守られるべきものであり、虚偽情報ではないと主張。問題の情報は事実に基づいたもので、ボランティアが内容を確認・編集して改善を続けており、削除すれば表現の自由および知識にアクセスする権利の侵害にあたるとも主張している。

すべて読む | YROセクション | 軍事 | YRO | 法廷 | ニュース | お金 | この記事をTwitterでつぶやく この記事をFacebookで共有 この記事をGoogle Plusで共有 このエントリーをはてなブックマークに追加

関連ストーリー:
ロシア政府がウィキペディアに「誤情報」の削除要求。従わない場合は罰金を通知 2022年04月06日
英 BBC、ウクライナおよびロシア向けに短波放送を開始 2022年03月05日

❌