最近の大学入試英語問題の傾向として、入学する学部や学科の将来の専門分野に近い内容のテーマを扱った英文を出すことが顕著になってきた。
私立大学は、学部学科ごとに異なった入試問題を出すので当然だが、国公立大学も学部ごとに入試問題を微妙に変えて将来の専門分野により近い英文を出題する。
医学単科大学においては、それは以前から当然の傾向である。
さて、ここで出題者の側から見た傾向があり、その対策も考慮しなければならない。
英語の入試問題作成者は、総合大学の場合はほぼ全て、教養課程を担当する「英文学部や英文科出身」の教授に限られる。
入試英文のテーマは英文科の専門分野から出すので、かつては理工学部の入試問題がベタベタのイギリス文学だったり、アメリカの短編小説だったりすることがあった。
理工学部の専門分野とは全く関係がない。
最近は、そのような無意味な出題を無くそうとして、専門課程で英語原書を担当する教授が入試問題を作成することが多くなった。
浜松医大の場合も、教養課程で英語を教える教授と、専門課程で医学英文原書を教える教授が交代で数年間ずつ入試問題を作成していた。
教養課程の教授が英語入試問題を作成すると、NYタイムズやGuardian 、ウオ-ルストリ-トジャ-ナルなど高校生が読まないようないわゆる「英米の一流大卒エリ-ト用」の新聞から出題する事が多い。
ほとんど無茶ぶりといってよいレベルのミスマッチで、単語のレベルが全く違いすぎる。
その反対に、専門課程の教授が出題すると、これまたNew England Medical Journal のような医師免許を持つ者だけが購読できる専門誌から出題して、高校生の一般的な英単語レベルからかけ離れた内容となっていた。
医師には手ごろな読み物かもしれないが、高校生にはかなりの無理難題で、外部からも批判があった。
そこで、医学の専門誌から出題しても、高校生にも読めるように、難解な単語や表現を簡単なものに入れ替えた「書き下し英文」を出すようになっている。
とはいえ、常識単語の範囲が一般常識とは大きくずれていて、医学専門単語は依然として多数出題されている。
ここは、医学科に入学すれば、日常的に一生に渡って使う英単語なのだから、覚悟を決めて覚えるしかないのである。