ノーマルビュー

Nature、常温常圧近傍での超電導に関する論文を撤回

著者: headless
2023年11月11日 19:58
Nature は 7 日、3 月に出版した窒素ドープ水素化ルテチウムにおける常温常圧近傍での超電導に関する論文を撤回した (Nature の記事The New York Times の記事Ars Technica の記事)。

今年は幻に終わった韓国の研究チームによる常温常圧の超電導物質 LK-99 が注目を集めたが、こちらの論文は昨年 9 月に Nature が撤回した常温超電導の論文と共通する研究者がかかわっていたこともあり、当初から懐疑的な見方が出ていたそうだ。

前回の論文では執筆者 9 人全員が撤回に反対したが、今回の論文は執筆者11人のうち 8 人が撤回を要請している。撤回を要請した執筆者によれば、研究に貢献した研究者として、出版された論文は研究した物質の由来や実施した実験の基準、適用したデータ処理手順を正確に反映していないのだという。両論文に執筆しているのは最終執筆者でロチェスター大学のランガ・P・ディアス氏を含む 6 人で、ディアス氏を除く 5 人が撤回要請に回った。一方、ディアス氏を含む 3 人は賛否を明らかにしていないとのこと。ただし、ディアス氏の広報担当者によれば、ディアス氏は論文に独自の編集を加えて再度 Nature に送る計画を示しているそうだ。

一方、半年前に同じ分野の論文を撤回したばかりのグループによる論文を再び掲載し、また撤回することになった Nature の方針にも疑問がわいてくる。Nature の応用科学および物理化学分野担当編集長のカール・ジーメリス氏によれば、論文は専門家によるレビューで挙げられた多数の疑問が後のリビジョンで解決されていくものであり、これがピアレビューの仕組みだという。ただし、論文が実際に行われた研究を正確に反映しているかどうかをピアレビューで確認することはできないとのことだ。

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米食生活指針、超加工食品の健康リスクを警告すべきか検討中

著者: headless
2023年11月11日 15:48
米食生活指針の 2025 年改定に向けた諮問委員会では、科学的問題の一つとして超加工食品 (ultra-processed food) の健康への影響を調査している (Ars Technica の記事The Washington Post の記事)。

多数の天然に存在しない成分を組み合わせて工業的に製造される超加工食品は健康への悪影響を示す研究成果がいくつも発表されているが、現行の米食生活指針では栄養成分にのみ注目し、加工方法は重視されていない。そのため、ジャンクフードに栄養成分を追加した超加工ジャンクフードが学校の給食にも用いられる事態となっているという。

2025 年版食生活指針諮問委員会では超加工食品について、食習慣およびライフステージを通じた特定の食習慣要素に関する小委員会で調査を行っている。超加工食品に関する科学的な問題は、食習慣における超加工食品摂取量の違いと成長や体組成、肥満リスクとの関係を特定するものだ。米国では超加工食品の健康リスクに関する警告が他国に後れを取っており、食生活指針に追加されれば初の警告となる。

しかし、食品業界ではこれに反対するロビー活動をすでに始めているという。食品業界の主張は工業的加工処理が食品の長期保存を可能にして食品ごみを減らし、無駄になる食材が減ることで価格が安くなり、新鮮な食品が不足したときの保障にもなるというものや、科学的に受け入れられる超加工食品の定義が存在しないといったものだ。

これに対しニューヨーク大学のマリオン・ネスル氏は「家庭のキッチンで作れるなら超加工食品ではない」として、その定義に何の問題もないと指摘している。ネスル氏によれば、超加工食品を一切食べるなというのは無理な話だが、食べ過ぎるべきではないとのことだ。

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