新星の歴史の授業は「4大文明と文字の発明」で始めるのは、深い意味がある。
「歴史はシュメ-ルから始まる」という有名な言葉は、メソポタミアのシュメ-ル人がはじめて、人類史上初めて文字を発明して使ったからである。
厳密には、残っている文書としては、最古のものという事だ。
4大文明では、文字は何のために使われたのか、という点が重要だ。
文字の発明と数字の発明がほぼ同時であることがヒントとなる。
神官や役人たちが徴収した税の記録として残した。
文字の成立は、国家の成立と同時であり、またそれは税制が確立された証でもある。
4大文明全てに「奴隷制度」があり、彼らは商品なので商品台帳に記録される。
その記録としても文字は重要だ。
日本の古代国家にも奴隷制度があり、その詳細な台帳が残っている。
その台帳の名は「戸籍」と呼ばれていて、現在もしっかりと維持されている。
古代国家では「班田収授法」によって、6歳以上の男女に口分田が支給され、税を納める義務が課される。
戸籍に記録された男女は、死ぬまで口分田を耕作し、税として年貢を納める義務から逃れられない。
彼らの唯一の救済手段は、逃亡である。
「逃散(ちょうさん)」と呼ばれた逃亡は頻繁に起こり、戸籍に記された家族の半数が、逃散して行方不明と言う例もざらにあった。
このような悲惨な状況のため、当時を「古代農奴制」と呼ぶ研究者もいる。
逃亡した農民は一体どこへ行ったのだろうか。
これは「探求」の面白いテーマとなるので、是非調べてみよう。
さて、現在もしっかり残っている戸籍は納税のための原資料となり、国民は税から逃れられない。
税は古代も現代も国家の基盤であり、古代人も現代人も「国家という共同幻想」から逃れられないのである。