ノーマルビュー

【最終講義】梅津光生名誉教授(10/2・大隈講堂およびZoom)

著者: staff
2021年9月9日 13:15

梅津光生名誉教授の最終講義を以下のとおり、開催します。

ご挨拶

2021年3月に退職し、半年後は、COVID-19も落ち着きを見せていることだろうと思い、最終講義のために10月2日(土曜日)、大隈講堂を予約しました。

しかし、先行きが見通せませんので、Zoomによる聴講で行う準備をしており、大学の方針に従い、280名は会場に来ていただくことを可能とするという運営体制で臨みます。

登録に関しては、別Googleフォームを用意いたしましたので、そちらをご覧ください。

開催日時

2021年10月2日(土)
第1部10:30~12:00 (9:30受付開始)
第2部14:00~16:00(13:30受付開始)

題目および対象

第1部「毎日を楽しく暮らすコツ:問題を見つけ解決することの楽しさ」

  • 講義内容紹介:
    私は幸いにも、今までのびのびと楽しく暮らしてまいりました。子供のころから、興味を持ったことに対して自由に接する環境を作ってもらい、私を子ども扱いせずに対等に話し合う訓練ができたことに対し、両親に感謝しています。講演では、趣味や海外生活の経験などから、日々楽しく暮らすコツについて紹介したいと思います。
  • 対象:
    梅津研及び土屋研卒業生とその家族が中心ですが、早大関係者、学会、同窓会関係、それらのご友人の方々も聴講歓迎

第2部「早稲田大学で達成できたことと、できなかったこと」

  • 講義内容紹介:
    「大学教員には免許がないので工夫がいる。」という恩師土屋喜一教授のアドバイスで、いろいろチャレンジしてきました。その中で、先端生命医科学センターTWInsの設立や、日本初の学際専攻(生命理工)と共同大学院(共同先端生命)をなぜ創設することができたのか。また、同様のスキームで早稲田の医療系を充実することができるのか。やり残したことが何かに関して、包括的にお話ししたいと思います。
  • 対象:
    早大教職員、早大卒業生が中心ですが、学会関係、同窓会、それらのご友人の方々も聴講歓迎

開催方法

対面での聴講は、各回280名を上限として受け付けます(ワクチン2回接種者を優先)。そのほか、Zoomによるオンライン聴講も可能です。

会場

講義会場:早稲田大学大隈講堂 大講堂
サテライト会場:早稲田大学大隈講堂 小講堂(オンライン中継)
リモート:ZOOM によるオンライン配信

聴講申込方法

対面・オンラインいずれも聴講希望の方は、申込フォームよりご登録ください。

ご登録いただいた方には、開催日が近づきましたら、オンライン講義への接続方法をご案内します。

問い合わせ先

事務局(岩﨑研究室 [email protected]

レアアース リサイクル技術を共同開発

著者: contributor
2021年9月3日 16:41

日産と早稲田大学、電動車用のモーター磁石からレアアース化合物を高純度で効率良く回収するリサイクル技術を共同開発

カーボンニュートラル社会の実現に向けて2020年代中頃の実用化を目指した実証実験を開始

早稲田大学(所在:東京都新宿区、総長:田中愛治)と日産自動車株式会社(本社:神奈川県横浜市西区、社長:内田 誠)は、電動車用のモーター磁石からレアアース化合物を高純度で効率良く回収するリサイクル技術を共同開発し、2020年代中頃の実用化を目指した実証実験を開始したと発表しました。

⇒プレスリリース(日産自動車株式会社)

現在、自動車業界では、グローバルな気候変動に対応し、カーボンニュートラル社会を実現するため、車両の電動化が積極的に推進されています。これら電動車のモーターの多くに使用されるネオジム磁石には、ネオジム、ジスプロシウムなどのレアアースと呼ばれる希少元素が使用されています。 レアアースは資源の偏在や需給バランスによる価格変動が懸念される上、採掘・製錬時に生態系への負荷も伴うことから、その使用量削減が課題となっています。

日産は限りある貴重な資源を有効に使用するため、2010年以降、設計段階でモーター用磁石のヘビーレアアース(重希土類)の使用量削減に取り組んでいます。また、レアアースの再生利用にも取り組み、出荷基準を満たさず、クルマに搭載しなかったモーターから磁石を取り出して分解し、磁石サプライヤーに還元してきました。

しかし、現在、モーターの磁石からレアアースを取り出す工程では、手作業による磁石の分解、取り出しが必要であるため、今後さらなるリサイクルを推進するには、プロセスの簡便化とリサイクルコストの低減が課題となっていました。

そこで2017年より、日産は非鉄金属のリサイクルと製錬に関する研究で高い実績のある早稲田大学創造理工学部の山口勉功研究室*2と共同で、同校の大型炉設備*3を使用し、電動車用のモーターの磁石からレアアース化合物を回収する研究を開始しました。そして、2019年度には、高温で融体を取り扱う「乾式製錬法」により、モーターを解体することなく、高純度なレアアース化合物を効率よく回収する技術を確立しました。

両者が開発したリサイクル技術のプロセスは、以下の通りです。

作成:日産自動車株式会社

  1. 加熱溶融を促進する銑鉄(せんてつ)、鉄の融点を下げる加炭材を加え、1,400℃以上に加熱した炉でモーターを溶融
  2. 酸化鉄の添加により溶融液中のレアアースを酸化
  3. レアアース酸化物を溶かすため、ホウ酸塩系のフラックス*4を少量添加
  4. 「レアアースを含んだ酸化物層」と、より密度が大きい「レアアースを含まない鉄-炭素合金層」を分離
  5. 上層に分離された酸化物層から、レアアース化合物を回収

本リサイクル技術では、レアアース酸化物を少量、低温で溶融することができ、高い割合で回収できる安価なホウ酸塩系のフラックスを採用しています。実験では、この方法によりモーターに使用されたレアアースの98%を回収できることが確認されています。また、磁力を取り除く作業や、磁石を分解して取り出す作業が不要となるため、プロセスを簡略化することができ、従来の方法と比べ作業時間を約50%削減することができます。

今後は、実用化を目指した実験を続けると同時に、使用済み電動車に搭載されたモーターを回収し、リサイクルするスキームの構築を進めていきます。

日産は、ニッサン・グリーンプログラム2022において、「気候変動」「資源依存」「大気品質」「水資源」の4つの重点課題に取り組んでいます。今後もカーボンニュートラルや新規採掘資源依存ゼロを目指し、電動車両の普及と同時に、レアアースの使用量削減とリサイクルを推進していきます。そして、持続可能な社会の発展を目指す一員として、「よりクリーンな社会」、「より安全な社会」、「よりインクルーシブな社会」の実現を目指していきます。

*1 2020年度に生産されたノートは、2010年度生産されたリーフと比較して85%のヘビーレアアースの削減を実現。

*山口勉功教授 (やまぐちかつのり) (創造理工学部 環境資源工学科)は、高温プロセスを用いた新しい金属製錬、金属スクラップの精製、廃棄物処理など社会と産業に直結した研究を行っている。レアメタルとベースメタルがその対象となる。山口研究室では、今回の実証結果を踏まえ、今後は日産自動車と継続して連携・研究を行い、EVやHEVなどの電動車モーターからのレアアースをリサイクルするプロセスを広く普及できるよう研究・開発を進めていく予定。

*3 早稲田大学各務記念材料技術研究所:https://www.waseda.jp/fsci/zaiken/

*4 フラックス=融解温度を下げる働きをもつ物質。

『継続的な委員会活動と連携した環境・設備計画の実践』(2021/9/25)

著者: staff
2021年9月1日 14:20

高井啓明氏 井上宇市記念賞受賞 記念講演会」のお知らせ

この度、高井啓明さん(竹中工務店 苗S55)が、公益社団法人空気調和・衛生工学会より「第11回井上宇市記念賞」を受賞され、その記念講演会を開催いたしますので、下記の通りご案内申し上げます。

なお、本講演会は、早稲田大学建築学科の特別講義として行われます。学生の皆様の参加も大歓迎です。

 

【講演会概要】

①          日時:2021年9月25日(土) 15:00~17:30(14:30~アクセス開始)

②          会場:WEB開催(Zoom Webinar利用)

③          講演テーマ:『継続的な委員会活動と連携した環境・設備計画の実践』

④          参加費:無料

・講演会詳細および参加申し込みは、下記URLをご参照ください。申し込み締め切り:9/10(金)

https://forms.office.com/r/fc6BSgUW5x

・Zoom Webinar の参加URLは、申込みをいただいた方に、改めてご案内いたします。

 

【問合せ先】  早稲田大学創造理工学部建築学科田辺研究室

株式会社竹中工務店 東京本店設計部

大宮由紀夫 E-mail: [email protected]

鈴木尚昭  E-mail: [email protected]

「The New General Service List (NGSL) Project: A Modular Approach for the Language Vocabulary」(2021/9/10)

著者: staff
2021年8月27日 18:18

演題:The New General Service List (NGSL) Project: A Modular Approach for the Language Vocabulary

日時:2021年9月10日(金)15:00-16:00

会場:Zoomによるオンライン講演会

講師:BROWNE,Charles Munson(明治学院大学教授)

対象:学部生、大学院生、教職員、一般の方

参加方法:参加無料、事前申込制

事前申込先:https://forms.office.com/r/fFf5A3HeEc

申込締切:2021年9月9日(木) 17:00

主催:英語教育センター

問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課

TEL:03-5286-3000

燃料電池ごみ収集車の普及を目指して

著者: contributor
2021年8月19日 16:08

【大学研究者による事業提案制度採択事業】
燃料電池ごみ収集車の試験運用を港区で開始

東京都、港区及び学校法人早稲田大学(研究代表者:理工学術院教授・紙屋雄史、共同提案者:客員主任研究員(研究院客員准教授)・井原雄人)は、水素社会の実現を目指すとともに、温室効果ガス削減に寄与するため、都市の特性に適した燃料電池ごみ収集車(水素燃料)の開発・試験運用に向けて取り組んできました。

このたび、令和3年8月16日から港区内において燃料電池ごみ収集車の試験運用を開始しますのでお知らせします。

(1)目的

本事業は、CO2削減、静音性の向上、ごみ収集時の作業環境改善等に貢献する燃料電池ごみ収集車の開発・試験運用に向けた取組を行い、将来的な普及を目指すものです。
本試験運用では、燃料電池ごみ収集車が港区内のごみ収集ルートにおいて、実際に走行・ごみ収集を行い、エネルギー消費量の評価や収集職員へのヒアリング等を実施することで、導入効果の検証等を行います。

試験運用車両:車両には、水素のイメージを想起させる曲線をベースに東京都、港区、学校法人早稲田大学のロゴマーク、水素キャラクターのスイソン等のラッピングを施しました。

(2)今回試験運用する車両について【1台】

1.車両サイズ 全長:7,085㎜、全幅:2,190㎜、全高:2,560㎜
2.航続距離 70~80 km
3.ごみ積載量 1,750 kg
4.ごみ積載容積 7.8 ㎥
5.水素搭載重量 4.2 kg
6.水素充填時間 3~5分

※2~6は開発時の想定値

(3)試験運用実施期間等

令和3年8月16日から令和4年2月末まで

港区内の実際のごみ収集ルートで使用します。
月曜日・木曜日: ① 六本木2・5丁目  ② 高輪1・3丁目  ③ 高輪2丁目
火曜日・金曜日: ① 芝浦2丁目、海岸2丁目  ② 芝大門1・2丁目、芝2丁目 ③ 浜松町1丁目、芝1・4丁目 ④ 三田2丁目
水曜日・土曜日: ① 南麻布3・4丁目  ②三田2・3丁目  ③ 三田1丁目 ④ 芝3丁目、三田3・4丁目

(4)今後の予定

  • 本事業のPR動画を作成し、HP・SNS等で発信
  • 本事業を活用した環境学習の実施
燃料電池ごみ収集車運用事業について(令和元年度から令和3年度まで)

本事業は、東京都の「大学研究者による事業提案制度」に基づき、学校法人早稲田大学から燃料電池ごみ収集車の開発・運用に関する事業提案を受け、令和元年度から、東京都及び早稲田大学で事業を開始しました。令和2年度には、東京都・早稲田大学及び港区との間で協定を締結し、三者が連携して事業を行っています。
走行距離が長く、動力としても多くのエネルギーを必要とする業務用車両における水素利用は、運輸部門の脱炭素化や水素利用の拡大のために非常に重要となります。また、燃料電池自動車は、走行時にCO2を一切排出せず、走行及び作業時も静かなことから、ごみ収集時の作業環境や生活環境の向上にも貢献します。低速かつ頻繁な発停車を繰り返すごみ収集ルートにおいては、特に導入効果が期待できます。
本事業では、燃料電池ごみ収集車が将来的に普及することを目指し、都内における運用形態に適した燃料電池ごみ収集車の開発及び試験運用を実施します。

※大学研究者による事業提案制度:都内大学研究者から、研究成果・研究課題等を踏まえた事業提案を募集し、研究者・大学と連携・協働して事業を創出する制度。

物理の難問 量子スピン液体 を解明

著者: contributor
2021年8月17日 13:16

機械学習手法により物理の難問「量子スピン液体」を解明

スーパーコンピュータ「富岳」も用いた最先端の計算により実現

理化学研究所(理研)創発物性科学研究センター計算物質科学研究チームの野村悠祐研究員と豊田理化学研究所/早稲田大学理工学術院総合研究所今田正俊フェロー/上級研究員・研究院教授の共同研究チームは、機械学習を用いた世界で類を見ない高精度手法により、幾何学的フラストレーションのある量子スピン系の解析を行いました。そして、スピンの向きが絶対零度でも整列せずに、量子力学的に揺らぐ「量子スピン液体」相を発見・確証し、存在領域を特定しました。

本研究成果は、量子スピン液体中でスピンが分裂して生じる「スピノン」の性質を解き明かし、これを量子計算への応用につなげるとともに、現実物質で量子スピン液体を実現するための有用な指針を与えるものと期待できます。

人工ニューラルネットワークの一つである制限ボルツマンマシンの構造の概念図

今回、共同研究チームは、機械学習分野で用いられる人工ニューラルネットワークの一種である制限ボルツマンマシンと物理分野で用いられる強力な関数を組み合わせて、スピン間の高度な量子もつれを学習させる手法を構築しました。スーパーコンピュータ「富岳」などでこの手法を用いた大規模計算を行い、2次元正方格子上のフラストレーションのある量子スピン模型を世界最高レベルの精度で解析した結果、フラストレーションが強くなる領域において、量子スピン液体相の存在の確証を得ました。さらに、実現した量子スピン液体相の励起構造も調べ、通常のスピンの励起が分裂し、分裂した粒子が独立した粒子のように振る舞う分数化という現象を捉えました。

本研究は、オンライン科学雑誌『PhysicalReviewX』(8月12日付)に掲載されました。

詳細はプレスリリースをご覧ください。

論文情報

<タイトル>Dirac-type nodal spin liquid revealed by refined quantum many-body solver using neural-network wave function, correlation ratio, and level spectroscopy

<著者名>Yusuke Nomura and Masatoshi Imada

<雑誌>Physical Review X

<DOI>10.1103/PhysRevX.11.031034

研究支援

本研究は、日本学術振興会(JSPS)科学研究費助成事業基盤研究(S)「強相関物質設計と機能開拓―非平衡系・非周期系への挑戦―(研究代表者:今田正俊)」、同若手研究(B)「強相関物質における格子自由度の役割解明とフォノンがもたらす機能物性の探索(研究代表者:野村悠祐)」、同基盤研究(B)「高次元データの次元圧縮によって実現する磁性と超伝導の第一原理計算(研究代表者:大槻純也)」、文部科学省「富岳」成果創出加速プログラム「量子物質の創発と機能のための基礎科学―「富岳」と最先端実験の密連携による革新的強相関電子科学(研究代表者:今田正俊)(課題番号:hp200132, hp210163)」、ポスト「京」重点課題(7)「次世代の産業を支える新機能デバイス・高性能材料の創成」サブ課題C「超伝導・新機能デバイス材料(研究代表者:今田正俊)(課題番号:hp170263, hp180170, hp190145)」による支援を受けて行われました。

また、本研究には東京大学物性研究所のスーパーコンピュータおよび理研のスーパーコンピュータ「京」、「富岳」が使用されました。

新しいレイアウト自動生成技術を提案

著者: contributor
2021年8月6日 12:45

最適化による制約を満たしたレイアウトの生成手法を提案

マルチメディア分野のトップカンファレンス「ACM Multimedia」にて共著論文採択 

株式会社サイバーエージェント(本社:東京都渋谷区、代表取締役:藤田晋、東証一部上場:証券コード4751)は、早稲田大学(東京都新宿区、総長:田中愛治)の菊池康太郎(博士後期課程在籍)氏、コンテンツ作成のためのコンピュータグラフィックス研究で多数の実績を持つエドガー・シモセラ准教授、ならびに人工知能技術の研究開発組織「AI Lab」に所属する研究員の大谷まゆ・山口光太による共著論文が、マルチメディア分野の国際会議「ACM Multimedia 2021」※1 に採択されたことをお知らせいたします。

「ACM Multimedia」は世界中の研究者により開催されている学術会議で、マルチメディア分野で権威あるトップカンファレンスの一つです。このたび採択された研究は、2021年10月に開催される「ACM Multimedia 2021」で発表されます。

研究背景

「AI Lab」ではマーケティング全般に関わる幅広いAI技術を研究・開発しており、大学・学術機関との産学連携を強化しながら様々な技術課題に取組んでいます。

近年、深層学習を活用してグラフィックデザインを自動生成する技術が注目を集めており、様々な領域での応用が期待されています。なかでも「レイアウト自動生成技術」は、クリエティブ制作における工数削減の点で重要です。

一般的にレイアウト作成では、要素同士の重なりの禁止や要素配置の左揃えなど、様々なデザイン上の制約が課せられることがあります。これまでの研究では、このような制約に基づいたレイアウト生成を学習するために、制約を事前に決めて生成モデルを学習する手法が用いられていました。しかし、従来の手法では新しい種類の制約が生じた場合に生成モデルを学習し直す必要があるため、制約に柔軟に対応することが難しいという課題がありました。

このような背景のもと、本研究では、ユーザーから生じる様々なデザイン要求に対応するため、モデルが学習した尤もらしいレイアウトの中から、さらに新しい制約を満たすものを効率的に探索する方法を提案しました。

研究論文の概要

このたび採択された論文「Constrained Graphic Layout Generation via Latent Optimization」※2 では、グラフィックデザインを支援するための新たなレイアウト自動生成手法を提案しています。本提案手法では、最初に自動生成したレイアウトを、制約を満たすように更新することで、望んだレイアウトを生成することを実現しました。これにより、デザインに関する新たな制約が発生した際にも、生成モデルを一から学習し直す必要なく、効率的に自動生成を行うことが可能となります。

本研究では、最初に制約を仮定せずにレイアウトを自動生成するモデルを学習します。ここでレイアウトがサンプリングされる空間は「レイアウトの潜在空間」と呼ばれ、この空間中の1点はそれぞれ特定のレイアウトに対応づけられます。そしてある点を起点に、指定された制約を満たす領域に近い潜在空間上を探索していくことで、ユーザの指定した制約に沿うようなレイアウトに自動的に到達します。

レイアウトに対する制約の例としては、「重なりのないレイアウト」「画像やテキストの並び順」「大小関係を指定したレイアウト」などがあり、提案したモデルではそれらの制約に沿ったレイアウトを提示します。このアプローチにより、単一の生成モデルでさまざまな制約付きレイアウト生成に対応することが可能となります。

▼レイアウトの制約を満たす領域に近い潜在空間上を探索していく手法のイメージ

今後について

本研究成果を活用することで、「並びのきれいなデザイン」などを意図したレイアウトの自動生成が可能になるだけでなく、デザインの制約に広告効果の指標を取り入れることで、より「効果の高いデザイン」の自動生成への応用が期待できます。「AI Lab」ではこの技術を活用し、より効率的で高品質な広告作成を目指し、研究・開発に努めてまいります。

※1  ACM Multimedia

※2  Constrained Graphic Layout Generation via Latent Optimization

論文詳細

「Machine Learning for Language Learning」(2021/8/24)

著者: staff
2021年8月5日 17:07

演題:Machine Learning for Language Learning

日時:2021年8月24日(火)9:00-10:00

会場:Zoomによるオンライン講演会

講師:萩原 正人(Octanove Labs経営者・技術者・研究者)

対象:学部生、大学院生、教職員、一般の方

参加方法:参加無料、事前申込制

事前申込先:https://forms.office.com/r/VWB0gaKNpu

申込締切:2021年8月23日(月) 17:00

主催:英語教育センター

問合せ:早稲田大学 理工センター 総務課

TEL:03-5286-3000

早稲田大学 PoC Fund Program 2021年度 研究課題 5件の採択を決定

著者: contributor
2021年8月2日 12:24

早稲田大学アントレプレナーシップセンターでは本学の研究成果・技術シーズをもとにしたベンチャー企業の設立・事業化による社会実装をめざして、2020年よりPoC(概念実証)プログラム「早稲田大学 PoC Fund Program」を開始し、研究者の技術シーズをもとにした大学発ベンチャーの創出を支援しています。

本プログラムは早稲田大学提携ベンチャーキャピタルであるウエルインベストメント株式会社Beyond Next Ventures株式会社などの支援を得ながら、大学発ベンチャーの創出を目的とする支援プログラムと(タイプA 最大200万円の助成、タイプB 最大1000万円の助成)、2020年9月に本学が採択された科学技術振興機構(以下、JST)研究成果展開事業 社会還元加速プログラム(以下、SCORE)大学推進型を財源としたプログラム(タイプS 500万円(増額可)の二本立てのプログラムとなっています。

2021年度 研究課題5件の採択がついに決定

2年めとなる2021年度の学内公募は5月に締切られ、厳正な審査(1次:書面審査、2次:面接審査)を経て、研究課題5件(いずれもタイプS)の採択を決定いたしました。

採択された5件の研究課題は、ビジネスモデルの仮説立案検証や市場調査等のための研究開発費が支給されるほか、本プログラムが指定するアクセラレーターによる定期的な助言・支援(ハンズオン的支援)、各種トレーニングプログラム等の受講やピッチコンテストなどを通じて、ビジネスモデルのさらなる実現化・高度化を目指してまいります。

2020年度採択の研究課題からは既に起業が実現

2020年度タイプS研究課題の研究代表者(Demo Day終了後)

2020年度採択の研究課題5件は2021年3月の成果発表会Demo Dayをもって本プログラムによる研究活動を終えました。その成果として、三宅丈雄教授(情報生産システム研究科)による起業※が実現しています。 (※「ハインツテック株式会社」2021年7月起業)

アントレプレナーシップセンターは、早稲田大学 PoC Fund Program を通じて、研究成果をもとにしたベンチャー起業創出を加速させ、早稲田オープンイノベーション・エコシステムの実現をさらに推進していきます。

関連リンク

JST  研究成果展開事業 大学発新産業創出プログラム<社会還元加速プログラム(SCORE)大学推進型

時間に伴う細菌相互作用の変化を推定

著者: contributor
2021年7月15日 17:50

時間経過に伴う細菌相互作用の変化を推定する手法を開発

発表のポイント

  • これまでの手法は時間の経過に伴う細菌相互作用の変化を推定できなかった。
  • 時間の経過に伴う細菌相互作用の変化を推定する手法Umibatoを開発した。
  • 自然環境の生態系の解明や、近年急速に解明が進んでいるヒト常在菌叢の長期的な変化の追跡において活用が期待される。

早稲田大学大学院先進理工学研究科後期博士課程3年の細田 至温(ほそだ しおん)氏と、同大理工学術院の浜田 道昭(はまだ みちあき)教授らの研究グループは、時間の経過に伴う細菌相互作用の変化を推定することができる手法Umibato (unsupervised learning-based microbial interaction inference method using Bayesian estimation)を開発しました。

これまで細菌相互作用を推定するために用いられていた手法は、細菌相互作用が時間に伴い変化しないことを前提としていたため、時間の経過に伴い細菌相互作用が変化していることを推定することができませんでした。今回開発した手法により、細菌叢の時系列データ解析においてこれまで見過ごされてきた細菌の関係性の変化を捉えることが可能になります。将来的には、自然環境の生態系の解明や、近年急速に解明が進んでいるヒト常在菌叢の長期的な変化の追跡において活用されることが期待されます。

本研究成果は、2021年7月末に開催される計算生物学のトップの国際会議であるISMB/ECCB2021の口頭発表に受理されました。論文はISMB/ECCB2021の予稿として2021年7月12日(月)(現地時間)に『Bioinformatics』に掲載されました。

論文名:Umibato: estimation of time-varying microbial interaction using continuous-time regression hidden Markov model

(1)これまでの研究で分かっていたこと

細菌相互作用は、栄養のやりとりなどにより細菌同士が影響し合う現象です。細菌相互作用は代謝ネットワーク※1を構成する要因として宿主の健康に影響することが示されており、重要な研究対象となっています。これまでの研究では、細菌相互作用を推定するために、一般化ロトカ・ヴォルテラ方程式※2という微分方程式をベースとしたモデルが広く使われてきました。しかしこの方程式は細菌相互作用が時間に伴い変化しないことを前提としていました。そのため、何らかの環境条件が変化しそれに伴い細菌相互作用が変化するような場合に適用ができませんでした(図1)。現に、異なる栄養条件下では細菌相互作用が異なるということがすでに報告されており、この欠点は致命的でした。

図1:時間変化する相互作用と従来手法による推定結果の概念図。赤い矢印は細菌が増加するような寄与、青い矢印は細菌が減少するような寄与を示す。真の細菌相互作用が時間に伴い変化しているにもかかわらず、従来手法では時間変化を考慮していないためにそれらを推定できない。

(2)今回の研究で新たに実現しようとしたこと、明らかになったこと

一般化ロトカ・ヴォルテラ方程式に細菌相互作用の時間変化を導入し、それらを統計モデルにより推定することを考えました。この手法により時間変化する細菌相互作用を推定できるようになりました。この手法の妥当性を人工データによる実験により検証しました。結果として、細菌相互作用が時間変化しない場合では既存手法の性能と提案手法の性能は近いものであったのに対し、時間変化する場合では提案手法の性能が既存手法より高いことが確認できました(図2)。

図2:人工データにおける性能評価。横軸はデータセットを示し、縦軸は真のパラメタと推定されたパラメタの相関係数を示す。バーが高いほど性能が良いことを示す。左の結果は時間変化を考慮していないデータセットのもので、中央と右の結果は時間変化を考慮したデータセットのものである。それぞれの6つの棒グラフのうち左端2つは提案手法であるUmibatoの結果で、時間変化を考慮したデータセットで既存手法より性能が良いことが分かる。

また、マウスの腸内細菌叢データに適用したところ、マウスが低繊維食を摂っている間に主に現れる相互作用が観測され、食事と細菌相互作用の関連性が示唆されました(図3)。

図3:推定された相互作用の変遷。7つのグラフはそれぞれ異なるマウスの腸内細菌叢データに対応する結果で、Subject4とSubject7はコントロール、すなわち低繊維食を摂っていないマウスのデータである。横軸は時間を示し、縦軸は相互作用の種類と低繊維食を示す。低繊維食と5種目の相互作用(State5)の関連が見られる。

(3)そのために新しく開発した手法

隠れマルコフモデル※3を拡張した連続時間回帰隠れマルコフモデルを提案しました。また、このモデルのパラメタ推定アルゴリズムを導出しました。また、このモデルとガウス過程回帰※4による細菌成長率推定を用いて、時間変化する相互作用を考慮した一般化ロトカ・ヴォルテラ方程式に基づく細菌相互作用推定手法Umibatoを開発しました。

(4)研究の波及効果や社会的影響

複雑な挙動を見せることの多い時系列細菌叢データの解析においてこれまで見過ごされてきた細菌の関係性の変化を捉えることが可能になります。自然環境の生態系の解明や、近年急速に解明が進んでいるヒト常在菌叢の長期的な変化の追跡において大いに活用されることが期待されます。

(5)今後の課題

主な課題として、二つ挙げられます。一つは、更なる実データへの適用です。公開されているデータの制限から、今回はマウス腸内細菌叢データに対する適用に留まりましたが、Umibatoはあらゆる環境の時系列定量細菌叢データで適用可能な手法です。もう一つは、実験による推定された相互作用の検証です。本研究で推定された関係性を実験的に検証することで、推定された相互作用の解明に繋がると考えられます。

(6)研究者のコメント

本研究では、長い歴史を持ちこれまで広く使われてきた方程式を、現代的なデータに対しより合理的に扱えるよう昇華させることができたと感じています。バイオインフォマティクスにおいて、興味深いアルゴリズムは生物学的意義での実用性に欠けることも多いですが、本手法ではそれらを両立できたと思います。本手法が細菌叢研究の一助となり、自然環境やヒト常在菌叢の解明を促進できれば幸いです。

(7)用語解説

※1 代謝ネットワーク
ここでは微生物同士の代謝物のやりとりで構成されるネットワーク。たとえば、ヒト腸内細菌叢ではネットワークにより最終的に産生された代謝物がヒトに影響を与える。

※2 一般化ロトカ・ヴォルテラ方程式
捕食者と被捕食者の個体数を表現する微分方程式であるロトカ・ヴォルテラ方程式を一般化した微分方程式。捕食と被捕食のような関係性だけでなく、相利共生関係(AとBが互いに増加に寄与する関係)や寄生関係(AがBの増加に寄与、BはAの減少に寄与する関係)も表現できるため細菌叢解析でよく用いられる。

※3 隠れマルコフモデル
音声信号処理や配列解析でよく用いられる統計モデル。離散的な時系列のデータから隠れた情報の変遷を推定することができる。本研究で提案した連続時間回帰隠れマルコフモデルは隠れマルコフモデルの一種で、実時間のような連続的な時系列を扱えるよう拡張されたモデルである。

※4 ガウス過程回帰
ガウス過程という確率過程をベースとした回帰手法。柔軟な回帰を行うことができる。

(8)論文情報

雑誌名:Bioinformatics
論文名:Umibato: estimation of time-varying microbial interaction using continuous-time regression hidden Markov model
執筆者名(所属機関名):Shion Hosoda(早稲田大学、産総研・早大 生体システムビッグデータ解析 オープンイノベーションラボラトリ)、 Tsukasa Fukunaga(早稲田大学、研究当時:東京大学)、Michiaki Hamada(早稲田大学、産総研・早大 生体システムビッグデータ解析 オープンイノベーションラボラトリ)
掲載日(現地時間):2021年7月12日(月)
掲載URL:https://doi.org/10.1093/bioinformatics/btab287
DOI:10.1093/bioinformatics/btab287

(9)研究助成

研究費名:科研費 特別研究員奨励費
研究課題名:確率モデルを用いたヒト腸内細菌叢構造の解明と応用
研究代表者名(所属機関名):細田 至温(早稲田大学)

研究費名:科研費 新学術領域研究(研究領域提案型)
研究課題名:逆イジングモデル法に基づく機能未知な微生物遺伝子の機能推定
研究代表者名(所属機関名):福永 津嵩(東京大学 当時)

研究費名:科研費 基盤研究(A)
研究課題名:リピート要素のde novo発見に基づく長鎖ノンコーディングRNAの機能の解明
研究代表者名(所属機関名):浜田 道昭(早稲田大学)

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