医学科入試が就職試験である理由を、再度説明したい。
①難関の医学科に合格すると、医師国家試験に向けて6年間の勉強が始まるが、1単位でも落とすと進級できずに留年する。
これは、国家試験受験資格は医学科卒業試験に合格していることが、前提だからである。
取得していない単位数が多ければ、卒業できない。
つまり、医師国家試験が受けられない。
だが、卒試に合格した生徒は、国家試験に受かる可能性が大変に高く、浜医医学科のように毎年ほぼ合格率100%のような大学もある。
つまり、医学科に一旦合格すると、ふつうに勉強すれば医師国家試験に受かる確率が高い。
②医学科にとって大学病院は非常に重要な機関だ。
地方の国公立大医学科では、県内の中核病院として大学病院が機能している。
特に県内開業医にとっては、国公立大学病院はネットワ-クのハブであり、最後の頼みの綱だ。
当然、大学病院には優秀な医師を揃えて、万全な体制で臨む。
その新戦力になりうる人材か、その適性を入学試験で選別するのだ。
私立大医学科では、より深刻な事情がある。
私大医学科、特に医学単科大学は大学病院が最大の収入源で、大学本体が赤字になるか黒字になるかは大学病院の収支状況に掛かっている。
優秀な医師がいる大学病院は、患者が殺到して繁盛するので、大学本体も潤いありがたい。
優秀な医師には引き抜き合戦が展開されて、長く一か所の病院にとどめておくのが難しい。
そこで、自前で愛校心の強い若手医師を養成して、中心戦力にしようとする。
医学科は教授と学生の結びつきも強いので、教授は自分で育てた医師を後釜に据えたがる。
学生もその期待に応えようとして頑張る。
このプラスのサイクルに適応できるかどうか、これも入学試験で判定しようとする。
医学科入試で女子差別が激しかったのは、女子はどうしても出産育児で、キャリアが一時中断しやすいからだ。
浜医医学科は、女性医師は地域医療の中核なるので、サポ-トの体制がしっかりと整っている。
女性医師も自宅が県内にあり、自分の母親から子育ての支援が受けられる県内病院は好都合だ。
新星生の中でも、将来は産婦人科や小児科を開業しようと考えている浜医医学科在校生が相当数いる。
医学科入試は、将来の展望が見えやすい就職試験である。