アメリカコロラド大の心理学者K.A.エリクソンらが「最優秀者のピアニストは1万時間の練習をしている」と発表した。
彼らは、ベルリン音楽アカデミ―のバイオリンを学ぶ学生から、10名ずつレベル別に3つの集団を選び出した。
そのグル―プは技量別に
①国際的なソリストとして活躍できる可能性を秘めた最優秀バイオリニスト
②かなり演奏がうまい優秀バイオリニスト
③未来の音楽教師
と定義づけた。
彼らが18歳に達するまでに、練習時間として平均して合計何時間を費やしたか、というデ-タを取った。
①の最優秀バイオリニストは7400時間
②の優秀バイオリニストは5300時間
③の音楽教師は3400時間
20歳のころになると、最優秀ピアニストは週に30時間以上は練習するので、20歳までに合計1万時間を超える練習をしていることが解った。
1日8時間、毎日練習しても3年半はかかり、いわゆる「石の上にも3年」ということわざにも符合する。
これは統計上の結果であり「統計学」では重要な定理がある。
統計的に解るのは「相関関係」であり「因果関係」ではない、という事だ。
確かに1万時間の練習時間と最優秀ピアニストの間には、強い相関関係があるが、それが因果関係、つまり原因と結果ではない。
1万時間の練習をしたから皆、国際的なソリストになれるわけではない。
因果関係と判断するためには、エビデンスにもとづく理論的な根拠が必要だ。
ここで、その根拠として有力なのが、
「脳の神経ネットワ-クは、反復練習によって、電気信号をワープする機能を獲得する」という観察結果である。
脳の神経ネットワ-クは微弱電気を流す神経細胞によって繋がっているが、一定のルートに頻繁に電流が流れると、神経細胞の周りに「脂肪の鞘」を作ってその前後で電流がジャンプして流れる、つまりワープするのだ。
その結果、大幅に速い速度で電流が流れていく。
バイオリニストやピアニストのあの超絶技巧は、このように猛練習によって獲得したものなのだ。
受験勉強も同様だ。
基礎になるのは反復練習であり、1万時間の勉強時間の蓄積が「超絶的な解答力」を生み出す。
1万時間は3年間+浪人の1年間であり、医学科合格までの平均的な勉強時間だ。
この現役時代の毎日8時間(ここでは学校や予備校で授業を受けている時間は入らない)を継続するのは並大抵のことでは出来ない。
運動部や音楽部の部活に毎日出かけていては、とうてい積み上げることのできない時間だ。
新星の生徒には、医学科に合格するには、3年まで部活をやれば浪人3年
2年まで部活をやれば浪人2年、1年で切り上げれば浪人1年と言っている。
自分は天才だから3年まで部活をやっても現役で医学科に合格すると、思っている生徒はご自由にどうぞ。
新星にいないことはないが、静高に首席で受かって、高1から高3まで評点平均9.6の学年1位を続けた生徒だと、事実だけを言っておく。