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【11月30日(木)12:30~13:10開催】PEP卓越大学院プログラム7期生(2024年4月進入・編入)募集説明会のお知らせ

著者: staff
2023年10月30日 17:25

文部科学省卓越大学院プログラム『パワー・エネルギー・プロフェッショナル(PEP)育成プログラム』は、
電力・エネルギー新産業創出に寄与する人材を輩出することを目的とした修士・博士後期5年一貫の博士人材育成プログラムです。
<ご参考>
PEP卓越大学院プログラムHP https://www.waseda.jp/pep/
パンフレット https://www.waseda.jp/pep/pamphlet/
募集要項出願書類 https://www.waseda.jp/fsci/admissions_gs/guidelines/pep/

この度、本プログラムの7期生(2024年4月進入・編入)募集説明会を以下のように開催致します。
当日は、プログラム説明後に現役PEP生も参加して、皆さんの質問にお答え致します。
奮ってお申込みください。
<概要>
対象:現在、電力系・エネルギーマテリアル系を専攻分野としている(あるいは現在それらの分野に関心がある)以下の学生、社会人
・学部3年生、4年生
・修士課程/一貫制博士1年生、2年生
・2024年4月に以下の参画専攻博士後期課程入学予定者
[参画専攻]
・基幹理工学研究科(機械科学・航空宇宙専攻、電子物理システム専攻)
・創造理工学研究科(地球・環境資源理工学専攻)
・先進理工学研究科(応用化学専攻、電気・情報生命専攻、ナノ理工学専攻、先進理工学専攻)
・環境・エネルギー研究科(環境・エネルギー専攻)

日時:2023年11月30日(木)12:30~13:10(途中入退室可)
形式:Zoomオンラインミーティング(申請フォームから参加登録いただいた方にURL詳細等、11/29(水)を目途にメールでお送り致します。)
内容:・PEP卓越大学院プログラム概要説明(研究指導・支援体制、カリキュラム、進路、経済的支援等)
・2024年4月(7期生)進入/編入募集日程
・質疑応答(プログラムコーディネーター林 泰弘教授、PEP事務局が質問にお答え致します。)
・現役PEP生の体験談と質疑応答

<申請フォーム>
PEPプログラムに少しでも関心のある方はお気軽に、以下URLよりお申込みください。
https://x.gd/RVsGl

申込締切:11月30日(木)10:00まで

<お問合せ>
PEP卓越大学院プログラム事務局(51号館1F理工統合事務所内)
TEL:03-5286-3238 Email:[email protected]

 

ロボットアーム運動生成 旧来比4倍を超える高速計算手法を開発

著者: contributor
2023年10月16日 11:25

ロボットアーム運動生成 旧来比4倍を超える高速計算手法を開発

量子インスパイアード技術「デジタルアニーラ」を活用した世界初の取り組み

発表のポイント

ロボットの運動時のエネルギー消費の低減に向けて、効率的な運動軌道を導いたり、その軌道を実現する各時間の加減速への考慮を行ったりするための最適化計算は、これまで運動そのものに比べて膨大な時間を要し、ロボット開発やその進歩にとって大きな障壁となっていました。
組合せ最適化問題を高速に解くことに特化した「デジタルアニーラ」の技術を用いて、ロボットアーム先端の軌道求める最適制御問題として定式化しました。
今回開発した計算手法によって、エネルギー消費の観点で最適な運動生成を達成する高速計算を実現すると同時に約10%のエネルギー消費の低減をもたらすことができました。

早稲田大学(以下、早大)理工学術院総合研究所の大谷拓也(おおたにたくや)次席研究員ならびに同大理工学術院の高西淳夫(たかにしあつお)教授らの研究グループは、富士通株式会社(以下、富士通)との産学連携により、次世代コンピューティングの一つであるアニーリング方式に属する、富士通の量子インスパイアード技術*1「デジタルアニーラ*」を用いて、ロボットの構造に応じたエネルギー消費の少ない運動を高速で計算する手法を提案しました。量子インスパイアード技術をロボットアームの運動生成に活用する取り組みとしては世界初となります。

本研究成果は世界最大の学術研究団体であり、全世界に40万人を超える会員を有する米国電子電気学会(IEEE)発行の『IEEE access』に2023年9月28日(木)(現地時間)に掲載されました。

【論文情報】
雑誌名:IEEE access
論文名:Energy Efficient Path and Trajectory Optimization of Manipulators with Task Deadline Constraints
DOI10.1109/ACCESS.2023.3320143

(1)これまでの研究で分かっていたこと(科学史的・歴史的な背景など)

近年、様々な場面でロボットの実用化が進み始めている一方で、エネルギー不足の問題は、ロボット分野のみならず、世界的な問題として深刻化しています。ロボットのエネルギー効率が低いと、エネルギーが無駄に消費されてしまいます。人間は、身体に多くの関節を持ち、手の位置が同じでも様々なポーズで実現することができ、楽な姿勢をすればエネルギー消費は減ります。人間と同じく、ロボットがどのように動くかによってエネルギー消費は変わります。

そのため、ロボットが腕を動かして作業をする際の手の位置が同じであっても、どのように動くかをロボット自身が自動でエネルギー消費の少ない運動を求める計算ができれば、ロボットの運動時のエネルギー消費を低減できます。しかし、腕や足は複数の関節から成ることでその計算が複雑となるため、運動に対して膨大な時間が必要でした。また、ロボットの動く軌道と、その軌道を実現する際の各時間の加減速を同時に考慮することは困難でした。

(2)今回の研究で新たに実現しようとしたこと、明らかになったこと

ロボットのエネルギー消費を低減する方法として、ロボットができる運動範囲の中からエネルギー消費の少ないポーズを考慮できれば、作業時間の一部はエネルギー消費の少ないポーズを経由して動くことができます。また、ロボット内にバネがある場合にはバネがロボットの腕の重さを支えてくれるポーズをとるなど、ロボットの取れる範囲で最適な動作を計画することができると考えました。さらに、ロボットに指示する作業完了時間に余裕がある場合は、作業時間すべてを使ってゆっくり動くよりも、エネルギー消費の少ない楽な姿勢で待機しておき残りの時間で動く運動も、エネルギー消費を低減することには有効です。

そこで本研究では、次世代コンピューティングの一つであるアニーリング方式に属する富士通株式会社の量子インスパイアード技術「デジタルアニーラ」を用いて、ロボットの構造に応じたエネルギー消費の少ない運動を高速で計算する手法(次項「(4)そのために新しく開発した手法」参照)を提案しました。本手法では、従来の運動生成手法よりもはるかに高速に、ロボットの可動範囲全体を考慮した低エネルギー消費の運動を生成できることがわかりました。一例として、従来はロボットの運動を数式として表現して連続的に計算する手法である内点法*3を用いて440秒かかっていた3秒間のロボット運動生成を、「デジタルアニーラ」による計算100秒で完了できました。旧来比で4倍以上の圧倒的な高速性を示すことができました。また、ロボットアームを前に伸ばす動作や、腕を上げる動作をシミュレーションし、ロボットの各部の重さや長さ、ばねの有無などを考慮してエネルギー消費を計算することで、腕を伸ばす際に短い状態で待機してから伸ばす動作や、腕を上げる際に真上にゆっくり上げてから少し前に出すような動作が生成されました(図2)。さらに、ロボット内にバネがある場合には、ばねが支えられる範囲で腕の重さを支えてもらえる位置に腕を移動した後、目標に到達する運動が生成されました。これらによって、一般的な比較対象として用意した、運動の開始地点から終了地点までの等速直線軌道を通った場合に対して、関節に必要な力の合計が約10%減少でき、エネルギー消費が少なくなりました。

(3)そのために新しく開発した手法

本研究が解くロボットの運動生成問題は、ロボットの運動時のエネルギー消費を最小化する離散化された一連のロボットアームの手の位置を求める最適制御問題として定式化します。本研究で提案する運動計画法は、主に以下の①~⑤からなる5つのステップから構成されます。

  1. ロボットの手の可動範囲を離散化する。
  2. 離散化された手の位置とそれらの組合せにおける各関節角度、角速度、角加速度を計算する。
  3. 実行する作業に応じて目的関数と制約条件を設定する。
  4. コスト最小化問題を二次制約なし二値最適化(QUBO)に変換する。
  5. イジングマシンによる最適化計算を行う。

空間内でのロボットの幅広い動作を単純化するために、ロボットの手の位置を離散化します。従来は、ロボットの運動方程式を構築し連続最適化問題として解く手法が提案されていましたが、ロボットのダイナミクスが複雑であると運動方程式も複雑になり数学的に解くことが難しいことが大きな課題でした。そこで、ロボットの手の位置の時間変化が軌道であるとして連続的な軌道を各瞬間の手の位置の組み合わせと考え、各瞬間にどの手の位置にあるかを組合せ最適化計算によって求めます。ロボットが消費するエネルギーはある時刻に手先位置がどのように変化したかによって計算できるため、離散化した手の位置の中から、手の位置同士の組合せごとに必要なエネルギーを計算し、ロボットのエネルギー消費ライブラリ*4を作成します。このデータから、各時刻の手先位置変化に必要なエネルギーの運動開始から終了までの合計が最小となる手の位置の一連の組み合せを求めます。

本研究では、量子現象に着想を得たデジタル回路設計により複雑な組合せ最適化問題を高速に解くことに特化した技術である、富士通の「デジタルアニーラ」を用いました。これにより、シミュレーテッド・アニーリング*5などの従来の手法よりも高速に組合せ最適化問題を解くことができます。

(4)研究の波及効果や社会的影響

本研究は、ロボットアームを持つ形状のようなロボットであれば汎用的に使用できる技術となっており、論文の中でも複数のロボットアームに対して、それぞれに異なる運動を生成しています。これらによってエネルギー消費を低減できれば、これからロボットが普及していく際にも、ロボットのエネルギー問題を解決することに貢献できると考えます。また、ロボットのエネルギー消費が小さくなれば同じバッテリであっても稼働時間が長くなり、さらには、屋外環境や宇宙など、エネルギー量が限られる空間でのロボットの活躍にも貢献できると期待しています。

(5)今後の課題

現状の課題として、より関節数の多いロボットの運動生成を行うには長い時間を要してしまいます。最適化を行う範囲を段階的に設定して最適化するなどによって、さらに大規模な運動生成を高速に計算する手法が求められます。今後は、ロボットでの様々な運動生成の実証を進めるとともに、ロボットの大きさや重さだけでなく、各部の構造の違いとしてギヤの違いなどをさらに考慮していくことを目指します。

(6)研究者のコメント

最先端の量子インスパイアード技術を用いることで多くのロボットのエネルギー消費低減に貢献できる技術を開発できました。複雑なロボットの運動は既存の計算手法では解くことが難しく、量子コンピューティング技術を用いることでロボット技術もさらに発展すると思うので、これからも研究を進めます。

(7)用語解説

1 量子インスパイアード技術

量子現象に着想を得たコンピューティング技術で、現在の汎用コンピュータでは解くことが難しい「組合せ最適化問題」を高速で解く技術

2 「デジタルアニーラ」

現在の汎用コンピュータでは解くことが困難な組合せ最適化問題を高速に解く富士通独自の量子インスパイアード技術。Fujitsu Computing as a Service Digital Annealer として提供。

3 内点法

連続最適化問題のアルゴリズムであり、特に大規模な問題を高速に解くことができる。

4 エネルギー消費ライブラリ

本研究で用いる、ロボットがあるポーズからあるポーズに短時間で運動するとどの程度のエネルギーを消費するかを、ロボットが実行可能なポーズすべてについて計算しまとめたもの。

5 シミュレーテッド・アニーリング

「焼きなまし法」とも呼ばれ、大域的最適化問題へのアプローチ方法の一つ。金属を熱してから冷ます焼きなましの工程をコンピュータ計算に応用しており、最適化問題を解くために古くから使われている。

 (8)論文情報

雑誌名:IEEE access
論文名:Energy Efficient Path and Trajectory Optimization of Manipulators with Task Deadline Constraints
執筆者名(所属機関名):Takuya Otani (Waseda University)、 Makoto Nakamura (Fujitsu Ltd.)、Koichi Kimura (Fujitsu Ltd.)and 、Atsuo Takanishi (Waseda University)
掲載日:2023年9月28日
掲載URL:https://ieeexplore.ieee.org/document/10266335
DOI:10.1109/ACCESS.2023.3320143

 

 

 

進む、医理工研究交流(第3回日本医科大学・早稲田大学合同シンポジウム開催報告)

著者: contributor
2023年10月16日 10:55

2023年9月30日(土)、第3回「日本医科大学・早稲田大学合同シンポジウム~両校の実質的連携を目指した研究交流~」を日本医科大学橘桜ホールにおいて開催しました。

日本医科大学と本学との連携は、2009年に締結した包括協定から始まり、実質的な研究連携への合意(2020年)を経て、本学附属校・系属校との高大接続連携に関する協定(2020年)へと発展してきました。2021年度からは、日本医科大学で選抜された3年生を、本学の理工系研究室に3週間迎え入れて交流を図る「研究配属」も実施しています。

シンポジウム冒頭の開会挨拶で、日本医科大学学長の弦間昭彦氏から、合同シンポジウム等を通した両大学の対話により、公的資金の獲得や論文という形で具体的な成果が現れつつあること、また、今後の一層の発展へ向けた期待が述べられました。続いて、早稲田大学副総長の須賀晃一から、研究面のみならず、高大接続連携や日医大3年生の3週間の研究配属など、教育面での連携についても着実に歩を進めており、研究と教育の両輪でさらに連携を進めることで、社会に貢献していきたいとの意気込みが語られました。

左:日本医科大学学長の弦間昭彦氏、右:本学副総長の須賀晃一

開会挨拶に続く第一部の研究紹介では、日本医科大学2名、本学2名の研究者が研究紹介を行いました。

  • 澤田 秀之(早稲田大学理工学術院 教授)
    「温度と微小振動刺激を利用した化学療法誘発性末梢神経障害性疼痛の診断法の開発」
  • 山口 博樹(日本医科大学血液内科学 教授)
    「医工連携による造血幹細胞移植診療における新規バイオマーカーの探索」
  • 酒井 哲也(早稲田大学理工学術院 教授)
    「人を救うコンピュータサイエンスに関するいくつかの話題」
  • 福原 茂朋(日本医科大学分子細胞構造学 教授)
    「血管透過性の制御機構と疾患・加齢によるその破綻メカニズム」

研究紹介の様子(左から、澤田教授、山口教授、酒井教授、福原教授)

第二部では、日本医科大学生が早稲田大学における研究配属の成果発表を行い、優秀研究賞1件が選ばれました。

 

 

成果発表・質疑応答の様子

左から、本学副総長の須賀晃一、優秀研究賞を受賞した日本医科大学生、日本医科大学学長の弦間昭彦氏

閉会挨拶では、まず本学常任理事の本間敬之から、日本医科大学が持つニーズと、本学がもつ手法や材料とをマッチングさせることで今回講演があったような素晴らしい成果が得られるので、今後もそのような機会を広げていきたいとの抱負が語られました。また、日本医科大学大学院医学研究科長の桑名正隆氏から、早大附属校・系属校生の日本医科大学への推薦、日本医科大学生の研究配属、研究者間の共同研究等を通じて世代を超えた幅広い交流ができており、これらが今後のさらなる両校の発展につながるものと期待しているとのお言葉がありました。

左:本学常任理事の本間敬之、右:日本医科大学大学院医学研究科長の桑名正隆氏

今後も、日本医科大学と本学は、研究と教育との両輪で医理工連携を推進し、社会に貢献してまいります。

ノーベル物理学賞「アト秒関連技術」に関する新倉教授のコメントがメディアで紹介されました

著者: staff
2023年10月9日 10:29

2023年度のノーベル物理学賞は「アト秒関連技術」でした。
アト秒科学の黎明期から研究を行っている先進理工学部応用物理学科・新倉弘倫教授のコメントがNHKや新聞などのメディアで紹介されました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231003/k10014213781000.html
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC0277D0S3A001C2000000/
https://mainichi.jp/articles/20231003/k00/00m/040/280000c

【PEP卓越大学院プログラム】2024年1月実施_7期生(2024年4月進入・編入)選抜試験(SE)情報更新しました_2023.09.27

著者: staff
2023年9月27日 12:36

文部科学省卓越大学院プログラム
「パワー・エネルギー・プロフェッショナル育成プログラム」
2024年1月実施の7期生(2024年進入・編入)選抜試験(SE)に関する情報更新致しました。

理工HP大学院入試ページの中のPEPSE情報ページ(募集要項・出願書類)
https://www.waseda.jp/fsci/admissions_gs/guidelines/pep/

量子コンピュータのアルゴリズム開発

著者: contributor
2023年9月6日 12:54

Quanmatic社、英国OQC社と早稲田大学

量子コンピュータのアルゴリズム開発における基本合意書を締結

アルゴリズムに強みを持つ早稲田大学発のスタートアップ 株式会社Quanmatic(東京都新宿区、代表取締役:古賀 純隆、以下、Quanmatic)、欧州のゲート式量子コンピュータ*1のリーディングプレーヤである英国Oxford Quantum Circuits社(英国レディング、CEO:イラーナ・ウィスビー、以下、OQC)早稲田大学グリーン・コンピューティング・システム研究機構(東京都新宿区、機構長:木村啓二、以下、早大GCS機構)は、2023年8月29日(火)にOQCのゲート式量子コンピュータを用いたアルゴリズム開発における基本合意書(Memorandum of understanding:以下基本合意書)を締結いたしました。

本基本合意書は、Quanmatic・OQC・早大GCS機構がOQCのハードウェアにおいて効率的に動作するアルゴリズムの開発と、現実問題への応用を目指すことを目標にしております。継続的な共同開発を行うことにより、ゲート式量子コンピュータによる実社会の課題の解決の早期実現を目指します。当面は早大GCS機構の戸川研究室が強みを持つ最適化の近似解アルゴリズムを現状のOQCのLUCY*2をベースに開発し、OQCの次世代ハードウェアであるTOSHIKO*3のリリースに伴い更に量子ビット数を増加させたハードウェアで、更に幅広いアルゴリズムを開発します。

Quanmatic 代表取締役社長 古賀純隆氏のコメント

この度は、欧州に拠点を置くゲート式量子コンピュータのリーディングプレーヤであるOQCと協業できることを誇りに思います。1日も早い量子コンピュータを用いた社会の重要課題の解決に努めてまいります。

OQCジャパン カントリーマネージャー 杉浦敦氏のコメント

Quanmatic様、早稲田大学様のアルゴリズム開発プラットフォームとして協業に参加することを光栄に思います。OQCはワールドクラスの量子コンピューティング・アズ・ア・サービスプラットフォームをシームレスに提供し、その高い可用性と信頼性により開発をより一層推進することに貢献します。

早稲田大学 戸川望教授のコメント

OQC社の量子コンピュータの実機と、Quanmaticの量子ソフトウェアに、大学の研究成果として得られた基盤的な量子アルゴリズムを導入することで、大きく量子アルゴリズム研究が進むことを期待しております。

用語解説

*1:ゲート式量子コンピュータ

量子力学を利用した汎用計算機。

*2:LUCY

OQC社が開発・運用しているゲート式量子コンピュータで、ヨーロッパで初めて商用に稼働したシステム。プライベート接続のほか、Amazon Braketからも利用が可能。

*3:TOSHIKO

OQC社が開発している次世代のゲート式量子コンピュータ。商用のデータセンターに設置され、Enterprise Ready Quantum Solutionとして広く一般に量子コンピューティング・アズ・ア・サービスを提供する。

【株式会社Quanmaticについて】

Quanmatic社は、量子関連技術の活用を目的としたコンピュータサイエンスアルゴリズムの開発を目的とし、早稲田大学戸川望教授(Chief Scientific Officer)の研究シーズを元に、CEO古賀純隆、慶應義塾大学田中宗准教授(Chief Technology Officer)とChief Product Officer武笠陽介の4名で2022年10月に設立したスタートアップです。アルゴリズム知財をビジネス課題に適用するための最適化エンジンの開発を継続して進め、ハードウェアに依存しない汎用的な量子計算技術の効率化ソリューションを展開します。https://quanmatic.com/

【OQCについて】

OQCは、量子コンピューティングの世界的なリーディングカンパニーです。お客様が量子をより身近に利用して、画期的な発見ができるよう支援します。当社の量子コンピュータは、データセンター、プライベートクラウド、Amazon Braketで利用可能です。OQCに関する詳細はこちらにてご覧いただけます。www.oxfordquantumcircuits.com

【早稲田大学戸川研究室について】

早稲田大学戸川研究室は、同大理工学術院基幹理工学部情報通信学科ならびに同大グリーン・コンピューティング・システム研究機構で研究教育活動を行っております。量子ソフトウェア、量子アプリケーションなどを研究開発し、産官学が連携して社会課題の解決を目指しています。 https://www.togawa.cs.waseda.ac.jp/professor.html

雲水の野外観測で初めてAMPsを検出

著者: contributor
2023年8月23日 17:33

雲水の野外観測で初めてマイクロプラスチックの存在を実証

雲水中のマイクロプラスチックが想定以上に環境および健康リスクを高めていることが明らかに

発表のポイント

  • これまで、野外観測により雨水から大気中マイクロプラスチック(AMPs)が検出されてきましたが、雲水中にAMPsが含まれていることは実証されていませんでした。
  • 本研究グループは、自由対流圏*1に位置する富士山頂(標高 3,776 m)、大気境界層に位置する富士山南東麓(標高1,300 m)、および丹沢大山山頂(標高1,252 m)で2021年から2022年にかけて雲水44試料を採取し、世界で初めて雲水の野外観測によりAMPsの存在を明らかにし、その特徴や起源を解明しました。
  • 本研究により、雲水中ではカルボニル基などの親水基を有するAMPsが濃縮され、本来は親水基を有しないポリエチレン、ポリプロピレンも紫外線劣化が進行することにより、これまでの想定以上にAMPsが雲凝結核*2や氷晶核として機能し、環境および健康リスクを高めていることが明らかになりました。

概要

早稲田大学理工学術院大河内 博(おおこうち ひろし)教授、同理工学術院博士後期課程4年の王 一澤(おう いちたく)、東洋大学理工学部応用化学科の反町 篤行(そりまち あつゆき)教授、およびPerkinElmer Japan合同会社をはじめとする研究グループは、雲水中に含まれる大気中マイクロプラスチック(Airborne MicroPlastics: AMPs)存在量と特徴を解明することに初めて成功しました。

マイクロプラスチックによる大気汚染の危険性が叫ばれる中、本研究成果はAMPsの実態解明の一貫として雲水中AMPsの存在量を明らかにすることで、まだ黎明期である同分野の今後の研究の必要性と新たな課題を浮き彫りにしました。

図1:大気中マイクロプラスチックの想定される起源と環境リスク

本研究成果は、『Environmental Chemistry Letters』誌(論文名:Airborne hydrophilic microplastics in cloud water at high altitudes and their role in cloud formation)にて、2023年8月14日(現地時間)にオンライン掲載されました。

(1)これまでの研究で分かっていたこと

自由対流圏は風速が強いため、主要な大気汚染物質の長距離輸送経路であるといえます。大気中マイクロプラスチック(AMPs)も自由対流圏エアロゾルから検出されており、自由対流圏を通じて極域に輸送されていることが先行のモデル研究によって明らかにされています。極域生態系は脆弱であることから、大気を通じて大量のAMPsが輸送されると、重大な環境破壊が懸念されます。
AMPsは大気中を輸送されるだけではなく、上空では紫外線が強いことから、地上部よりも劣化速度が速く、温室効果ガスであるメタンや二酸化炭素を放出したり、雲凝結核や氷晶核として雲形成を促進する可能性が指摘されています。

これまでの野外観測により、雨水からはAMPsが検出されています。プラスチックは疎水性であるために水をはじきますが、紫外線劣化したり、有機汚染物質や重金属が表面吸着すると親水性になることが指摘されてきました。しかしながら、雲水中にAMPsが含まれていることは野外観測により実証されていませんでした。

(2)今回の研究で新たに実現しようとしたこと、明らかになったこと

世界ではじめて雲水の野外観測によりAMPsの存在を明らかにし、その特徴や起源を明らかにすることを目的として、自由対流圏に位置する富士山頂(標高 3,776 m)、大気境界層に位置する富士山南東麓(標高1,300 m)、丹沢大山山頂(標高1,252 m)で2021年から2022年にかけて雲水44試料を採取しました。

図2:雲水の採取地点

この結果、3地点で雲水から合計70個、9種類のAMPsを検出しました。さらに、PM2.5と比較すると雲水ではポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド6(PA)、ポリカーボネート(PC)などカルボニル基を有するポリマーが多く、本来はカルボニル基を有さないポリプロピレン(PP)では紫外線劣化が進行したものが多いことを明らかにしました。形状は破片状が多く、平均濃度は3地点で6.7~13.9(個/L)であり、実粒径は7.1~94.6 μmでした。さらに、後方流跡解析により、自由対流圏の雲水中AMPsの起源として、海洋マイクロプラスチックの飛散および輸送が重要である可能性が示されました。

図3:雲水中AMPsの実粒径分布と形状割合

 

図4:雲水中AMPsの個数濃度とポリマー組成(PE:ポリエチレン、PP:ポリプロピレン、PE/PP:エチレンプロピレン共重合体、PUR:ポリウレタン、PA:ポリアミド6、PC:ポリカーボネート、AR:アクリル樹脂、EP:エポキシ樹脂)

 

(3)そのために新しく開発した手法

PerkinElmer Japan合同会社との共同研究により、µFTIR ATRイメージング法*3によるAMPs計測手法の新規開発に取り組み、最小粒径で2 µm程度までの計測を可能にしました。また、AMPs劣化度評価とともに劣化度を考慮したAMPs専用データベースを新たに構築しました。作業効率と定量精度向上のために最終ろ過面積(Φ4mm)の22.4 %計測を標準とし、低濃度試料分析では最終ろ過面積をΦ1 mmに絞り、全面積70 %以上の計測を可能としました。

(4)研究の波及効果や社会的影響

本研究により、カルボニル基を有するAMPsが雲水中に濃縮されていることが明らかになったことから、カルボニル基を有する汎用プラスチックのみならず、本来は親水基を有しないポリエチレン、ポリプロピレンも紫外線劣化が進行することにより、カルボニル基や水酸基などの親水基を有することにより、モデル研究による想定以上に雲凝結核や氷晶核として機能している可能性が高いことが明らかになりました。

 

図5:カルボニルインデックスとヒドロキシルインデックス*4によるポリプロピレン劣化度評価

 

AMPsの雲形成能が高ければ、太陽光をより散乱して放射収支に影響を及ぼすとともに、降雨量分布を変化させ、気候変動に関与している可能があります。また、気候変動のみならず、健康リスクも懸念されます。雨水はすべての陸水の源ですが、雲水にAMPsが含まれていれば「プラスチックの雨」が地上に降り注ぐことになります。すなわち、AMPsを空気から直接、肺に取り込むだけではなく、雨水として地上に降りそそぐことにより水源を汚染し、陸水を利用する農業や畜産業を通じて体内摂取量を増大させ、健康リスクを高める可能性があります。今後、AMPsの存在量とその環境および健康リスクについての知見をさらに集積することが重要となります。

(5)今後の課題

本研究では、雲水中AMPsの実態解明を国内山間部3箇所で行いましたが、全容解明にはほど遠い状況です。全世界における高所山岳域、航空機を用いた陸域および海洋の雲水中AMPsの実態解明が必要となります。そのためには、国際ネットワークの構築が喫緊の課題といえます。
一方、AMPsの紫外線劣化に伴うメタンや二酸化炭素放出量の実測およびモデル研究はほとんど行われていません。AMPsが地球温暖化に影響するのか、地球冷却化に影響するのは未だに未解明であり、地球温暖化の将来予測において不確実性を増大させている可能性があります。

(6)研究者のコメント

本研究は、AMPsの実態解明の一貫として、雲水中AMPsの存在量と特徴を明らかにしたものです。AMPsの先行研究は手法が統一されておらず、十分な精度管理も行われていない状況です。AMPs研究は黎明期であることから、産官学民連携のオールジャパンでAMPs研究を推進し、世界をリードしてまいります。

(7)用語解説

※1 自由対流圏
対流圏内の大気境界層上空にある、地上からの直接的な影響を受けにくい高度約2から2.5 kmより上空の大気層のことです。自由対流圏は、地上から放出される大気汚染物質の影響を直接受けないのでバックグランド大気とも呼ばれています。

※2 雲凝結核
大気中では吸湿性粒子が存在しており、相対湿度が100%(水飽和)を超えると微水滴(雲粒)が形成されます。これらの吸湿性粒子は一般的には凝結核(condensation nucleus)といい、1~2%未満の水過飽和度で雲粒の大きさまで成長するものを雲凝結核(cloud condensation nucleus: CCN)と呼びます。

※3 µFTIR ATRイメージング法
プラスチック分析に使用される代表的な方法が、フーリエ変換型赤外分光法(Fourier Transform Infrared Spectroscopy; FTIR)です。数mm程度の大きさであればFTIRで分析可能ですが、100 µm以下の微小な物質をFTIRで判別する場合には顕微FTIR (micro FTIR; µFTIR)が利用されます。
大気中マイクロプラスチックを前処理後に集めた最終フィルタ上の広い面積を、可能な限り小さな領域に分割するので計測には非常に時間がかかります。このような広い面積の膨大なスペクトルを高速、高感度で取得する技術が赤外イメージング(FTIRイメージング)です。ATR(Attenuated Total Reflection)イメージングは、サンプルにATRクリスタルと呼ばれる高屈折率の光学結晶を接触させた状態でイメージング測定する方法であり、FTIRイメージング測定法の中で最も小さいものが測定できる技術です。

※4 カルボニルインデックスとヒドロキシルインデックス
光酸化されたPEやPPには分子量低下、カルボニル基や水酸基の生成と増加、サンプル表面の多数の割れや孔の発生などが観察されます。カルボニルインデックス(carbonyl index)やヒドロキシルインデックス(hydroxyl index)はプラスチックの劣化度の指標であり、プラスチックの光酸化によって生成したカルボニル(C=O)ピークの吸光度とベースとなるメチレン(CH2)ピークの吸光度の比、水酸基(OH)ピークの吸光度とベースとなるメチレン(CH2)ピークの吸光度の比から算出されます。

(8)論文情報

雑誌名:Environmental Chemistry Letters
論文名:Airborne hydrophilic microplastics in cloud water at high altitudes and their role in cloud formation
執筆者名(所属機関名):王 一澤1、 大河内 博1、 谷 悠人1、 速水 洋1、 皆巳 幸也2、 勝見 尚也2、竹内 政樹3、 反町 篤行4、 藤井 佑介5、 梶野 瑞王6、 足立 光司6、 石原 康宏7、 岩本 洋子7、 新居田 恭弘8
(1早稲田大学、 2石川県立大学、 3徳島大学、 4東洋大学、 5大阪公立大学、 6気象研究所、 7広島大学、8 PerkinElmer Japan合同会社)
掲載日時(現地時間):2023年8月14日
掲載URL:https://doi.org/10.1007/s10311-023-01626-x
DOI:10.1007/s10311-023-01626-x

(9)研究助成(外部資金による助成を受けた研究実施の場合)

研究費名:(独)環境再生保全機構環境研究総合推進費(JPMEERF20215003)
研究課題名:大気中マイクロプラスチックの実態解明と健康影響
研究代表者名(所属機関名):大河内 博(早稲田大学)

 

8/5(土)8/6(日)オープンキャンパスを開催します!

著者: staff
2023年7月7日 15:56

WASEDA University OPEN CAMPUS 2023

8月5日(土)、6日(日)の二日間にかけて、オープンキャンパスを開催いたします。

早稲田大学の歴史・学び・国際交流・キャンパスライフ・入試情報など、入学後の学生生活がリアルにイメージできる企画が盛りだくさんです!
プログラムの詳細は、会場ごとに「企画・タイムテーブル」よりご確認ください。

来場に際して、事前予約は不要です。入退場も自由となっております。
ただし、一部のプログラム(キャンパスツアー、寮見学、実験体験など)は事前に予約が必要です
予約が必要なプログラムの予約受付開始は7月10日(月)17:00を予定しています。
プログラム予約サイト:OCANsよりご予約下さい。

西早稲田キャンパスで行われる模擬講義・企画およびタイムテーブルは、こちらのガイドブックからご確認いただけます。

AIとヒトの未来 どう共生していけばいいの? AIロボット研究所の教授に聞きました

著者: contributor
2023年6月21日 16:28

2022年の終わり頃から、「ChatGPT」をはじめとする生成系人工知能(以下、生成AI)が大きな話題を呼んでいます。ChatGPTは入力欄に聞きたいことを打ち込むと、まるで人と話しているかのように答えを返してくれる対話型のAIです。その利便性の高さから、従来の検索エンジンに替わる新たなツールとして注目されています。

こうしたAIは私たちの暮らしや未来をどう変えていくのでしょうか。また、私たちはAIとどう付き合っていけばいいのでしょうか。今回は早大生が実際にChatGPTを体験した上で、早稲田大学の「AIロボット研究所」の尾形哲也教授と河原大輔教授に話を聞きました。

【7/28開催・事前申込】第9回 Rikoh ティータイムシンポジウム のお知らせ(理工学術院共催・キャリアセンター後援)

著者: contributor
2023年6月15日 09:44

「Rikohティータイムシンポジウム」は、理工系研究者や技術者を目指して勉強や研究に励む学生や研究者の皆さんに、おそらく何年か後に、あっというまにおとずれるかもしれない人生の岐路のいくつかについて、身近に、そして具体的にイメージできる場の提供を目的として、2015年から開催しています。

第9回を迎える今回のテーマは「大学院のすゝめ」。

「大学院での学び」に焦点を当て、大学院博士課程から企業・大学で活躍されているお二人をお招きします。大学院への進学、その後それぞれの道を選択し、歩みをすすめていらっしゃる講師の話を聞いて、ぜびご自身のキャリアや将来像を考えるヒントを見つけてください。

第2部では、講師・司会の他、本学大学院生(修士・博士)にも参加いただき、参加者の皆さんからの質問、疑問にお答えしていきます。ディスカッションを通して何らかのヒントを学び取ってください。

※クリックするとPDFをご覧いただけます

日時

2023年728日(金)15:30 – 17:15(受付開始15:15)

対象

本学の理工系研究者・学生・関係教職員 附属・系属校生徒

会場

西早稲田キャンパス 63号館202教室
※Campus Map

オンライン(Zoomウェビナー)
※当日会場での参加が難しい場合は、オンライン参加も可能です。申し込み時にオンライン参加を選択された方にのみウェビナー情報をお送りします。

言語

日本語

申込方法

事前申込制(以下申込フォームからお申し込みください)


当日のご案内はイベント前日までに登録いただきましたメールアドレス宛にお知らせいたします。

スケジュール(予定)

■第1部(講師講演)
15:30 開会・挨拶
15:35 講師講演
16:10 第1部終了予定

■第2部(講師・大学院生と参加者によるパネルディスカッション)
16:10 キャリア講義(司会より)
16:20 講師・大学院生と参加者によるパネルディスカッション
17:00 自由歓談
17:15     第2部終了・閉会予定

講師(アドバイザー)

橋田 朋子(HASHIDA Tomoko) 氏 理工学術院教授

<略歴>
2003年 東京藝術大学音楽学部楽理科卒業
2008年 東京大学大学院学際情報学府博士課程単位取得退学

博士(学際情報学)。東京大学(IML・情報理工学系研究科)特任研究員, 早稲田大学基幹理工学部表現工学科専任講師, 同准教授を経て2021年より現職。よく知っているようで思いがけないモノ・コトを作り、身近な対象の再発見や新たな価値化を目論む研究・作品制作に従事。 https://tomokohashida.tumblr.com

<メッセージ>
大学院では恩師や尊敬する研究者仲間をはじめ、沢山の人との出会いに恵まれました。また授業や研究に加えて、多様なプロジェクトやアウトリーチ活動の機会があり、社会との接点を感じながら活気のある毎日を送りました。私は学部と大学院で大きく専門を変えましたが、好奇心の赴くままに全力投球していると、色々な方が力になって下さり、分野もキャリアも道が開けたように思います。このシンポジウムでは皆さんがポジティブに未来を考えるお手伝いができたら嬉しいです。

新里 絵美(NIISATO Emi)氏 ユーシービージャパン株式会社 メディカルアフェアーズ本部 ニューロロジーメディカルサイエンス部 メディカルサイエンスリエゾン

<略歴>
2003年 – 2007年3月 明治大学理工学部物理学科卒業
2007年 – 2008年9月 University of Edinburgh, College of medicine and veterinary medicine, School of Biomedical Science 卒業
2009年 – 2012年3月 早稲田大学大学院先進理工学研究科生命医科学専攻 博士後期課程修了 博士(理学)

2010年10月 – 2010年12月 ベーリンガーインゲルハイム ジャパン株式会社
所属:Molecular & Cellular Biology Department
役職:研究員(インターンシップ)
2012年4月 – 2016年10月 シーメンスヘルスケア株式会社
所属:カスタマーサービス本部 アプリケーション事業部
役職:アプリケーションスペシャリスト
2016年 – 2020年10月 Siemens Healthcare Limited, Taiwan
所属:マーケティング部 ダイアグノスティック
役職:MRリサーチコラボレーションサイエンティスト
2020年 12月 – 現在 ユーシービージャパン株式会社
所属:メディカルアフェアーズ本部 ニューロロジーメディカルサイエンス部
役職:メディカルサイエンスリエゾン

<メッセージ>
国内女性の博士課程進学者はまだまだ少ないですが、幸運なことにそれを壁に感じたりすることもなく、高校生の頃から研究者になりたいと思っていました。ところが、海外で修士課程を卒業したことをきっかけに、博士課程に進んだ後は企業で働きたいと強く思うようになりました。国内外の医療機器業界で8年勤めた後製薬業界にシフトチェンジした経験を持つので、将来様々な可能性が広がっていることをお伝えできればと思っています。

※司会進行:高山 あかり 氏 早稲田大学理工学術院 准教授

主催

早稲田大学ダイバーシティ推進室

共催

早稲田大学理工学術院

後援

早稲田大学キャリアセンター

参加にあたっての注意事項
  • イベントの撮影、録画、録音は固くお断りいたします。
  • イベント後、「開催報告」として記事をWEBサイト等に一部公開いたします。そのため、イベント内容を録画、会場の様子を写真撮影いたします。あらかじめご了承ください。
特別な配慮が必要な方へ

ご参加にあたり、特別な配慮を希望される方は、6月30日(金)までに[email protected]へご希望の内容をお知らせください。
事前にご相談のうえ、可能な範囲で対応をさせていただきます。

お問い合わせ先

早稲田大学ダイバーシティ推進室
E-mail:[email protected]

 

令和5年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 受賞コメント

著者: contributor
2023年6月5日 14:48

令和5年度科学技術分野の文部科学大臣表彰」において、本学から5名の研究者が受賞しました。
科学技術の発展等に寄与する可能性の高い独創的な研究又は発明を行った研究者を表彰する「科学技術賞(研究部門)」に理工学術院の 尾形哲也教授、柴田重信名誉教授、竹山春子教授、ゲスト・マーティン教授、萌芽的な研究・独創的視点に立った研究等高度な研究開発能力を示す顕著な研究業績をあげた若手研究者を表彰する「若手科学者賞」に、理工学術院の水内良専任講師が選ばれました。
以下に、各受賞者のコメントを掲載いたします。

科学技術賞 研究部門

受賞業績:深層予測学習によるロボットのマルチタスク学習に関する研究
理工学術院 尾形 哲也 教授

受賞コメント
この度は、「深層予測学習によるロボットのマルチタスク学習に関する研究」に対し、文部科学大臣科学技術賞を受賞することができ、大変光栄に思っております。ロボットの知覚と身体運動の実時間予測を深層学習により実現することで、ロボットが複数のタスクを学習し、実世界での活動を自律的かつ効率的に行える方法論を追求しました。今回の研究成果は、ロボット工学の分野における新たな展望を切り拓くものであり、今後、産業応用、医療分野、災害対応など実社会の多様な分野への応用が期待できると考えています。受賞には、これまでに研究に関わってくれた多くの皆様の協力と支援がありました。改めて受賞に対して心からの感謝の意を表し、これからも一層の研究成果を追求していく覚悟をお伝えしたいと思います。ありがとうございました。。

受賞業績:時間栄養と時間運動の確立と健康科学への応用研究
理工学術院 柴田 重信 名誉教授

受賞コメント
この度は、栄誉ある科学技術賞 研究部門を頂戴し、大変光栄に存じております。この研究にかかわっていただいた皆様、特に研究室所属の大学院生スタッフ、さらに共同研究先の方々には大いに感謝しております。
本研究は、体内時計に支配される時間軸の健康科学を推進する一環として、食事や栄養素を摂るタイミングや運動のタイミングの重要性を学問的に明らかにしました。従来、健康維持には食物の内容、調理法、量についての要素が重要視されてきましたが、今回の発見により同じ食物でも朝食や夕食で効果が異なるなど摂取するタイミングも重要な要素であることが分かりました。運動も然りで、運動効果に対するタイミングの違いを明らかにしてきました。時間栄養学や時間運動学という新たな学問分野が開拓され、時間軸の健康科学の発展が期待されます。
引き続き、研究成果の社会実装に向け研究を続けており、今後ともご指導ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。

受賞業績:シングルセル技術による環境有用微生物の深層解析研究
理工学術院 竹山 春子 教授

受賞コメント
科学技術賞を頂くことができて大変光栄に思います。研究を支えてくださった先生方、研究室のスタッフ・メンバーには深く感謝いたします。
先進理工学部生命医科学科創立とともに研究室を立ち上げ、今回受賞に至った環境微生物のシングルセル解析技術の開発研究をスタートしました。環境に存在する多くの難培養性微生物の利活用が目的でした。将来どのような場所でも解析ができる技術を目標として、ドロップレットを用いたシングルセルのハンドリング方法、さらにはゲノム解析と進みました。また、ラマン分光法と出会ったことで、既存の機器分析手法では不可能であったシングルセルレベルでの代謝産物同定を可能とする道が開かれました。微生物シングルセルオミックス解析技術が多くの研究に貢献できるよう、プラットホーム化を産官学連携で進めております。
新技術が新たな道を拓く、という信念で今後もさらなる発展に努めたいと思います。今後とも皆様のご支援よろしくお願いいたします。

受賞業績:tt*方程式および量子コホモロジーに関する一連の研究
理工学術院 ゲスト・マーティン 教授

受賞コメント
I am very honoured to receive the Science and Technology Award in the Research Category. It has been a great privilege for me to have worked as a professor in Japan for more than 20 years, and I deeply appreciate the kindness of my friends and colleagues here, which have made this possible. My research area is differential geometry, a subject which combines algebra and analysis with geometrical ideas. The problems we study are often related to theoretical physics – quantum theory, string theory, mirror symmetry, and so on. Building the mathematical foundations of this area in the 21st century is a huge task, and one that is truly international. Until the 19th century, mathematics was regarded as a subject for brilliant young men (mostly European). In the 21st century the subject is too broad for any one man; everyone is needed: young and old, men and women, black and white, from every country. I would like to express my sincere gratitude for the opportunities I have received to take part in this endeavour.

若手科学者賞

受賞業績:自己複製分子システムを用いた原始生命進化に関する研究
理工学術院 水内 良 専任講師

受賞コメント
この度は文部科学大臣表彰若手科学者賞を受賞し、誠に光栄に存じます。
これまでご指導やご助言賜った先生方、選考委員の皆様に心より感謝申し上げます。本研究では、生命の起源という自然科学の根源的な問いに挑戦しました。原始生命の痕跡は現存生命や化石には残っておらず、これまではその進化過程を推測するほかありませんでしたが、原始生命を模擬した分子のシステムを試験管内で構築し、それを実験室の中で進化させることで、原始生命にありえた進化の道筋を直接観察できるようになりました。このような基礎研究を高く評価していただいたことを心より嬉しく思っています。
私は本賞の受賞とともに、2023年4月に早稲田大学に着任し、新たに研究室を主宰しております。これからは研究室メンバーと共に生命の起源の謎に迫り、また研究成果を合成生物学における技術開発へと繋げていきたいと考えています。今後ともご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

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