文系理系の区別撤廃で理系生に求められること
2022年1月2日 14:37
高校課程で文系理系区別は撤廃される。
それは文系学生の救済のためで、理系生には関係ないと思うのは早計だ。
理系生の中には、英語も国語も抜群で、文系生より文系科目が得意な生徒も、確かにいる。
去年の畑中先輩や王先輩がよい例だが、残念なことにそれは少数派だ。
多くは理系生であること口実にして、科目の国語を手抜きする傾向がある。
物理や数学は「人間そのもの」を対象とした学問ではない。
人間の本質、人間の心の問題を知るためには、文学の助けが必要だ。
人間について知りたいと思うのなら、是非とも小説を読んでみよう!!
そのためにお薦めなのが、やはり100分で名著シリ-ズだ。
そもそも、この「100分で名著シリ-ズ」はある意味で、ズルイ抜け道、楽をする近道だ。
このシリ-ズの名著の原作を全て読もうとすると、本当に一生かかる。
いや一生かかっても読破するのは難しい。
その難事業を「最高権威の頭脳を借りて」1冊100分で突破しようと言うのだから、この高速ルートを利用しない手はない。
ただし最高権威と言っても、かなり出来不出来の差がある。
そこで私が小説部門のベスト3と思われるものを上げる。
原文が英語の小説は、原文を読むべきなので除く。
第1位 「ユゴ-のノートルダム・ド・パリ」 著者 鹿島 茂
この著者の博識はすさまじく語注を読むだけで文化史が頭に入る。
ユゴ-本人と登場人物の分析が、鋭く深い。
解説書でありながら原作の筋書きが手に取るようにわかるのは、鹿島氏の書き手としての卓越した腕のお陰だ。
「ペンのナポレオン」になろうした天才ユゴ-を徹底的に分析した傑作解説書だ。
第2位 「ドストエフスキ-のカラマ-ゾフの兄弟」 著者 亀山 郁夫
これが全シリ-ズ中で読者人気のナンバ-ワンだ。
とにかく読んでみよう!!
さらに同じ著者の「ドストエフスキ-の五大長編小説の解読」も必読だ。
第3位 「カミュのペスト」著者 中条 省平
カミュは実存主義の旗手で、ノーベル文学賞にも輝いた傑作だ。
「徹底した人生の不条理」と、それでも闘い抜くカミュの分身とも呼べる医師のペストとの死闘を描いている。
このコロナ禍の中で「なぜ医師たちはこれほどまでにして戦うのか」その心情の奥底を見せてくれる。
医師だけでなく、医療従事者すべてがコロナ禍で「今、自分がやれることを粛々とやる」のはなぜか、この作品の登場人物は教えてくれる。
医師を目指す生徒の必読の書だ。